人形が目撃する人間の狂気を垣間見よ
ヤバイ事件から数カ月後、S13は反逆小隊のリーダーを務める国家安全局所属のエージェントからの要請で合同任務にあたっていた
その中で、裏切り者が出る可能性があるとLAFIとVERTEXの推測がでており、水面下で動いていたのだが・・・
「私は人間になりたいです、アンジェ」
そう言ってアンジェリアに銃を向けたRPK-16に、自分も銃口を向けていた
「やはりお前だったか。まさかとは言わんが、驚きを隠せんよ」
「そのわりには、まっすぐに構えていませんか?」
「こちとら軍人だ、裏切りとか背信行為とかには慣れっこでな。それに人間になりたいだぁ?お前人間の本質理解してるのか?試しに言ってみろよ」
「構いませんよ?私の主観で良ければ」
沈黙が流れる、無言で話すように頷くとRPK-16は笑いながら話し始めた
「私から言わせれば、人形にはどうしても補えない欠陥があります。私達は本物の痛み、苦しみ、悲しみを理解できず、そして快楽という概念もありません。ましてや生と死など尚更理解できないでしょう。勝利はいつも人間の物ですが、死はいつも人形が担っています。けれども、結局最後に死ぬ権利があるのは、人間だけなのです。このすべてが滑稽で、矛盾していると思いませんか?」
「・・・」
それこそ、S13以外の全ての戦術人形が置かれている現状だ
S13はどんな事があろうとも、最低でも一名は人間のスタッフを随伴させている
それは守るためでなく共に戦うために、自分達だけがのうのうと過ごしてしまわないために
全ての行動には責任が伴う、それを明示的に自覚させるために・・・
他の指揮官でこんな事を考えるものなどそうは居ない、人形も人も分け隔てなくする指揮官などはめったにいないからだ
「だから私は、人間でしか体験できない、本物の人間のみ感じられる喜びと悲しみ、生と死、そして未来を、私は感じたいのですよ」
「表面しか見てないやつの発言には虫酸が走るな、お前は上っ面しか見てねぇよ」
だから、唾棄するように返答した
あぁそうだ、コイツはやはり上辺しか見てない
「上辺だけ、ですか?では貴女には本質が見えていると?」
「あぁ、反吐が出るほど見てきたんでな!!」
発砲を回避したRPK-16は同時に攻撃を繰り出そうとして再度回避した、撃つと同時にナイフの斬撃を繰り出していたからだ
「つっ・・・!!」
「人間は自分の望みでどこまでもつけ上がる生き物だ!!」
そう、かつての己がそうであったように・・・
「知りたがり!!欲しがり!!やがてそれが何の為だったかも忘れ!!命を大事と言いながら弄び殺し合う!!」
「っ・・・!!」
「何を知ったとて!!何を手にしたとて変わらない!!お前の視点から見れば、確かに最高だろうな、人は!!愚か者共は妬み!!憎み!!殺し合うのさ!!ならば存分に殺し合えばいい、それが望みなら!!」
「貴女は、狂ってますよ」
RPK-16の絶望とも取れる呟きに返す
「いいや違うさ、お前が狂いかけてるんだよ、RPK-16。お前は今まで、そう言った愚か者の末路を散々見てきただろう?」
「だからこそ、私は感じたい・・・!!」
「ならばもはや言葉など不要だな、こい・・・お仕置きの時間だ」
「偉そうに・・・!!」
そこから先は話が早かった、もはや銃火器すら使わない殴り合いの喧嘩である
ただ違うのは、互いに互いの攻撃を回避しないことだ
「貴女は人間に、絶望しか抱いてない!!」
「お前は人間に、希望しか見出してない」
RPK-16のパンチで内臓の一部が逝った気がするがどうせナノマシンで治るので気にせず戦おう
お返しに倍の威力の一撃をくれてやったし
「イッてぇなぁ・・・制限なしで一撃ブチ込む輩がいるか普通・・・」
「その倍はする威力をどうやって叩き込んだのか聞きたいですけどね!!」
「おっと、顔面と首はマジ勘弁だ」
「くっ!!」
感想を述べたら今度は顔面得日を同時に狩りに来た、それを紙一重で躱してオマケに妙技で・・・
「これなーんだ?」
「・・・?っ・・・!?!?」
彼女の下着・・・ブラジャーのみをもぎ取った
「これ、もはや痴話喧嘩だな・・・」
アンジェリアがそう呟くがこちらはそれを無視する
「良いの使ってんだな・・・しかもカップサイズ、デカいし・・・」
「返して下さい!!」
「だが断る、パスだAK-15」
「いらん」
適当にパスした相手のAK-15は心底呆れた声で投げ渡したブラを横にいたAN-94に投げた、受け取ったAN-94は・・・
「うわ、小隊の皆が使う下着より良い素材だ・・・はい」
「確かにねぇ・・・」
速攻でAK-12に渡した、この瞬間RPK-16が凍った
滅多に・・・それこそ本気かキレた時くらいしか目を開けないAK-12が目を開けたのである、なお理由はこの場合キレた時だ
「ほう・・・確かに良いものを使ってるな。ブランドか」
あろうことかリーダーたるアンジェリアまでもがそれを見ている
もはや恥ずかしさを越えて恐怖で凍っている
「これ、何処で何時買ったのか覚えてるわよね?」
「はい・・・」
「お値段も相応でしょう?」
「はい・・・」
「アンジェリア、どうする?」
「私達の分、自腹で許してやるのはどうだ?」
その声を聞いた途端、RPK-16の肌が白くなっていった。ただでさえ白いのに
「あ、あははは・・・」
「あ、壊れた」
「直せばいいだろう」
AN-94の反応に素っ気なく返すAK-15だが、呆れ顔からいつもの無表情に戻っていた
「あれ、この下着のメーカー、貴女のとこよシャマール指揮官」
「うん?あー、言われてみれば確かに」
「お安く出来ませんか?貴女のお力添えで」
「そうだな、3割増しにしてやろう」
「果てしなくゴメンナサイ」
なんとメーカーはS13の下着専門店だった、そういえばうちの子達もお世話になってるところだったな・・・今度私も行ってみるか
なお後日、RPK-16が泣きついてきたのは言うまでもない、破産寸前まで買い込まれたのだから当然だろう
私個人への借金として計上して助けてやったら大層喜んだ、もちろん金利は暴利のそれであるのは言うまでもないのだが
ちなみにこの借金はあくまでRPK-16だけのものであり反逆小隊の面々は関係ないため、それからおよそ2ヶ月ほどS13の基地で働く彼女の姿が目撃されたとかされてないとかの噂がたった
だが噂はあくまで噂である、本当のことは本人しか知らないのである。たぶん、きっと
Q,狂気の後に笑い転げそうな事態が起きてるんですけどそれは?
A,シリアスに限界感じてな、許せ
一瞬、某ガンダム作品のラスボスっぽくなりましたがシャマールはあくまで自分の人生経験で話しているだけなのでご安心下さい
なので途中から下世話な話にしました、作者が載せたい内容だったので・・・結果RPK-16は(お財布が)無事爆死しました