「♪~」
深夜、私はとある部屋に侵入していた
それは人形達の治療等を行う医務室である
その部屋の奥には以前、ICEYを召還した機械・・・戦術人形を製作する装置がある
その電源を入れて、各種セットアップを終わらせる
「さて、ヘソくった資材をぶち込んでっと」
このために数か月かけて資材をちょろまかした
地道にコツコツと帳簿を誤差の範囲で改竄して貯めてきたのだ
「それではレッツゴー!!」
「指揮官様ぁ?やってくれましたねぇ?」
ボタンを押した瞬間、後ろからカリーナの声が聞こえた
馬鹿な・・・この時間は寝ているはず!?
「最近、誤差の範囲で資材が少ないのが長く続いていたのでおかしいと思っていたのですよ・・・まさか資材をヘソくられているとは思いませんでしたし」
「はて、何の事かな・・・?」
「LAFIさんも知らないとは言ってましたが・・・そう言えば今日はやけにソワソワしてましたねぇ?」
ば、馬鹿な・・・そんな事などしてないはず!!
表面上普段通りにしていたはずだ・・・!!
「表面上では普通にしていても、細かな部分で普段気にしていない事を気にしていれば分かるものですよ指揮官様ぁ?」
あ、これアカン奴や・・・
「で、指揮官様が犯人であるのも当然調べ上げてます、何か言い逃れすることはありますか?」
「・・・ないです」
「素直に認めてくれるのは嬉しいですよ指揮官様?」
あ、終わった・・・
「というわけで、その最終確認のボタンから手を放していただけますね?」
「残念だが、それは出来んな」
その瞬間、躊躇わずに実行ボタンを押した
「まぁ、あなたならそうすると思いましたよ・・・お仕置き確定です」
<えぇ、遂にやらかしましたね・・・あとで私からも話があります、マスター>
辱しめにあおうとも、欲望には正直でいたいのだ・・・!!
「で、今回はまともに動いてますね・・・いや、ICEYさんの時が異常だっただけなんですけど・・・」
「マジか・・・?やったぁ!!」
「名前も分かっていますね・・・ゼットオーイー?なんでしょう登録にありませんが・・・」
カリーナの言葉に私も画面を見る
そこに映し出されている文字はZ.O.E.・・・
「Zone Of Endless・・・だと!?」
「ご存じなのですか・・・?」
「あぁ、戦闘機用の管制AIだ・・・既存の戦術人形など、コイツの前には意味をなさないぞ!!下手をすれば
そこからLAFIと一緒にカリーナへZ.O.Eの恐ろしさを説明していく
驚異的な自己成長能力、それによる柔軟な思考・・・まるで人間を相手にしているようなレベルの戦術の駆使など・・・説明が終わるころにはカリーナの顔が青ざめていた
「バケモノですか・・・それは?」
「これが現実だ・・・残念ながらな」
幸いにな事に、戦術人形の体が形成されていることから、かつてのような事態にはなりずらいであろうと推測できるが・・・
「ん・・・?二台同時には動かしてないですよね?」
「あぁ、資材をぶち込んだのは一台だけだが?」
「なんで動いているんですか?あ、名前まで同じですよ!?」
まさか・・・と思いLAFIに声をかける事にした
予測が正しければ別の意味でも頭を抱える事になりかねない
「LAFI・・・」
<言われるまでもなくアクセスして調べてます。そしてマスター、あなたの予測通りです>
「フギンとムニンかよぉぉぉ!!」
戦闘機・・・二機も作る必要があるのか・・・一年近く資材が消えるなァ・・・
「ははは・・・もうどうにでもなぁぁぁれぇぇぇ・・・」
「指揮官様!?」
最後に見えたのはカリーナの心配そうな表情だった
「はい、ではこれを首にかけて廊下に座っててくださいね、指揮官?」
「椅子があるだけありがたい・・・」
「ちなみに、椅子から離れて30分以上過ぎても戻ってなかったら戦術人形の皆さんで探し出しますので覚悟してくださいね?」
「はい・・・」
翌日、私は反省させるためとして執務室前の廊下でプラカードの首からかけて持たされたうえで椅子に座らせられた
ちなみにプラカードには、私は帳簿を改竄して資材をちょろまかした大馬鹿者です。と書かれている
「ん・・・?どうしたM4、M16を引きずって」
「16姉さんがやらかしたので、報告に上がったのですが・・・指揮官もですか」
「やめて、蔑んだ目で見ないで・・・」
5分ほどしたらM4がこちらに歩いてきていた、しかもM16の首根っこを掴んで引きずっている
なお、M16の意識はないようである
私に報告したかったようだが、その私もこの様であるため心底蔑んでいるようだ
「いい事を思いつきました、中に入りますね」
そう言って中に入るM4を見送り、私はため息をつく
「お待たせしました、良かったですね指揮官、仲間が増えましたよ」
「ふぁ・・・?」
10分ほどして出てきたM4の手にしていたのは私が首にかけているプラカードと同じサイズのものと椅子だった
椅子を私の横に置き、一度部屋に戻って連れ出してきたのは目が覚めたであろうM16、相当青い顔をしている
「では16姉さん、しっかり反省してくださいね?」
「・・・はい」
そう言ってM4はM16を椅子に座らせ、その首にプラカードをかける
そこには、私は酒代で経費を吹き飛ばした大馬鹿者です。と書かれていた
「お前もか・・・」
「指揮官もな・・・」
突然できた仲間であるがこの場面ではちっとも嬉しくない・・・
「アンタら何やってんの?」
「UMP45・・・」
「その首にかけてるのが罪状ってわけ?」
「あぁ・・・」
「呆れてモノも言えないわ・・・しっかり反省しなさいな」
次に来たのはUMP45だった、心底呆れた顔をしている
そしてそのまま通り過ぎて行った
指揮官室の前は基本、人通りは少ないから助かる
「指揮官・・・あなたは本当に馬鹿と天才を行き来できるようですね」
「やめて、その言葉いま特攻クラスのダメージあるの」
「M16もです、貴女それでも古参ですか?」
「やめてくれ、モンドラゴン・・・」
更に来たのはモンドラゴンだった、私達を見た瞬間から呆れていた
「反省してください、二人とも・・・特にM16は。今度はXM16と私で地獄の訓練を行いますよ」
「以後気を付けます」
「次がいつになるか楽しみですね」
あ、これ全く信用されてない奴だ・・・可哀そうに
「ちなみに指揮官には丸一日執務室から出れないようにしてもらいますので、ご覚悟を」
「はい・・・」
マジで怖い目をしていた、本気でやるつもりだ
今度はバレないようにやらなくては・・・
「では、私は報告がありますので中に失礼します」
そう言って執務室に入り、しばらくしてモンドラゴンは去っていった
それから昼頃まで椅子に座り、解放された
なお、今回の件は帳簿の一部改竄のみが重要視され、後で埋め合わせを行うための作戦立案(LAFIの手助けナシ)を行うことで片が付いた
お前何を召還してんだ主人公!?世界が終わるぞ!?