剣士同士の戦い・・・
「送られてきた座標データの場所に来てみれば・・・冗談だろ」
思わず、そう言ってしまった
スケアクロウから送られてきた座標の位置は、今自分の視線の先にある施設
それは以前にも来ていたグリフィンの基地そのもの・・・つまり
「ハメられたな・・・」
そう、そこの指揮官にハメられたのだ
自分の動きすらも予測させたうえで、その前提条件の時点でこちらを自分の術中に落とし込んでいた
「全て自分の計算の内ってか・・・?それが出来るとしたらとんでもない相手と戦うことになるぞ?」
もし、相手がそういう人間・・・一握りの天才であるならば
いや、それですら足元に置くような存在なら・・・
「いや、だとしても」
だとしても、脅威となるなら殺すまでだ
しかし、保有戦力も分からない状態で飛び込むような相手ではない
「なんだ・・・アレ・・・?」
そのとき、相手の施設の屋上から何かが出てきた
「違う・・・アレは迷彩で隠されていたのか!?」
現れ方が不自然だった、まるで最初からそこに隠されていたかのような現れ方から、それを理解するのに時間はかからなかったが・・・
「なっ・・・」
対応が遅すぎた
ソレから放たれた凶弾がこちらの戦力をたった一撃で4割も削ったのだ
「なんだよ、アレは!?」
音が数秒遅れてこちらに届く、それはまるで音の壁、衝撃波だった
「やってくれるじゃねぇか・・・」
もう、逃げる事さえ出来なくなった
ここで引いてもやられるだけだ
「その前に、だ」
最後の挨拶くらいはしておくか、一応・・・
「随分と悠長に構えているようですが」
「わりぃな
「・・・どういう意味です?」
「相手が悪すぎ。バックアップも残らず消滅するなコレ・・・」
同時に情報も送っているが、
いや、いつもと同じに見えるだけか・・・
「分かりました、後はこちらでどうにかしましょう。悔いなく戦いなさい」
「あいよ、ま、バックアップが残るように期待してるわ」
通信を切られる、こちらからのアクセスも同時に断たれた
どうにかするってウソかよ・・・と思うが、よく考えると帰属意識の薄い自分にそこまでの事をする事でもないか・・・
「まぁいい、これで心置きなく戦えるってもんだ」
残った残存戦力も同じく切り捨てられたのか、自分以外の命令は受け付けないようだ
そちらには待機を命じ、私は単独で敵の基地に向かう
おそらく正門と思われる入り口には、私を待ち構えている一つの存在がいた
「久しぶりって言った方がいいか?」
「そう・・・だね」
「通してくれねぇか?ここの指揮官に用があるんだが」
「作戦で出てる」
あぁ、やっぱりな・・・全て手の内だからか・・・
「そうかい、それじゃあまどろっこしいのはナシだ」
「どうしても基地に入るというなら、今回は破壊も構わないって言われてる」
互いに武器を構えてそういい、告げる
「暴れようぜぇ!!」
「倒す」
先に踏み込んで一撃を叩きこむ、それを予測した相手は最短最速でこちらの急所を狙ってきた
しかも前回と異なり、攻撃は二段階に分かれている
一段階目はこちらの剣先を僅かに逸らし、そこから続けて二段階目で腕を破壊するつもりで流れるように斬り込んでくる
それを力業で何とか躱し、銃を使うが弾丸が全て・・・
「斬り落とすって・・・冗談だろ!?」
「見えるなら、斬れるよ」
「それが出来てたまるかよ!!」
斬り落とされた、ほんの数メートルの距離で撃ち込んだにもかかわらず
「なら、これにはついて来れるかッ!!」
「つっ・・・!?」
相手に初めて驚きの表情が浮かんだ、だが・・・
「速い・・・」
「がっ・・・ぁ!?」
「でも、それだけ・・・さっきも言ったけど・・・見えるなら、斬れる」
最速で動いた自分に対応し、こちらの動きを予測して・・・剣を持っていた腕を斬り落とされた
しかしこちらもタダでは落とされていない、落とされる間に剣をその腹部に突き立てている
「ま・・・だだッ!!」
「・・・終わりだよ」
残った片手で剣を抜き、振り上げる
その間に相手は残った方の手を抑えて肩に剣を突き刺した
「一撃決めれただけかよ・・・」
「でも、ダメージは大きいよ」
「破壊の命令を受けるんじゃねぇのか・・・?」
「鹵獲したら、いいかなって思った」
相手は・・・いや、ICEYはそう言って腹部を抑える
流れているのは・・・血か!?
「お前・・・」
「大丈夫、思ったより深くないから」
「痛覚・・・ないのか?」
「あるけど、普通より鈍いだけ・・・」
そう無表情に言いながら、ICEYは自分で止血する
大き目の止血用パッドで少しどころかだいぶ無理やり止血した
「これでしばらくは大丈夫、もうすぐしたら皆来るし」
「そうかい・・・」
施設の方からはグリフィンの人形と人間の職員達が来る足音がする
「エクスキューショナーですね?」
「そうだけどどうした?」
「貴方の身柄を拘束します、破損した腕の方はこちらにある部材で一応応急処置しますがいいですね?」
「施しか?」
「いいえ、最低限の処置です。捕虜として、貴方の身柄を抑えるので」
「そうかい、それじゃあ、俺の指揮する奴らも同じようにしてくれないか?」
相手のAIの方から返答が来た
<こちらに指揮権限を譲渡するなら構いません、扱いは貴女と同じだと約束します。しかし反抗する気があるのならば・・・>
「こっちはもう戻れねぇんだわ、通信もアッチから切られててな・・・」
<失礼ですが貴女との通信ログを解析しました>
「信じてくれるか?」
<えぇ、意外にもあっさりしてますね、貴女>
「帰属意識が薄いもんでね」
そう言って目を閉じる、しばらくのあいだ寝かせてもらおう
それくらいの仕事はもう終わっただろうから・・・
意外にあっさり捕まったなエクスキューショナー?
負けたらギャグ要員だぞいいのか?