黒き星と白き翼   作:吉良/飛鳥

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デュナン、貴様の命は此処で貰い受ける!Byなのは     覚悟下さい、叔父様……!Byクローゼ


Chapter24『Full power complete destruction last battle』

グランセル城の地下空間最奥部への入り口は、強固なバリアによっては遮断され、一夏達は此れより先に進む事は出来なくなってしまっていた――『バリア貫通』の効果を持った、一夏の切り札である『零落白夜』を持ってしてもこのバリアを突破する事は出来なかったのだから。

詰まるところ、なのはとクローゼの勝利を信じて待つしかないのだが、だからと言って只待つと言うのも、アレなので、一夏は通信機でプレシアに連絡を入れ、如何にかこのバリアを突破出来ないかと頼み、プレシアも其れに応えて、『時の庭園』からこの場所に転移してバリアの解除に当たったのだが……

 

 

「此れは、私でも解除出来ないわね。此れは只のバリアや結界の類ではないわ。この先の空間其の物が、この地下空間にありながらも全く異なるモノに書き換えられているわね。

 言うなれば、この先の空間は、この地下空間の一部なのだけれど、その内装が大きく変えられて、入り口がロックされてると言う所かしら?何れにしても、外部からの干渉は出来ないわ。」

 

「何だよ婆さん、五百年以上生きてるって事だったが、そんなアンタでもコイツは解除出来ないのかい?……まぁ、無理してぶっ倒れちまったら、そっちの方が面倒か。

 年寄りの冷や水って言うからな。」

 

「……サンダァー、レイジ!!」

 

「あってれぼ!?」

 

 

プレシアであっても、このバリアを解除する事は出来なかったみたいだ。

そしてダンテが毎度の如く要らない事を言って、プレシアにシバかれて良い感じに丸焼けになっていたのだが、こんな状態になってもモノの十秒もあれば即復活すると言うのだから、このオッサンマジで不死身である。

 

 

「懲りねぇ奴だなアンタもよ?いや、懲りるって事を知らねぇから何かと余計な事言っちまって、その都度シェラザードやカルナにぶっ飛ばされてる訳か。

 其れよりもプレシア、ヴィヴィオやアンタが此処に来た時みたいに、転移魔法でその中に入る事は出来ねぇのか?転移魔法なら、扉がロックされてても直接中に入る事が出来るんじゃねぇかと思うんだが?」

 

「其れも無理よ京君。

 なのはさん達が居るのは、最奥部であって最奥部ではない場所……最奥部と言う空間を上書きして存在している一種の異世界。そんな場所に無理矢理転移しようとしたら、最悪の場合空間の狭間に引っ掛かって、永遠に其処に閉じ込められる事になってしまうわ。」

 

「……そりゃ、確かに止めといた方が良さそうだな。」

 

 

加えて転移魔法で直接乗り込む事も出来ないと来た以上、矢張り中での戦いが決着するのを待つより他に方法は無いだろう……プレシアと言う切り札を持ってしてもダメだと言うのでは最早最奥部に進むのは不可能であるのだから。

 

 

「まぁ、今は彼女達の勝利を信じて待ちましょ?貴方も如何かしら京?」

 

「レン、お前一体何処からガーデンテーブルとティーセット持って来たんだよ……余裕ありすぎんだろ流石に。」

 

 

レンが何故か、プチお茶会を開いていたが、テーブルとかティーセットを何処から持って来たと言うのには突っ込んではいけないだろう。死神の眷属たるレンならば、此れ等のモノを何処かから『お取り寄せ』する位の魔法は簡単に使えるのだから。

そんな中、庵は『只待つのは性に合わん』と言って地上に残党狩りに行ってしまったのだが……まぁ、『暇だから』と京に戦いを吹っかけなかっただけ上出来だと言えるだろう。尤も、結局狩るべき残党は残っておらず、十分足らずでこの場所に戻って来る事になった訳だが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

黒き星と白き翼 Chapter24

『Full power complete destruction last battle』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最終決戦第二ラウンドの舞台である『魔獄』。

燃え滾る溶岩が彼方此方から吹き出し、所々に溶岩の池が存在しているその場所の上空で、なのはは巨大な魔力弾を作り上げていた……スターライト・ブレイカー程ではないが、この魔力弾も相当な威力があるだろう。

 

 

「行け!」

 

「巨大な魔力弾……量より質の心算か?だが、此の程度では余には通じん!」

 

 

その魔力弾をデュナンに放ち、デュナンも其れを打ち消すように魔力弾を放つが、二つの魔力弾がぶつかる瞬間に、なのはの放った魔力弾が分裂して無数の小型の魔力弾となってデュナンを取り囲み、そして一気にデュナンに炸裂する。

デュナンが放った魔力弾は、なのはがレイジングハートで打ち飛ばし、火山の一つにぶつけて火山を消滅させていた。

 

 

「質よりも量でご挨拶だ……だが、其れなりには効いただろう?」

 

「ぬぅぅ……小癪な。」

 

「なのはさんにだけ気を取られていると危険ですよ、叔父様?」

 

「!!」

 

 

続けざまに、クローゼがコキュートスを使いデュナンを氷漬けにする……とは言っても、溶岩が彼方此方から噴き出している此の場所では、凍らせても直ぐに溶けてしまい、デュナンが凍り付いていた時間は五秒もなく、あっと言う間に身体の自由を取り戻す。

だが、クローゼは慌てる事なく解凍されたデュナンにサンダーシクリオンを叩き込んで大ダメージを与える!氷漬けにされた後に解凍されたデュナンの身体は濡れており、サンダーシクリオンの稲妻が良く通ったと言う事だろう。

その効果を狙うのであれば、アラウンドノアで濡らしても同じだろうと思うが、只濡らしただけでは溶岩の熱であっと言う間に蒸発してしまう可能性があったので、凍らせてから溶かすと言う方法を使う事で確実にデュナンを濡れた状態にしたと言う訳だ。

 

 

「ぐぬぬ……クローディア、お主何時の間に此れほどの力を身に付けた!

 幽閉する前は、ユリアと剣の訓練をしておった事は知っておるし、アーツの練習をしていた事も知っておるが、此処までの力はなかった筈だ!」

 

「確かに、以前の私ならば今の叔父様とは戦う事すら出来なかったでしょう。

 ですが、なのはさんに城から連れ出して貰ったあの日から、私は来るべき時の為に己を鍛えていたんです。剣も、そしてアーツも。なのはさんの仲間は一流の人ばかりでしたので、その方達と鍛錬を行う事と実戦を経験する事で私は強くなる事が出来ました。

 そして、私が自分を鍛えたのは、貴方からリベールを取り戻す為です!お祖母様が守っていたリベールを!……返して頂きますよ叔父様。貴方はリベールの王に相応しくありません。」

 

 

クローゼの力に驚くデュナンだったが、クローゼはこの時の為に己を鍛えており、更になのはが用意した最高級のオーブメントと最上級のクォーツによって、アーツに関しては最強クラスの存在になっているのだ。

加えて、アウスレーゼの血が覚醒したクローゼの魔力は神族に匹敵するモノになっているので、巨大な悪魔と化したデュナンにもバッチリダメージを与える事が出来るのである。

デュナンにレイピアの切っ先を向けて『王として相応しくない』と宣言するその凛とした姿は、アリシア前女王の毅然とした態度を思い起こさせるモノだ。

 

 

「クローゼ、この手の輩には口で言うだけ無駄だ。身体で分からせないとな。」

 

 

そのクローゼの横に並んだなのはは、レイピアの切っ先にレイジングハートの先端を重ねてデュナンに向ける。黒の神魔と白の姫君の揃い踏みは、其れだけで他を圧倒する威光と言うモノがある感じだ。

 

 

「そうですね……そうするとしましょう!」

 

「是非もない!」

 

 

クローゼがレイピアでレイジングハートの先端を軽く打つと同時に、なのはが無数の魔力弾をデュナンに向かって豪雨の如く降らせる!クローゼが一連の攻撃を行う間に上空にセットしていたのだろう。

 

 

「クリムゾンコキュートス!」

 

 

続いてクローゼが火属性と水属性の合成アーツと言うトンデモナイモノを披露する。

火属性と水属性は、水が火を消し、超高温の炎は水を蒸発させると言う相克の関係にあるので、合成したら普通は打ち消し合ってアーツ其の物が成立しなくなってしまうのだが、クローゼの膨大な魔力を持ってして使用した場合は、只の打ち消し合いになるのではなく、対消滅による膨大なエネルギーが発生し、其れが臨界点を突破して水蒸気爆発を起こすのである。

水蒸気爆発の破壊力は、火薬を使った爆弾を上回る……そんなモノを喰らったら、並の悪魔だったら即レッドオーブに変わっていただろう。

 

 

「ぐぬぅぅぅ……余を甘く見るなよ!」

 

 

だが、巨大化したデュナンは身体の頑丈さも相当に高くなっており、今の攻撃も其処までのダメージにはなっておらず、額のクリスタル状の部分からビームを放つ!!

当たれば必殺だろうが、なのはとクローゼは其れを回避してデュナンに肉薄すると、なのははレイジングハートで、クローゼはレイピアで斬り付けて表面に傷を付ける。

なのはもクローゼも、本質は魔法とアーツでの遠距離攻撃がメインなのだが、だからと言って近接戦闘が出来ないかと言われればそれは否だ。

バリバリの近接戦闘タイプが相手では分が悪いが、並の使い手ならば圧倒出来るだけの近接戦闘の実力はあるのだ。

しかも、二人とも只斬り付けるだけでなく、クローゼはレイピアに火属性のアーツを纏わせて斬り裂いたところを焼き、なのははレイジングハートの先端に魔力刃を形成してより深く斬り裂いていたのである。

 

 

「ぐおぉぉぉ……ぐぬ、だが余は負けん!余こそが、此の世界の王なのだ!」

 

 

大ダメージを受けたデュナンは、一度その姿を消すと、上空から巨大化したナメクジの様な何かが大量に落ちて来た……全身が真っ黒に染まった其れは、闇が其のまま具現化した様な感じだ。

 

 

「此れは……?」

 

「デュナンと同じ魔力を感じるな?

 だが、デュナンが分裂したと言う訳ではなさそうだな?……言うなれば、デュナンの本体から生み出された分裂体。差し詰め、デュナンズ・レギオンと言った所か。」

 

 

デュナンズ・レギオン……デュナンの軍団兵とは言い得て妙だろう。

なのはが予想した通り、この軍勢はデュナンが生み出したデュナンの分裂体であり、個々の能力は高くないが、圧倒的な物量で相手を押し潰す事が出来る存在だと言えるだろう。

市街地に現れたフロストと比べたら遥かに能力的には劣る存在ではあるのだが、数の暴力と言うのは中々に馬鹿に出来ないモノがあるのもまた事実だ。歴史を紐解いても、戦の経験がない市民兵が、集団で経験豊富な武将を討ち取ったと言う事例は決して少なくないのだから。

 

 

「此の程度で私達を制圧出来ると思っているのならば、幾ら何でも私達を舐め過ぎだ!」

 

「私達を、甘く見ないで下さい!」

 

 

だが、その集団も、なのはの魔法とクローゼのアーツで鎧袖一触!数の暴力も、圧倒的な力を誇る個の前では意味を成さない様だ……蟻が百万匹集まった所で龍に勝つ事は出来ないのと同じである。

魔族と神族、その両方の血を引いているなのはだが、魔族よりの生き方をして来た事で魂の属性は闇となっており、逆にクローゼは幽閉された後でもその魂が闇に堕ちる事は無く、逆に光としての力を強くして光属性となっていた。

そして、究極の闇と光が一つになった事で、カオスの力が呼び覚まされて他を圧倒する事が出来る状態になっているのである。

 

 

『グガァァァァッァァァァ!!』

 

「溶岩の龍か……目障りだ、大人しく死んどけ!」

 

「その程度、今更虚仮脅しにもなりません!」

 

 

奇襲的に現れた溶岩の龍も、クローゼが水属性のアーツを喰らわせて石像にすると、なのはが直射砲で其の石像を粉砕!玉砕!!大喝采!!!――砕けた溶岩の龍からは、グリーンオーブとホワイトオーブが出現し、なのはとクローゼの体力と魔力を回復してくれた。

なのはとクローゼを追い詰める目的で現れた溶岩の龍だが、アッサリと倒された上に二人を回復させてしまう結果になるとは、『お前何しに出て来た?』と言われても文句は言えないだろう。

 

 

「オイオイオイ、姫様となのは嬢ちゃん圧倒的じゃねぇか!

 バケモンになっちまったデュナンを見た時にゃ、もっと拮抗した戦いになると思ったんだが、あの二人が喰らった攻撃ってさっきの隕石攻撃だけで、其れも大してダメージになってねぇと来た……此処まで力の差ってのはあるモンなのかよ?」

 

「全然全く勝負になって無いですねぇ?まぁ、私的にはさっきからいい画が撮れまくってるので良いんですけどね~~?と言うか先輩、このままだとフィルム全部使っちゃいますよぉ?」

 

「今回に限っては全部経費で落ちるから遠慮なく使え。但し、決着の瞬間を撮り逃す様なヘマだけは絶対にするんじゃねぇぞ?」

 

「了解であります!」

 

 

バリアに包まれた状態で、ナイアルはメモにペンを走らせ、ドロシーはカメラのシャッターを切って行く。

如何にバリアに包まれているとは言え、こんな戦場での取材と言うのは少しは尻込みしそうなモノであるが、この二人にはそんな様子はない……リベール通信の記者として、此れまで数々の修羅場(三年前に起きたロレント市長強盗事件、ボースで起きた空賊による飛行艇襲撃事件、ルーアン市長の汚職事件等々)を経験して来たナイアルとドロシーはジャーナリストとしての度胸が違うのである。

 

 

「小細工は要らん。私達を殺したいのであれば、貴様自身が其の手を汚せ!代理の存在で殺せるほど、私とクローゼの命は安くないぞ!」

 

「真にリベールを手中に収めたいのであれば、貴方自身が戦う以外に選択肢はありませんよ叔父様?」

 

「如何やら其のようだな……良かろう、余が直々にお主等に引導を渡してやろう!死ねクローディア!そして、黒衣の魔導師よ!」

 

 

デュナンズ・レギオンを全て倒され、溶岩の龍すらも瞬殺されたのを見たデュナンは上空から其の姿を現すと同時に、魔天空間で放ち、なのは達をこの魔獄に落とした隕石攻撃を放って来た。しかも、魔天空間で放たれたモノよりも高密度で!

完全な面での攻撃を完全回避する事は出来ないし、魔力のシールドで防ごうとしても隕石の圧力に耐えきる事が出来ない事は魔天空間での戦いで既に証明されている……つまりこの攻撃は本気で必殺になる訳だ。

 

 

「クローゼ、私から離れるなよ!」

 

「なのはさん……はい!」

 

 

なのはは、ナイアルとドロシーを包んでるバリアの周囲に無数の魔力弾を展開して其れをバリアの周囲を周回させて隕石の自動迎撃機能とも言うべきモノを作り上げると、クローゼを抱き寄せてレイジングハートを真上に向け、そして自身の魔力を全開に!

その瞬間、なのはとクローゼを凄まじい魔力が包み込み巨大な魔力の槍となる――だけでなく、其れを見たクローゼもレイピアを真上に向けてから魔力を全開にして、魔力の槍を更に巨大化させる。

 

 

「レイジングハート!」

 

『All right Master.A・C・S Standby.Strikeframe.』

 

 

更にレイジングハートの先端と両脇に紅い魔力刃が展開され、そして次の瞬間になのはとクローゼは降り注ぐ隕石に向かって電磁レールガンの如き勢いで突っ込んで行った!

回避も防御も出来ないのであれば、真正面から打ち抜くと言うのがなのはの出した答えだったのである。

若干脳筋理論な気もするが、其れが出来るのもなのはが膨大な魔力を持っているからこそだろう――そして、なのはだけでなくクローゼもまたなのはに匹敵するだけの魔力を持っており、其れを開放した事で隕石攻撃の正面突破はより確実なモノになっているのだ。

 

 

「「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」」

 

 

巨大な魔力の槍と化したなのはとクローゼは降り注ぐ隕石を次から次へと粉砕しながらデュナン目掛けて突き進む!砕けた隕石の欠片が服を破り、肌を割く事もあるが、その程度では止まらない!止まる筈がない!

隕石に交じって襲って来た溶岩の龍だって速攻で貫いてしまうのだ。闇と光の魔力で作られた魔力の槍の威力は計り知れないと言った所だろう。

 

 

「ぐぬ……ならば、此れで散るが良い!」

 

 

デュナンは、なのはとクローゼを迎撃しようと胸のクリスタルと額のクリスタルからビームを放つ!

 

 

「そのビームは通じないと先程の戦闘で学ばなかったのかお前は?頼むぞクローゼ!」

 

「はい!今一度喰らえ……聖なるバリア-ミラーフォース!」

 

 

其れはクローゼのミラーバリアに跳ね返されてデュナンの両腕を消し飛ばす……己の攻撃を跳ね返されて両腕を失うとは、何とも間抜けとしか言いようがないが、此れがデュナンと言う器と、デュナンを乗っ取った悪魔の限界と言う事なのだろう。

己の目的を果たす為に仲間を集め、そして己の中に流れる魔王の血を高めて来たなのはと、幽閉と言う理不尽な目に遭いながらも負の感情に囚われる事なく、いっそ『聖女』と言うレベルにまでの光の存在となったクローゼの前では、僅かばかりの闇と、其れに付け込んだ邪心如きは敵にすらならないのかも知れない。

 

 

「取った!」

 

「このまま一気に!」

 

 

隕石をぶち抜いて来たなのはとクローゼは、遂にデュナンに到達して、胸のクリスタルにレイジングハートとレイピアを突き刺す!

自身のエネルギー源にして最大の弱点を突き刺されたデュナンは慌てるが、両腕が吹き飛ばされた状態ではなのはとクローゼを払う事すら出来ない……己の放った攻撃が自分の首を絞める事になると言うのは、最早皮肉にすらないないだろう。

 

 

「「貫けぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」」

 

 

なのはとクローゼは、デュナンの胸のクリスタルを貫き、大ダメージを与える。……が、デュナンは未だ生きている。

エネルギー源兼弱点を貫かれた事で其の力は大きく減少し、その身体は崩れて、石造の様だった外装甲が剥がれて醜悪な中身が溢れ出している……特に頭は酷いモノだ。

外装甲が完全に剥がれて脳が剥き出しになり、巨大な目玉がギョロギョロと動いているのだから。

 

 

「ぐぬおぉぉ……余は負けん!負けんぞぉ……!」

 

「……そのしぶとさだけは評価してやろう。だが、貴様は此処でお終いだ――分不相応なモノを求めた自分を恨むのだな……此れで終わらせる!全力全壊!!」

 

『Starlight Breaker.』

 

「万物の根源たる七耀を司るエイドスよ……その神聖なる輝きを持って我らの脅威を退けたまえ……光よ!我に集いて魔を討つ陣となれ!」

 

 

こんな状態になっても、負けないと言い張るデュナンに対して、なのはとクローゼは己の最強攻撃の準備を済ませ、なのはとクローゼには凄まじいまでの魔力が集中している――特になのはは、大人気コミックの主人公の如く、『オラに元気を分けてくれ!』ってなレベルで、自分以外の魔力をも集めているのだ。

そして、其の魔力は臨界点に達し……

 

 

「スターライト……ブレイカァァァァァァァァァ!!!」

 

「サンクタスノヴァ!!」

 

 

なのはが編み出した絶対不敗の奥義と、アウスレーゼに伝わる秘技が炸裂してデュナンの身体を分子レベルで崩壊させていく……その断末魔は聞くに堪えないモノであったが、リベールの暗黒時代の終わりを告げる鐘としては充分なモノだったと言えるだろう。

 

 

「ぐぬおぉぉ……余は不滅!何時の日か必ず蘇り、此の世界を!!」

 

「何処までも往生際の悪い奴だ……まぁ、復活すると言うのであれば好きにしろ。だが、復活したその時は私とクローゼの子供達に宜しくな。」

 

「私となのはさんの子供達が居る限り、貴方の野望が成就する事は有り得ません、絶対に。」

 

 

最後の最後まで、断末魔すら己の欲望が全開だったが、なのはもクローゼも其れを軽く流した。最早真面に相手をする必要などなかったと言う事だろう。

そしてデュナンは闇に呑み込まれて此の世界から完全に消え去ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

魔獄での戦いが決着したと同時に、相応部への侵入を阻んでいたバリアが砕け、其れを見た一夏達は果たして誰が出て来るのかと警戒したのだが……

 

 

「なのはさん、何だか皆さん驚いているみたいですよ?」

 

「私とお前が略無傷で現れたんだ、死闘を予想していたオーディエンスは、私とお前のまさかの姿に驚いて言葉も出ないらしい……せめて、勝利した事への賛辞位はしても罰は当たらんと思うがな。」

 

 

現れたなのはとクローゼの姿を見て、全員が胸を撫で下ろした……もしもデュナンが現れたら、その時点でバトルになっていたのは否めないからね。

 

 

「オイオイ、随分と遅かったじゃねぇか?遅刻だぜ?」

 

「ならば、謝れば良いのかダンテよ?」

 

「いや、お前さん達が戻ってくるのを待ってたって事さ。」

 

 

ダンテの軽口にも軽く返し、そして――

 

 

「デュナン・フォン・アウスレーゼは、高町なのはとクローゼ・リンツが討った!今この時を持って、リベールは愚王から解放されたのだ!!」

 

「リベールは、今から新たな道を歩むのです!」

 

 

なのはとクローゼが勝利宣言を行って、リベールを巡る戦いは幕を下ろし……

 

 

「楽勝楽勝!」

 

「戦闘終了、だね。」

 

「深き闇に沈むが良い。」

 

「へへ、燃えたろ?」

 

「ククククク……ハハハハハ……ハァ~ッハッハッハッハッハ!!」

 

「我が覇道は止められぬ。」

 

「戦闘終了です。お疲れ様でした。」

 

 

夫々が得意のポーズを決めてターンエンド!……全員が魅力的なポーズを取ってくれたが、レイピアを構えてウィンクするクローゼの破壊力はハンパなく、リベール通信特別号の表紙を飾る事になるのだった。

其れは其れとして、リベールの革命は、成功したと言って良いだろう。なのはとクローゼによって、リベール史上最悪の愚王であったデュナンが討たれたのだから……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 To Be Continued 

 

 

 

 

 

 

 

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