キャラが多くて悪戦苦闘しております。
だからこそ動かしやすい峰田を重宝してしまう。拙作のキーパーソンは峰田です。
感想の返信が遅れてしまい申し訳ありません。
何度も読ませていただいてます。ありがとうございます。
評価や登録、誤字報告をしていただいた方もありがとうございます。
〝怪人脳無〟。
今年の春にあった前代未聞の雄英襲撃事件。そして先月、ヒーロー殺し〝ステイン〟と共に保須市で確認された化物。これまで合計4体出現している彼らは、個体差はあれど全員常人離れした身体能力を持ち合わせていた。脳無の身体を検査した医師と研究者たちによると、彼らは皆『ヒーローとの戦闘前から死んでいた』と言う。脳無は、死人の身体を繋ぎ合わせて無理矢理動かされていた。
これだけでも悍ましい驚愕の事実だが、更にもう一つ、共通の特徴がある。それが複数個の〝個性〟所持だ。
通常、1人の人間が持つ〝個性〟は一つのみだ。稀にいくつかの〝個性〟を使用しているように見える人もいるが、それは一つの〝個性〟を応用して使用した結果であり、〝個性〟を複数所持している訳ではない。轟焦凍の【半冷半燃】が良い例だろう。
しかし脳無は違う。確実に〝個性〟を複数所持していた。それは日本の最高峰医療機関〝セントラル病院〟で証明されており、とあるヒーローのお墨付きもある。
ヒーロー公安委員会の依頼の下、セントラル病院の検査結果を後押ししたヒーロー。それが【サーチ】の〝個性〟を持つラグドールだった。
「アチキの【サーチ】で見た人は〝個性〟が十字に光って見えるのにゃん。こう、ピカーッて。脳無の場合、人間が密集しているかのように光が幾つも見えたにゃんね。その光一つ一つが異なる〝個性〟だった」
「そして空戸の場合、それらとは異なったと」
「にゃ。最初に見た時は普通だったにゃん。他の人と同じで十字に光っていただけ。けれどおかしなところがあった。彼女の弱点に『〝個性〟の連続使用による頭痛・めまい』にゃんてない。精々体力の消耗くらいだにゃ」
「…それは聞いていませんが」
「忘れてたにゃん!」
その時点で即報告案件ではないだろうかと思ったが、今の論点ではないため相澤は胸中に留めておいた。
「彼女の光り方に違和感を覚えたのは〝個性〟の暴走があってから。目の霞みのように微かにゃんだけど、確かに二重に光っていたにゃん。【スフィア】とは別の〝個性〟があの子の中にある。生憎、不鮮明過ぎてその〝個性〟が何なのかは分からなかったし、あの子が目覚めると同時に普通の十字に戻っちゃったけどね」
「その二つ目の〝個性〟がアイツの頭痛や暴走に関与している可能性はありますか?」
「…頭痛は『体力の消耗』から間接的に生じているとも考えられるにゃん。今見えている不調の原因の全てがそれとは断定出来にゃい。けど、脳無の肉体改造は『〝個性〟の複数所持に対応するため』という仮説もあるにゃん」
「……つまり、改造が為されていない空戸の肉体では、〝個性〟の複数所持に耐えられていない、と」
「あくまで予想の範疇にゃん。…空戸ちゃんのもう一つの〝個性〟が生来からの物にしろ、『誰かの作為的な物』にしろ。複数個の〝個性〟所持による負荷がない、とも言い切れにゃいにゃん」
これまで確認されてきた脳無たち。彼らは『弄られてない場所がない』と言って良いほどに全身を改造されていた。力を振るうこと、誰かを傷付けることを目的に生み出された怪人。脳無の製作者は間違いなく天才であり、同時に、人の尊厳を踏み躙ることを厭わない鬼畜だ。
相澤はこれまで〝プロヒーロー〟として活動してきた経験から、『最悪』のケースを想像する。
10年前の〝空戸一家殺傷事件〟における実行犯の
唯一の生存者である移は目撃していないし、
もし、事件当時の現場に
理由は分からないし、道理に合わない点もある。
だけどもし、これが真実だとしたら。
(ここまではらわたが煮えくり返ることがあるか…ッ!!)
移は必死になってヒーローを目指している。幼少期にあれほどの地獄を目の当たりにして、心をズタズタに引き裂かれ、それでも足掻いて自身の心の傷に向き合っている。6歳からずっと戦っているのだ。ただ人を救いたい。その純粋な願いを実現するために。
相澤は知っている。彼女が校長に語った覚悟を。
相澤は聴いている。体育祭の信念が込められた宣言を。
相澤は見ている。入学してから今日まで、絶え間なく続けている彼女の努力を。
それを嘲笑う者など、赦せる筈がない。
「…このことは本人には伏せておこうと思います。まだ明かせる状況にない。まずは今夜にでも校長と空戸の保護者に情報を共有し方針を固めます。本人に伝える時は主治医も交えた方が良いでしょう」
「妥当な判断にゃん。それまでにあちきも可能な限り『二つ目の〝個性〟』を探ってみるにゃん」
「頼みます。──では、また後ほど。とにかく、今夜は予定通りのスケジュールを敢行します」
「イレイザー」
足早に退室しようとした相澤をラグドールが引き止める。彼女は、両腕を頭上に伸ばして戯けたポーズを取り笑顔で言う。
「
虚をつかれた相澤は所在なく頭に手をやり、眉間の皺を取る。確かにこんな感情を表に出したまま生徒たちに接する訳にはいかない。平常心を心掛け、険の取れた普段通りの雰囲気となるよう努めた。
「そうですね、ありがとうございます」
「まだ無愛想にゃん! スマ〜イル!!」
「…これが通常です」
▽ ▽ ▽
相澤先生たちから別れた後、建物前の屋外調理場に着いた私は、みんなに揉みくちゃにされながら体調を心配された。
特に体育祭で体調を崩した姿を目撃した経験のある芦戸や〝個性〟の反動で同様の苦労をしている麗日、それと人一倍友達想いな梅雨ちゃんには大変憂慮させてしまったようだった。
調理は加わらずに休憩することを勧められたが、体調はほぼほぼ万全であったし、これ以上迷惑をかけることも心苦しかったため、みんなに感謝を示しつつその提案は遠慮しておいた。
私が合流したことでみんなの調理の手が緩んでいた中、一人鬼の形相をして料理人もかくやと食材を刻む爆豪に追随すべく、彼の横に立つ。〝切る〟ことは得意分野だ。
しかし、やる気を出して一個目のジャガイモを切り終えたところで爆豪から「普通に包丁使えやッ!!」と怒鳴られてしまった。〝個性〟で調理することは彼の中でNGだったようだ。
轟や爆豪も〝個性〟で点火していただろうと内心不満に思ったが、夕食作りに一番貢献していそうな彼に食い下がるのも悪いと感じ、渋々従った。
因みに包丁は使い慣れていないため、〝個性〟を使用した時より20倍の時間を要したことは不甲斐なく思う。昔から〝普通に〟家事をすることは苦手である。
昨日に引き続き〝まずまずの〟夕飯を堪能した私たちは、手早く後片付けを終えて、20分の小休憩を言い渡される。この後はいよいよ合宿のお楽しみイベントである肝試しが始まる。そのための準備時間でもあるのだろう。
今のうちにと思い、歯磨きとお小水を済ませる。肝試しは森の中で行われるため、後で尿意に襲われたら堪らない。
「おわっ…」
女子トイレから出てすぐ、全く同じタイミングで隣の男子トイレから出てきた影に驚く。爆豪だ。彼はポケットに両手を入れてやや猫背な姿勢でこちらを見下ろしている。
「…んだよ」
「あ、いえ。なんでもありません」
咄嗟に声が漏れてしまったが、勝手にこちらが驚いてしまっただけだ。本当に他意も用もなかったためそそくさと離れようとしたところ、後ろから「おい」と呼び止められてしまった。
「…てめぇ、〝個性伸ばし〟のこと知ってやがったんか?」
「えぇと…? …まあ、はい。祖母がヒーローやってましたので、昔から訓練を付けてもらっていた関係で…」
答えながら、何故こんなことを訊くのだろうかと疑問を持つ。そんな思いが顔に出ていたのか、顰めっ面のまま爆豪は訳を話した。
「昨日のボール投げ。クソデクでも、体力テストの一位だった八百万でも、入試一位のてめぇでもなく俺が指名された理由だ。デクの野郎は〝個性〟の扱いが雑魚だったから例外、八百万は〝個性伸ばし〟のデモンストレーションには不適格。だとして、なんでてめぇじゃなく俺だった? …てめぇの〝個性〟…伸びてやがんな」
沸々と沸き上がる感情を抑え込むように語る。今の彼は、まるで噴火直前の火山のようだ。
なんとなく察した。ボール投げに彼が選ばれた訳。それが彼は気に食わなかったのだろう。『
「期末の実技ン時は結局白黒付かんかったが…。この合宿ではてめぇより遥かに結果を出してやる。当然! こっから先もだッ!」
血走った三白眼が私を捉える。
期末試験の前、爆豪は私や緑谷、轟に激しい対抗意識を抱いていた。実技試験で緑谷と協力してオールマイトから勝利をもぎ取ったと聞き、その感情はなりを潜めたと思っていたが…。今の様子から、全くもってそんなことはないと知る。
言いたいことを言い切ったのか爆豪は肩をそびやかしてこの場を去ろうとする。だが私も、言われっぱなしではいられない。彼の名を呼び振り返らせる。
「爆豪、キミは強いです。この先、キミに負けることは何度もあるでしょう。これは私の本音です。謙遜も蔑視もありません」
「………」
「けれど前にも言った通り…私はNo.1ヒーローになるんです。オールマイトのように、世の中に平和をもたらす〝ヒーロー〟に……ならなくちゃあいけないんですよ」
「だからこそ、私は負けられないんです。これから先も、『イチバン』は私が勝ち取ります」
体育祭決勝戦。その直前に爆豪が私に向けて言った言葉。それをあえて引用する。彼のこうした乱暴な振る舞いにはほとほと呆れるが、勝利に拘る姿勢は嫌いじゃあない。
「……ハッ! だったらバテて倒れてんじゃねーよ!!」
「…もしかして心配してくれたんです?」
「だぁーれがッ!! それに! オールマイトは『絶対に負けねぇ』んだよッ! 『負けることは何度もある』だァ? んなことぬかす奴がNo.1になれっかッ!! No.1になんのはこの俺だッ!!」
吐き捨てるようにそう言って、今度こそ爆豪は去っていった。
結局、爆豪の〝いつもの〟に付き合わされただけか。彼とのこういうやり取りも慣れつつある自分がいる。春の頃は敵対心バリバリの態度に恐怖してた筈だが、いやはや慣れとは恐ろしい。
それにしても。
(『オールマイトは絶対に負けない』、ですか。案外彼も、オールマイトに感化された一人なんですかねぇ)
とても熱が込められた言葉だった。勝利への強い執念は、オールマイトの絶対的な強さから影響を受けたものかもしれない。〝私〟たち世代は幼少期からオールマイトの活躍を目にしている。緑谷も熱烈なファンだと以前に聞いたが(彼の場合、自室がオールマイトグッズだらけらしい。いつか見せてもらいたいものだ)、爆豪もそうだとしたら、同じ人に憧れた人間として親近感を抱いたりしなくもない。
…いや、やっぱりないだろう。彼ほど〝親近感〟という言葉と縁のないヒーロー志望はいない。
▽ ▽ ▽
「本当に平気なの? 明日もあるのだから、休んでいた方が良くないかしら…」
夜。20分の小休憩を終えて、私たちは宿泊施設から離れた森の奥へ集合していた。先生とプッシーキャッツの皆さんが持つランタンに照らされた山道は、既に
これから行われるイベントを今か今かと心待ちにする者や心底逃れたそうにしている者(主に耳郎)がいる中、私は横を歩く梅雨ちゃんへ視線を向ける。
「ありがとうございます。でも、もう何ともありませんし、この行事にはどうしても参加したくて…」
「ケロぉ…辛くなったら無理をしちゃ駄目よ? …ごめんなさい、何度も訊いてしまってしつこく感じてしまうかもしれないけれど、移ちゃんの体調がどうしても心配なのよ…」
眉を下げてこちらを見上げる梅雨ちゃんの気持ちが伝わり、心が安らぐ。梅雨ちゃんはとても優しい人だ。
訓練中に倒れた私に、みんなとても心配してくれた。特に梅雨ちゃんはずっと気にしてくれていて、それだけ不安にさせてしまったことに申し訳なく思う。〝個性〟制御の改善策ばかりに考えが及んでいたが、周囲にいた友人がどう感じるかなどを失念していた。反省すると同時に、本気で思い遣ってくれるみんなの気持ちが嬉しく感じる。
「謝らないでください、分かっていますから。梅雨ちゃんの思い遣り、とっても嬉しいです。体調を崩す前に休むよう気を付けますね」
「ケロ。そう言ってくれると私も嬉しいわ」
梅雨ちゃんの表情が晴れる。友達想いな彼女の為にも、もう倒れないように気を付けねば。
「そうだぜ空戸ぉ、オイラもすっっっごく心配したぜ。気分悪くなったら手を貸すからよぉ、ちゃんとオイラに言うんだぞ?」
「あ、結構です」
「峰田ちゃん、移ちゃんに近付かないでちょうだい。体に障るわ」
邪な感情が体全体から滲み出ている峰田から思わず距離を置く。梅雨ちゃんはサッと前へ出て、その小さな体で不埒者から私を守るように壁になってくれた。
この男は…。覗き未遂から何も反省していないのだろうか。彼の人権を考慮しなくても良いなら、今すぐに去勢されてほしい。
「さて! 腹は膨れた、皿も洗った! お次はぁ〜!」
「──肝を試す時間だぁ〜!!」
ピクシーボブの音頭をテンションMAXな芦戸が引き継ぐ。彼女に追随するように我らA組の賑やかしメンバーたちも盛り上がる。瀬呂や上鳴、切島が『試すぜぇ!!』と叫んでいた。
私も叫びまではしなかったが、高揚感は彼らと同程度だと自認する。『肝試し』。【前世】も含めて、経験したことのない行事だ。小・中学校は碌に登校出来なかったし、【前世】はそんな余裕のある時代ではなかった。コミックや映画で目にする青春の一コマ。叫び、叫ばせる夏の定番。それが『肝試し』なのだ。楽しみで仕方がない。
「──その前に大変心苦しいが、…補習連中はこれから俺と授業だ」
「 う そ だ ろ !? 」
と、ここで天国から地獄に突き落とすような宣言が相澤先生から言い渡された。あまりのことに芦戸は敬語も忘れて絶叫した。
先生は軽く謝罪を述べた後、『日中の訓練が疎かになっていたから
「そんな…ッ。あまりに惨いッ…!」
「嗚呼、奈落からの罪咎…ッ!」
常闇と共に戦慄したのだった。
「──はい、という訳で脅かす側先攻はB組! A組は2人一組で3分置きに出発。ルートの真ん中に名前を書いたお札があるから、それを持って帰ること! 脅かす側は直接接触禁止で、〝個性〟を使った脅かしネタを披露してくるよ!」
「創意工夫でより多くの人数を失禁させたクラスが勝者だ!!」
しかし、こちらのテンションは置いてけぼりでさっさとルール説明がなされる。
B組は先に隠れて準備をしているらしい。〝個性〟を使用した肝試し…、B組の〝個性〟ならば〝黒色 支配〟や〝取蔭 切奈〟、〝柳 レイ子〟が大活躍しそうだ。〝吹出 漫画〟もトリッキーなネタを仕掛けてきそうで期待が出来る。だが、あまり深く考え過ぎるとセルフネタバレになってしまいそうだから止めておこう。
しかし、対抗戦となると私たちA組は弱いかもしれない。驚かすことに向いた〝個性〟…、八百万と葉隠の2人が勝敗の鍵を握っていると言える。
「さあ! くじ引きでパートナーを決めるよ!」
ピクシーボブが握った『1から9』のくじを順に引いていく。
私が引いたのは『1』のくじ。相方は──。
「お! 空戸が1番か! よろしく頼むわ!」
「期末試験を思い出しますね。楽しみましょうね、切島!」
A組随一の熱い漢、切島鋭児郎だ。
「しかしよぉ、空戸の〝個性〟だったら脅かされる前に全部分かっちまわねぇか? 対抗戦としては有利だけど、脅かされる側だとネタバレされるようなもんだろ?」
「ふふん、そうでしょうね。ですが、それだと興醒めです。全力で楽しむために、既に〝個性〟は完全にオフにしてますよ! 真正面から受ける構えです!」
「おおっ! さすが空戸だな! 漢気あるぜ!!」
「ふへへ…よしてくださいよ、照れますねぇ」
切島の言う通り、【
「全員引き終わったね? それじゃあ『1組目』から早速行ってみよう!」
ピクシーボブから合図を出された。指し示された道は幅5メートル程度はある広い砂利道。樹木が生い茂って鬱蒼としている。実に良い。ここを道なりに進むそうだ。
「おっし! 試させてもらおうぜ、肝をよぉ!」
「はい! 存分に恐怖心を煽ってもらいましょう!」
「…肝試しって、そんなテンションで挑むものやったっけ?」
麗日からそんな疑問を投げかけられつつ、私たちは期待に胸を膨らませて月光に照らされた山道へと歩を進めた。
▽ ▽ ▽
──同時刻。
移たちが集合していた地点から凡そ800メートル離れた小高い丘。そこには複数人の男女が密かに集っていた。
彼らは招かれざる客。雄英と、ヒーローと敵対する者たち。本来なら雄英の教師とその関係者、生徒たちしか知り得ない筈のこの合宿の地を、彼らは土足で踏み躙る。
「情報通りだ。能天気なことに、奴らは
「馬鹿なの? 危機感が足りてないと言うか、天下の雄英が聞いて呆れるね」
身体中に火傷を負った男が眼下を見つめながら軽薄に言う。それを聞いてやれやれとお手上げの姿勢を取る学ラン姿の少年。顔をガスマスクで覆っているが、声質からまだ変声期を終えて間もない年頃であることが窺える。
「アラ、不満かしら? 私たちにとっては好都合で良いじゃなぁい」
少年に対してポジティブに返答したのは、2メートル近い体躯をした巨漢だ。少年はそういう意図で発言した訳ではなかったが、特に反論もなかったため口をつぐんだ。少年は、雄英生という『この国の最上位カーストの生徒たち』をこき下ろすことが出来ればそれで良かった。それは、これからの作戦中でいくらでも実行出来るのだ。雄英生に、直接。
「お! ターゲットの女を発見したぞ! あそこで間違いねえな。──イヤ、絶対にあそこじゃねえ!! 俺の勘違いだッ!」
やけにハイテンションな黒い覆面の男は、双眼鏡で確認した場所を指差しながら叫ぶ。己の発した情報を即座に自身で否定するが、彼のこの喋り方は癖みたいなもので、他の面々も短い付き合いながらその独特な口調を理解していた。この場合、覆面の男の本音は前者──つまり、彼らの目的の一つはあの場所に居る。
「行くぞイカれ野郎共。ぶち壊そう──
火傷の男が合図すると同時に、何もない空間から〝黒い靄〟が発生した。勿論、自然現象ではない。彼らの仲間の〝個性〟によるものだ。
〝黒い靄〟…、否、それは離れた空間を繋ぐ【ワープゲート】。その出口として4つの地点が設定されている。
一つは〝雄英教師〟が向かった〝宿泊施設付近〟へ。
一つは〝個性〟【サーチ】を持つ〝ラグドール〟が待機する肝試しの中間地点へ。
一つは〝雄英生〟が点在する森の中へ。
最後の一つはターゲット、〝空戸移〟の下へ。
それぞれが与えられた仕事を熟すため【ワープゲート】を潜る。
彼らは〝
〝死柄木弔〟から命を受けた
USJ事件と同じく、雄英生への理不尽な襲撃が始まろうとしていた。動機は単純──ただ彼らが
【テレパス】や【土流】、【サーチ】が揃っている林間合宿への襲撃を成功させるなんて開闢行動隊凄すぎない??
そこに移ちゃんまでいるんだから無理ゲーだわ。勝ったな、風呂入ってくる()
余談になりますが、アニメ6期の放送日発表されてうれぴぃ…
録画環境整えるぅぅ…
待ち遠しいぃ…