大乱闘スマッシュブラザーズ Abandon World   作:アヤ・ノア

43 / 51
ついに仲間を救出に向かいます。
やっぱり彼女を救うのは、彼じゃなくちゃね!


第42話 ゼルダを救え!

「……終わったようだな」

 ようやく、ゼルダがぽつりと呟いた。

 何が終わったのだろうか……リンクはその事が少し気になっていたが、

 今はゼルダを止める事を優先し彼女に近付く。

「ネールの愛」

「ぐぁぁっ!」

 だが、ゼルダはリンクをネールの愛で弾き飛ばす。

 それでもリンクは諦めず、次に魔法を放とうとしたゼルダの腕を押さえ込んだ。

「くっ……何をする!」

「みんな、今のうちにクラウド達を助けてくれ!」

「うん!」

 リンクとゼルダが取っ組み合いになっている間に、マリオ達は捕まっている三人の縄を外した。

 自由になったクラウドとカムイ、そしてベヨネッタはゆっくりと倒れ込む。

 リンク以外の全員は大急ぎで三人に駆け寄った。

「大丈夫か、クラウド」

「カムカム! しっかりして!」

「ベヨネッタ……」

 気を失っている三人に、マリオ、カービィ、フォックスは声をかけた。

「ああ……マリオ、か」

「クラウド!」

 最初に目を覚ましたのは、クラウドだった。

「こ、こは、どこ、だ」

「穴の中、と言ったら単純だよな。お前はここに捕まっていたんだ」

「うぅ、そうか……。自由にしてくれて、ありが……と、っ」

 立ち上がろうとしたクラウドが再び意識を手放そうとする。

 マリオはクラウドを抱きかかえ、安全な場所に彼を寝かせた。

「カービィさん、あれ……ここは?」

「おっはよ~! カムカム!」

 こんな危険な状況なのにも関わらず、カービィは明るくカムイに挨拶する。

「よかった……私、生きてるんですね……」

 生きているのを確認したカムイはほっとする。

「あっ、そうだ。ベヨネッタさんは?」

「カムカム、無茶しちゃダメ! ベヨ姉は生きてるよ!」

「本当……ですか?」

「本当だよ! 僕を疑う気!?」

 カービィの言葉と表情に裏表はなかった。

 カムイは「よかった」と言って、その場で気絶するように寝た。

 ゼルダが洗脳され、ベヨネッタが火あぶりにされ、自分も捕まって殺されそうになった。

 今、その状況から解放されたため、カムイはすっかり安心したのだろう。

「……ぅ……わ……私、は……?」

 先ほど、ゼルダに火あぶりにされたベヨネッタがゆっくりと起き上がる。

 彼女の服はボロボロになっていて、身体中に火傷の跡がついていた。

「ベヨネッタ……生きていて、よかった」

「……私が、あんなんで、死ぬわけ、な……」

「何を言ってるんだ! マリオ達が助けなければ、お前は死んでたんだぞ!」

 フォックスはウルフの悲劇を見た事から、仲間を助ける事に専念している。

 しかし、自分一人だけでは仲間を助ける事はできなかった。

 この言葉も、マリオ達仲間がいたからこそ言えたのだ。

「クラウド、カムイ、ベヨネッタ。お前達は無理をしないで休め。ゼルダは、俺達が相手する」

「応援してますよ!」

 マリオ、カービィ、ピカチュウ、フォックス、ブラックピットは、

 三人を安全な場所に匿わせてリンクのところに行った。

 

 一方のリンクはというと、今もゼルダと取っ組み合いになっていた。

「ゼルダ……俺達がここに来たのは、お前を元に戻すためでもあるんだ」

 今、ゼルダはハオスに洗脳されている。

 つまり、望んで三人を捕らえたわけではない。

「ただ『正気に戻れ』と言っただけじゃダメだよな。

 俺は……ゼルダが戻ってきてくれればいい。ゼルダ、お前は……何がしたいんだ?」

「……」

 リンクの言葉に反応しないゼルダ。

 ゼルダはリンクの手を振りほどいた後、魔法を詠唱すると、無数のグールが現れた。

「ならば、貴様はここで死ね!」

 ゼルダの指示と共にグールがリンクに襲い掛かってきた、その時。

 

「はぁぁぁぁぁっ!」

 マリオが飛び蹴りを放ち、グールの群れを地に伏せた。

「リンク! ゼルダは俺達と一緒に元に戻すぞ!」

「みんなでやれば、ゼル姉は元に戻るよね!」

「俺達スマブラ四天王の力を見せてやろうぜ!」

「ファルコ……ウルフ……力を貸してくれ。あの悲劇を起こさないために!」

「へっ。こんな化け物、一網打尽にしてやるよ」

 ブラックピットがやる気満々でブラピの狙杖を構える。

「待ってくれ……ゼルダ。お前は、俺が絶対に連れ戻す!」

 リンクは、真剣な表情でマスターソードを握り締める。

 そして、ゼルダに向かって叫ぶと戦闘が始まった。

 

「まずはグールを倒そうぜ! アイアンテール!」

 ピカチュウが鋼のように固くした尾をグールの群れに叩きつける。

「ディンの炎」

「うおっ!?」

 ゼルダは一瞬無防備になったピカチュウに火炎弾を放つ。

 火炎弾は爆発し、ピカチュウに大きなダメージを与えた。

「はっ!」

「えーい!」

 マリオとカービィのハンマーが、グール達を一撃で倒した。

「貫け!」

「くっ!」

 ブラックピットはブラピの狙杖を構え、そこから光線を放ってゼルダを撃ち抜く。

「ゼルダ! 俺の声が聞こえるか!?」

 リンクがゼルダをマスターソードで斬りつける。

 いくら彼女が操られているといっても、手加減をしては殺されてしまう。

 なので、まずは大ダメージを与えた後、気絶させる作戦で戦う事にした。

「ウァァァァァァ……!」

「よっと!」

 フォックスはグールの攻撃をかわし、回し蹴りでグールを一掃した。

 その後にブラスターを連射しグールを全滅させた。

「グールなど、所詮は駒に過ぎない。……私が貴様らを皆殺しにする! マジカルカッター!」

 ゼルダは魔法で刃を形成し、リンクに斬りつける。

 普段のマジカルカッターは光り輝いていたが、洗脳の影響で禍々しい黒に染まっていた。

 リンクは盾でこれを防ぎ、ゼルダを連続で斬りつけた。

「俺を大切に思うゼルダは、まだいる。俺はそれを信じて、お前と戦う。

 たとえご都合主義であっても、ハッピーエンドは絶対に掴み取る!」

「黙れぇぇっ! シャイニングパームショット!」

「ぐぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 ゼルダは手から閃光を放ち、リンクに大ダメージを与えた。

「くっ……ゼルダ……俺が分からないのか……!? もう、俺の存在は見えないのか……!?」

 もうゼルダは元に戻らないのか、とリンクは絶望した。

 だが、この時マリオは見ていた。

 魔法を放つゼルダの手が、僅かに震えていたところを。

「リンク!」

「どうした、マリオ?」

「ゼルダは今、自分を縛っている闇に必死で抵抗しているんだ!

 このまま攻撃を続ければ、きっと思い出せるかもしれない!」

「そっか……ありがとよ!」

 そう言ってリンクはゼルダに近付こうとするが、ゼルダはネールの愛で拒絶する。

「私に近付くな……!」

「でんきショック!」

「そんなもの! ネールの愛!」

 ピカチュウのでんきショックをネールの愛で跳ね返すゼルダ。

 しかし、これは隙を作るための囮であった。

 フォックスはゼルダに突っ込んで蹴り、さらにマリオが零距離でファイア掌底を叩き込む。

「く……何を、する……!」

 急な出来事に対応できず、どんどんダメージを受け続けるゼルダ。

「くそ……やめろ……!」

「お~っと、俺も忘れるなよ!」

「目を逸らせはしない!」

 さらに、ブラックピットが神弓シルバーリップでゼルダを攻撃し、

 目を逸らそうとした彼女をフォックスのブラスターが阻止する。

「ゼルダ……俺の目を……見ろぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 そして、リンクの剣がゼルダを捉え――

 

「……リン、ク……」

 ――彼女を、倒した。




次回はついに、ヒロインが……。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。