チート指揮官の前線活動   作:アーヴァレスト

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NTK氏作、人形達を守るモノとコラボ第15話

帰還中に語られる真の目的とは・・・?



少し先の未来で頑張る話(final)【コラボ】

「流石に疲れてるな・・・」

<彼女達にとってもかなりの心理的負担を強いる事がありましたからね、仕方ないですよ>

「お前も、しばらくの間休んでいていいぞLAFI、味方全体のシステム統制にかなり気を使っただろ?」

<えぇ、今回ばかりはお言葉に甘えさせて貰います>

 

機内でLAFIとそう話す、車の中ではモンドラゴンとXM16が保護したアイソマー達3人を挟んで寝ている

 

「このまま基地に帰るんだよね?」

「あぁ、そうだ。燃料は?」

「増槽着けてるから大丈夫!!でも基地に着くの少し早くなるかも」

「季節風か?」

「うん、そのおかげで燃料も節約できそう」

 

コクピットではアーキテクトが離陸の準備をしていた

なお、機長席にはゲーガーが座り、操縦士席にアーキテクトが座っている

 

「お前も来るとは珍しいなゲーガー」

「二人でないと運用できない規定があるのだろう?それにこの馬鹿と長時間付き合えるのは私くらいだからな・・・一人だと何仕出かすかわからんからついてきただけだ」

「マネージャーも大変だねぇ・・・」

「誰が好き好んで問題児のマネージャーなどしてやるものか、仕方なくだ」

 

何だかんだ言いながらもゲーガーはアーキテクトを見捨てない

その証拠に投降する選択をした彼女を庇いながら、敵である私達の前に毅然とした態度でいた

 

「ゲーガー、そういえば最近武器の手入れをしてないな?」

「あぁ、そろそろ頼もうかと思っている」

「明日なら空いているから持ってくるといい、アーキテクト、お前もだ」

「あ、置いてきてるからお願い!!」

 

ゲーガーが即座に頭を叩いたのは言うまでもない

ゲーガーは戦場に近い事を警戒して武装をすぐ後ろに置いているが、アーキテクトは機内のどこかに置いていると思っていた、それがまさかの非武装で来るという事態に流石にキレたのだろう

 

「お前は馬鹿か!?」

「バカとは心外な!!大馬鹿だよ!!」

「より悪化したな、このアホが!!」

 

そういいながらも離陸の準備は進めるあたり二人は真面目だ

しかし貴重な鉄血の情報源として同時に鹵獲されたアーキテクトの方が捕虜生活を絶賛エンジョイしているのに対してゲーガーは黙して語らずを貫いている(しかしアーキテクトが求められなくてもペラペラと喋るため意味をなしていない)

 

「M16からの連絡は?」

「1時間ほど前に届いた、これだ」

 

渡されたのは一枚の紙、M16からの連絡を紙に書いたものだ

 

「よし、エリザは舞台に上がってくれるか・・・」

「「エリザ様が!?」」

「あぁ、二人には言ってなかったが、会談をするためだけにM16を鉄血に保護してもらう腹つもりで動かしたからな・・・目論見通りだ」

 

その裏にはすでに密約を交わしているエージェントとドリーマーの存在もある

エージェントがパラデウスとの戦闘でダメージを負ったM16を回収、ドリーマーが治してくれるであろうと考えたうえでの行動だ

二人が協力してくれるのは得られる利益と減る損失、そして何よりも・・・

 

「一部暴走している正規軍の過激派連中を叩くために、障害になっているグリフィンと一時的に連携する。共通の敵だからな、新ソ連軍は」

 

そう、共通の敵の一つである新ソ連軍の過激派を叩くための協定だ

それが第一段階、そして・・・

 

「最終的は鉄血そのものを仲間として融合勢力を作り上げる。そうする事で新ソ連軍、国連、グリフィンあるいはその残党勢力という三勢力で軍事的なバランスをとるつもりだ」

「天下三分の計?」

「ま、その通りだな。上手く行けば100年は大規模な戦争ない世界を作れると思う。あくまでも上手く行けば、だがな」

 

人類が手にできる平和な期間など、精々100年が限界だ

それは皮肉な事に国連が実証してしまった

しかしそれでも、まだ希望は残っているのを証明してもいる

国連が解体されていないのは、その加盟国の国民のみならず、全ての人類が平和を望んでいるからこそだ

だからこそ・・・

 

「やがては全ての武力を国連に委ねるのか・・・?」

「お、ゲーガーは私の導き出した答えに辿り着いたな?正解だ」

 

世界的安全保障への一提案。それが私の出した答え

そのための技術、人材、そして期間の確保はほぼ全て完了した

あとは実行に移すだけ、そしてそれ自体も全て準備を終えている

 

「だが、それを・・・いつから考えていた?」

「蝶事件の真相を知った日からだ、あの事件が一人の人間の欲望で引き起こされたというのならば・・・一人の女の儚い願いくらい、叶えられるだろう?」

 

鉄血との戦いの中で知った蝶事件の真相、それを知った日からLAFI以外の誰にも悟られずに計画していた全ての行動

その集大成がもう間もなく発動される

 

「1年の間にそれだけの仕込みをどうやって・・・」

「もともと、国連がそういった提唱を行うための実験部隊を作ろうとしていたのを掴んでいてな。その運用のプロトタイプとして乗っかっただけなんだよ」

 

正確に言えば利用したのは資金と一部の人材だけで、残りというか大半は自分の案を元に作っている

 

「現状の国際情勢を憂いた国連、新ソ連軍の在り方に疑念を抱いた権威ある者たち、そしてパラデウスなどのテロを許せない勢力。それぞれの思惑で動いている者たちがそれぞれの目的を代行させるべく作ったステージを横から破り割いて、()()()()()()()()()さ」

 

そのために必要だったのは理解と納得をしてもらうための説得と交渉

ほとんど基地から出ない私だが、その説得と交渉のためにギリギリまで頭脳を使った

その結果として一つの大きな軍隊、それも国家のではなく国連の定めた法にのみ従う軍が誕生する

新生国連軍、とでも今は仮に名付けているそれは真の意味で人類史初の超国家軍である

これまでの大国の思想に左右される部隊などではない

 

「これまでの国連軍の問題は何だと思う?」

「大国の力に怯えていた事だな、それ以外にも強権を持たないが故の脆弱性もあるが」

「ゲーガーの言うとおりだ、そして国連はそれらの問題を長い時間をかけて克服した」

 

そう、国連の問題はそこにあった

だがそれを反省し自らの問題点を糧として改善したのだ

 

「だが今回新設される軍はまるで違う、機能と役割は凄くシンプルだ。()()()()()()使()()()()()()()使()()()()()()()()()()。たったこれだけ」

 

いずれの国家にも所属せず、強いて言えば国連のような国際条約に従うのみであるからこその強み

その極地がこれだ。そして

 

「補給はどうなる?」

「グリフィンと似た方法ができる。武器弾薬の軍とのシェアリングだ。安全保障を求める多数の国家が資金提供し、各国家を渡り歩くように補給を受ける事が可能だよ」

 

グリフィンは新ソ連軍と武器弾薬のシェアリング契約を持っている

それを各国家と国連で結べば、実現は可能だ

 

「そうか・・・S13基地がここまで強く、また誰にも縛られなかったのは・・・」

「そう、この構想の大前提である()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()ことの証明だよ」

 

S13は数個中隊規模だからまだ納得は出来る、運が良ければどうにかできるから

だがこれがもしも、数個旅団なら?

たとえ何部隊か撃滅したとしても、”生き残りがどこかをうろついている”というプレッシャーを払拭する事は不可能であるし、ましてや”それらは戦闘能力を有していない”という保証を確立する事は不可能である

ならばそういう軍を国連が有する事で、”誰が何をした所で、国家が攻撃をすれば超国家報復を喰らう”というプレッシャーを全世界にかぶせることが可能であり、それをもって全世界に”軍縮を急がねばならない”と動機づけとする

途轍もなく遠大な計画だが、上手く行く・・・その兆しは既に生まれている

 

「ロクサット主義とは逆方向でありながら、目指す地点は同じく平和なのか・・・」

「いいや、違う、それは間違いだぞゲーガー」

 

ゲーガーの言葉に私は反論する

 

「彼の目指したものと私の作るものの土台は一緒だ。彼の場合は既存国家の闇を見せつけられ人の運営する国家という物を信用できなくなった結果、高度に自動化された政治システムにより平等かつ公平に人々を助けることを目標にした計画が設立された」

 

それは間違ってはいなくても、正しい事ではなかった

彼も予測出来たはずの・・・自身の死後、信奉者とその主義や公約が独り歩きしてしまう事で歪みが出たのだ

貧困層、富裕層のどちらにも利益があるこのロクサット主義は世界に広がり始め、ヨーロッパ全土に浸透し第三次大戦の混乱を助長してしまった

プロメテウス計画なるものを設立し、国際連合に喧嘩を売り始めた一派もいるという

そして最大の問題は・・・

 

「あれ、でもよく考えたら。性質的に社会主義的なシステムによって富と資源を公正に分配しないといけないから、結局社会主義に組み込まれてしまうよね?」

「お前よくそこに気づいたな馬鹿のくせに」

 

そう、いまアーキテクトが言った事。それが最大の落とし穴だ

実際、ロクサット主義で運営されていた国家では配給難などから住民達の猛反発を食らいパラデウスのテロに巻き込まれる要因となった

 

「私のアプローチは逆、間違っていて正しい事だ」

 

世間一般で言えば談合などの犯罪になる事を私は行った

だがその結果得られる利益は、今後百年の人類史において安全を保障するに足るものであり、人類共通の財産だ

ロクサット主義を否定はしないが、だからと言って肯定もしない

機械的なものに頼り切るだけではダメだから、それはいずれ破綻してしまうから

頼るだけではなく、適切に運用し問題点を探して是正する。それが出来なければ最悪の惨劇が繰り返されていくだけだ

私とLAFIがその一例だろう、極論ではあるが

 

「ゲーガー、君はどう思う?」

「呆れて言葉も出ないな、夢物語に等しい。だが・・・」

 

いつものように冷静に言って、珍しく少し言いよどんだ後ゲーガーは続けた

 

「その夢を実現するために心血を注いできた事を、私達は知っている。そのためにどれだけの苦労を重ねてきたかも。だから微力ではあるが力を貸すよ、指揮官」

「私もだよ、指揮官!!」

「あぁ、よろしく頼む」

 

そう言って自分も着くまで寝ることにした

流石に今回の作戦は心身ともに疲れた




最後に最大の問題&主人公の真の目的+最大文字数ってどうなってんだYo!!

新年あけましておめでとうございますッ!!
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