チート指揮官の前線活動   作:アーヴァレスト

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1年以上も更新してなかったってマジですか?


Evolution Progress 00

「ふむ、しばらくは問題なさそうだな」

「はい、このところパラデウスの活動も下火ですから」

「だが警戒は怠るな。奴らは政府や各機関の中枢にも入り込んでいた連中だ、どこの誰が奴らの駒かも分からん状況のままではある」

「えぇ、VERTEXもそのことを警戒し受信できる全通話やメールの精査を常に行っています」

 

様々な問題が終わり、一定の安定を見たこのごろ、私は定期報告を受けていた

対パラデウス対策は功を奏し、見つけたスパイやスパイ協力者、潜入していた工作員なども順次捕まえている

だが、中々減らないのが現状だ。非常に上手く入り込んでいる

それほどの魅力のようなものを奴らはまだ持っているということだ

だがそれの根幹は一人の男の狂いきった願望にほかならない。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「さて・・・と」

 

LAFIが退室し、残していった紅茶を飲んで私は次を考える

パラデウスに先を越されてはならない、その一挙手一投足全てを完膚なきまで叩き潰さなければ奴らは断片からでも復活する

その中でも一番面倒なのはやはり首魁たるウィリアムだ、奴を最低でも行動不能状態に追いやらなければ機能不全に出来ない

だが、あの男は私が直接会い宣戦布告したあの時から表舞台に上がってこなくなった

完全に裏社会に溶け込むつもりなのだ、それはそれとして好都合ではあるが、同時に厄介でもある

本気で姿を隠されたら追うのに時間をかけることになる、タダでさえ今の状況は私の不手際が招いた事でもある

やはりあの時に捕らえておくべきだった、その上でパラデウスを完全解体させて懺悔の日々を送らせるべきだったのだ。

 

「・・・」

 

そう、この事態にしてしまったのは私の甘さが原因だ

あの男の素性を知り、どのような思考をしているか直接あって確認したいというアイデアを諦められなかったからだ

・・・それが今、ある意味危険な状況を構築してしまっている

 

「俺がお前と同じ立場でも、同じことをしていたぞ。アリス」

「いつから居た?」

「来たのはついさっき、何やら深く考え事をしていたから多分過去のことを思い出してたんだろうなって思ってな?」

 

気がつけばソファーに森谷が座っていた。腐れ縁の相手であり、同時に双方隠していても感情を読み取ることが出来るほどの仲でもある

 

「まぁ確かに、そのあたりは私も貴様もよく似ているからな、忌々しい限りだが」

「ひっでぇなぁ・・・」

「で、なんの用だ?」

「気づいているんだろ?」

 

私のおかわり分の紅茶を飲みながら、森谷は核心をついてきた

それに私は無言を貫く、だがその意味は互いに分かりきっているものだ

 

「お前にしては寛大な処置だな?」

「相手のことを知っているからこそ、だよ」

「なるほど、だからか?」

「あぁ」

 

そう、少し前から私を、基地のレーダー範囲外から狙っているものがいることを掴んでいた

最初はなんてことのない小さなテロの鎮圧任務からだった。ほんの僅かに、何者からか狙われている感覚を感じたのがきっかけだった

それは日に日に、少しずつ確信に変わり。つい先日、その相手が何者か知ることが出来た

狙撃をしようとしたものが居たであろう地点で回収された、たった一つの品・・・

それを私は知っていた。それも、とても良く知っていた

 

()()()()()()()。かつての()()()()()()()()にあやかった品・・・ねぇ」

「それだけで私には十分な確信を得ることが出来た。その一つで私には十分だ」

 

机に置かれたその品を優しく撫で、私はそれを持ちながら立ち上がり背後の窓へ振り向く

それと同時にそれを見せるように持ち上げ、手を降る

数秒後、小さな銃声と同時に窓ガラスに(ヒビ)が入った

 

「お前なぁ・・・」

「なに、今のは相手からの挨拶だ、殺す気なら弾痕は心臓の位置に来ている。だが今回のは手を狙ったものだろう?」

「だから挨拶、ねぇ」

「そうだ」

 

度胸座り過ぎなんだよこの女傑は。そう言いながら森谷は立ち上がり、背中を向けて部屋を出た

それを何も言わず放置し、窓の向こう・・・はるか先にいる見えない狙撃手にクチパクで伝える

<良い狙撃だ>といった瞬間、今度は肩の位置に弾痕が生まれた

幸いガラスを貫通はしていないが、二発ほぼ同時の着弾を達成しながら両肩を撃ち抜くような位置に正確に作られた弾痕は、その技能が衰えていないことの証左だ

最後に微笑みを投げかけ。私は席に座る

それから二度と、着弾音はしなかった。こちらは挨拶して、相手はそれに答えただけ

ただそれだけだったからだ




頼むからビビってくれ主人公
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