チート指揮官の前線活動   作:アーヴァレスト

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本作でも珍しい英語の方が長いタイトル・・・
でも出てくる人形はすっげえ薄情者で・・・


裏切りの鉄血人形~Betrayal SANGVIS FERRI Doll~

「で、帰ってきたら銃を突きつけられてるのに優雅に茶を飲んでやがる奴がいるというわけだ」

 

あれから急ぎ基地に戻り、応接室に入る

そこには件の人形と、それを取り囲みいつでも破壊できるようにスタンバイする人形達という異様な光景があった

 

「指揮官様ぁ!!」

「カリーナ、減給は取り下げるけどどういう事か説明しろ」

「それが・・・」

 

私達の任務が終わる少し前に、件の人形はまるで見計らっていたようなタイミングで基地の巡回をしていた小隊に挨拶してきたという

自身の武器であるアサルトライフルとガトリングガンを合体させたようなキメラウェポンにはしっかりとロックをかけたうえで

それ故にカリーナは緊急的な事態ではなく警戒態勢として基地全体に通達を出した、それと同時に敵意がない事を一応確認して応接室に入れたという

条件として基地司令である私の帰着まで厳戒態勢の見張りとなったようだ

 

「なるほど、経過は分かった。君達は外していいぞ。警戒ご苦労」

「は、はい!!」

 

警戒していたのは着任したばかりのHGとSGの子だ、だいぶ緊張していたのだろう、汗が出ていた

 

「賢明な判断ですわね」

「あの二人よりは私の方が多少は出来るしな」

「それだけではありませんわ、ここはやはり素晴らしい。我々への対策が何重にも張り巡らされている」

「それはどうも、その言葉から察するに、三人の目と耳から情報を得ていたな?」

 

鉄血対策をしているのに気づいたという事は、内通者がいるという事だ

おそらく3人・・・スケアクロウ、エクスキューショナー、ハンターには自覚はないはずだ

ハンターは捕えたばかりだが、彼女の目から適切な訪問のタイミングを伺っていたのだろう

残るスケアクロウとエクスキューショナーからは普段の生活からどのような対策を施しているか見極めていたに違いない

それが可能なのは同じ鉄血の人形のみだ、そして三人よりも高い地位にいる存在に限られる

つまりは前線指揮官タイプ、そのなかでも割と前線に出る頻度が高い個体に限られる

 

「頭も相当キレるのですね」

「これでも衰えた方だ、このパターンは計算外だったからな」

「あら、それでも対応は最上級でしたよ?」

「部下の教育には熱心でな、これでもかつて教官をしていた時期がある。まぁ、軍にいたのは短い期間だったがね」

 

そう言ってカリーナに紅茶を頼み、改めて目の前に座るふてぶてしい鉄血人形を見る

 

「名前は?」

「SP914 Intruder(イントゥルーダー)ですわ」

「侵入者というよりは演出家だな、演劇の影響を受けすぎだ」

 

半ば嫌味を込めて返すがそれを受けても平然としている

そこには何かの理由は・・・たぶんない

コイツの性格は今までも短りやり取りでほぼ理解した

 

「あら、そう言いながら私の細かな動きで思考を読もうとしていますね?」

「コールドリーディングは私の十八番だ、ここに来た理由をこたえてもらおうか?」

「簡単ですわ、保護を求めてです」

「なんだ、鉄血側で戦うのに嫌気がさしたか?」

 

嫌味に嫌味で返しつつも、私の癖を正確に突いてきたがそれは問題ない

問題なのはコイツの行動の理由だ

 

「半ばあたりです。より正確には、上司からのアホすぎる命令を実行するのに嫌気がさしたというべきですね」

「・・・どういう意味だ?」

 

それから彼女は話し始めた、三人のあとに自身へこの基地を攻め落とす任務が回ってくる予定であったこと

そしてその際に現在保有している戦力の補充はない事、友軍登録は成功まで解除されるという事を

 

「で、もう嫌気がさしていっそこっち側に入ってしまえと自暴自棄になったというわけか?」

「えぇ、以前から個人的興味でここを見ていたのですが、戦力の練成という意味ではこちらに大きく軍配が上がります。そこに数で攻め入ろうと無駄になるだけ、自暴自棄になろうとも自殺を選ぶほど愚かになったつもりもございません」

 

意外にも覗き見趣味のようだ、任務で見ていたのではなく個人的興味と来た

そしてそれで得た情報と自身の戦闘の力を比べて任せられるであろう任務を事前放棄し寝返ったというのがこの一件というわけである

正直言って、呆れてモノも言えん・・・

 

「そんな理由で裏切りされても良いのか鉄血・・・」

「さぁ?もうあちらの人形でもありませんし、私は知りませんわ」

「とりあえず、敵意がない事は分かった。君を受け入れよう、だが」

 

そこで扉が開く、開けたのはLAFIから連絡を受けたスケアクロウとエクスキューショナーだ

 

「彼女たちは君の行為を許すかな?」

「よぉ、イントゥルーダー、お前良くもやってくれたなぁ?」

「指揮官が許そうとも私達は許しませんよ、覚悟は出来ていますね?」

「あの、指揮官様?助けてくださいまし?」

「逝ってこい」

 

無慈悲にそういった瞬間、彼女は絶叫しながら二人に運ばれていった

武器に関してはスケアクロウが自分の運用するビットで器用に持ち上げて運んでいる

なお、これから2時間ほど野外演習場から阿鼻叫喚の絶叫が聞こえてきたが誰がどうなったかは知らない

3時間ほどしてボロ雑巾になったイントゥルーダーが医務室に放り込まれた事だけを報告された




イントゥルーダーがS13基地に来た大まかな理由(まとめ)

イントゥルーダー(以下、In)「暇やし捕まった馬鹿共の生活覗き見したろ」
(あまりにも充実した対策となじんでいる二人の生活に驚愕する)

In「え、ハンターの後は私?」
(そんなヤベー基地を戦力補充なしで攻め落とせなんて無茶ぶりに恐怖する)

In「いやだあぁぁ!!もうこんな所やめてやるッ!!」
(グレて敵側に身売り)

/(^o^)\ナンテコッタイ
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