遂に完成せし主人公最高の力、その名が明かされる・・・前段階の話
「む・・・」
ベオグラードの一件を終えた次の週、LAFIとは別口で持っている端末に電話がかかってきた
相手は合コン連敗クイーンのヘリアントスだ
「緊急事態が起きたので電話させてもらったが、今はどうしている?」
「どうも後も普通に仕事してますか?それで緊急事態とはアレか?今回も合コンで負けましたと」
「そんな事はどうでもいい!!良くはないけど・・・」
「顔を見ればわかる、本社でもかなり重要な立ち位置の存在がヤバい状況に陥ったんだろ?」
私のその声に呆れた顔を浮かべてヘリアントスは続ける
「君は人をからかう癖を正したらどうだ?」
「君が合コンで勝ち組になれたら考えてやろう。あぁ、それからその存在・・・もしかしなくても万能者か?」
「あぁ、君が彼を知っているとは思ってなかったが」
「タリンの一件で参加していたから姿だけは一応覚えている、LAFIは通信をしていた」
そう言って紅茶を飲んでこちらから切り出す
「今は本社近くのホテルにいる、迎えをよこせ。捜索部隊に参加しよう」
「それを頼もうとしていたところだ。ところでなぜ本社近くのホテルにいるのだ?」
「たまたま、このホテルで麻薬の取引が行われるそうでな。それを抑えるために来ていた。もう終わって警察に引き渡したがな」
「君の地区にいたバイヤー絡みか、警察の面子を潰して楽しいのか?」
「警察との合同だ、面子を守ってやったんだ感謝されているくらいだぞ」
私は今回、S13地区を管轄する警察との合同で麻薬取引組織の撲滅を目的に動いていた
警察側より捜査協力要請を受けて私がそれに乗り突入部隊を担当、後に警察に引き渡しS13基地と警察の合同によるものであると大々的に報じるという契約だ
既にラジオではそれが流れており、契約は無事に果たされている
「指揮官・・・」
「ベッドで寝ているところ済まないが緊急ミッションだ。内容は聞いた通り、万能者の捜索救助だ」
「えぇー・・・」
「・・・HK416、ヤれ」
「「あぁぁぁぁ!?」」
だらしないどころか行きたくないアピールを開始した駄々っ子二人を416にシメさせ、LAFIからの連絡で部屋に来た残りのメンバーを見る
「お迎えを呼んでいるのですか?」
「あぁ、来たらまた連絡がある」
一応私達は宿泊客である、ホテル側には金をしっかり払っているので目的は全員同じだったりする
それは滅多に楽しめない優雅な時間を過ごしたいという実にシンプルな欲望である
「しかし驚きました・・・LAFIさんのリアルボディはいつからペルシカリアさんに頼んでいたんですか?」
「AR小隊が来た日からだ、要求性能が高すぎてロールアウトに時間がかかったがな」
「えぇ、私も驚きですよ。予定より早く仕上がるわ、何故か意識を落とされて気がついたらリアルボディに入れられてるわ・・・」
「指揮官・・・」
「だがいい経験が積めるぞ?」
そう言って私は少し大きめのカバンを取り出した
今回の作戦では使わなかったソレは、今後の任務のどこかしらで使うだろうと思い作成したものである
「これをお前達に渡す」
「これは?」
「展開装備式のパワードスーツだ。中身は君達の武装一式とその予備、ついでに応急処置用のセットが入ったデバイスだよ」
「使い方を実演しましょう」
LAFIがそう言って一つを手に取り、手首にデバイスを装着した
そしてそこにもう一つデバイスを繋げて小さく、変身。と言ってから繋げた方を180度回して固定させる
その瞬間、灰色の靄がLAFIの体を包み、晴れた頃には黒塗りのメカニカルなボディアーマーにM4の武装を持っているLAFIがいた
ちなみに本来は使用者以外に使えない設定になっているが、LAFIと私は開発者権限で使うことができる
「このように、手首に巻いたデバイスにもう一つのデバイスを組み合わせてソレを時計回りに180度回すと展開される。解除は逆にすれば行えるぞ」
「どっかの特撮番組で出てきそう」
「・・・」
いえない、それは既に出たことのある変身方法だとは
そう、これは仮面ライダーカブトに出てきた気まぐれな女王蜂・・・間違えた、ザビーゼクターを用いた変身のオマージュである
「ではマスターにはコレを」
「出来たのか!?」
「えぇ、間に合いました」
そう言ってLAFIが出したのは腰に装着するデバイスとそれに差し込むデバイスの2つだった
明らかに見覚えがあるというか見覚えしかない
「LAFIさん、あなた趣味に走りましたね!?」
「何が悪いですか?性能は保証しますよ?」
あ、こいつ悪びれもせずに言いやがった!!
明らかに俺の記憶からコレを作ったくせに!!どう考えてもゼロワンドライバーとプログライズキーじゃねぇかコレ!!
「LAFI、お前そういえばボディ得てから数時間ほど思考停止していたように見えたが何を考えていたのか当ててやろうか?」
「マスター、それは分かっていても言わないでくださいね」
「あの時M4とHK416を見比べてお前、HK416のほうが大きいと思っただろ?言っておくが同じサイズd」
その言葉を言った瞬間、怖気が走った
冷たく鋭利な視線を2つ感じる、どう考えてもM4とHK416の二人だ
「M4、今だけ共闘する気はあるかしら?」
「今だけとは言わずいつでも良いですよ、HK416?」
あ、やっべ地雷踏んだわ
M16に助けを乞う目をしても逸らされたし、UMP45に至っては見てもいないし
「殺伐としているけどお迎えの人きたよ?」
「「ちっ・・・!!」」
間一髪、命日は回避した
良いタイミングでUMP40が部屋を開けて入ってきたのだ
「どったの指揮官、あたいの顔じっと見て」
「助かったぞUMP40、今度お前の買いたいと言っていたゲームを買ってやる」
「・・・?」
ちなみに、なぜ破壊されたはずの彼女がここにいるかというと、彼女は蝶事件の起きたあの日、自身の完全なバックアップを取っていたのだ
しかもそのデータの置き場所は、軍ですら削除できなかった秘匿技術群の収められていたデータベース内にある断片化しかけていた領域である
代理人ですら存在を忘れていたデータベースの、さらに端っこという誰であっても気づかない場所に潜伏したのは再生産等の防止とUMP45ならば気づくだろうという希望的観測によるものである
残念ながら気づいたのはLAFIで、復活させたのは私(より正確に言うとペルシカリア)という結果になったが
ちなみにUMP45には内緒でサプライズにしてくれと言われたのでそうしたら、キレイなバックドロップをキメられて一撃で意識を失っていた
UMP45はこの後、理由を聞いたあとにジャーマンスープレックスをキメて再びUMP40の意識を落としている
「濃いな」
そしてしばらく後、私達はヘリの中にいた。投入ポイントまでの機体だ、大型輸送ヘリである
「この霧の濃さ・・・まさかとは思いたいが・・・」
降ろされる予定の地点に向かうヘリの外は一面真っ白だ、これでは計器飛行でもかなりの操縦スキルを求められるだろう
「サイレントヒル思い出すわ」
「マスター、思い出すゲームが古すぎなのでは?」
「・・・」
そして降り立ち、念のため地面に手を触れる。太陽が差し込んでもいないのに非常に熱い事から、考えられるのは一つだけだが黙っておくことにした
黙っておけば今後思わぬ場面で利用できるかもしれないからだ
「全員に通達、即時使用できるようにしておけ・・・コレは以外に早く出番が来るぞ」
「指揮官、それは経験からくる勘ですか?」
「あぁ、そうだぞRo635」
「指揮官も前線に出るのはおかしいように思えますが?」
私に質問してきたのは、ホテルでの作戦の一日前に参入したRo635だ
私の基地に来る前にもそこそこ活躍している人物である
「ま、私らも最初はそう思っていたけど安心しろRo635、私らの指揮官は少しどころかだいぶ異常な人間だ」
「ほう、言うじゃないかM16。酒のツケ、幾らあるかM4にバラすぞ?」
「それだけは勘弁してくれ・・・!!」
だが、私はM4にこの件を既に話している
そしてM4はニッコリと微笑みながら、M16の来ている防弾ジャケットへ追加のアタッチメント・・・防御力強化のものを取り付けた
それを見ながら、M16の顔がどんどん青くなっていき・・・私を睨む
「この恨みいつかはらすぞ指揮官!!」
「明日の朝飯くらいまで覚えとくわ」
「さぁ、行きますよ
「M4、いま言葉のルビが違わなかったか!?」
騒いでいるがコレでも全員真剣だ、大声を出しているのはワザとだ
「よし、総員傾注!!」
そして任務の再確認に入るために全員の集中力を高める
「今回の作戦は三段階に分ける、第1段階はここより奥にある破棄された大規模採石場及び中規模工場群への到達。第2段階は万能者の救援要請信号の座標を正確に掴むこと、ただしコレは当てにならないため、我々が保有するアクティブ探査システムを連携させた大規模走査を並行して使用する。通常よりは感度が下がるものの、詳細に調べられるとなれば我々の出番だろう」
「そして第3段階に万能者の本社までの護送とします、本作戦においては皆さんの戦闘能力以上の働きが求められますが、これに全力を持って応えましょう」
「「了解っ!!」」
さぁ、このミッション・・・さっさとこなして優雅な休日を満喫するホテルへ戻ろう!!
今回は導入編!!
なお本作の時系列上では
本編最新話(その傷跡の意味~Past & Present~)
↓
少し先の未来で頑張る話(コラボ一回目)
↓
万能者緊急捜索作戦(今回のコラボ)
↓
本編
となっています
割と地獄なスケジュールだ。ブラック企業だぜ、まったく