「よし、全員着いたな」
地下に降り立つと先程の人物はもう武装を整えていた
その左手に、45口径の自動拳銃を持っていたのだ
「さて、ここまでくれば音がどこから来てるかわかるな?」
「貴方の背中側からですね、そして到達もすぐ」
「正解だ。ところでステルス機能なんてあるかね?あったら相手にサプライズしてみたいから」
「ありますが・・・」
「機密保持関連なら安心しろ、どうせ上で戦ってるド阿呆に全てヘイトが行くから」
そこで疑問に思ったが、すぐにステルスで身を隠すように言われたので指示に従うことにした
それから数分後に穴が穿たれ、たった数秒で人が通れるほどの大きさになった
そこから現れた人物の側頭部に銃口を押し付けて彼は告げる
「コソコソと侵入して何をしようってのかな?返答によっては君を赤いシミにしないといけなくなるが?」
「おたくらと同じって言えば信じてもらえるか?」
「・・・これでも?」
彼が指を鳴らしたのを合図と捉え、ステルスを解除する
照準はすでに完了していた
「いやマジだって!!俺の目的も救助だよ!!」
「その割には随分と時間かけてきたもんだねぇ?」
「掘削に時間かかったんだよ!!」
「まぁ、ここの岩盤硬いからねぇ。わざわざ難しい方法選んでくるなんて馬鹿だな」
そう言って銃をホルスターに収め、彼は告げる
「まぁ、脱出手段が増えただけマシと考えよう。だがあの子はこちらの子達が保護するほうが有益だ、諦めろ」
「・・・そちらは?」
「俺は元々彼女たちの方へ渡すのが目的なんでな」
「あぁ、そうかい・・・」
そう言って相手は完全に諦めたようだ
同時に建物が揺れて全員が身構える
「クソ師匠め、ど派手に暴れ始めやがったな?いい迷惑だぞクソッタレ」
「今のでせっかく作ったトンネルが崩れたんだが?」
「どうせ使わねぇから要らんわ、掘削用の装備は再利用可能だろ?」
そう言って今度は私達に向き直し、話し続ける
「こっから先は君達の仕事だ、よろしく頼むよ」
そう言って彼は私達の後ろに回る、サポートはしてくれるようだ
「隊長、4部屋先に対象の子の生体反応があるよ」
「了解、鍵は?」
「掛かってないな、おそらく電源がないと掛けられない仕様だ。1980~2000年代の安物電子錠によく見られるモノだよ」
「博識ですね」
「これでも特殊工作部隊の出身でね」
それから先はあっさりと事が進んだ、私達が安全を確保しながら保護するように動き、途中で仲間にした人がそれを手伝ってくれた
一方、その人物は・・・
「何をしているのですか?」
「電子データとか紙媒体のデータを漁ってる、あったものはデータを吸い取って消しておこう。後この施設は爆破解体する。存在しても意味はないどころか中の資料で余計なものを作られるリスクがあるからな」
もったいないとか言っていた人物には銃口が向けられていた
目先の利益より後々のリスクを恐れる考え方は・・・指揮官によく似ていた
「容姿といいその性格といい・・・貴方は指揮官の血縁者ですか?」
「さぁな、それにおそらく君の指揮官は絶対に認めたがらないさ」
それが答えだった。彼が発した言葉はどこか寂しそうな感じだった
ボリショイカーメニ極秘研究施設 地上
「よーしよし、ここまで来たら大丈夫で」
「森谷ィィィィィ!!」
「フラグ回収早すぎんだろ・・・」
そう言って森谷と呼ばれた男は黒い鎧を纏った姿へ変わりながら後ろへ振り向いた
「ふぁ!?」
その時、その視界を埋め尽くしていたのは・・・大量のブースターをパージしてミサイル代わりにした爆撃の光景だった
「うおぉぉぉ!?」
その爆撃を、両手に持っていた大型ハンドガンによる射撃で全て爆破処理して男は告げる
「久しぶりの再会でイキナリ殺しにかかることはねぇだろ!?」
「何年も前に来ていたというネタはもう上がっているぞ森谷ッ!!お前相手には我慢や辛抱なんてしてやるものか!!くたばれクソ野郎!!」
「言ったなこの流線型ボディが!!こっちの世界でもやっぱり抵抗少なめボディだったようだな!!」
「貴様ぁッ!!」
振るわれたのは大剣型のビームサーベル、それにライフルの銃床をクロスさせる形で防ぐ男・・・しかも上段からの振り下ろしで自身の体重と纏った装甲の全重量までも掛けていることで、防ぐ方が追い込まれていく
「おいおいおい!!流石に死ぬぞこれぇ!?」
「私が気にしていることをよくも言ってくれたな!!このド変態野郎が!!どうせこの世界に来ても女を引っ掛けようとしていたんだろう!?」
「イヤーナンノコトデショウカネー」
「身に覚えがある声だな貴様!!何人引っ掛けたぁッ!!」
冷や汗を流しながら、男は返答を返した
「4~7?くらいですかねぇ?」
「二桁単位か!!」
「一桁だよ流石にな!!恐ろしい番犬がいっつも俺に張り付いてるからよぉ!!」
「いい気味だ、ついでにこのまま死ぬがいい!!」
鍔迫り合いに勝つのはS13基地指揮官のシャマールであった
だが、相手はあえて鍔迫り合いを捨てて距離を取る事で逃亡を図る
「逃さん!!」
「いいや、逃げるさ。お前にだけは刺されたくねぇ!!」
「安心しろ、アイアンメイデンにぶち込んでやる!!」
「拷問なんですがそれは!?」
なお、戦場には彼ら以外に敵もいるのだが、互いの攻撃が敵を狙ってもいるものであるため、余波というよりオマケで倒されている
中には大型の敵もいたが、大剣で左右に両断されたり、レーザーで焼かれたり、超電磁砲で撃ち抜かれたりと様々な方法で対処されていた
どちらか一人だけでも厄介だというのに、二人も揃えばもう笑いしか出ない
しかも争っている内容はもはや痴話喧嘩のたぐいであるのだから・・・
「お前の後ろは壁だ、もう逃げれんぞ投降しろ森谷ィ!!」
「そう殺気立つなよ!!俺は一応味方のつもりだぞ!?」
「貴様が味方だと!?怖気が走るわ!!」
「何でだよ!!
「
そのまま大剣の刃ではなく腹の部分で投げ飛ばし、シャマールは告げた
「体の動きが鈍いぞ森谷!!」
「うっせぇスパルタ騎士!!」
「黙れヘンタイ色男」
「・・・」
鍔迫り合いから睨み合いに変え、二人は向かい合う
片方はヘラヘラと笑う顔であるが・・・
「久しぶりにストレス解消出来たし、ここから先は真面目にやるか」
その顔はいつの間にか戦士のソレに変わっていた
「背中は預けるぞ、アリス」
「精々刺されないように気をつけることだな、森谷」
そして互いに通信を入れる
「LAFI、部隊を外殻部に向けろ。こちらは中央から外殻に向けて進軍する」
「カズマ、要救助者と合流後はお前の判断で動け。俺はこれから地上部の敵を撃滅する」
帰ってきた返答は了解の二文字、それを聞いて・・・
「アリス」
「なんだ、お前は物持ちが良い方ではないはずだが?」
森谷と呼ばれている男は、わざわざ纏っていた武装を解除してまでシャマール・・・アリス・ファルクマンにとある物を渡していた
「アップデートアダプタか、懐かしい。では私からもお前に返してやる」
「マックスアップデバイスじゃねぇか、これまた懐かしいの渡してくれるじゃねぇか」
そう言って互いに腰のデバイスに渡された物を装着する
「プロトタイプゼロ」
「ダークストライカー」
その言葉は、同時に放たれた
「「変身ッ!!」」
<update!! archetype one!!>
<Dark Striker!! Max Hyperup!!>
新たに纏った装甲はそれまでの黒ではなく赤色に変わっていた
もう一度彼女は大剣を出して、背中を預けている男は両手に大型のライフルを出していた
「それじゃあ・・・」
「撃滅しようかァ!!」
宣言通りの撃滅戦が開始されたのは言うまでもない
残像さえ残さない高速度で敵を斬り伏せる女騎士、反応も許さぬ高速の射撃で頭を撃ち抜くスナイパー・・・まるで競い合うような速度で蹂躙されていく敵、一切の容赦や手加減をしない攻撃であった
あーあ、こりゃひでぇや・・・