黒き星と白き翼   作:吉良/飛鳥

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炎殺黒龍波は素晴らしい!Byなのは      全力で同意します!Byクローゼ


Chapter56『二回戦最終試合~オロチを焼き尽くせ~』

KOF二回戦も最終試合となり、この最終試合には優勝候補筆頭の『ロレントチーム』が登場すると言う事もあって、アリーナのボルテージは最高潮を限界突破上等のバーニングソウル状態となっており、その熱気にロレントチームの面々も応える。

今日は掌に炎を宿した後に、其れを振り払ってから握りしめ、アインスはこれ見よがしに包帯が巻かれた右腕から闇色のオーラを噴出し、エステルは観客の歓声に笑顔で応えて手を振っている……三者三様の対応が、これまた観客には大受けなのだ――ロレントチームが大歓声を受けている事で、二回戦の最終試合を行う他の三チームが若干空気になってしまったのも仕方ない事だろう。

其れほどまでに、草薙京、アインス・ブライト、エステル・ブライトのネームバリューはリベールに於いては絶大なモノだと言う事なのだから。――一応、ロレントチームと対戦するスポーツマンチームも注目はされているのだが、此方は一回戦での残酷な試合の印象が強く、悪役として注目されている感じだ。

 

 

「いやはや、矢張り凄い人気だが……ロレントチームの相手であるスポーツマンチーム、如何やら闇の力を隠す気はもうないようだな?」

 

「其のようですね……今の彼等からはハッキリと闇の力を感じます……!」

 

「しかもあの感じ、オロチの力か?だが、もしそうだとしたら一体何処でどうやってオロチの力を手に入れたのか……いや、そもそもオロチの力を其の身に宿して無事でいられるのか……魔王であるルガールですら、初めてオロチの力を手に入れた時は身体が耐えられずに消滅してしまったと言うのに。

 只の人間だったら、消滅どころでは済まんはずなのだがな?」

 

「魔王ですら凌駕する程の闇の力、ですか。……そして、消滅した筈なのに『趣味だから』で復活出来る上に復活する度に強くなるルガールさんは相当にチートだと思うのは私だけでしょうか?」

 

「強くなるだけではなく新たな技も修得して来るからなぁ……最初に復活した時は『ギガンテックプレッシャー』を、二度目に復活した時は『グラヴィティ・スマッシュ』、『バニシングフラット』、『ルガール・エクスキュージョン』、『デッド・エンド・スクリーマー』、『デストラクション・オメガ』を修得し、地味に代名詞技の『ジェノサイド・カッター』も強化されていたからな。

 そして、殺意の波動を身に宿した今は新たにルガール版の阿修羅閃空である『ゴッド・レーン』とルガール版瞬獄殺の『ラスト・ジャッジメント』、完全新技として『ジェノサイド・ヘヴン』、『ゴッド・エンド』を修得したらしいからな……正直アイツは私でも良く分からん。」

 

「復活する度に強くなる魔王か……機会があれば是非とも手合わせしてみたいモノだな。」

 

「魔王を国内に招待する位ならば、まぁそれほど問題はないかもしれませんね。」

 

 

スポーツマンチームの三人は一回戦の時とは明らかに様子が変わり、身体から闇色のオーラが溢れているだけでなく、サングラスで目元が隠れいるヘヴィ・D!以外の二人の目の色は反転し、明らかに正気でないのは明らかだ。

 

 

「オロチの力をどうやって宿し、何故無事なのかは兎も角として、二回戦は相手が悪かったと言うべきかも知れんな?……嘗てオロチを封じた一族の末裔である、草薙京にオロチの力が通じるとは思えんし、エステル・ブライトとアインス・ブライトも相当な実力の持ち主だから、借り物の力では勝てんだろうさ。」

 

「えぇ、ロレントチームはきっと勝ってくれる筈です。」

 

 

だが、なのはもクローゼもロレントチームが負けるとは微塵も思っていなかった。

ロレントチームの三人の実力は折り紙付きであり、先のライトロードとの戦いでもロレント方面では此の三人が大いに活躍してくれたと言う話はなのは達にも届いていたのだから当然と言えば当然だろう。

 

 

『さぁ、KOFチーム戦もいよいよ最後の試合だ~~~!!

 第一リングは草薙京の父親の草薙柴舟、草薙京の一番弟子の矢吹慎吾、ケン・マスターズの一番弟子のショーンがチームを組んだ『SSSチーム』と、空手マンチームがぶつかり、第二リングでは優勝候補筆頭の、草薙京、アインス・ブライト、エステル・ブライトの『ロレントチーム』と、一回戦で相手を挽肉にしてしまいそうな残酷試合を展開した『スポーツマンチーム』が激突だ~~!!

 何方も瞬き厳禁の超バトル!それじゃあ行くぞ~~!!二回戦最終試合Round1、第一リング『草薙柴舟vsまこと』、第二リング『エステル・ブライトvsブライアン・バトラー』!デュエル、スタートォォォォ!!』

 

 

此処でMCによる試合開始が宣言され、二回戦の最終試合が始まったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

黒き星と白き翼 Chapter56

『二回戦最終試合~オロチを焼き尽くせ~』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第一リングの方は、先ずは柴舟が若干十五歳のまことを老獪な戦い方で翻弄し、まことの渾身の一撃をいなした所にカウンターの大蛇薙を叩き込んでKOしたのだが、続く第二ラウンドで相手の攻撃を回避した途端に腰に『ぎっくり腰』のダメージ・エミュレートが発生し、其のまま戦闘不能になって離脱……マダマダ現役とは言っても、歳には中々勝てないようだ。

だが柴舟が離脱しても二番手のショーンが師匠ケン張りの変則的な攻撃で相手を退け、三人目ともガンガン遣り合った末にギリギリで打ち負けてKOされたモノの、三人目の真吾が京から教わった技だけでなく自分で独自に編み出した『真吾謹製・俺無式』、『真吾謹製俺式・神塵』等を駆使して見事にKO勝ちを収め、三回戦への切符を手にしてた。

 

そして同じ頃、第二リングでは……

 

 

「此れでも喰らえ!!」

 

「…………」

 

 

エステルとブライアンが激しバトルを展開してた。

ブライアンはフットボールの選手であり、フットボール仕込みの強烈なタックルと、プロレス技が強烈な選手であり、2m以上の身長と150㎏以上の体重がある巨体にしては動けるのだが、A級遊撃士として此れまでに様々な事件を解決して来たエステルからしたらそれ程脅威である相手では無く、ブライアンの攻撃を悉く躱してはカウンターを叩き込んでいるのだが、その的確なカウンターを喰らってもブライアンはマッタク持って小動もしていなかった。

まるで、マッタク痛みを感じていないが如くだ。

 

 

「この……だったらこれは如何よ!竜巻旋風輪!!」

 

 

マッタク持ってダメージを受けていないように見えるブライアンに対し、エステルは棒術具の先に風属性の魔法を付与した『竜巻旋風輪』を繰り出し、その一撃はブライアンの顔面に決まり、首が曲がってはいけない方向に曲がっていた。

 

 

「やば……流石にやり過ぎたかしら?……えっと、大丈夫お兄さん?」

 

「…………」

 

 

これには流石にエステルも『ヤバい』と思って、ブライアンの事を案じたのだが、ブライアンはあろう事かその首を強引に正常な位置に戻して来たのだ……首の骨は折れて居なくとも明後日の方向を向く位にずれてしまった首の骨を強引に元に戻して平気でいられると言うのは如何考えても普通ではないだろう。完全にずれてしまった骨の矯正をする場合は大の大人でも悲鳴を発する位の激痛が走るモノなのだから。

 

 

「嘘でしょぉ……こうなったら、此れを使わせて貰うわ!」

 

 

この異常事態に、エステルは試合を終わらせるべく棒術具の先に氷と炎の魔力を宿らせる――本来相克属性の炎と氷だが、全く同じ強さで重なったその時には途轍もない破壊力を生み出すので、この選択は悪くないだろう。

ブライアンは其の身をロープに振ってロープの反動を利用したタックルを繰り出し、エステルも其れにカウンター気味に『爆裂金剛撃』を繰り出す!……其の攻撃はかち合い、暫し拮抗状態となったが、拮抗状態で飽和状態となったエネルギーが炸裂したと同時に弾かれたのはエステルの方だった。

炸裂したエネルギーは相当なモノであり、ともすればダブルKOになってもオカシクは無かったのだが、今回はダブルKOとはならず、炸裂したエネルギーが体重の軽いエステルの方を弾き飛ばし、そして場外に落としてしまったのだ。

此れにより、エステルはまさかの場外負けと言う結果になってしまった。

 

 

「あ~~!まさかの場外負けですってぇ!?……って言うか、アイツ等おかしいわよ!」

 

「其れは分かっている……お前の仇は、私が取って来るさ。」

 

 

まさかの場外負けになってしまったエステルだが、逆に言えばエステルの猛攻を喰らって尚平気だったブライアンの方が普通でない訳で、そんなブライアンに対し、ロレントチームはアインスが二番手として登場した。

 

 

「痛覚を感じていないと言うのは厄介だが……其れは言うなればジャンキーと同じか。ならば神経系を狙って落とすしかないか。」

 

 

第2ラウンドが始まったと同時に、アインスは自ら体をロープに振ってその反動を利用して跳躍すると、反対側のロープを蹴って更なる反動を付けた上で、ブライアンに渾身の延髄切りを叩き込み、其処から流れるような動きで飛びつきDDTで脳天をフィールドに突き刺すと、其のまま両足でブライアンの胴をロックしての『ギロチンチョーク』で頸動脈を絞め揚げて一気に落とす。

如何にオロチの力を其の身に宿そうとも、頸動脈を絞められて酸素の供給が無くなったとなれば其れまでであり、ブライアンの身体は糸の切れたマリオネットの様に崩れ落ち、アインスの勝利。

スポーツマンチームの二番手はバスケットボールと空手を融合させた独自の格闘スタイルを確立した『ラッキー・グローバー』だ。

ボールを使った攻撃と、空手を融合させた攻撃はトリッキーであり、ラッキー自身もバスケットボールの選手と言うだけあって、スピードも中々のモノだったのだが、アインスには大した相手でなく、全ての攻撃を見切った上で鋭いロ―キックが叩き込まれ、『右脛骨折』のダメージエミュレートが発生。

普通ならば、此れでもう歩く事は出来ない筈なのだが、ラッキーは余裕綽々で笑みを浮かべると、ダメージエミュレートが発生した右足で何度もフィールドを踏みつけて見せた。

 

 

「うげ……アイツ、痛覚無いの?」

 

「或は、可成りヤバめの薬をキメているのでしょうか……?」

 

「それは、分からないけど……ダメージエミュレートが発生しても顔色一つ変えないって言うのは只事ではないでしょうね。」

 

 

観客席で此の試合を観戦していた『リベールギャルズ』の面々もスポーツマンチームのメンバーが普通でない事を感じていた……『骨折』のダメージエミュレートが発生しているにも拘らず、平然と動く事が出来るなど、大凡普通の人間では出来ない事なのだ。

 

 

「そんな状態でも動くか……先程の様に意識を刈り取っても良いのだが、エステルに『次の試合で見せる』と約束したのでな……貴様等には過ぎた技かもしれないが、使わせて貰うぞ。」

 

 

此処でアインスは右腕に巻かれた包帯を剥がしそして投げ捨てる。

包帯が解かれたアインスの右腕には黒い龍の文様があり、同時にその右腕からは凄まじいまでの闇の力が溢れ出している……大会前にアインスが修得した技はトンデモナイモノであるのは間違いないだろう。

 

 

「封印が解かれたが最後、貴様はもうお終いだ……制御しようにも、制御するための包帯の巻き方を忘れてしまったのでな……此れが私が会得した最強最大の奥義だ、其の身を以て味わうと良い!

 喰らえ……邪王炎殺……黒龍波ぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

そして放たれたのは、ド派手な一撃だった。

魔界の黒い炎で構成された黒龍がブライアンに襲い掛かり、回避したとしても執拗に追い回し、遂にはブライアンを呑み込む!

 

 

「此れがアインスが会得した奥義……すっごいわねぇ……」

 

「包帯による封印、黒い炎、ドラゴン、邪王炎殺黒龍波と言う技名、全てに於いて完璧だな。」

 

 

其れを真面に喰らったブライアンは一気にLPを削り取られてKO!

第一ラウンドでは先手を取られたが、アインスの二人抜きによってロレントチームが逆王手を掛けた形となった……アインスが三人抜きとは言わずとも、ヘヴィ・Dを倒す事は出来ずともそれなりにダメージを与える事が出来れば、三人目の京はかなり楽になるだろう。

 

だが……

 

 

「スマナイが此処で交代だ京……炎殺黒龍波を使った後は、エネルギー補給のために暫し眠らねばならないんだ……此ればかりは技を極めてもどうにもならん……だから最終ラウンドは、お前に任せる。」

 

「おいアインス……って、寝ちまったか。」

 

「見た目も威力もド派手なだけに消耗も大きい技なのね……」

 

 

炎殺黒龍波を放ったアインスは、その代償として暫し眠りに就く事になり、強制的に京がリングに上がる事になり、スポーツマンチームも大将であるヘヴィ・D!がリングに上がり、いざ大将戦と言った感じだ。

リングに上がったヘヴィ・Dの身体からは闇色のオーラが溢れ出し、そのオーラは八つ首の蛇を形作っているのを見るに、オロチの力を宿しているのはもう確定と言っても良さそうである。。

 

 

「オロチか……何処で其の力を手に入れたかは知らないが、俺の敵じゃねぇな。

 何よりも、オロチと聞いちゃ俺の血が治まらねぇ……焼き尽くしてやるぜ、その呪われた力ごとな!」

 

 

そして第二リングのファイナルラウンド。

試合開始と同時にダッシュからの鋭いストレートを繰り出して来たヘヴィ・D!に対し、京は其れをバックステップで避けた後に、ジャンプから『外式・奈落とし』を叩き込むと、其処から踝へのキックに繋ぎ、アッパーから外式・轟斧 陽から琴月 陽を叩き込んでヘヴィ・D!のLPを大きく減らすが、ヘヴィ・D!はマッタクダメージを受けた様子はなく、ダウン復帰するな否や、ストレート→フック→アッパーカットのコンボを叩き込んで京を吹き飛ばす。

其のまま行けば場外負けなのだが、京はコーナーポストを掴むと其れを支点にして見事な一回転を見せた後にリングイン……場外に身体が付いていなければ場外負けではないのだから、此の復帰は実に見事であると言えるだろう。

 

 

「良いパンチだったな、もう一遍やってみるか?」

 

「…………!」

 

 

場外負けを回避した京は挑発するように言い、其れを聞いたヘヴィ・D!は鋭い踏み込みから体重の乗ったストレートを放つモノの、其れはギリギリで京がサイドロールで回避し、拳はコーナーポストに突き刺さりそれを大きく抉る。

コーナーポストは決して硬い素材ではないが、ショック吸収性能に優れる硬質ウレタンで出来ており、そのショック吸収力をものともせずに抉った拳の威力は相当に高いと言えるだろう。

 

 

「コーナーポスト殴ってどうすんだよ!オラァ!!」

 

 

攻撃を回避した京は逆一本背負い気味に一刹背負い投げを決めると、起き上がったところに闇払いを放ち、其処から毒咬み→罪詠み→罰詠み→鬼焼きと繋ぎ、更に鬼焼きから追撃の奈落落としを叩き込んでヘヴィ・D!のLPを大きく減らす。序にこのコンボでヘヴィ・D!のサングラスは粉々になってしまった。

だが京の猛攻は止まらず、裏拳から荒咬み→九傷→七拾五式・改と繋ぎ……

 

 

「おぉぉぉぉぉぉぉ……喰らいやがれぇぇぇぇ!!」

 

 

〆に大蛇薙を叩き込んでヘヴィ・D!のLPをゼロにする。

此れにより試合は京の勝ちとなったのだが、千八百年前にオロチを倒した技を喰らった事でヘヴィ・D!に植え付けられていたオロチの力も霧散したらしく、起き上がったヘヴィ・D!の眼の色は普通の人間のモノに戻っていた――恐らくはブライアンとラッキーの方もオロチの力が消え去った事だろう。

 

 

「俺の……勝ちだ!」

 

 

此れにて二回戦の試合は全て終了し、最後は優勝候補筆頭のロレントチームが観客を沸かせる試合を見せてくれたと同時に、KOFのチーム戦は初日が終了。

チーム戦は個人戦よりも一試合が長くなるので日程を二日に分けており、初日は一回戦と二回戦を行い、二日目に三回戦と準決勝、決勝戦を行う事になっているのだ――で、二回戦が全て終了した所で遊星が外部操作で対戦表の組み合わせをシャッフルし、その結果明日の三回戦の組み合わせは……

 

 

・三回戦第一試合、第一リング『リベールギャルズ』vs『クローンチーム』。第二リング『極限流チーム』vs『カルバートファイターズ』

・第二試合、第一リング『餓狼伝説チーム』vs『八神チーム』。第二リング『SSSチーム』vs『ロレントチーム』

 

 

と、この様な組み合わせとなった。……遊星はクローンチームと八神チームが当たらないように操作したのは略間違いないだろう。

クローンとは言え京が三人で構成されているチームと八神チームをぶつけたら庵が最悪の場合暴走してしまう可能性は極めて高いのだ……庵が暴走したら大会どころではなくなってしまうので、遊星の判断はとても正しいと言える訳だ。

 

チーム戦の初日が終わった後だが、KOFの参加者はグランセルホテルに無料で宿泊が出来るので選手は基本的に其方に泊まる事に……中にはカルバートファイターズのリュウの様に『こちらの方が落ち着く』との理由でマーケット近くの広場で野宿する者も居たりするのだが。

 

そんな中でロレントチームの面々はと言うと、試合終了後にアインスが目を覚まし、其のままグランセルの居酒屋で簡単な祝勝会を開いていた。

エステルは未成年なのでノンアルだが、それでも其の場の雰囲気は楽しみ、同じく祝勝会を行っていたリベールギャルズのグリフィンと乾杯した後に、二人揃って『極厚ハラミステーキ(150g)』を一口で平らげると言う豪快な荒業を見せて他の客から謎の拍手を浴びていた。

昨日の個人戦終了後に王城で行われた晩餐会でも似たような光景が見受けられたが、其れがエステルとグリフィンなのだろう。飾らずに自分のありのままを曝け出す事が出来る彼女達はだからこそ美しい部分もあるのだから。

 

 

「明日勝てば次はいよいよ彼との戦いになる訳だが……自信の程は如何だ京?」

 

「勿論勝つ心算だ……つか、俺はアイツに負けられねぇ理由がある――俺が八神に負けるって事はイコール俺が八神に殺されるって事でもあるんだが、俺を殺すって目的を果たしちまったらアイツはきっと抜け殻になっちまう。

 アイツの生きる目的を奪っちまったら可哀想だから、俺は負ける事は出来ねぇんだよ。」

 

「成程な。」

 

 

京とアインスもこんな話をしながらスモークサーモンや牡蛎のアヒージョなんかを肴に東方の酒を楽しみ、居酒屋での祝勝会は賑やかながらに楽しく過ぎて行くのだった――尚、同じ頃八神チームの面々はグランセルホテルのレストランで食事を摂っていたのだが、其処で庵がレアのステーキ1kgを完食して他の客を驚かせて居たりした……肉食獣恐るべしである。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

深夜。

スッカリ人気のなくなったグランセルの港に、三つの人影が現れていた。

 

 

「ミカヤさん、本当に此処で取引が行われるのですか?」

 

「あぁ、其れは間違いないよヴィクター。王様の厳しい取り締まりで国内での流通が出来なくなった連中が、新たに国交を結んだリベールで違法薬物の取引をすると言うのは当然の流れだし、その筋から仕入れた情報だから間違いないさ。」

 

「ミカヤさんの情報網ってどないなってんやろか……」

 

 

其れは二回戦で惜しくも敗れてしまった『ベルカチーム』の面々だった。

実はベルカでは、クラウスが王に即位した後、徹底的に国内での違法薬物の取り締まりに乗り出し、其れを裏で捌く事で生計を立てていた売人達は一気に干上がってしまったのだが、そんな彼等が新たな商売先として目を付けたのが、新たに国交を結んだリベールだった。

リベールには元々少数ではあるが所謂マフィア組織は存在しており、デュナン政権時代はそれが幅を利かせていたのだ――なのはが新たなリベールの王となった事でそう言った組織は大分縮小されたとは言え今もまだ存在しており、マフィア組織にとって違法薬物は中々に良い資金源でもあるので、ベルカの売人とリベールのマフィアの利害は一致しているのだ。

 

ベルカの情報屋からその情報を買っていたミカヤは、其れを阻止する目的もあってKOFにヴィクトーリアとジークリンデを誘って参加していたのだ。

 

 

「ミカヤさん、誰か来たで?」

 

「如何やら、大当たりだったみたいだね。」

 

 

張り込む事十分、港には如何にも怪しげな船が停泊して中から黒服の男達が現れると、其処に一台の車が乗り付け、此方も中から黒服の男達が現れる……其れはつまり此処が違法薬物の取引現場となる訳で、同時にこの場でKOFの裏バトルが始まる事を意味していたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 To Be Continued 

 

 

 

 

 

 

 

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