……まぁ、映画編ですし?しゃーなしですよね?
光が収まってくると五人の姿が現れる。
「キラキラ輝く、未来の光!キュアハッピー!」
「太陽サンサン、熱血パワー!キュアサニー!」
「ぴかぴかぴかりん♪じゃんけんぽん!キュアピース!」
「勇気凛々、直球勝負!キュアマーチ!」
「しんしんと降り積もる、清き心!キュアビューティ!」
『五つの心が導く未来!輝け!スマイルプリキュア!』
あゆみ?さんから離れたフュージョンは、不定形な体を器用に動かし、跳ねるように襲いかかってくる。
「ハァ!」
サニーが襲いかかってきたフュージョンを跳ね除けるが、フュージョンはその勢いのまま後退し距離をとる。フュージョンはその特徴的な体故か余りダメージを受けている様には見えない。
「ならこれや!」
サニーは上空に、球状の炎を生み出す。
「プリキュア・サニーファイヤー!!」
炎をまるでバレーのスパイクを打つようにフュージョンに向けて叩き込む。
それに対し、フュージョンは真っ向から挑む様に炎に向かって行くと大きく口を開けるようにして炎を呑み込んでしまった……!
「なんやそれっ?!」
フュージョンは炎を呑み込んだだけに留まらず、先程までの不定形の姿から人型の姿をとったのだ。……それもサニーの力を表すようなオレンジ色の体色に変化して……
「……プリキュアの力を飲み込んだ?……いえ、吸収したという事でしょうか……」
「そんなんありなん!?」
「みんな!来るよ!」
人型をとったフュージョンは一度、自身の姿を確かめるように体を見回すと、お返しだとでも言うようにサニーを目指して駆け出しす。
「くっ!……うらァ!」
走った勢いのままくり出された飛び蹴りを受け止め、空中に向けて弾き返すサニー。
弾き返され空中で身動きの取れないフュージョンを挟み込むように、左右からピースとマーチが首元と腰元へ肘鉄を叩き込む。
普通の人間ならば大怪我では済まないような容赦の無い攻撃にも人間の可動域を無視した脚撃で二人を振り払う。
「ウチを……忘れるなやァ!!」
フュージョンを弾き返したサニー自身はその場から動かずに隙を伺っていたのだ。炎を纏ったアッパーをモロに食らったフュージョンは堪らず大きく仰け反る。
「今や!」
「プリキュア・ハッピーシャワー!!」
何度もアカンベェと戦ってきた五人の連携は伊達では無い。サニーの作ったチャンスを逃さずにハッピーが痛打を狙う。
……しかし
「また吸収したされた?!」
人型をとっていたとしてもフュージョンは元は不定形な存在だ。仰け反り張り出した胸部が歪んだかと思うとそこから頭部が現れ、ハッピーシャワーすらも吸収されてしまった。
そしてまたしてもハッピーの力を表すかの様にピンク色へと体色が変わり、胸部、腕部とまるでパンプアップしたかのように膨れ上がっている。
「……?!速いっ……!」
体の変化は見掛けだけではないようで先程よりも明らかにスピードが上がっている。
「これ以上吸収されるのはマズイな……」
一度の吸収だけでも目に見える様な変化が起こっている。この後も二度三度と吸収されたら本当に手がつけられなくなってしまうかもしれない。
今もハッピーにフェイントを掛け、殴りつける寸前でマーチとピースの二人がかりで攻撃を逸らしたのだ。
技を出さないように呼びかけようとした時、ふと、違和感にを感じた。四人がフュージョンに
「……いったいどうしたんだ……」
ビューティは思い出したかのように自分の
「……っ!?ビューティ!待て!」
俺の声が届いたのか、ビューティは一瞬こちらを見て笑みを浮かべるが、直ぐに口元を引き締め……
「プリキュア・ビューティブリザード!!」
そのまま吸収されてしまう筈の冷気の奔流を解き放ったのだ!
その手を振り下ろし
「……すげぇ」
冷気は意志を持つかのように辺りを等間隔に走り抜け、冷気の通った後には氷で出来た
ビューティの声に反応したのか咄嗟に口を開け、受けの姿勢をとったフュージョンだったが、受け止め、吸収する筈の攻撃は来ず、ただ大きな隙を作ったに過ぎない。
『やァぁああ!!』
四人に蹴りつけられ頭から地面に叩きつけられる。
そこへ、駆け抜けざまに氷の剣を抜き、両手に一本ずつ構えたビューティが慌てて迎撃に移ろうとするフュージョンの片腕を斬り飛ばす!
「よしっ!」
斬られた瞬間に追撃を恐れ、大きく後ろに飛び退いたフュージョンだったが、失った部分を押さえ声無き悲鳴を上げるかのように身悶える。
そして何かを探すかの様に大きく首を動かし……止まった。……俺の方を向いて……
ヤバい!……そう思った瞬間には既にフュージョンは物凄い速さで近付いて来る……!
「八幡君?!逃げて!!」
『比企谷(くん)!!』
所詮、人の身である俺に何か出来る筈も無く、逃げようと体が動いた時には、大きく口を開けたフュージョンが直ぐ目の前にまで迫って来ていた。
……死んだ……
「フーちゃん!!」
割り込むように突如響いた声に、俺を呑み込もうとしていたフュージョンの動きがピタッ……と止まる。
その瞬間――
『はァああ!!』
――声と共に動きを止めたフュージョンの頭部を撃ち抜く様に三つのキックが突き刺さった。
「フーちゃん?!」
先程の少女の元まで、跳ねるように地面に叩きつけられ、蹴り飛ばされるフュージョン。
「貴方、怪我は無い?遅れてごめんなさいね」
そしてフュージョンを蹴り飛ばした三人とは別にもう一人、他の皆よりも少し小柄な少女が俺を背に庇うようにして前に立った。
「貴女達は……」
「メロディ!」
俺の
「ハッピーが会ったって言ってたあの?!」
「先輩プリキュアや!」
「八幡君を助けて頂きありがとうございます」
「気にしないで。私達も間に合わなかったかもしれなかったのだし……」
「話は後よ、今はフュージョンを完全に倒しましょう」
「とっ、そうね。みんな!行くよ!」
『はい!』
九人のプリキュアがフュージョンを倒す為に一斉に駆け出す。
「もうやめて!!」
こちらを迎え撃とうと拳を構えるフュージョンとプリキュア達の間に両手を広げ、少女が己をフュージョンの盾にするようにフュージョンの前に立ち塞がった。
「ちょっと?!」
「……なんなの?」
「とーっとっとっ?!……グエッ!」
「ハッピー……しっかりせな……」
「……あい」
皆が困惑の表情で立ち止まる中、ハッピーだけが勢いを殺しきれずに転びかけた所で、サニーに襟元を持たれ引き留められていた。
「これ以上フーちゃんをいじめないで!……お願いします!」
「……いじめって……貴女……」
「フーちゃんってフュージョンのことなの……?」
「フーちゃんはわたしの大切な友達なの!これ以上傷ついたり傷つけたりするところなんて見たくないの!」
そうか……だから俺が呑み込まれそうになった時にフュージョンを止めてくれたのか……
少女の背に庇われたフュージョンはどんどん小さく縮み、手の平サイズにまでなると少女の足にしがみつく。
『あゆみぃ……』
「フーちゃん!」
少女も直ぐさまフュージョンを拾い上げて抱きしめる。
「………貴女
「………………」
「フュージョンをこちらに渡して?そのままでいたら街にも、貴女にも危険が及ぶかもしれないの」
「……出来ない。……それでも、それでもフーちゃんはわたしの友達だもん!」
少女はフュージョンを抱えたまま、逃げるように走り出した。
「待って!あゆみちゃん!!」
咄嗟にハッピーが追いかけ手を伸ばすが――
『
「キャッ!」
「ハッピーっ?!」
――フュージョンが伸ばした触手に叩き返されてしまった。
メロディがハッピーを受け止め、もう一度皆が視線を向けた時には既に、少女の背は何処にも見つけられなかった。
「あゆみちゃん…………」
はい!という訳でフュージョンを圧倒しちゃってます!この時のフュージョン戦って大技を無理に使わなければイケんじゃね?っていう妄想をそのまま出しちゃいました!
今回は普段の本編が戦闘シーンがあっさりし過ぎかなと思っていたので映画だしぃ〜と少し濃厚に描写してみたつもりです!いかがだったでしょうか?
次回はスイートなお話にする予定です!お楽しみに!