カフェとモルモットの歪な関係、アグネスタキオン添え 作:小鳥遊 小佳夏
人間も、ウマ娘も、みんな慣れというのは起こりうる。というか起こらない人はいないのではないか。そしてその慣れは、私たちのここまではやっていい、これ以上はやっちゃダメというラインを大いに狂わせる。そうした結果、取り返しのつかないことを引き起こす。そう、今みたいに。
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まず、大本から話すべきだろう。なぜこうなったのか。その事件の日よりももっと前。私と、彼女と、彼の関係の始まりから。
私、マンハッタンカフェは常日頃、どういうわけかアグネスタキオンに実験材料にされようとしていた。毎回断ってはいるが、最近ではそれも面倒になるくらいで、ほんとに迷惑極まりない。だが、ある時。そう、タキオンが退学させられるとかという噂が流れたころ、私への迷惑は無くなった。タキオンにトレーナーがつき、そのトレーナーが実験材料になったからだった。タキオンが彼女のトレーナーを呼ぶとき、必ずモルモットくん何て呼んでいるから、彼が私の身代わりになってくれているのは間違いない。まあモルモットさん(私はそのトレーナーさんをこう呼んでいる。本名も知らないし)は私のためにそうしてくれているのではなく、タキオンの走りに惚れたからモルモットをやっているそうだ。まあ私のためでなくても、結果私への負担は減ったのだからとても感謝しているし、これからもモルモットとしてタキオンに対する防波堤となっていてほしい。そう思い、またモルモットさんが私と同じくコーヒーが好きというのもあり、たまにあっては一緒に趣味の話をしたり、悩みやタキオンに関する相談なんかを受けていた。
そんなあるとき。学園の裏庭。普通は誰も通らないところで私が『お友達』としゃべっていると、ふらふらとよろめきながらこちらに歩いてくる人がいた。それはモルモットさんだった。
今にも倒れそうなモルモットさんを抱きかかえ、ベンチに横たわらせた。ありがとう、そういわれた私はなぜモルモットさんがこんなになっているのかを問いただした。すると、タキオンの薬の実験に付き合っていたはいいが、それに合わせてトレーニングメニューの考察やライバルの分析などをした結果、2日程徹夜をしてしまったらしい。幸いにも今日はトレーニングはお休みの日なのだが、トレーナー室に忘れ物をして、それを取りに来ようとして←イマココとなったとか。それを聞いた私は激怒した。というのも、そうしてモルモットさんが倒れればまた私にタキオンが迫ってくる。そんなのはごめんだ。だから、自己管理ができていないということでモルモットさんをしかりつつも、私もベンチに座り、そのまま膝枕をしてあげた。そして小言を言いつつモルモットさんの頭を撫でていると、すぐに気持ちよさそうな寝息を立て始めた。そのまま半日近く寝続け、最後の方には膝の感覚がなくなっていた私だったが、防波堤になってくれている恩返しとそのまま枕になり続けた。
これがきっかけで、私はたまにモルモットさんを癒すということをやるようになった。
最初こそ膝枕をして頭を撫でるだったが、ある時ふっと思い立って、モルモットさんを抱きしめた。モルモットさんはあったかく、こうしていると私まで落ち着いてくるようだった。モルモットさんも、私の後ろに手を回し、互いに抱きしめ合った。そのまま私がモルモットさんの背中をぽんぽんと叩くと、癒されたのか心地よさそうな顔をした。
こうして、たまに抱きしめたまに膝枕なんていう癒しをしていたが、ここからどんどん私がモルモットさんにすることが過激になっていった。別にタキオンさんからとろうとかそんなことは全く思ってもいなかった。でも、モルモットさんにすると、私まで心地よくなっていって。それにどっぷりとはまった私は、取り返しのつかないようなことまでもするようになってしまった。
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まずある時、いつものようにモルモットさんを抱きしめていた私は、不意にモルモットさんにキスをした。それもほっぺにではなく、口に。モルモットさんは最初こそびっくりしていたが、私が何回かついばむようにキスをすると、モルモットさんもそれに応えた。いつしか深いキスまでして、これ以降、モルモットさんを癒す時には必ずキスをするようになった。
次に、肩もみやハンドマッサージをするようになった。それに慣れると耳舐め。それから背中のローションを使ったマッサージ。どんどんと私とモルモットさんの距離は近くなっていった。このころになると、二人っきりの時はあなたと呼び、カフェと呼ばれるようになった。
そしてある日。私たちはついに一線を越えた。偶然私とあの人の休みが重なり、二人で喫茶店巡りをしようと出かけた日。集合したは良いものの喫茶店までの道の途中で大雨に降られ、雨宿りをとラブホテルに駆け込んだ。そこで交互にシャワーを浴び、バスローブ姿になったのだが、暇なのでいつもの癒しをしようということになった。そして耳舐めやキスをした板が、不意に私の手があの人の股間に当たり、彼のがおっきくなっていることに気づいてしまった。そこからは詳しくは語らないが、私たちの距離が0になった。私はたくさん絞りとり、お腹の中にたくさん注がれた。それから、私と彼は休みが合えばまぐわうようになった。内容も、ソーププレイをしてみたり、彼がタキオンのところからくすねてきた媚薬を飲んで耐久してみたり、とにかく気持ちいいことをし続けた。でも私と彼の間に恋愛感情はなく、どちらかというとセフレという関係の方が近かったと思う。同じ気持ちよさを求めて、互いに癒し合う関係。そんなのだった。
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そうして何回も一線を越えてしまうと、日常でもだんだんとやることが過激になっていった。校舎の陰でキスしたり、屋上で舐め合ったり、はたまた人気のない裏庭でしたり。そんなある日、私がトレーナー室で、椅子に座った彼のを舐めていると、タキオンが現れた。咄嗟に机の下に隠れた私は、そのまま彼のをくわえ、タキオンが私を探してカフェテリアに行くというのを聞いた後、いつも通りに搾り取った。残っているのも吸い上げてぷはぁと一息ついた時、私の背後。部屋の入り口からその言葉は聞こえた。
「ずいぶんとお楽しみのようだねぇ、モルモットくん? カフェ?」
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そのあとのことはよく覚えていない。でも、タキオンは私達を口では責めてはいなかった。ただ、あの凍えるような目線が、私の中からいつまでたっても離れない。
次の日。タキオンは学校に現れなかった。昼休みの時、タキオンが病院に送られたという話を聞いた。何があったのかは知らないが、膝を壊して、もう歩くこともできないらしい。それを聞いた時、私は昨日のことを思い出して、気分が悪くなり、その日はそのまま早退した。そして寮に帰るも一切寝れず、そのまま現実から逃げ出そうと、持っていたリュックに服や全財産を詰め込み、次の日の朝、学園近くの駅に向かって飛び出した。そして駅に着くと、同じように逃げ出してきたモルモットさんがいた。
そのまま二人で逃避行を続けた。温泉に行ったり、観光名所を回ったり、お遍路をめぐったりと、日常生活から離れたことをし続けた。とはいえ、二人とも飛び出した身。仕事には就けず、定住する場所も借りられない。お金もつき始めたころ、私たちは北海道に向かった。北海道の適当な岬を目指していたが、最後の方は一銭もなくなり、二人でただひたすらに歩き続けた。そうしてたどり着いたある岬。崖の上から荒海が見える、そんなところだった。
そこで私たちは最後のまぐわいをした。それから、最後のお金で買ったノートにつらつらと思うことを書き、全部をリュックにしまい、歩いてきた時と同じ格好で岬の先端に立って二人で抱きしめ合った。
「これが私たちの最後ですか」
「みたいだな。だが、俺はカフェと関係を持てて、後悔はしていない」
「私もですよ、あなた」
二人でどちらからともなくキスをしつつ、私たちは眼下の荒海に身を投げ出した。