運命?なにそれ?と言わんばかりにデレない美しき巫女 作:レオ2
今日は待ちに待った……訳がない中間考査!
中間考査、それは大部分の学生に忌み嫌われながらも撤回はされないある意味長い時代を生きている(生徒からしたら)悪しき習慣であり最早アンケートを取れば大半数が「やりたくない」と答えるのではなかろうか?
少なくとも拓斗はそう答える。というよりも迷いなく答える。拓斗の中の中間考査のメリットと言えば最終日早く帰れるくらいだ。
しかしそんな憂鬱なイベントでも成果を出さなければ元も子もない。という訳で拓斗のクラスもテスト前特有の騒がしさが教室を賑わせられていた。
拓斗も大智と共に最後のテスト前のラストチェックを行っていた。
それも半ば終わりに近づいてきたとき大智が聞いてくる
「三月さんは来るかな?」
「……来るだろ」
一見ぶっきらぼうに答えているがそれなりに長い付き合いの大智や力也には分かっている。今の拓斗は欲しかったカードが当たったのにもかかわらず「う、嬉しくないし」というツンデレ状態の時と同じだからだ。
つまり今の拓斗の言葉を拓斗語で訳すと「来てほしい」となる。何故かあの涼花が保健室に入った後から拓斗の様子がおかしくなった。
いや、厳密には可笑しくなった訳じゃなく前よりも涼花の事を考えている状態が多くなった気がする。
昨日からその傾向が強いと思う。
そこまで親友2人が考えた時、教室のドアが開かれてそこを見た拓斗は少しふっと笑った。拓斗だけではなくそこを見たクラスメイト達の誰もがそこを見た。
大智と力也も入り口を見ると久しぶりに見る涼花がそこにはいた。涼花は少し気まず気に拓斗を見た後歩き始めて拓斗の隣にまで来た
「おはよう、涼花」
それに親友2人だけではなくクラスの面々もざわついた。涼花が倒れる前は確か三月呼びだった筈なのに今は名前呼びをしていた。
そんな周りの動揺は無視されて涼花も答えた
「うん、おはよう拓……」
しかしそこで思わず止まり顔を逸らして続けた
「氷火君」
「おう」
拓斗につられて名前で……というよりも昔の砕けた呼び方をするところだった。
そうなればクラスの好奇心が限界突破して後々面倒くさい事になってしまう……と言ってももう既にクラスの好奇心は2人に固定されているが。
しかしそんなクラスの好奇心を無視して涼花は荷物を置くだけにとどまらずそのまま拓斗達の机に近づいた。
クラスの誰もが見守る中涼花は少し震えている声で言った
「その……鉄村君に雷同君、あの日助けてくれてありがとう。それに……ノートも」
そう言って普段の彼女では絶対にしないだろう頭を下げるという行為をしたことにまたまた騒然とした。
件の2人は流石に面を喰らったのか互いに顔を見合わせた後、恥ずかし気に答えた
「あ~その……どういたしまして」
「ま、拓斗からの頼みだったからね。あれがあったからって見捨てるようなことはしないよ」
前はそんな事で胸が暖かくなることなんて無かったはずなのに今は不思議とポカポカしてくる。
冷静になって考えると自分はとんでもなく酷い事を言っていたと思った。いや……友達云々の考え方ははっきり言って今も変わっていないがそれを拓斗達に押し付けたのは完全に自分が悪かったことに気が付いた。
ただ……それを今言うのは自分が媚びているみたいなので今は謝らない。きっとこんなタイミングで言うのもおかしな話だから。
「……ありがとう」
そうもう一度言って今度こそ自分の席に座った。そんな涼花を3人は見た後、涼花の変化にふっと笑ってテストの勉強に戻った。涼花も自分の教科書を取り出した
もうクラスの命名「氷火ゾーン」には前ほどの険悪な雰囲気は無くなっていた。最早勝負しているのかすら忘れる程普通に戻っていた。
そしてクラスメイトは……正確には女子が気が付いた。偶に涼花が拓斗の事をチラチラと見ていることに。それが女子から男子にも伝わりクラスの面々は
「「本当に何があった!?」」
何だかいつの間にか色々元に戻るどころか前よりも目に見える変化がテスト前だというのに気になるクラスメイトなのだった。
しかしそこでチャイムが鳴り担任が入って来た。
担任は涼花を見て安心したように頷き涼花も頭を下げた。そこからは中学の時と変わらず試験の注意事項を話した後さっそく最初のテストを配り始めた。
そして緊張する時間はあっと言う間に過ぎて……チャイムと同時に宣言した
「始め!」
拓斗も涼花も、力也も大智もそれぞれのテストをひっくり返した
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