先輩達は……まぁ、みゆきちゃん視点ならねぇ……
「おーい!!フュージョーン!!」
「なっ……」
「あ、あらあら……」
市営のバスから降り、無事に目的地に着いた事で油断していた……
「やだぁ……ふふっ」 「あの子どうしたの?」
「変わった子もいるのね……」
まさか開口一番――足の間から覗き込むような体勢で――叫ぶとは思わねぇじゃん……え?えっ?何がしたいの?あとその体勢は何?
「あれぇ?聞こえなかったのかなぁ?すぅー……」
「待っ……!」
「おー「わっ!わっ!待ちぃ!」むぅー?!むむむむぅ?」
ナイス日野ぉ!
「みゆき!何いきなり叫んでんの?!」
「ぷはっ!だってフュージョンって言うのを探すんでしょ?名前を呼べば出てくるかなぁって?」
それで出てきたら苦労しねんだよなぁ……
「おお……なるほど」
えぇ……黄瀬?
「……そこ、納得するところじゃないから」
「呼んで出てくるものなら、わざわざみんなで探しに来たりしませんよ?」
「そうクル!れいかの言うとおりクル」
「えー?じゃあどうやって探せばいいの?」
「そりは……」
『……そりは?』
「そりは……」
『……そりは?』
あ、俺もう結果見えたわ……
「………知らないクルゥ」
『あぁ……』
「やっぱなぁ……」
そんなオチだろうと思ってたわ……
「では電車の中でも話したように二人一組になって少しこの辺りをまわってみましょう。何かあったら直ぐに連絡を入れて合流する事……いいですね?」
『はーい!』
「よーし、見つけちゃうよ!行こあかねちゃん!」
「ちょっ?!そんな引っ張るなや!」
「アタシ達も行こっか?」
「うん、二人ともまた後でね」
「…………………」
あれ?俺まだ二人組決めてないんだけど?決めなくても自然と決まってた感じ?いやまぁれいかとなら良いんだけどさ……
「私達は人通りの少ない海辺のコンテナ置き場に行ってみましょうか?フュージョンも欠片だと聞きますしあまり派手には動かないと思うんです」
「そうだな……人目に触れてる様ならもっと騒ぎになっててもいいはずだしな」
そうしてれいかとコンテナ置き場へ来たのだが……
「……なぁ、ここって入って来て良かったのか?」
「……ええと、立ち入り禁止の看板などは無かったので大丈夫だとは思うのですが……」
『なんだか気味の悪い場所ですね……人の気配も全くしませんし……」
きょうかの言う様にマジで不気味だ……俺はここに死体が置いてあったとしても違和感は感じないな……相当ビビり散らかすだろうけど……
ガタンッ!
『ひっ?!』
れいかとお互いに身を寄せ合う。やっべぇ怖すぎて恥ずかしいとすら思わねぇ……
『そんなに怖がることですか?さて、何が音の原因ですかねぇ」
きょうかは気味悪がってはいるが全く怖がっては居ないようだ。音がした方をコンテナの影から覗き見る。
『あらあら、どうやら当たりの様ですね。ではれいか……』
「んっんん!ええ、お任せ下さい」
れいかは俺から身を離すと身嗜みを軽く整え、何事も無かった様にスマイルパクトを取り出し変身する。
「しんしんと降り積もる、清き心!キュアビューティ!」
変身を終えたビューティが飛び出して行ったので俺もコンテナの影から顔を覗かせると、体育祭の大玉程もある緑色の粘液で出来た顔のある人魂の様なモノとビューティが戦っていた。
『キケェェェ!!』
「はあぁぁぁっ!!」
人魂が突進したり口から光弾を吐き出したりして攻撃しているがビューティは全て躱したりいなしたりして一方的に攻め立てている。
「あれがフュージョンか……聞いてた話よりもでかいな」
キャンディの話だとキャンディ位の大きさだったって聞いたんだがな……
「個体差があるのか……それとも集まってでかくなってるのか……」
考察をしているとビューティの戦いも、もう大詰めのようだ。
「プリキュア・ビューティブリザード!!」
ビューティの手から冷気の奔流が放たれフュージョンを呑み込む。
冷気が晴れた後にはフュージョンは消滅したのかもう何も残っては居なかった。
ブブブブッ!
「ん?ビューティの戦いに集中し過ぎて気付かなかったな……ピッ)比企谷だ」
『比企谷?ウチや!あかねや!』
「おうどうした?フュージョンでも見つけたか?」
『それやったらよかったんやけどなぁ!ちゃうねん、みゆきが居なくなったんや!』
「はあ?!星空の手綱握るのは日野が一番得意だろ!?」
『やかましいわ!ちょっと目ぇ離した隙に居なくなっとったんや。さっきから鬼のように電話かけたんやけど繋がらんねん』
「しゃあねぇ一旦全員で集まるぞ。俺とれいかはコンテナ置き場に居るから日野も来てくれ。緑川と黄瀬には俺の方から連絡する」
『わかった!今行くわ』 プッ
「はぁ……」
「どうしたんです?そんなため息なんてついて」
変身を解いたれいかが戻ってきた。
「どうも星空が迷子になったらしい……日野を一旦この辺に呼んだから合流しよう。緑川達にも今連絡する」
「あはは……みゆきさんらしいと言えばいいのでしょうか?……あ、それはみゆきさんに失礼ですよね……」
「まぁ想定の範囲内だ……あ、緑川か?比企谷だ。実は………………」
「比企谷!」 「れいか!」
声に顔を上げれば来る途中で合流したのか三人が駆け寄ってくる。
「おう、呼び付けたみたいですまんな。さっきまでここでフュージョンと戦ってたからここを集合場所にしたんだわ」
「いいよいいよ、でももうフュージョンを見つけてたんだね。アタシ達の方はまだ全然だよ」
「……うん、流石二人って感じ」
「フュージョンも大事やけどみゆきの方はどうするん?」
「それは私もまだ聞いていませんでしたね。八幡君には何か考えがあるのですか?」
「ああ、ある。まぁ取り敢えず聞いてくれ。この場所、つまりコンテナ置き場なんだが……これが俺とれいかの予想通りかなりの当たり場所だったみたいでな。お前らが到着するちょっと前にもまたフュージョンが出てきてれいか……ビューティに戦ってもらっていたんだ」
「へぇ。じゃあここで待ち伏せするって事?あれ?でもみゆきちゃんは?」
「その事についても今話すからちょっと待てって、まぁ星空は普段はあんなアレだがかなり勘が鋭い……っていうかめっちゃ当たるのは分かるよな」
「ああ確かに……みゆきって妙に勘がいいんねんな……」
そんなんだよ……あいつ妙に勘が冴えてる時があるんだよな……
「本当は連絡が着くのが一番なんだが……俺は星空には繋がらないと確信している。だがあいつは妙な勘の良さでフュージョンを追ってこのコンテナ置き場に来る気がするんだわ。まぁ、だからここを集合場所にしたわけだ」
「嫌な信頼やな……」
「……でも本当に繋がらないみたいだよ?わたし今掛けてるもん」
「人気の無いここら辺で何かでかい物音でもしたら十中八九星空だろ。多分そんな待たずに何かある筈だ」
「いやいや……いくらみゆきでもそんな直ぐに……」
ドーン!!
よし!早速釣れたな!
「んなアホな……」
「少し遠いが、行くぞ!」
『う、うん!』
「ここら辺か?」
「そうだと思うのですが、なにぶん少し離れた場所での事でしたので……」
「ああ!いた!」
緑川の指す指の先へ顔を向けるとコンテナの上にキュアハッピーが佇んでいた。
「ハッピー!探したでぇ!」
「わー!あかねちゃん!みんなぁ!!」
「あのねっ!……あれ?……ああ!行っちゃうの?」
ここからだと見えないがハッピー以外にも誰か居るようだ。
「誰かと話している様ですね」
「もしかして……先輩達!」
「そうかもね!プリキュアのまま普通の人と話す事なんて無いはずだし……無い……よね?」
『……………』
誰かしら否定してやれよ……
ちょっとした戦闘と探索回でした!
次回はちゃんと先輩出るんでお楽しみに!
私がビューティ(れかちゃん)の次に好きなキュアの登場です!