運命?なにそれ?と言わんばかりにデレない美しき巫女   作:レオ2

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誰かのために何かをすると言う事

 あの後から一言も発さない涼花の背中についてきた拓斗が足を止めたのは涼花も止まったからに他ならない。

 だが拓斗は少しばかり困惑する。

 

「あの~なんで生徒会室?」

 

「入れば分かるわ」

 

 そう言った涼花はノックしてから扉を開けた。一礼した涼花に倣い拓斗も一礼した後に生徒会室に足を踏み入れた。

 1回目の時と同じく戸惑いの気持ちがある。どうして生徒会室なのか分からないからだ。

 

「おう、来たか二人とも」

 

 中にいたのは2人、1人は会長である優輝、もう1人はどこかおっとりした感じの黒上のメガネっ子の女性だった。

 拓斗がチラリとスリッパを見るとどうやら1年上の先輩らしい

 

 そんな事を思っていたら今日の事を聞いたらしい優輝が労ってきた

 

「氷火、今日は大変だったな」

 

「いえ……所で俺はどうしてここに呼ばれたんでしょう?」

 

「先ずは座ってくれ。それから筆記用具も用意しろ」

 

 言われるがままに拓斗は椅子に座り鞄の中から筆箱も取り出す。ここまで来たら今から何が行われるのか何となく分かるが……今までの経験から本当に今思っている事なのか自信が無かった。

 

 だけどもその答え合わせは直ぐにする事になった。拓斗の前に優輝と一緒にいた女性が拓斗が最後にし損ねたテストの問題文と解答欄を目の前に置いたのだ。

 

 テストに関しては厳しいと思っていた拓斗は思わず優輝に懐疑的な視線を向けたが優輝は首を竦めた後、本当に羨ましいと感じる声色で言った

 

「お前は良い友を持ったな」

 

 そこから優輝は簡単にどうしてこうなったかを話した。

 拓斗が出て行ったあと、当然の様にテスト監督は拓斗の不在について聞いたが大智と力也が全て話した上で拓斗だけ後でテストを受けさせてあげてくれとそれはもうしつこく頼んだらしい。

 

 しかしそれでもテスト監督の教師は渋った。何故ならこの二人が嘘をついている可能性もあったからだ。

 そんな事をしてなんのメリットがあるのかまでは分からなかったがその可能性も捨てきれない以上、はいそうですかとも言えなかった。何故ならこの学校のルールでテストはそのテストの時間に受けなければならないという変わる事のない規則があるからだ。

 

 ここで拓斗の特例を認めてしまったらこの先も同じことが起きた時に拓斗の事を引き合いに出されて芋づる式に認めなければならなくなる。

 

 だがそこで2人はクラスメイト達もびっくりな事を言った

 

『だったら俺達も同罪だ!』

 

『僕達が拓斗を病院に行かせました、だったら僕達もテストを受けないのが道理ではないでしょうか?』

 

 2人が拓斗の背中を押したのは確かなので間違った事は言っていない。

 そして2人は拓斗と同罪なので自分達もテストを受けないと言っている。普通ならやるやらないも本人達次第なので何も効力を持たないが今回は違う。

 

 今回の場合はクラスの面々がトライフォースの出来事を見ている。そしてその上で2人がテスト監督に拓斗のテストを認めないのなら自分達もやらないという現場を見ている。

 

 はっきり言って2人がテストをやらなくても余り意味がない。

 それだけならテスト監督者からすればどちらでもいいからだ。

 

 しかし今回のはクラスの面々が拓斗の妹の緊急電話から今の出来事まで見ているのが問題でこれでテスト監督者が2人の言葉を一蹴しようものなら

 

『あの先生、氷火が妹の為に飛び出したのにテストを受けさせなかったんだぜ?』

 

 などと周りからの評価が駄々下がりになるのは目に見えていた。本人にもそれは分かっていたのか少ない時間で悩んでいた。そこで涼花がとどめを刺した

 

『氷火君は鉄村君の自転車を返しに学校に戻ってきます。私と会長、それと副会長が今日は生徒会室に予定があります。私達がテスト監督をするので許可してくれませんか?』

 

 この一言で担当科目者のとの相談の結果、無事拓斗のテストが受けられるように図られたのだ。

 

 一通り聞き終えた拓斗は掌で目を隠して天を仰いだ

 

「はぁ~、ほんっと……あいつら馬鹿だな」

 

 言葉では罵っているがそこにある気持ちがそう思っていないことなどここにいる面々には言われずとも分かっていた。

 

 拓斗の声が涙声になりかけているというのも含めて。しばらく拓斗はそのまま涙をこらえていたが収まったのか元に戻った。

 

「それじゃあ……お願いします!」

 

 その眼には覇気が宿っていて先程までどこか暗かった彼とは別人のようだった。優輝もそれを見てもう大丈夫だろうと思いスマフォのタイマーを起動した。

 

「それでは……始め!」

 

 その宣言と共に勢いよくテスト用紙をひっくり返した

 

 

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