運命?なにそれ?と言わんばかりにデレない美しき巫女   作:レオ2

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久しぶりです。


会議は突然に

 中間考査も終わり、気温は夏に入る前の準備運動の様に徐々に高くなっていく。

 龍神学園に通う生徒達も友達と並んだりして登校しているが変化が一つだけあった。それは夏服への変化だ。

 拓斗も蒼のラインが入った白シャツを着て今日も1時間早く登校していた。1時間早いのはただ早く目が覚めてしまっただけだ。

 

 蒼葉も麻疹から回復し様子を見つつ登校を再開している。

 

 拓斗が校門を通るとグラウンドでは大智含む野球部がランニングをしている。それを視界に収めて心の中で大智へのエールを送ると拓斗はそのまま靴箱、そして教室へと向かった。

 

 途中で職員室で鍵を取ろうか迷ったが結局スルーした。

 

「おはよー」

 

 教室のドアが開くのを見て、中にいる誰かに声をかけながら入った。

 ただこんな朝早くから来ている人は拓斗の中では一人だけ。

 

「……おはよう」

 

 予想違わず衣替えをした涼花がそこにはいた。ただ半袖なのはそうなのだがその上にはブレザーを羽織っている。

 

 ただでさえ白い肌なので日焼けには人一倍気を遣っているのだろう。

 

 拓斗は自分の席に荷物を置いた後……恐る恐ると言った感じで聞いた

 

「その……涼花」

 

「……なに?」

 

「テストの勝負の結果って今更だけどどうするんだ?」

 

 中間考査が終わり発生した涼花と拓斗の個人的勝負の事だ。結局同率1位や拓斗の生徒会加入などによって有耶無耶になっていた。

 

 涼花自身も考えていてたのか何とも言えない表情となった。しかし直ぐに嗜虐的な笑みを浮かべた

 

「氷火君はそんなに私とデートしたいの?」

 

 涼花は一つだけ失念していた。今の拓斗は涼花にぞっこんであると言う事を

 

「したい」

 

「……」

 

 てっきり恥ずかしがるかと思ったら嬉々としてデートしたい宣言に涼花は今さら拓斗の自分への好感度が天元突破していることを思い出した。

 

「もう少し恥ずかしがりなさいよ」

 

「だって……嬉しいから」

 

「……何が?」

 

「涼花がそういう事を聞いてくれるようになったから」

 

 前までの涼花ならばデートしようという言葉などバッサリと一刀両断していた。

 

「~~ッ! 誰のせいよ全く!」

 

 そう言って窓の外を見てしまった涼花、そんな涼花を拓斗はしょうがないなと言った表情で見た後、席に座った。

 教科書など机に突っ込んでいたらスマフォに着信が来た

 

(母さんか?)

 

 この時間はまだ大智は朝練中だ。残りは家族か力也の二択。

 

(……!)

 

 しかし相手は違った。拓斗は隣の涼花を見ると耳まで赤くしながら外を見ていた。ただその手にはいつの間にかスマフォが握られていた。

 

(何でLINE越し!?)

 

 と思いながらメッセージを見ると「今週の土曜日、授業の後空いてる?」と来ていた。直接伝えてもいいがスマフォにしたのには何か理由があるのだろうと思って返事を打つ

 

『空いてる。日曜はバイトだけど』

 

 隣では拓斗からの返信を見て返事を打つ

 何と無しに見てみるととんでもないスピードで画面に指を滑らせていた。

 それに唖然としていると拓斗のスマフォに再び着信が来て『じゃあ土曜日』

 

(これは所謂制服デートとかいうやつでは!?)

 

 大智に貸してもらったラノベでそんなシーンが合って大智が「高校生なら一度はやってみて―ッ!」と叫んでいたのを覚えている。

 

 拓斗は土曜日に期待して胸を膨らませながら授業に臨んだ。

 

 ★

 

 昼休み、この時間は生徒にとってのオアシス。友達と昨日のテレビを語ったり、人気の俳優についてだったりグループによって話題は千差万別だ。

 拓斗達トライフォースは基本的に最近の事やヴァンガードの事が話題が多い。その人によってマニアックな会話を繰り広げる所に飛び込む人は少ない

 

 しかしそんな輪の中に涼花は臆せずに話しかけた

 

「氷火君、会長が生徒会室に集まってくれって言ってたから行きましょ」

 

「え、今!?」

 

 昨日の余り物弁当を前に拓斗は叫んでしまう。しかし涼花も手には既にお弁当を持って出る準備は万端だった。

 

「今以外にいつ行くのよ。貴方放課後はバイトでしょ」

 

「いやそうだけど……待って涼花、お前何で俺のシフト知ってる?」

 

「三月家の情報網を舐めない方が良いわよ……冗談よ。会長から聞いたの」

 

「何で会長が知ってんだよ」

 

 今日は生徒会は休む旨を後で連絡しようとしていたのは確かだがまだ連絡していない。

 

「さあ、知らない。兎も角行くわよ」

 

「わ、分かったから引っ張ろうとしないでくれ」

 

 拓斗は急いで弁当箱に蓋して持った

 

「悪いお前ら。今日は2人で食べてくれ」

 

「おー」

 

「頑張れよ」

 

「何をだよ」

 

(よし頑張ろおおおおお!!)

 

 涼花との距離を詰めるという意味で

 拓斗は急いで涼花の後を追った。

 

 それを見届けた力也と大智は滑るように顔を見合わせた。

 

「では今から『拓斗と三月さんがあの日から可笑しくなった』会議を執り行う」

 

「執り行い人は俺鉄村大智と雷同力也」

 

 何だこの会議と思った人に説明して進ぜよう。

 この会議の目的は拓斗と涼花の距離が涼花が倒れた時から急接近しまくっている。中間考査が終わった後からそれに磨きがかかっている。それについて検証し、どうするかを話し合う場なのだ! 

 

 大智が続けた

 

「中間考査が終わってから拓斗の三月さんへの態度が完全に変わった、異論はあるか?」

 

「いや、ない」

 

「おまけに三月さんの態度も中間考査後は柔らかくなっている」

 

「斬撃がビンタレベル位になった」

 

「今なら俺達も話しかけやすいか?」

 

「やめておけ。あれは拓斗限定だ」

 

 そんな真面目腐った会議をクラスの面々は「何やってんだあいつら」と思いながら見ていた。

 ……がそこに新たな乱入者が現れた

 

「大智君、力也君何話してるの?」

 

 長い髪を揺らしながら2人の会話に入って来たのは愛音だった。それにクラスの……もっと言えば男子の視線が大智たちに集められる。

 

 愛音、参戦!! 

 

 アイドル……最近はバラエティにも出て来た愛音は有名人だ。アイドルをしてるくらいなのでその美貌も容姿も他を圧倒している。

 

 大智たちは意外そうに見ながらも邪険にするものでもないので素直に答えた

 

「愛音さん、いや拓斗と三月さんの事を話して……ました」

 

「もう普通に話してよ。同じクラスなんだから」

 

「いや……何か愛音さんの背後に逆光が出てどこか神々しいから」

 

「凄い。大智君が何言ってるのか分からないよ」

 

「まあこいつは元々こんな奴だから放っておいたらいい」

 

「なんか酷い!」

 

 今のやり取りに愛音がクスクスと可愛らしく笑い大智が愛音にくぎ付けになった。それはもう「二へ―」と効果音が付くくらいに顔が緩んでいた

 そんな大智の肘をつつく

 

「その顔やめろ。みっともない」

 

「うるせーっ! 現役アイドルに話しかけられたらこうなるだろ!」

 

「俺なってないけど?」

 

「夢ねええ!」

 

「アハハ! やっぱトライフォースは面白いね!」

 

(あ、天使だ。天使がいる)

 

 愛音は涼花と違って話しかけづらいのは正直同じだが涼花よりもハードルは低い。

 そんな愛音が自分のお弁当箱を出しながら2人に聞いた

 

「私もその会議混ざって良いかな?」

 

「勿論大丈夫です!!」

 

 大智は勢いで拓斗の席を進めた。「ありがと」と言いって愛音は胸を高鳴らせながら椅子を引いて座った

 

(ここが拓斗君の席かぁ……ダメ。何だかドキドキしてきた)

 

 普段、涼花と拓斗とのやりとりを見ているだけでもモヤモヤするのだ。自分でも分かっている。嫉妬なんだと。

 ただでさえ自分は外聞の事があるからそんな拓斗に話しかけられないというのに涼花は拓斗と話す事に抵抗がない。

 

(それに……拓斗君は涼花ちゃんの事好きっぽいし)

 

 見ていたら分かる。あの中間考査の後から拓斗の涼花を見る目が変わっている。如何せん、ずっと拓斗を見て来た愛音だから分かる。

 

 涼花も拓斗の事が好き……つまり両想いだ。だが2人はまだ付き合っていない。ならまだチャンスはあると考えている愛音。

 

「何だかんだ私もトライフォースと出会って長いね」

 

「そうですね。3年前の全国大会からだから」

 

 今はイメージアイドルをやっていないが3年前は全国大会を盛り上げるアイドルとして愛音は優勝チームであるトライフォースと知り合った。

 

(拓斗君とはその全国大会の前にあったんだけどね)

 

 と1人懐かしそうに当時の事を思い出した

 

 

 

 

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