毒親前の合流までの一幕・・・
「音・・・?いや音楽?」
「バイオリンだな。この間、指揮官が趣味で修復していたモノに似てるが・・・」
「いや、うちの指揮官多趣味すぎよ・・・」
私の発言にM1887がため息をつく
シャマール指揮官はたしかに多趣味だ、開発・修理系なら粗方出来る
ヴァイオリンの前には1週間で BM オプロート という戦車をレストアしたくらいである
小さなモノは銃のパーツから、大きなモノは戦車まで・・・幅が広すぎるにも程がある
挙げ句、新型の潜水艦の設計を行って発注をかけて建造中なものまであるのだから・・・
その財源がどこから生まれているのか不思議だ
「こっちね」
「そうだな」
「ところでずっと気になっていたのだけど、
「・・・言わなきゃ駄目か?」
答えにくい質問をされた
思わず質問し返すと、M1887が眼帯を取ろうとしてくる
「おいバカやめろ!!」
「説明するか剥ぎ取られるか、さぁ早く選びなさい!!」
「説明する!!説明するからッ!!」
そう言ってなんとか離し、意を決して眼帯をとる
「こういう事だよ」
そこにあるのは3本の傷と赤い瞳
もちろん目は見えてる、だが隠したいのは傷の方だ
「傷くらい良いじゃない、減るもんではないわ」
「これは、戒めなんだ。守りたいと思った人を守れなかった私の」
「・・・
「あぁ、
当時傷がなく、今は眼帯を掛けた瞳に傷を負い・・・それでもウイルスに抗いながら何とか彼のもとにたどり着いたときには、もう遅かった
明らかに
「ん・・・?」
「なんだよ?」
「その人が?」
「人として、好きだったよ。戦術人形である私にも、人と同じく接してくれた。そういった意味で」
今はもう、言葉で伝えることも叶わない
それでも・・・言葉で伝えたかった
「眼帯にも特殊な機能があるようね?」
「あぁ、これはソリッドアイって言ってな。指揮官が私用に作った万能ゴーグルなんだ。多機能なんだが使ってない機能もあるんだよな・・・」
「だろうと思ったわ、貴女のことだし持て余してるのではなくて?」
「いや、これがまた中々優秀でな・・・」
そう、非常に優秀なデバイスだ
高倍率のスコープとしてだけでなく紫外線暗視装置の機能まで有していながら、眼帯そのものに見えるのは素晴らしい
「ちなみにR-18な使い方も出来るぞ?」
「使ったら抉り取るわよ?」
「私が使うと思うか?」
「言ってみただけよ」
冗談を言い合いながらも音楽の聞こえる方に脚は進んでいる
「これはまた、教会・・・というより聖堂に見えるな」
「ココにいるのがおっかない連中でなければね」
「よろこべ、お前もその一人だ」
「素直に喜べないわよ」
私の発言にM1887がそう返してきた、まぁ仕方ないだろう
そして突入メンバーが全員揃い、来ていた子供・・・ゼーレから事の経緯を聞いた
「クソが・・・」
誰にも聞こえないように、私はそう言っていた。話を聞いて浮かんできた言葉はその一言に尽きる
私やUMP45、HK416がこうなってしまった理由を作ったあの野郎・・・ウィリアムに性質が近いといえるだろう
まさにゲスだ、極めすぎて吐き気すら起こらない
「姉さん、あの武装を解禁します」
「あぁ、サポートは任せろM4」
「それじゃあ私も手伝うわよ、グリフォーネは?」
「別口行きます、こっちだと活躍の場面がなさそうなので」
私とM4とM1887がこいつ大丈夫か?という顔になった
だが、その顔には慢心ではない自信がある
「一応言っておくぞ、死ぬなよ?」
「ハハハッ!!一度死んでるんで、これ以上死ねませんよ!!」
二人が訝しむ目になるが、私は別の意味で驚く
その背中に、赤い光の湧いている部分が薄っすらと浮かんでいたのだ
あの光は、指揮官が設計段階でやめたと言っていた動力源から発生する光に似ている・・・まさかとは思いたいが、流出した技術はまだ多くのあるのではないだろうか?
だが、今はこちらのことに集中しよう・・・母親を名乗る毒親・・・いや、それ以下の存在をブチのめす!!
「さぁ、行こうか・・・」
この少しあと、今までで一番の怒りを覚えることになるとはこの時思ってもいなかった
いや、思ってたとしても、やることは変わらなかっただろう・・・
悲報・・・?
M16の眼帯はソリッドアイ(シャマール製)だった!!
次話にてついにブチ切れるM4チーム(グリフォーネ以外)はどんなド畜生戦術を披露するのか!!