運命?なにそれ?と言わんばかりにデレない美しき巫女 作:レオ2
ヴァンガードにはしますが物語上ルールとか覚えなくていいです。そういうものがあるんだな程度で充分です。ずっとカードゲームでは語呂が悪いので固定します
次の中間考査が終われば夏になる。それを証明するかのように少し最近は日差しが強くなっている。拓斗自身は日焼けなど気にしないが女子は大変だなと思っている。
まあそもそも日焼け止めを買うお金があるのなら別の事に使う。それこそ妹に美味しいものを食べさせるとか。
拓斗の行動原理は半分以上は蒼葉によって動いている。可愛い妹で家族、決して重度のシスコンではない。そもそも家族が家族を気遣って何が悪いのだとなる。
……その想いは例えこの学校をやめることになっても絶対に捨てない。
「ま、そんな事はないだろ」
妹が学校よりも大事なのは否定しないが実際問題そんな事は起きないだろう。最近の蒼葉は体調が安定してきているし。
それにその妹ほどではないが親友達も大事だ。拓斗の中の公式は妹・母≧親友達・店長≧クラスメイトである。
何故いきなりそんな事を思うようになったのか? それは自分の行動原理を見直すためだ。
先程、優輝から生徒会に誘われ保留にした。
いや、はっきりと言っていいのならもう8割以上は断るつもりだ。
確かに大学の推薦で無類の強さを誇る切り札を持てるのも特待生維持のハードルが下がるのも嬉しい特典だろう。
だが、そんな特典が付いているからにはそれ相応に忙しいと言う事だろう。でも考える事が自分の事だけなら多分即決していたかもしれない。別に生徒会長をやろうという訳じゃないのだ。末席位なら……と思ったのも事実だったりする。
しかし8割以上も断るという思考が埋まっているのにはやはり妹の事があった。病弱な妹はいつ体調を崩しても可笑しくない。
バイトには入っているが今はそれだけではっきりと言って精一杯だ。そんな中途半端な状態で行って迷惑をかける訳にはいかない。
それが拓斗が出した結論だった。生徒会室から教室に戻るまで約5分の思考だ。少しあの妹と違って良い人そうな生徒会長に断るのは罪悪感があるが家庭の事情と言えば仕方なく諦めてくれるだろう。
拓斗が教室の扉を開こうとした瞬間、反射的にその扉を閉じてしまった。
「な……なんだ?」
さあ教室に入って授業の準備をしようとのほほんと開けた瞬間、教室の中の気温が心なしか冷たくて思わず扉を閉じてしまった。
だがもう直ぐ昼休みは終わる。こんな所で止まるのはよくない。
そう思って今度こそゆっくりと扉を開けた。それと同時に叫び声が聞こえた
「貴方のせいで氷火君の順位が上がらないのでしょ!?」
その何時もの冷たい声ではなく、叫び声に近い声の持ち主は他でもない涼花だった。
涼花の表情は正に怒りに包まれていた。チラリと他のクラスメイト達を見ると皆ビビッて教室の端に避難している。そこからは何故か拓斗を救世主のように見ている人が沢山いた。
そして、涼花が怒鳴っている相手は力也と大智だった
「拓斗が直接言うなら良いが」
「何故貴方にそんな事を言われないとダメなんだ!」
基本的に理知的な力也が珍しく感情を露にしている。
それに何故か分からない拓斗は戸惑う。
それでも、自分の名前が飛び出してきたのを聞いて何がどうなっているのかよく分からないが自分が止めるべきだと判断した。
今にも一触即発と言った3人の間に飛び出した
「ちょ、ちょっと3人とも落ち着け!」
「……氷火君」
「「拓斗」」
何故か喧嘩の原因になっていた本人が戻って来たので3人は一回止まった。拓斗はもう面倒くさい事になっているとしか分からないが話を聞くしかない。
親友組を見るとどちらも普段は涼花には関わらないようにしている。大智なんて大分涼花を怖がっていた気がするが今はどう見ても反対の感情を持って涼花に迫っていた。
この二人がここまで言い争う理由に皆目見当も付かなかった。
「ま……先ずは何があったのか聞かせてくれ」
拓斗がそう言うと少し気まずいのか大智は眼を逸らした。涼花は許より相手の口から言わせるみたいなのかその視線は揺るがない。
残りは消去法で力也になる。
力也は拓斗の考えていることが分かったのか少し深呼吸して何があったのか語りだした。
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