アグネスデジタルと性癖について語り合う話   作:さば缶

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キングヘイローとそのトレーナーの話です。
視点はトレーナー寄りです。
ゲーム内のストーリーに沿って進んでいます。
菊花賞まで続く予定です。


キングヘイローとトレーナの物語~日本ダービー

前回のレースの結果を踏まえてトレーナーとして何か他にやってやれることはないかと

思案していた。

 

「まだだ…これでは今までと同じだ…」

 

弥生賞・皐月賞とキングのコンディションは悪いものではなかった。

それどころか好調であったといってもいい。

それでも彼女はライバルたちにあと一歩届かなかった。

 

「俺が彼女にしてやれることは何だってする…

 だから、次そこは…」

 

 

 

今までの練習メニューからさらに刷新し、これ以上ないくらいに彼女は仕上がった。

コンディションはパーフェクト。

あとは彼女の才能を見せつけに行くだけだ!

 

ーーーーーーーー日本ダービーーーーーーーーーー

 

なあ!今回のダービー、だれが勝つと思う!?

 

やっぱりあの三強のだれかじゃないか?

だってテレビで言ってたし!

 

だったら俺はあの例のお嬢さんに一票!

なんて言ったって、伝説のウマ娘の娘だぜ?

 

えー、じゃあ私はスペシャルウィークに勝ってほしい!だってこの前特集でーーー

 

――控室にてーー

 

キング「……来たわね、ダービー」

 

キング「……。……。」

 

トレーナー「緊張しているのか?」

 

キング「は、はあ!?そんなわけ…」

 

トレーナー「大丈夫だ」

 

キング「…キングは緊張なんてしていないわ」

 

トレーナー「そうだな」

 

キング「ぜんっぜん余裕なんだから!」

 

トレーナー「そうだな」

 

キング「皐月賞の時よりも何倍も練習をしてきたし」

 

キング「調子だって今までにないくらい絶好調よ!」

 

トレーナー「大丈夫だ。君が頑張ってきたのは俺が一番近くで見続けてきた。

そんな俺が保証する。

君なら勝てる!確かにライバルたちは強敵だけどそれでも一番は君だ!」

 

キング「っ」

 

トレーナー「だから…大丈夫だ」

 

キング「ええ…そうね。何も案ずることはないわね!今日は私が勝つ、それだけよ!」

 

キング「それにこのダービーは負けられないもの。お母様も勝ったダービーだけは」

 

キング「行ってくるわ!トレーナー。私が勝つところ見ていてちょうだい!」

 

 

トレーナー「楽しんで来い!」

 

キング「ええ!」

 

勝ってこい!キング!

誰が我々の世代で一番かを証明してこい!!

そして…母親であり、憧れを見返してこい!!!

 

俺はこの時一切キングの勝利を疑っていなかった。

やれることはすべてやった。

だからあとはレースに勝つだけだと思い込んでいた。

 

 

 

 

結果としてレースの女神はキングには微笑えむことはなかった。

結果は18人中14位。

二番人気に推された彼女は女神に選ばれなかった。

 

そして、周りの反応も冷たいものだった。

 

―――――――――――――

 

これであの世代の格付けは済んだな。

 

正直ああいう変わった性格しているけど、そういうのはやっぱり結果が伴わないとなあ。

 

両親ともに最強だったけど娘はそうではなかったんだな。

 

周りの反応はそれこそキングをたたえる声もあったが大半は落胆や、幻滅したなどの声が多かった。

 

その中には彼女の肉親である母親の声もあった。

 

―――――

 

キング「……。……。」

 

キング「……~~っ!!」

 

トレーナー「お疲れ様」

 

キング「っトレーナー。」

 

キング「…わざわざここまで迎えに来たの?あなたも暇な人ね」

 

キング「今回は…勝てなかった。ダービーは負けてしまったけど。」

 

キング「まだ私の、私たちの!クラシックは終わっていない。次の菊花賞で結果を残せば…」

 

トレーナー(…そうだ、まだ菊花賞がある。夏をはさんで地力を大きく伸ばすことだって可能だ。今回は頂点に手が届かなかったけど次は…次こそは)

 

何の根拠もなかった。

 

今回の日本ダービーではこれ以上ないくらいにはコンディションも整えていった。

練習だって誰よりもした。

それでも届かなかった。

そこまでしても勝てなかったのだ。

 

それでも彼女が諦めない限りは…

 

トレーナー「そうだな。菊花賞に向けてがんば…」

 

次のレースに向けて気持ちを立て直そう。

そう思って声をかけようとした矢先だった。

キングの表情は暗い。

いったい誰からの電話なのか。

 

ヴー、ヴー

 

キング「……。」

 

ヴー、ヴー

 

トレーナー「いいのか?」

 

キング「……いいの」

 

トレーナー「そうか…」

 

敢えて出ないという選択肢をとるあたりキングにも思うところがあるようだ。

ただここでレースの疲れが出たのだろうか。

手に持っていた携帯がキングの手から抜け落ちた。

 

キング「あっ」

 

(カツッ)

 

(…ピッ)

 

落とした拍子に不運にも携帯の通話がONとなった。

 

覚悟を決めたようにキングは携帯を拾い通話を開始した。

 

キング「もしもし…お母様?」

 

キングヘイローの母親「もしもし、ああ、やっと通じたわね」

 

キング「仕方がないでしょう。状況的に出れないことだって…」

 

キングの母親「ああ。ダービーに出走していたものね。そういえばすごかったわねーーー」

 

キングの母親「――スペシャルウィークさん。あんなに人を惹きつける走りを見たのは久々よ」

 

キング「…っ。そうねお母様。」

 

キングの母親「あの子が相手だなんて、ほんとに残念。諦めという感情も沸いたんじゃない?」

 

キングはしばらく母親と話した後、不機嫌そうに電話を切った。

少なくとも楽しい内容ではなかったことはすぐに分かった。

 

キング「ねえ…トレーナー?」

 

トレーナー「なんだい?」

 

キング「私は諦めないわ!諦めるって行為は一流であるこのキングにはふさわしくないもの!」

 

キング「…こんな私のわがままをまだ聞いてくれる気はある?」

 

トレーナー「愚問だな。例えどんな結果だったとしてもずっと一緒だとも!」

 

「それでこそキングのトレーナーよ!」

 

例え周りからどういわれようと、どう思われようと俺たちのコンビは諦めない。

そう心に誓った。

 

キングとそのトレーナーがGIを制す日はまだ来ない。

 

 




キングとトレーナの話~夏合宿前に続きます。
キングとトレーナの話~菊花賞に続きます。
バッドエンドにするかハッピーエンドにするかは未定です。
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