なぜ横浜に行く事になったのか……
今章はオリジナル増し増しでお送りいたします。
原作映画でのプリキュア同士の絡みが少なすぎるんや……
(1)
体育祭から数日、あの練習期間に毎日長時間顔を合わせていたからか、自然と俺も含めてみんなが不思議図書館に集まることが増えてきていた。
俺自身驚いているのだが、部屋に一人で居るとなんだが物寂しい様な気分になり、れいかだけでなく緑川に黄瀬、日野に星空と五人の顔が浮かんで来るのだ。
そうして誰かいるかと期待して不思議図書館に行くと、結構みんな揃っている事が多く。例え他に誰も居なくても数十分程一人で待って居ると誰かしらはやってくるという状態だ。
そんなわけで金曜日の今日も帰って来てからゴロゴロと寝ているのでは無く、不思議図書館に来て本を読んでいるのだ。
「れいかー?何書いとるん?」
「……道です」
「…………さよか」
勿論俺だけでなく今日も星空以外の全員がこの基地の中に集合して、各自の好きな事をしている。
「ねぇねぇみんな、キャンディ何処に行ったか知らない?」
とうとう最後の一人もやって来たようだ。
「……キャンディいないの?」
「そういえば学校でもキャンディ見なかったね」
「んーそうなの、今日朝起きたら居なくって、学校行ってる間に戻ってるかなぁって思ったんだけど、帰っても居なかったんだよねぇ。それならここに居るのかなーって思ったんだけど……」
「昨日の夜なんか言ってたりしなかったか?」
あのキャンディの事だし勝手に一人で居なくなることはないだろう。
「うーん、何か言ってた気もするんだけど……眠かったからよく覚えてないぃ……」
「なんやん。じゃあそのうち帰って来るやろ。いつも通りここでゆったりして待ってたらええやん」
「んー?そだねぇ……なおちゃーん、わたしお茶〜」
「もー、しょうがないなぁ今入れるからそこで待っててね」
緑川はたまたまキッチンで自分のお茶のおかわりをついでいたのが星空の目に止まったようだ。
「あー、俺もいいか?」
「いーよいーよぉ。もうこの際だからみんなの分も作っちゃうね」
「助かる」
「おー!流石なおー!」
「なおちゃんありがとう」
「ありがとうございます」
ズズっ……
みんなに行き渡ったお茶を啜りながら読書に戻ろうとした時だった。
「みんなー!!」
「あー!キャンディ!どこ行ってたの!?」
窓から飛び込む様にキャンディが基地内に入ってきたのは……
「大変クル!フュージョンがまだ生きててみんなが危ないクル!」
「えぇぇぇええ!!??大変大変!なんとかしなくちゃ!?」
「大変クル!大変クル!」
「大変だ!大変だ!」
『…………………………』
え?これ俺達はどういう反応するのが正解なの?
「フュージョンが復活しちゃうクル!?」
「みんな大変なんだよ?!フュージョンが!」
ぱんっ!
「ひうっ?!」
「クルっ?!」
「みゆきさん、キャンディ、少し落ち着きましょう。そんなに慌てていても何も分かりませんよ」
「う、うん」
「クルぅ……」
流石れいか……騒いでた二人を一瞬で落ち着かせた……
「ねぇねぇ、そもそもさっきからキャンディ言ってるフュージョンってなんなの?」
「せや、それがわからんとウチらもどんな反応していいか分からへんって……まぁみゆきは例外やけど……」
「あかねちゃん酷ーいはっぷっぷー……」
「……ねぇキャンディはフュージョンが何か知ってるんでしょ?」
「クル!フュージョンは悪いやつクル!」
『…………………』
「ぐっ、具体的には?」
「街を壊すクル!」
「……他には?」
「何処に居るの?」
「バッドエンド王国とは違うのか?」
「………………キャンディもよく知らないクル」
沢山の質問に答えられない不利を悟ったのか星空の腕の中に隠れようとする。
……あー、あっ!
「そうだ。キャンディって今日は何処に行ってたんだ?」
よく知らないのに慌ててたって事は今日行ってた所でその危険性を聞いたって事だよな……多分……
「……キャンディは今日は他の国の妖精と会ってたクル」
「……えっ?他の国って事はメルヘンランド以外の国ってことですか?」
「そうクル」
「……他の国なんてあったんだ」
おいおい初耳だぞ……!
「他の国の妖精とプリキュアみんなでフュージョンを倒したお祝いに行ってたクル」
「他のプリキュア?!」
「それってテレビでやってた……」
「横浜の怪物とプリキュア達の戦闘の事だよな……」
「もしかしてその怪物の名前がフュージョンと言うのですか?」
「そうクル!」
あーやっと繋がったな……
「えっ?!ちゅーことはまたあの怪物が復活するかも知れへんって事なん?!」
「大変じゃん!」
「だから大変って言ってるクル!」
確かにテレビのあの怪物がまた暴れるのはやべぇな……
「八幡君、私達も横浜へ行った方がいいのではないでしょうか?」
「ふぁっ?!」
急にれいかに耳元で話されたせいで変な声が出ちまった……
「あっ……ふふっ、ごめんなさい。耳が弱かったんですよね」
「……いや、大丈夫だ。気にすんな///……それより丁度って言っていいのか明日から休みだし、明日から直ぐに向かった方がいいな」
「ええ、手遅れになってしまってはことですからね……」
よし、そうと決まれば……
「みんな!明日から横浜へフュージョンを探しに行こうと思うんだが、予定があるやつはいるか?」
「明日?!」
「無いと言えば無いけど……少し急だよねぇ」
「わたしは大丈夫!」
「キャンディも平気クル!」
いや、キャンディに予定がある日があるのか……?
「……わたしも、ママに言えば大丈夫だと思うけど」
「確かに直ぐにどうこう分かるやつの方が少ないよな……」
「……そうですね。皆さん、今日はこれでお開きにして各自親御さんに相談しましょう。大丈夫な人は明日の朝7時に最寄りの駅前に集合してください。……っと、もしかしたら泊まりがけになるかもしれませんのでその事も含めて、お話と準備の程をお願いいたします」
「そうだな……何か分からない事があったら俺かれいかへ連絡してくれ。俺達二人は明日からの事についてもう少し詰めてから上がることにする……以上だ解散してくれ」
俺がそう締めると続々と立ち上がり帰り自宅を始める。
「あ、食器類は置いていっていいぞ。れいかと話しながら洗っておくから」
「ほんま?助かるわぁ。じゃあお先〜」
「あ!あかねちゃん待ってよ〜!比企谷くん!れいかちゃん!ありがとね!」
「……けいた達はお父さんとお母さんが見てくれるし大丈夫かなぁ……あ、比企谷!れいか!ありがとねアタシも上がるよ」
「えっ!あっ、二人ともありがとう!なおちゃん、わたしももう上がるっ!」
「ふふっ、皆さん仲が良いですね」
「……そうだな。よし、俺達も明日どう動くか詰めるとするか」
「ええ、闇雲に探し回った所で見つかるとは思えませんしね」
カップに残っていたお茶を喉に流し込み立ち上がる。
「俺が洗うかられいかは台拭きでテーブルを拭いておいてくれ」
「分かりました。拭き終わったらそちらを手伝いますね」
「おう、頼む」
みんなのカップを流しに置き水を出しながら、一瞬手が止まった……小町になんて言おう……
翌日、駅前には無事、全員が集まって居た。俺もなんとか小町からの追求を躱し、お土産を買ってくる事を条件に認めてもらった。
「全員集まれたようで安心しました。迷わない様に気を付けて行きましょうね」
「せや、勝手に乗り換えの電車に乗ったらあかんで?みゆき」
「もぉーわたしそんなに子供じゃないもん!」
「あははっ、みんなでの自主的な初めての旅行がフュージョン探しっていうのは残念だけどやるからにはしっかりやらないとね」
「……でもフュージョンってどんな所に居るのかな?」
「……そこは行ってみないとだな。ある程度は昨日のうちに探すコースとかれいかと相談してみたが、所詮は机上の空論かもしれないしな」
「ええ、実際に行って現場を見なければ分からないですからね」
「ふむふむつまりは行けば分かるって事だよね!よーし!出発!進行!!」
俺たちは星空の元気な掛け声と共に駅の構内へと入って行った。
次回から映画本編へ
映画時空なのでテレビで他キュアの事を知ってても大丈夫なんです!ご都合主義バンザーイ!
できるだけいっぱい他キュアと絡ませたい!
次回もお楽しみに!!