TSテレポーターのヒーローアカデミア   作:tsuna屋

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昨日も更新しています。未読の方はそちらからどうぞ。


2日連続投稿なんていつぶりでしょうね?
「まとめて投稿なんてぼかぁ無理だ!」となりました。すみません

そして「まとめて投稿」するのをやめると決めた途端、すらすらと書けました。気分で書いて、気分で投稿するのが合っているのでしょうか…?
気分で投稿するとあとで辻褄が合わなくなるからダメなんでしょうけど…。そんときはそんときだ!!しれーっと改訂するかもですが、ご容赦を!!

やや暗い話があります。



1日目:面談

「A組の空戸です、失礼します。洸汰くんがここに居ると訊いたのです、が…」

 

 

 最低限の身支度を終えた私は、急足で緑谷と洸汰くんを探した。途中に出会った管先生──B組担任のブラドキングから2人がオフィスへ向かったことを教えてもらい、それらしき部屋の戸を叩く。

 扉を開けると、マンダレイにピクシーボブ、それから腰にタオルを巻いただけのほぼ裸な緑谷が神妙な顔をして佇んでいた。…下、穿いてないのかな。

 

 

「あ、空戸さん。洸汰くんなら寝ているよ。怪我はないみたいだから、安心して」

 

「え、あ、うん…。そうですか。良かったです」

 

 

 私の入室に気付いた緑谷。彼の視線に釣られソファを見ると、スヤスヤと眠りにつく洸汰くんが横たわっていた。あの高さから落ちて無事に済んだのは、緑谷が迅速に動いて適切に救助したお陰だろう。入学したての、〝個性〟を暴発していた頃の彼とは大違い。精密な〝個性〟制御の賜物だ。ちょっとしたことだが、彼の成長が窺える。以前の彼を知る身としては喜ばしい変化である。

 

 とまあ、逸れた思考を巡らせても眼前の光景は変わらない。視線を斜め上方に向けて鍛えられた肌色を視界から外す。堂々と立っているが、気にする私がおかしいのだろうか…。

 

 

「あー…、それで緑谷? 急いで運んだのでしょうから仕方ないと思いますが…」

 

「? どうかした? 空戸さん」

 

「んーと、え〜…そのですね…」

 

「──緑谷くん、服、貸そうか?」

 

 

 言い淀む私に苦笑を滲ませたマンダレイが助け舟を出す。全く気が付いていなかったのか、指摘を受けてハッとした表情を浮かべた緑谷はアタフタとする。真っ赤に染まった顔。引き締まった体と女々しく慌てふためく挙動とのアンバランスさにどうにもおかしくなって、思わず笑いが込み上げてしまった。

 

 

「ふふっ。……んっんん、ごめんなさい。…無事が確認できましたし、私はもう行きますね。マンダレイとピクシーボブ、明日からもよろしくお願いします。緑谷も、おやすみなさい」

 

「う、うん! おおお、おやすみッ!!」

 

「洸汰のこと心配してくれてありがとう。今日はゆっくり休んでね」

 

 

 こちらに背を向けて、尚も赤い彼の耳に再び笑いが漏れる。

 入室した時、なんだか暗い雰囲気だったことが気掛かりではあるが、態々首を突っ込むことでもないだろう。マンダレイ達に会釈をして、オフィスを後にした。

 

 

(…この年代の成長って、ほんと劇的ですね)

 

 

 女子部屋への道すがら、再び先の緑谷を思い出す。

 職場体験中に()()()()はなかったと言っても、あの『ヒーロー殺し』と会敵した緑谷達。詳細は語られていないが、中々の経験だったのだろう。同じく会敵した飯田も、あれ以降動きに鋭さが増したように感じる。2人は昼間の魔獣の森では見事な体捌きを見せてくれた。轟も一緒に居たみたいだが…、まあ彼は以前から鍛えられていたから別枠だろう。強いて言えば角が取れて人との連携がより上手になったことか。

 男子三日会わざれば刮目して見よ。よく言ったものだ。

 

 

(──って、私も同年代でしたね)

 

 

 つい年上ぶってしまうが、この体はまだ16歳。私だって成長期真っ只中だ。彼らの成長をただ感心するだけではいけない。もっともっと研鑽して、早く一人前にならなくては。

 どんな(ヴィラン)が相手でも勝てるような。どんな災害でも皆を救出できるような。

 オールマイトのような、〝ヒーロー〟に。

 

 

「──空戸、少しいいか」

 

「……えっ、はい。あ、先生。なんでしょうか?」

 

 

 ビクッとして顔を上げる。考え事をしていた為か、目の前に相澤先生がいることに気が付かなかった。入浴前なのか、戦闘服(コスチューム)姿のままの先生はタブレット端末を小脇に抱えて佇んでいた。

 

 

「峰田の件は他の奴らから聞いている。俺から()()()注意しておいた。アイツの凶行とは言え、時間的合理性を突き詰めて男女の時間をずらさなかった俺たちの落ち度だ。迷惑掛けたな」

 

「ああ、そのことですか。先生が謝るようなことでは…。洸汰くんのお陰でギリギリ未遂でしたし。もう勘弁願いたいですけどね…」

 

 

 先生はガシガシと頭を掻く。私は苦笑いを返した。咄嗟に取った行動だったが、あの場に洸汰くんが居なければ、胸辺りまでは峰田に見られていただろう。裸を見られる抵抗感が薄い私でも、性欲の権化に晒すことは避けたかったから、あの少年には本当に助けられた。

 峰田は信用していないが、相澤先生のことは信頼している。奴の性根が変わるとは思えないけど、早々同じことは起きない筈だ。

 

 先生は『すまなかったな』と再び謝った後、脇に抱えていた端末を操作し始めた。

 

 

「話は変わるが、明日以降の訓練のことでお前と打ち合わせたいことがある。自由時間中だが、着いてきてくれ」

 

 

 訓練の打ち合わせか…。どちらかと言うと、こっちが本題だったかな。

 ヘアケアの続きをしたかったが、後回しにするしかないだろう。しっとり濡れたままの髪を指で掬う。『傷みませんように』と願いつつ、そんな内心を悟られぬよう隠して先生の後を付いていった。

 

 

 

 ▽ ▽ ▽

 

 

 

 相澤先生に案内された部屋は、長机とパイプ椅子がいくつか置いてある、数人で会議するのに丁度良さそうな小さめの会議室だった。先生に促されて席に着く。

 なんだか面接みたいだ…。いや、訓練の打ち合わせなのだから、面談か。いずれにせよ、突然のことで心の準備が出来ていない。正面に座る先生から話を切り出されるのをドキドキして待つ。

 手慣れた様子でタブレットを操作していた先生は、『これを見てくれ』と言い、私へ端末を差し出した。画面には細かい数字といくつかの文章が羅列されていた。一見、読み込むのに時間がかかりそうだったが、数行を読んだ所で内容を理解できた。

 

 

「これは…、私の〝個性〟に関するデータですか?」

 

 

 最大有効範囲、最大荷重、連続発動時のラグ、〝個性〟使用に伴う肉体的疲労の蓄積度エトセトラ…。私の〝個性〟に纏わる情報が事細かにまとめられていた。

 

 

「これはお前が入学してから現在に至るまで、雄英で〝個性〟を使用した際に記録された映像から計算したグラフだ。多少の誤差はあるだろうが、概ねこの通りだろう。そしてこっちが4月のデータだ」

 

「…おおっ。けっこー伸びてますね」

 

 

 先生が再び操作すると画面上で2つに分割されてグラフが表示された。雄英という恵まれた環境で〝個性伸ばし〟に取り組んだ影響が如実に現れていることが一目で分かる。記憶してる限りだが、昨年度までの〝個性〟の成長速度と比較しても明らかに違う。

 自分の努力が実を結んでいることを知れて、素直に嬉しい。にまにましてしまう。

 

 

「あー。分かったと思うが、〝個性伸ばし〟の成果がしっかりと出ている。自主トレだから少し心配だったんだが……、良くやったな」

 

「……!」

 

 

 あ、相澤先生が褒めてくれた…。滅多にない、と言うより初の褒め言葉。衝撃的な瞬間だ…。

 

 

「……なんだ」

 

「ぁえ、い、いえ! …なんだか嬉しいなぁ、と思いまして…あ、はは…」

 

「良好な結果を出している訓練方法を評価して、フィードバックすることは今後の為になる。それを疎かにすることは合理性に欠く」

 

「そう、ですね。……ふふふ、はい」

 

 

 ジロリと睨まれる。それでも私の頰は弛んだままだ。

 いつものスタンスは崩していないが、どこか言い訳染みている説明が照れ隠しのように見えて、『可愛い』と思えてしまった。普段はクールな相澤先生だからこそ、より好ましく感じる。

 胡乱な眼差しを向ける先生はやがて諦めたように息を吐き、私に見せていたタブレットを回収した。

 

 

「まあいい。ここからが本題だ。明日からの訓練内容だが……、全員に〝個性伸ばし〟をやってもらうつもりだ。他の奴らの()()()は既に決めてあるんだが、お前のだけ未定でな。それを相談したい」

 

 

 なるほど、合宿で〝個性伸ばし〟か。確かに本格的にやろうと思うと時間も体力も使う内容だ。学校だと1日3時間程度しか時間を取れないし、毎日運動系の〝ヒーロー学〟がある訳でもない。まとまった時間のある合宿で行うことが合理的なのだろう。

 さっきの私のデータのような物が全員分あって、そこからみんなに適した〝個性伸ばし〟を考えてあるってことか。

 だけど、私のだけ未定とはどういうことだろうか。

 

 

「今までやってきた訓練ではいけませんか? 範囲拡大や情報の取捨選択、連続使用への耐久力も伸びていますし、活動の幅は広がっていると自負しているのですが…」

 

「そうだな。確かに同じ方向性でも問題はない。総合力の上昇は必須事項だからな。──だがお前の場合、もう一つの選択肢があるはずだ」

 

「〝もう一つの選択肢〟…ですか」

 

 

 いったいそれは何だろう。全体的な能力向上よりも、一点集中した方が良い、と言うことが先生の考えなのだろうか。

 思考を巡らせながら先生の解答を待つ。相澤先生は逡巡した後、硬い声でそれを告げる。

 

 

「──対象の〝()()()空間移動(テレポート)〟……、お前が過去に一度だけ使用した技だ」

 

 

 ドキン、と胸が跳ねた。

 

 

「………、…………あー……、……それ、ですかぁ……」

 

 

 視線を先生から逸らして自分のつま先を見つめる。一瞬で過去の光景が脳裏をよぎり、喉が詰まる。

 

 

「お婆…ちゃんから、聞いたんです?」

 

「…ああ。夏休み前、お前にAFO(オールフォーワン)について話した日にな」

 

 

 なるほど、あの時か。もしかして今朝のお婆ちゃんのあの表情は、この件について思うところがあったからなのかもしれないと思い至る。

 

 

()()を使った時がどんな状況で何が起きたのか。そのことでお前がどれだけ苦しんだのかも聞いている。…すまん…本人が居ないところで込み入った話を聞いたことも、今こうして話していることも」

 

「……いえ…。……必要だから話した。そうでしょう?」

 

「…そうだ。巫山戯たことに、AFO(オールフォーワン)は相手に触れることで〝個性〟を奪ったり与えたりするらしい。万が一、奴と会敵してしまった際に取れる選択肢は多いに越したことはない。〝相手に触れることなく、相手を遠くに跳ばす〟ことが出来れば、捕らえられる可能性はより低くなる」

 

 

 相澤先生の言う通りだ。私は(ヴィラン)連合とAFO(オールフォーワン)に狙われている可能性がある。

 未だに警察やヒーローから逃げおおせている(ヴィラン)連合と、百年以上暗躍を続けているAFO(オールフォーワン)だ。いくらお婆ちゃんと雄英高校が守ってくれると言っても、絶対はない。

 それに奴らには【ワープ】出来る黒霧がいるのだ。私の居場所さえバレていれば、いつでも奇襲がかけられてしまう。

 襲われた時、私だけが逃げるのは容易かもしれない。──けれど、人質を取られたら? 逃げられない状況に追い込まれたら? 

 (ヴィラン)は狡猾だ。想像できない手段を取ってくるかもしれない。そんな時に、相手に近付くことなく相手を遠くに移送出来たら。

 

 〝非接触空間移動(テレポート)〟。これを習得出来たら、どれほど便利か想像に難くない。

 

 だが、しかしだ。

 

 

「……私も、()()の重要性は理解しています。これまでだって、使うことが出来たら…って、何度も思いました」

 

 

 例えば〝USJ襲撃事件〟。黒霧が靄を展開した時。あの時は半数以上が捕まってしまったが、近くにいた葉隠と青山だけでなく、みんなを移送して助けることが出来た筈だ。

 例えば〝職場体験3日目〟。亡くなってしまったあの男性。車体を動かすことに時間がかかり救助が遅れていなければ、命を繋げられたかもしれない。()()を使えたら、救助はもっと早く出来ただろう。

 

 

「だから使えるようにしようと、練習したこともあるんです。…だけど、どうしても。……あの時のことを、思い出してしまって。また()()()()()()()()()()()()()()って…、怖くなるんです」

 

「………」

 

 

 相澤先生は、何も言わない。ただ静かに私の独白を聞いている。どんな顔をしているだろう。私を情けないと思っているのか、憐れんでいるのか。俯いている私には、すっかり冷えてしまった素足しか見えていない。

 血の気の引いた足先を擦り合わせるも、大した成果は得られなかった。

 

 

「これも聞いているかもしれませんが……、()()から数年の間は自分を移送することも出来ませんでした。自分を移送出来るようになってからも、物を跳ばせるようになるにはまた暫く。他人を空間移動(テレポート)出来るまで戻ったのは、一昨年のことです。そこまで戻っても……、あの瞬間に使ったアレだけは…、どうにも…」

 

「──空戸」

 

 

 先生が私を呼ぶ。びくりと肩が震える。そろりと視線を戻して先生を見上げる。

 

 

「これまでの10年間、お前がどれだけ苦しんで、それでも努力してきたことはお前の婆さんから聞いている。当事者じゃない俺の口から〝分かっている〟なんて言えるほど生易しいもんじゃなかった筈だ。提案しておいてなんだが、無理なら、無理で良いんだ。さっき言った通り、総合力を伸ばすことも重要だからな。訓練はそっちを選択しても構わん。誰も咎めないし、俺がさせない。──だが、もし。お前がやると言うのなら。俺も、雄英も、プッシーキャッツの皆さんも、それにお前の婆さんも。全力でサポートする。俺の〝個性(抹消)〟は、その為にある」

 

「ぁ…………、…っ」

 

 

 先生は、呆れていなかった。先生は、憐れんでいなかった。ただただ私のことを尊重してくれていて、導こうとしてくれている。先生の言葉や表情から、それがひしひしと伝わった。

 

 

(…怖いからって、避けてる場合じゃあないです、よね……)

 

 

 考えることを、放棄していた。

 メンタルケアの一環として『事件のことを言葉にするエクスポージャー療法』。その継続により、以前よりも〝過去〟と向き合うことが出来てきている。しかし、その〝技〟を本気で習得しようとしたことは一度もない。…それの必要性を頭では分かっていたのに。

 

 

(しっかりしろ〝空戸 移〟。私はあの男(AFO)に狙われる可能性があるんだ。…私の中の…、この〝個性〟だけは奪われる訳にはいかないんです。──ああ、でも……やっぱり…)

 

 

 震えるほど、──怖い。

 

 

「……ありがとうございます。………でもすみません。一晩、考えてみても良いですか…?」

 

 

 臆病な私はすぐに決められなかった。先生を信頼していない訳ではない。私の、心の弱さの問題だ。

 

 

「それで良い。だが睡眠はしっかり取れよ。どっちにしても、明日はかなりキツイからな」

 

「はい」

 

「よし。時間を取らせて悪かったな。話は以上だ」

 

 

 先生が立ち上がる。私も合わせて席を立つが、この短時間でどっと疲れたのか体が重たい。胸もざわついて仕方がない。合宿初日から心体共にヘトヘトである。

 先生へ別れを告げて、再び女子部屋への帰路に着く。

 

 総合力の向上か、能力の開拓。決めるのは私…か。

 

 不意に体育祭の時、お婆ちゃんにかけてもらった言葉を思い出す。

 

 

『いつも言っていることよ。そして何度でも伝えるわ。──貴女は、何も悪くない。あの日のことも、【生まれ変わった】ことも。誰も貴女を責めたりなんてしないわ。私たちは、貴女を愛している。貴女は私の大事な大事な孫娘なのよ』

 

(お婆ちゃん……。良いのでしょうか)

 

 

 相澤先生は言わなかったが、恐らく、お婆ちゃんも私があの技を習得することを推したのだろう。でなければ、お婆ちゃんが先生たちに話す筈がない。

 

 再びあの光景が思い浮かぶ。

 

 ──10年前のあの日。

 ラブアンドピースが迫ってきた瞬間。医者曰く『過度なストレスと生命の危機を感じ〝個性因子〟が刺激されたことによって〝疑似的な個性伸ばし〟が生じた結果』起きた事故。事件までは、(現在)と同じく『触れた物体』しか空間移動(テレポート)出来なかった筈なのに、あの瞬間はその枷が外れた。

 恐怖、混乱、憤怒、嫌悪。両親が殺され、祖父が殺され、その犯人の手が自身へ向けられた。その結果、私の〝個性〟は暴走した。

 

 

(使えるようになって、良いのでしょうか…)

 

 

 気付いた時には、何もなかった。祖父の自宅のダイニングに居た筈の私は、瓦礫になった家の残骸に囲まれていて。目の前にいた(ラブアンドピース)と床に倒れていた祖父は姿を消していて。そして、私のすぐ後ろにあった、ダイニングテーブルの椅子に首から血を流して座っていた筈の両親の遺体は──。

 

 

「……すぅー………っ、……はぁぁ……」

 

 

 大丈夫。大丈夫だ。記憶は私を害さない。襲ってこない。これは私の自縄自縛。ラブアンドピースと、他でもない私自身の行動を許せない私の感情によるもの。だから落ち着け。落ち着けば、震えは止まる。

 

 そうだ。思い出せ。私が成るのは〝ヒーロー〟だ。それも、オールマイトのような、来ただけでその場の誰もが安心する圧倒的な英雄に。

 だから、こんな不安定な気持ちを抱えていてはいけない。いちいち動揺していてはいけない。克服するんだ。

 恐怖も、罪も、受け入れて消化してみせよう。

 

 習得出来たら、目標にずっと近付く。なら、やろう。やってみせよう。

 

 暴走はしない。必ずコントロールする。保険として相澤先生(抹消)も居てくれる。

 

 

「だから、大丈夫」

 

 

 自分に言い聞かせるように呟いたその声は、情けないほど震えていた。

 

 ──そんな私を〝みんな〟が見つめている。無表情に見つめている。視界の端で、記憶にある通りの最後の姿で。

 首から血を流して横たわる祖父と、細かく細かく散らばった、お父さんとお母さんが、見つめていた。

 

 

「私は、大丈夫」

 

 

 じっと、じぃっと。

 

 




〝非接触空間移動(テレポート)
今までのが(とある魔術の禁書目録の)白井黒子だとしたら、こちらは結標淡希です。これは…おねショタのフラグか…?

感想欄でもありましたが、「実は昔に一度使えたんですよ」ってお話です。
さて、移ちゃんはトラウマを乗り越えて新技を習得出来るのでしょうか。
林間合宿2日目に続きます。


……続きがいつ更新出来るかは分かりませんけどね!

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