思って、やり直し。
色々と試行錯誤でやっていきます。
コンビニ営業してます
初めまして、縁乃下 望です。
皆さんは自分が住んでいる以外の、世界があると
思ったことはありますか?マンガやゲームの世界の話だと
自分も思っていました。
異世界に繋がる扉が現れなければ。
扉の存在により、各国が混乱。
対処するために各国は、話し合いの為の会議……世界(ワールド)
会議の開催が決まった。
出席するのは各国のトップである。
「集まりましたね?それでは会議を始めましょう」
「まずは情報を集めねばなるまい」
「兵士を派遣するのか?そんな事をして、何か
あったらどうするつもりだ!」
「扉の向こうがどんな世界か分からん事には
どうしようもないだろ!」
話し合いは中々進まず、一旦終わったのだが
一部が強行して、偵察の為に扉の向こうへ。
すぐさま、国が会議で別部隊の派遣を検討
しようとしていたが、先の部隊が戻ってきた。
ボロボロの状態で。
帰ってきた部隊の証言は、信じられないものだった。
それ以降、扉の使用は禁止された。
まあ、こうしてテラの世界に来ているんだけどね。
表向きは危険だから禁止という事だが、異世界の
事情を考えれば、そうはいかなくなった。
異世界の世界、そこはテラと呼ばれ、鉱石病という名の
病気がある世界。
感染した者は皮膚や臓器などに鉱石を発症し、最後には
体全体が鉱石となって消える、そんな病気だ。
それに加え、こちらの世界は傭兵や国が陰謀で戦争中
だったりと、他人事ではない。
情報収集や事前対策をしたいのだが、どの国も信用するには
結局情報が足りない。そんな時に、別でもう一枚、扉が発見
された。
その扉は特別なのかチェスのルークのような形が彫られていた。
その先が今、自分が働いている店の移動都市である。
移動都市とは、テラの住人が天災を避ける為に開発した
動く都市である。
鉱石が天災を発生させるのか、引き寄せるのかはわからない。
天災(竜巻、隕石落下)を避けるために
都市自体を動かすのだ。
天災が発生しない所もあるが、それはそれで環境によっては
苦しいのだ。
自分は現在、ロドスアイランドと言われる製薬会社の中に
店(コンビニ)を経営している。
ロドスアイランド、ドクター、ケルシー、アーミヤの
スリートップが運営する製薬会社である。
ケルシーが医療部門トップ、ドクターが戦術指揮、会社の社長と
してアーミヤである。
製薬会社に戦術指揮はいらないだろうと思われるだろうけど
戦いや殺し合い、暗殺や略奪がある世界では防衛力も必要なのだ。
「これ位でいいかな」
今は開店準備を進めている。店で働いているのは
自分だけだ。誰も危険な場所で、働きたいという人は
いないだろう。
店内はよくあるコンビニと変わらないが、扱っている
商品は違う。
例えば、テラにある土は源石を含んでいるので、源石を
除去しなければ使えない。その点、地球の土は用途に合わせて
既に別けられているので、買って即使える。
水は消毒液や飲料、生活にも使われるので、箱かタンクで買われる
ことが多い。
源石を含まないだけで、テラの住人からはありがたいのだ。
技術に関しては作り方も含めて売られている。
これは戦争が地球に来ない為にも、政府が会社側に頼み
許可されたものだけが、販売の対象だ。
どこでもあるものは多いが、その会社だけが作ったりしているものは
会社と政府の話し合いにより、決められる。
政府が調査して、信頼ができると決められた会社にはテラで
作られた許可書が渡されるので、絶対に真似はできない。
という感じである。
基本的にはお金での取引なのだが、地球に渡し続ければ
紙幣がなくなってしまうので、独自の硬貨や紙幣が作られている。
無理な場合は物々交換するしかない。
「開店まで時間あるし休憩しとくか」
店員兼店長なので営業時間は自由に決めてある。
ただし、開店する時は連絡を忘れず、色んな人に利用
してもらえるように、朝、昼、夜と変えている。
忙しい人ように、予約兼預りもしているので、帰ってきて
直ぐに受け取れる。
コンコン 「失礼します」
おや、こんな時間に珍しい子が来たみたいだ。
「アーミヤさん」
「もう!さんづけはいらないって言ってるじゃ
ないですか!」
いやいや、そうもいかないからね?
彼女はアーミヤ、ロドスの社長だ。
前の会社の社長(テレジア)さんが亡くなって、自分から
社長に立候補したとか。
社員(オペレーター)達が彼女を支えている。
ロドスはその人の理念などを元にしているとか。
「ごめんごめん。それで、何の御用かな?」
開店前だから商品ではないようだけど。
「これから会談なんですが、髪の寝癖が治らなくて」
アーミヤの髪の一部がぴょこっと立っている。
「それならこれを使おうか」
ダンボールから取り出したのはヘアアイロン。
髪に使うアイロンだ。寝癖やお風呂後の髪を
乾かすのに使われる。
カチ 「少し待たないといけないけど、大丈夫かな?」
「はい問題ありません」
そう言って膝に座ってくるアーミヤ。
えーっとなぜ膝?
「ダメですか?」
ダメじゃないんだけど……まあ、いいか。
「えへへー」
妹がいたらこんな感じなのかな?いや、姉かも
しれん。
発電機を持ってきているので、それにコンセントを
挿し、ヘアアイロンが使えるようになるまで待つ。
○○分後、アーミヤの髪にヘアアイロンを使い
寝癖を直す。
アーミヤはそのまま会談に向かっていった。
「こっちはそろそろ開店だな」
シャッターを上げ、開店中の看板を出す。
待っていた客(オペレーター達)が店の中へ。
買うも物が決まってる人は目的の品へ、決まってない者は
見ながら決める。
「酒のおつまみっていったら、柿の種だろ!」
「いやいや、この沢山種類があるスルメもいいって!」
「また新しい化粧品が出てる!」
「ええー、私この前同じ効果の物買っちゃったー!」
「店長さーん、こんな商品あるますか?」
常に忙しい毎日だ。それでも働いているのは
親の病気を治すためだ。
給料に加え、テラの情報(病気や家の建築法、料理や戦闘方法等)で
ボーナスや追加報酬などが支払われるので、こっちで働いたほうが
稼げる。
一日でも早く治ってほしくて、こんな危険な仕事をしているが
後悔はしていない。
自分を産んでくれた親に応えるのは、子供として当然だ。
「あるよ。ちょっと待っててねー」
彼らが少しでも長く生きれますように。
希望を消さない為に。
ふぅー今日も繁盛したな。
客がいなくなり、店が静かになる。
明日は店を休みにするつもりなので
残っている商品は片付ける。
レジのお金も回収、回収っと。
全部が片付け終わった時。
「失礼する」
医療部のトップである、ケルシーがやってきた。
猫(フェリーン)の特徴である耳はあるが、尻尾はない。
もしかして普通の猫とは違うのかも?まあ、地球にも希少種な猫は
いるし、気にはならない。
ケルシーは主に医療品を注文する。
手を消毒するアルコール洗剤、手術に必要な道具などは
ケルシーから自分に注文を直接言ってくれる。
「移動都市で暮らす者には問題はないが、そうでない者は
野生の生物に襲われるからな。最近はどこの研究者かしらないが
生物に薬を投与して、暴れさせ、治して治療費を強引に
支払わせる者が出てきた」
たしかドクター達はその任務に出てるんだったかな?
後は扉の出現で、混乱や変化がないかの調査だったはず。
「そちらの物資がなければ、助からない命もあっただろう。
アーミヤ達が感謝していたよ」
「助け合いはお互い様ですよ」
地球では医者は長袖長ズボンなので問題ないのだが、ケルシーの
恰好は露出が多いので、大変(男として)困る。
ズボンだけでも履いてくれないだろうか?
「ダメだ。これでなければいけない理由がある」
うーん、そう言うなら仕方ない。諦めよう。
しかし露出が多めの服でなければいけない理由か……。
男が集中できなくなるとか?
(効果抜群だろうな)
流石に医者であるケルシーが前線で戦うとかないだろう。
ないよな?テラだからもしかしたらあるのか?
「勉強は進んでいるか?分からない事があれば
私に相談してくれ」
ケルシーには歴史とこちらの医療について
授業をしてもらっている。流石に子供に混じるのは
恥ずかしいので、個人授業だ。
机に向かって二人で勉強……学生時代にしたかった。
「む」
ギュッ
頬を引っ張られた。
「集中するように」
怒られてしまった。
二人で勉強しているとアーミヤがやって来て
自分とケルシーの間に入ってきた。
「私だって教えられますよ!」
うん、わかったから手を放してほしい。
ノートを抑えてるだけなんだけど、やりづらいよ。
その後は三人でコーヒーを飲み、解散した。
アーミヤです。
何回やっても寝癖が直りません。
「店長さんなら直す道具持ってるかな?」
異世界から来て、店を構えている地球という所から
支援をしていただいている地球の方。
優しくて、テラの事を調べて、優先度の高い物を
積極的に集めていただいています。
水は生活で最も使います。ですが、テラでは源石があり
飲み水等に使うにも、処理が大変です。
地球の水は綺麗です。雨が山に降り、村や町に流れるまでに
山の中で浄化されます。テラでは考えられません。
土も向こうでは沢山あるそうで、パフューマーさん達が
帰ってきたら喜んでくれるでしょう。
「店長さん、会談があるので寝癖を直したくて」
ヘアアイロン……そんなものがあるなんて!
電気を熱に変換して、アイロンみたいに使うとは!?
地球の技術も侮れません!
会談も終わり、店長さんにお礼を言いに来たのですが
ケルシー先生と仲良く二人で授業をしていました。
「アーミヤ、あまり店長を困らせてはいけない」
「では膝なら問題ありませんね」
ふふふ、膝なら問題ないはずです。
ケルシー先生どうですか?大人のあなたには
出来ないでしょう。
この世界(テラ)にやってきた、一人の男。
彼は店を構え、歴史を知り、病気を知る。
彼に出来る事は物資の供給と最低限の生活を
維持させる事だけ。
それが戦争をさせない事に、繋がり続けるかは
皆の協力次第だろう。
異世界と世界が争わない為に、今日も男は
店を営業する。