運命?なにそれ?と言わんばかりにデレない美しき巫女   作:レオ2

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貴方に初めて出会った時

 再び気絶してしまった涼花に布団をかけてあげながら酷い事をしてしまったと拓斗は思った。だけど……言った事は後悔していない。

 

 半信半疑だった。だがよく考えて思い出してみたら偶然にしても出来過ぎな出来事が多かった。

 

 拓斗の意識も過去に飛んだ。

 

 ★

 

 1年前の夏休みが終わり、二学期がスタートするという日にあるビックニュースが拓斗のクラスに舞い込んできた。

 ある女子が教室に飛び込んできた。その女子は噂好きの人として有名でその情報は極めて信頼性が高いのが何とも言えない。

 

 拓斗達トライフォースの全国大会優勝の事もどういう訳か知っていたので少しばかり有名人になったが時が経てば人は忘れるものだった。

 

「ニュースニュース、大ニュース!!」

 

 その嬉々として叫ぶ様子は何時もの彼女以上に感情を露にしていた。なのでそれだけのものを持ってきたのだろう。

 拓斗自身も彼女の情報収集能力を密かに買っている。

 

「ここのクラスに転入生が来るんだって!!」

 

 その一言にクラスの人は大騒ぎになった。何故ならこの学園は出て行くことはあれど入って来る者は少ない。

 いや、近年では一人もいなかった筈だ。それだけ転入試験が異次元の難しさなのだ。

 

 それを知っている面々が殆どなので教室には驚きが広がり次にその転入生についてあれこれ噂を始める。

 

 拓斗達トライフォースも残り少ない朝の時間を使って今年の全国大会についての話から転入生の話になった。

 

「どんな奴が来ると思う?」

 

「女子らしいな」

 

 大智が女子と言う事にどこか嬉しそうにする。女子が来るのは何時の時代も男子にとっても嬉しいものらしい。

 

 ただ拓斗は女子と言う事も割とどうでもよかった。心配なのはその女子がこのクラスになじめるかどうか位でそれ以上の事は何も考えていなかった。

 

「まあ……転入試験受かるくらいだから学年順位1位候補だな」

 

「お前は勉強星人っかての」

 

「ただ確かにそれはあるよね」

 

「俺には遠い世界だな」

 

 大智が降参と言ったふうに手を上げた。ここに入るくらいには地頭は良いが入ってから勉強についていけなくなり絶賛拓斗の協力の元赤点を回避している。

 そんな大智からすれば学年1位なんて遠い世界なのは間違っていない。

 

 ただそう長く転入生の話を続けるだけいざ目の前にした時に幻滅する可能性もあるのでそこで転入生の話は打ち切り今度あるヴァンガード、U20チャンピョンシップの事を話し合って朝のホームルームの時間がやって来た。

 

 3人はそれぞれの席に戻りその時を待った。

 

「おーい、ホームルーム始めるぞー」

 

 二年前から自分達の担任をしている先生がいつもの掛け声とともに入って来た。そしてその後ろから件の転入生が入ってきて……

 

『おお!』

 

 とどよめきが起こった。日光に当てられて煌めていたアッシュブロンドの髪が全員の眼を引いた。そして次にはその同年代とは思えないほどの美貌も中学生男子には刺激が強すぎる程でこの瞬間に何人の男子が彼女に一目ぼれしたのだろうか? 

 

 拓斗も花の事が無かったら惚れていたのかもしれない。だけど……その美人な転入生に思ったのは……

 

 ──宝石みたいな人だな

 

 というものだった。髪が煌めいているのもそうだがその身に纏うオーラというか雰囲気がそういうものだったのだ。

 彼女が名前を言った

 

「三月涼花です」

 

 だけども拓斗は一瞬彼女に違和感を持った。

 

 ──どこかで会ったか? 

 

 無論会った事はない。正真正銘初対面だ。触れ合った、という意味では初めてではないけれども。

 そして違和感というか……事実が目の前に降りて来た。先生から興味津々なクラスの面々に彼女の事を話している時、彼女が拓斗の方を見たのだ

 

 ──初対面だよな? 

 

 何故かじっと見られているのに気が付き疑問符を浮かべる。というよりも浮かべるしかないだろう。どうして初対面の女子にこんなに見られないとダメなのだ。

 

 拓斗は自慢じゃないがそんなに女子と遊んだりすることはない。助ける事はあっても自分から話そうと思う程コミュニケーション能力がないのだ。

 

 それこそ2年前からトライフォースの2人とつるんで笑うようになったのを初めて見た人が多い位だ。

 

 それなのに見られる理由が分からなかった。そんな拓斗を他所に先生が教室の端に……拓斗の4つ程後ろの席を指さし涼花は頷き歩いていく。

 

 その歩く姿にクラスの視線が集まる。まるでモデルのような歩き方に引っ込むところは引っ込み出る所は出る……という女子の夢で描いた最高な自分を体現したようなプロポーションに男子だけではなく女子すらも感嘆する。

 

 そして彼女が拓斗の席を通る時、そっと呟いた

 

「よろしく、氷火君」

 

 その一声にドキッとする前にぞわっとしたのは彼女が教えてもいない自分の名前を知っていたからだろう。

 ついでに言うなら涼花がそう言った瞬間クラスの視線が拓斗にも集まったからぞわっとしたというのもあるけれど。

 

「あ、ああ……よろしく」

 

 拓斗の言葉を背に涼花は自分の席に座った。一瞬だけ見たが涼花と太陽光の相性が良すぎると感じたのは拓斗だけではないだろう。

 それに加えてあの容姿だ。

 

 ──モテモテルート確定だな。彼氏がいるかもしれないけど

 

 と他人事の様に思った。というよりも他人事だから間違ってはいない。

 あれだけの容姿に頭のよさなのだ。引く手は数多だろう。少なくとも人間関係では敵なしかもしれない。

 

 ただ……その認識が甘かったのは直ぐに思い知った。

 

 それは1限目が終わり直ぐだった。彼女の隣のクラスのイケメンの男が話しかけたのをきっかけに彼女の周りには人垣が出来ていた。

 拓斗は自分の席を取られないように離れず後ろで何やら話している涼花たちを見ていたが直ぐに空気が悪くなったのが分かった。

 

「え……えと」

 

 そのイケメンが珍しく淀んでいるのを見て拓斗は何があったのか気になった。だから席に着いたまま背後に耳を澄ませて……そうなっている理由が直ぐに分かった

 

「あなたと連絡先を交換して私になんのメリットがあるの?」

 

 冷たく無愛想な声がしんと教室に広まった。どうやらあの男子が涼花と連絡先を交換しようとしたのだろう。

 彼はサッカー部のキャプテンだったので学校の女子からの人気はそれは凄かった。そしてそんな連絡先を交換できるというだけでもこの学校の女子からすればギルティ―案件なのにそれを一蹴した。

 

「連絡をしたいから……かな」

 

「そう、私は別にあなたと連絡したいとも思わないしそれは私のメリットじゃない」

 

 一瞬でこれだけ教室の空気を最悪に出来るのはある意味才能だろう。拓斗はそんな才能欲しくないと思ったのは内緒だ。

 

 そして月日が流れ二学期の中間考査、涼花はあっと言う間に孤高の存在となりぶっちぎりの学年1位を取り席替えの時期となった。

 

 涼花の隣には高確率で男子が隣になって……直ぐに断末魔が聞こえて速攻で席替えが行われた。そしてそれが3回目くらいで……

 

「えーと、よろしくお願いします」

 

 何故か拓斗に白羽の矢が立ち拓斗は後ろの席で涼花の隣になってしまった、がしかし

 

(ふふふ、この場所は適度に授業をサボr……休息をとる為にベストポジションだ!)

 

 と少し現実逃避しながら拓斗は中間考査の後から涼花の隣は拓斗の席として固定された。何故なら拓斗は涼花の言葉に傷ついた様子を見せないし寧ろ普通に喋っている。

 

 事務連絡すら涼花に話すのは結構難易度が高かったのだ。だが拓斗は初めから涼花を友達や恋愛対象として見ていないから普通に話しかけられる。

 

 そして……それから月日が流れ高校生になりあの涼花の巫女姿を見た後から何かが動き出した。不思議と涼花は拓斗が気になり……自分でも分からない程口が勝手に動いた事は一度や二度ではない。

 

 気絶する前のものが決定的だったように感じる。

 

『助けて……拓君』

 

 3年前、好きな人が出来たと別れられ……それがネット上の人物。それに反応し脳が異常に興奮しててんかんが起きた時、もうここまで偶然が重なったら……現実を否定したくても目の前の現実がその結論を下していた。




ごめんなさい。めっちゃ時系列が行き来してます。本当にごめんなさい

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