チート指揮官の前線活動   作:アーヴァレスト

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主人公の考えた作戦とは・・・?


敵を知るための罠

「よーしよし、順調順調、予定通りの行動じゃないか」

<AR-15はこちらの想定通りに動きますね、少しは意外な行動をしてほしいものですが>

「まぁそういうな、M4が追いかけるのも計算の上なのだから」

 

あの作戦から数週間、やはりAR-15はこちらの想定通りの行動をしていた

自身に敵のウイルスが侵入し、情報を漏らしてしまう事を恐れてツェナープロトコルによる通信はしていないが・・・彼女はS13が独自に用意していた通信回線を切ることを失念している

通信に反応はないが、おそらくツェナープロトコルの方の通信と勘違いしているのだろう

おかげでリンクが切れておらず、位置情報を正確に特定できている

彼女の目的はおそらく、鉄血の戦力を削ぐために自らを囮にし、首領をおびき寄せ自爆する気だ

元からその気がある性格をこちらも利用させてもらう、LAFIによる覗き見で敵首領の視覚的な情報を得る事が今回の目的だ

 

「あららら・・・早めのエンカウント・・・」

<M4がシステムの一部に侵入していたようですね、こちらの対応に失念していました・・・私のミスです>

「やるじゃないか、M4・・・しかもこちらの事をボカシていやがる」

<正確な位置情報がある事で我々の目的に気づいたのでしょう、聡い子ですから>

 

そもそも、M4A1は他の戦術人形と作りの違う部分がある

それをペルシカリアは明かしてこないが、大体の事は分かった

M4A1には人間の脳がある、そしてその精神構造は人間そのものである事も

だが、脳構造に関しては機械寄りだ

これに関してはLAFIよりは私の分野である。眠らせていた時、幾つかテストしてみたが結果は全て黒だった

今度何かあったらペルシカリアを問い詰めてやろう

 

「なぁ、ダイジェストで見せてくれるのは嬉しいんだけどそろそろ飽きてきたんだが?」

<諦めてくださいね、マスター。そろそろ今に近くなりますよ>

「ほーい」

 

そう、見ているのはLAFIの報告・・・ダイジェスト動画だ

時間は数十分前にまで戻り、AR-15が自爆した

 

「あーぁ自爆しちゃった・・・南無」

<あぁ、M4の表情が絶望に染まる・・・>

 

二人とも笑いながらそう言って、M4A1がM16の運転する車で帰ってくる

 

「すまない、指揮官」

「分かっている、報告は後でいい」

 

M4は自分で歩けているが、その足は重たい

仲間を助けられなかったと、自責の念にかられている

 

「帰還するぞ」

 

そう言ってヘリのパイロットに合図して離陸する

基地に帰るその道中、M16が回収したモノからAR-15の遺言が流れる

その終わりにもう我慢できなくなり、笑ってしまった

 

「指揮官・・・何がおかしいんですか!!

「理由を教えてやろう、こういう事だ」

 

そう言って私はコパイロットの席をこちらに向けてヘルメットを外し、頭を叩きながら告げた

 

「自分で自分の遺言を聞くのはどういう気分だ、AR-15?」

「恥ずかしいから消して・・・消してくださいっ!!

永久保存だ、これに懲りたら自己犠牲なんて考えるな馬鹿者」

 

恥ずかしさでオーバーヒート寸前のAR-15を除いた全員が呆けた顔をしばらく晒し、いち早く復旧したM4A1が質問してくる

 

「どういう・・・事ですか?指揮官」

「AR-15のメインフレームを二つ用意して一つの方・・・つまり自爆した方に意識だけ転送していたのさ、本人も気づかぬ間にな」

<私が適宜調整を加えていたので疑問すらわかなかったでしょう?>

「つ、つまりアレか?自爆した方には・・・」

 

M16が言いたいのは分かっている

 

「そう、意識が転送されていた側にはウイルスが入れられたが、もう一方の本体側にはLAFIによるアンチウィルスプログラムが万全に機能しているから問題ない」

「そうか・・・良かった・・・でももう少し早い段階で言えなかったのか?」

<どこから敵に情報が洩れるか分かりませんから、私から指揮官を口止めしました>

 

実際には、双方同時に最後まで突き進んでから種明かしの方針で進めていたがこうした方が良いだろう

 

「この作戦で色々と敵の内情を知る事が出来た、今度はこちらから攻めさせてもらおう・・・LAFI、基地帰還までに長期戦術の再検討を行え!!」

<了解しました、マスター>

「これからは、こちらのターンだ」

 

そう宣言した直後、緊急入電が入った。相手はカリーナだ

カッコつけようとしたタイミングでの事で少しキレた

 

「やぁカリーナ、君しばらく減給ね」

「そんなご無体な!!じゃなくて非常事態なんです!!」

「なんだ、その割にはピンピンしているじゃないか」

「それがですね・・・何というか・・・」

 

ん?妙に歯切れが悪いな?

 

「どうした、カリーナ」

「鉄血から裏切り者が出たようでして・・・指揮官様に逢うために基地に来たと言ってる鉄血の戦術人形がいまして」

 

その言葉に一瞬フリーズした

そしてヘリに乗っているAR小隊と同時に同じ言葉をつぶやく

 

「は・・・?」




さーて裏切った鉄血人形はだーれだ?
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