運命?なにそれ?と言わんばかりにデレない美しき巫女   作:レオ2

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いきなり目の前で倒れたらびっくりするよね

 お昼休みは12時40分から1時30分の50分のみ。拓斗はこの内の30分程使って拓斗基準からは長い話を終えた。普段これだけ長い話を順序だてて話すことが無いので拓斗はようやく一息ついた。

 

 ──さて、隣のお嬢様どうかな? 

 

 そう思いながらちらりと見ると……

 

「三月……?」

 

 前髪がかかって顔は見えないが肩が震えていることには気が付いた。その震えは何によって起こったものなのか……拓斗には分からなかった。

 

 拓斗は昔を思い出しながら語っていたからか語っている途中の涼花を余り見てはいなかった。だからいつからこんな状態だったのかは正直分からない。

 

 でも今の涼花からは得体の知れない感情が溢れ出していた。確かに涼花はいま自分自身ですら意味が分からない感情に支配されていた

 

(何……この感覚。氷火君がフラれた話をしだした辺りから頭が……頭が何も分からなくなって……)

 

 拓斗が鮮明に思い出しながら語っていた物語の中の拓斗をフった人物の名前は聞いていない。それでも……拓斗の口からこの話が出た辺りから体調が一気に崩れ始めたのだ

 

「お、おい三月!?」

 

 涼花は話を聞き終えた後から動悸が激しくなっていった。

 

(嘘……こんな時に……発作!?)

 

 鼓動が速く脈を打ち涼花の視界が歪んでいく。それと同時に意識も遠のいていく。それを見た拓斗は妹も同じ症状が出る事を思い出した

 

「てんかんか!」

 

 てんかん発作だ。中3でここに転入する少し前から収まっていたものが今再発した。てんかんは脳内の電気信号が興奮を起こすことによって意識障害や発作を起こす慢性的な脳の病気だ。

 

 意識が遠のく中、涼花の口が意図せず動いた

 

「助けて……拓……君」

 

 その声はしっかりと拓斗の耳に届いた……が涼花は直ぐに意識を手放してしまった。

 

「涼花!」

 

 拓斗は慌てて呼びかけるが既に気絶してしまっている。倒れかける涼花の身体に腕を通しベンチに横にした。

 拓斗は一瞬焦りそうになったが直ぐに冷静になった。

 

 今ここで自分が喚いたって意味がない。自分に出来る事を今この時全力でするだけだ。

 拓斗は直ぐにスマフォを取り出して直ぐに大智に電話をかけた。自分一人ではできない事はチームでどうにかする。それがトライフォースの信条だ。

 数コールで目的の人物は出て来た

 

『どうした拓斗、お嬢様となにかあったか?』

 

「まだその方が平和だ! 力也もそこにいるか!?」

 

 その拓斗の怒号に近い声に大智もただ事ではないと分かったのか返事の代わりに他の声が入って来た。恐らく向こう側でスピーカーになったのだろう。こんな時の状況判断能力は流石野球部時期エースと言ったところか

 

 ただ向こうも昼休み中だからかガヤガヤと声や音がする。それでも親友2人はしっかりと声を聞きとってくれると信じて半ば叫んだ

 

「涼花が発作で倒れた! 保健室の先生を呼んできてくれ!」

 

 その拓斗の第1声にピタリと向こう側のガヤガヤが止んだ。だが親友の2人は直ぐに反応する。大智がよく通る声で聞いた

 

『分かった。訳は後で聞く。場所と症状は?』

 

 向こう側では再びどよめきがクラスを支配しているが今そんな事を突っ込んでいる余裕はない。涼花のてんかんがどれほどのものか現状では分からない以上今も油断できない。

 

「屋上、それにてんかんだ!」

 

 そう言えば大智は普段のキャラとはかけ離れた真剣な声色で力也に言った。

 

『力也は先生を! 俺は拓斗の所に行く。女子たち、誰でもいいから三月さんの鞄に発作を止める為の薬がないか調べてくれ』

 

 拓斗はこんな状況では無かったら素直に感心していたかもしれない。いや、今も感心しているんだが半減している。

 しかし今の大智はとんでもなく頼りになっている……と思っていたら拓斗にも言ってきた。それも何故か呼吸が速くなっているのが画面越しでも分かるので今全速力で走っているのだろう。

 

『拓斗はそこで三月さんを見とけ、一人で動かそうとするな。拓斗の力じゃ運べないだろ。その場で出来る事を全力でしろ!』

 

 大智自身も焦っているのか言葉遣いは少し荒いがそこには涼花を心配する感情が読み取れた。自分を散々侮辱した相手にもそのような明るい態度を出せるのだ。拓斗は素直に尊敬した。

 

 だから自分も親友に答える必要がある。それが今自分の呼びかけに答えてくれた親友に対しての最低限の礼儀だから。

 

「涼花、すまない」

 

 と拓斗は手を合わせつつゆっくりと涼花の首元のリボンをほどいた。そうすればリボンに隠れていたブラウスが出てくる。しかし直ぐにその首元のボタンも外した。別に拓斗の性欲が爆発したわけじゃない。

 

 その逆で拓斗は涼花が楽になれるように手を打っただけだ。発作が起きた時は呼吸もしにくくなる。それが首元を隠すリボンやその下にあるブラウスの首元を楽にしてあげて呼吸しやすくする必要があったのだ。

 

 そして次にはゆっくりと涼花を顔を横にするように倒した。発作から起きた時に食べ物を吐きたくなった時に顔を上に向けた状態では更に器官に詰まらせる事になる。それを防ぐためにこうする必要があった。

 

 どれだけこうしていただろうか? 体感時間では何10分も経った気がするが実際はそんなに経ってないだろう。

 しかしそう感じる程今の状況が濃い時間だったのは確かだろう。屋上のドアから親友が飛び出してきたのを見て拓斗は一つ安堵の息をついた




そう言えばロシデレ3巻決まったなー…楽しみ

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