僕等が奏でる歌と音   作:凌介

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終わりを彩る音を探す光が見つけた音と答えは果たして…


第16話終わりを彩る音と最高の歌

SPACEのラストLIVEまで残り1ヶ月と少しとなったとある週末

俺はひたすらにギターを弾き続けている、約束した終わりを彩る音を探すためにただただひたすらにいくつもの曲を演奏しては違うと切り捨てていく、もう何曲目になるだろう?自分でもわからない、気が付くと俺の手は震えていた

「ちょっと休憩するか」

そう言って俺はギターを元の場所に戻し立ち上がると少しだけふらっと視界が眩み、再びベットに座り込む

「なんか、情けないなぁ」

そう呟いて俺はゆっくりと立ち上がり居間を通り過ぎて台所に向かい簡単に昼食の準備をして昼食をとった後再び部屋に戻り今度は立て掛けていたキーボードをスタンドに設置し今度はキーボードを弾く事に没頭する

どのくらい弾いていたのか今度は指がつり痛み出した

「あ痛てて半日近くギター弾いた上に数時間キーボード弾けばこうもなるか」俺は指を擦りながらそう呟くそしてそのままベットに寝そべり少し眠ることにした、目を覚ますと空はオレンジ色に染まっていた、俺はスマホで時間を確認すると夕方の16時だった

「そんなに寝たつもりは無かったんだけどなぁ」

そう思いながら俺は買い物がてら気分転換に外に出る

「にしても参ったな〜」

俺は歩きながらぼやく、そうして歩いているといつかの日に

日菜と紗夜が向き合うきっかけを作った公園に来ていた

「なんだか懐かしいなぁ」

俺は立ち寄り自販機で缶コーヒーを買ってあの時のベンチに座りその缶コーヒーを飲んでいると不意に名前を呼ばれた気がして声がした方を振り返る

「光君?こんな所で何をしているのですか?」

「紗夜、どうしてここに?」

「忘れていませんか?ここ私達の家の近くですよ?」

「そういえばそうだったね、今日は練習の帰り?」

「えぇ、帰り道に通りかかったら光君がいたのが見えたので声をかけさせて貰いました」

「そっか、なら少し話さない?」

「構いませんよ」

紗夜はそう言って俺の隣に座るとケースからギターを取り出し弾いてはペグを緩めたり締めたりしている

「光君、何かありましたか?」

「どうして?」

「遠くから貴方を見かけた時悩んでるように見えました」

「まぁ当たらずとも遠からずかな」

「そうですか、よかったら話してくださいませんか?」

「そうしたいけど、でも、今はまだ自分だけで悩みたいかなって」

「そうですか、では多くは聞きませんのでいくつか質問させてください」

「良いよ、答えられる範囲で答えてあげる」

「あなたが悩んでいるのは音楽の事ですか?それとも自分自身の事ですか?」

「どっちもかな、俺自身が久しぶりに音楽と本気で真正面から向き合わないといけなくてさ、まだはっきり答えが出てないんだ」

「そうなんですね、なら確かに自分自身で見つけなければいけない答えですね」

会話しながらも紗夜はずっと音の調整をしている多分普段の音に近付けて無いのだろう

「紗夜、ちょっと貸して」

「私のギターをですか?構いませんがどうするのです?」

俺はギターを受け取ると軽く弾いてからペグを緩めたり締めたりを2・3度繰り返し紗夜に返す

「これで大丈夫なはずだよ」

紗夜は半信半疑といった表情でギターを弾いた

「私の…普段の音…です」

「でしょ、なんか苦戦してたみたいだから、勝手に調整させてもらったよ」

「どうしてこんな簡単に出来たのですか?」

「普段から練習見てるし、それに、俺がRoseliaのましてや紗夜の音を間違えるわけがないよ」

「そういう所も非の打ち所のない所の一つなのでしょうね」

「どうだろうね、人よりちょっと耳が良いだけかもよ」

「そうかもしれませんね、光君、もしよろしければ一緒に練習しませんか?」

「ごめんね、今日はギター持ってきてないんだ、弾きすぎて指つっちゃってさちょっと休憩してからキーボード弾いてたら指動かなくなっちゃって、今は握ったり開いたりするのも一苦労なんだ」

俺の言葉に紗夜は驚きの表情を浮かべ聞いてくる

「一体どれだけ弾いていたのです?」

「ギター半日、キーボード2・3時間ってとこかな?多分」

「それはやりすぎです!自分をいたわってください」

「いや、なんか無我夢中で」

「限度を考えてください!ハァ〜まぁ良いです。では、演奏を聞いてアドバイスをお願いします」

「それくらいなら構わないよ」

そう言って俺は紗夜の演奏に耳を傾ける聞いていると紗夜の真面目さが伝わってくるような音だった

「光君、何かあったら頼って下さいねあなたがたくさんの人の力になって来たように、私達もあなたの力になれるので」

「ありがとう、なんかいつかの時とは逆になっちゃったね」

俺がそう言うと紗夜は演奏の手を止めて顔を赤くして俯いてしまった

「あの時は…お見苦しいものをお見せしました」

「前にも言ったね、涙は尊いものだって、俺は見苦しいとは思わないし、それこそ涙は大切なものだと思うから、それに紗夜の涙は見苦しくなんかないよ」

そう話していると、俺達がよく知る声が聞こえてきた

「お姉ちゃ〜んもう、こんなところにいた〜ってあれ?ひ〜くん?なんでここにいるの?」

「ちょっと散歩、紗夜とたまたま会って話してた」

「そうなの?お姉ちゃん」

「そうよ、帰り道にたまたま会って話してたのよ後、練習を見てもらっていたわ」

「そうなの?でも、そろそろ帰らないと暗くなるよ」

「そうね、もう少ししたら帰るわ」

俺は何気なしに2人が話している姿を見ていた、俺の視線気づいたのか紗夜が話しかけてきた

「光君?どうしたのですか?私達の顔をじっと見つめて」

「ごめんごめん不快だったよね」

「いえ、別にそんな事は」

「あたしも別にそんな事無いけど」

「いやさ、今更だけど2人ってやっぱり姉妹なんだなって思ってさ」

髪や瞳の色はもちろん、顔立ちまで似ていると改めて思った瞬間だった

「性格とかは正反対っていうか凸凹っていうかさ上手く言えないんだけど、なんかパズルのピースみたいだなって」

「パズルのピースですか?まぁそうかもしれませんね」

「どういう事?」

「つまりさ、パズルのピース見たいにピッタリハマる部分って言うのかな?姉妹で違うからこそお互いに補い合ってピッタリ重なるみたいな、あぁ上手く伝えられないや」

「私は何となく伝わりましたよ」

「ん〜でもな〜」

俺は悩みながら自分の言葉を思い返しピッタリの曲が浮かんだので片耳用のイヤホンを耳にしてからポケットから音楽プレイヤーとして使っている方のスマホを取り出し繋ぐと2人に向け話しかける

「あのさ、今日は演奏は無いけど歌だけ聞いてくれる?さっき自分で言っててこの曲がピッタリかなってのがあったからさ2人にも聞いてもらいたいなって」

「まぁ光君がそう言うなら」

「アタシも良いよ〜」

「じゃあ歌うね!ジグソーパズル」

俺は再生をタッチして曲を流しイヤホン越しに流れてくる曲に合わせて俺は指を鳴らしながら歌っていく

『ジグソーパズルOhジグソーパズルOhジグソーパズルOh

ジグソーパズル

焦らずにゆっくりと作ろう間違えてはまた崩そう

床一面に鏤めたピース何千何万出来のはいつ?

苦手な遊び細かい作業君は言う「そこじゃない」

あぁ惜しいけれどはまらない

絵と形がピタリと合う欠片探し2人手探りでピースを拾って

試すのさここに入れてみようって

どんな絵が出来るだろう?

完成なんていつかもわからないけど徐々に形を成してく

ほら足りない欠片を探して2人で隙間を埋めてく1人じゃ終わらないこのパズルもきっと俺たちならば上手く作れるだろう描かれたのは2人の未来大きな額に飾ろう

このジグソーパズル

俺に無いものは君が持ってる君に無いものは俺が持ってる

合わせれば重なる綺麗に元々2つで1つのイメージ

他じゃダメできる隙間似ていてもきっと無理だ

俺には君だけが必要さ合わせようまるでジグソーパズル

欠けては決して成り立たないよ揃わないのさ

あなたじゃないとこの頃の中にできた隙間に君がはまり』

組立つ俺たちというパズルの出来上がり

ほら足りない欠片を探して2人で隙間を埋めてく1人じゃ終わらないこのパズルもきっと俺たちならば上手く作れるだろう描かれたのは2人の未来大きな額に飾ろうこのジグソーパズル

1人じゃ全然つまらない必要なものが見つからない

どこに行っちゃったの?無くしたら揃わない

「やっぱもうダメかも」諦めたりしたんだよ

でも他は考えられないくらいはまるピッタリ

俺は短気君は温厚俺は細め君は太め

俺は得意君は苦手俺は適当君も適当

変わるなそのままでいいよ抱き合った時の重なり具合も

それ無きゃ中々寝付けないくらいの相性抜群余白無くすまで

続けようジグソーパズル

足りない欠片を探して2人で隙間を埋めてく1人じゃ終わらないこのパズルもきっと俺たちならば上手く作れるだろう描かれたのは2人の未来大きな額に飾ろう…このジグソーパズル

ほら足りない欠片は全部君が埋めてくれた1人じゃ終わらないこのパズルのできた隙間は全部俺が埋めてあげよう

描かれたのは2人の未来大きな額に飾ろうこのジグソーパズル

 

「どうだった?俺の伝えたい事は伝わった?」

「えぇとても伝わりました」

「あたしもよく分かった」

「それにしても、光君って意外と不器用なんですね」

「自覚はしてるよ」

「不器用すぎますよ、あれだけ色々できるのに肝心な所で言葉にして伝えられないなんて」

「アッハハ本当に自覚はしてるんだ、伝えるって難しいよ」

「そうですね、よく分かります」

「話してるところ悪いんだけどさ〜そろそろ帰らないと本当に遅くなるよ?」

日菜がそう言うので俺はスマホで時間を確認すると18時を回っていた

「もうこんな時間か、今日は帰るよ」

「あたし達の家、寄っていかいないの?」

「せっかくだけど、遠慮するよまだゆっくり考えたい事があるんだ」

「そっかァ〜残念、でもひ〜くん前にした約束は守ってね!」

「もちろん!夏休みに入ったら必ず、じゃあまたね」

俺は軽く手を振ってその場を後にし適当に夕飯の買い物を済ませてから自宅に戻り夕飯を済ませてからシャワーを浴びて

部屋に戻り力尽きるまでギターを弾き続けた

次の日、俺は学校に着くと教室には行かずまっすぐ屋上に向かった俺は貯水タンクが備え付けられているスペースに登ると荷物を下ろしそのまま寝そべり空を見上げる

俺はイヤホンをして音楽を聴き始める

「やっぱりまだ答えは出ないままか、きっかけっていうかは見つけてたはずなんだけどな〜」

俺は空に向かって呟く

聴いている音楽が切り替わる

「あぁ、そう言えばこんな曲もあったっけな、久々に弾いてみるか、もっとも、今の俺の手でどこまでやれるかだけど」

俺はバックから小型のアンプを取り出しギターに繋ぎ

軽く弾いてみると不思議と手の痛みは気にならなかった

「本当に俺ってバカで不器用だな、よし!やるか!」

俺は演奏を始める今のこの気分を振り払う為に

『どうしてだろう僕に無いものはずっときれいに見える

いつからだろう比べることで輝き見出してた

霞濁っていく視界取り払おう

眼と耳を塞ぐのは速すぎるから

「真っ白な僕」だと世界を嘆かずに

空っぽの手のひら笑い飛ばしてさ

特別な何かを追い求めなくても

君と笑いあえる僕と笑い、会える焦がれた光の指す場所は想像の先のFLAT』

不思議だ、さっきまでモヤモヤしていた気持ちが晴れていく

俺ってバカで不器用でそれでいて単純なんだな〜だって歌うことは楽しいし何より歌っていれば気分は晴れるから!

『いつからだろう希望は諦めになってしまってた

どうしてだろう叶わない夢だと決めつけるのは

握りしめいた拳解き放とう

今までに悔いるのは早すぎるから

「真っ暗な僕」だと世界を殺さずに空っぽだからこそ

全てになれるの特別な何かを追い求めなくても

君と笑いあえる僕と笑い、会える

焦がれた光の指す場所は想像の先のFLAT』

俺が夢中になって演奏していると扉が開き俺がよく知るいつものメンバーがやってきた

「光〜!朝っぱらから教室にも来ないと思ったら」

「悪いな!でもとりあえず最後まで聞いてってよ!」

俺はそう言って再び歌い出す

『ずっと自分の声には耳を貸さずにいて

君の声を呪ってばかりだったよきっと隠れた光

僕の中に生まれてるって信じるんだ認めてあげるんだ

「真っ白な僕」だと世界を嘆かずに空っぽの手のひら

笑い飛ばしてさ特別な何かを追い求めなくても

君と笑いあえる僕と笑い、会える

焦がれた光の指す場所は想像の先のFLAT』

俺は演奏を終えて楽器をしまうと下に降りる

「全く何があったか知らないけど、朝から演奏するなら言ってよね!」

「いや、俺としてもそのつもりって無かったんだけどね」

「ひ〜くん手は大丈夫」

「あぁそう言えば忘れた、凄い痛い!」

俺は手首を押さえ自分の手に視線を落とすと手が震えていた

「手が震えているわよ、大丈夫なの?」

「かなり痛いけど平気多分昨日からの弾きすぎが原因だし、腱鞘炎にはなってないから」

「念の為に保健室に行くわよ、2人とも光を引きずってでも連れて来なさい!」

「OK!任しとして!」

「あたしも任されたよ!」

「お願いだから引き摺らないでね」

俺はそう言って3人の後に続くそして、荷物はリサと日菜に取り上げられた、そして保健室に行き先生に見てもらった結果

やっぱりというか案の定というか腱鞘炎にはなってはいなかったが2・3日安静にするように言われてしまった

「こうなるのわかってたから嫌だったのに」

「そうも行かないでしょ、とにかく2・3日演奏はやめときなよ光」

「そうよ、あなた弾けなくなっても良いの?」

「そうならないようには気を付けてたってこのくらいなら過去に何度もあったよ!」

「でもさ〜ひ〜くん手が使えなくなるよりはマシでしょ?」

「そうなんだけどさ〜」

俺はぼやきながら教室に向かった、そしてホームルームを受けて一限開始前の休憩時間にまたリサ達がやってきた

「光、ペン持ったりとかは平気なんだよね?」

「最低限は大丈夫」

そういいながらも俺はギターに触っている

「光、安静って言われたんだしギター触るのやめなよ」

「手に馴染んだ感触がないと落ち着かなくてさ、それにさやっぱり弾きはしなくても馴染んだ感触がないとどうしていいかわかんなくなるし」

「でもさ、演奏できないなら歌えばいいじゃん!休み時間ならアタシと日菜でベースとギターくらいなら弾けるし」

「そっか!そうすればひ〜くんの歌聞けるんだ!」

「友希那とデュエットって方法もあるよ」

「って言ってるけど、どうする?」

俺は友希那に問いかける

「やらないわ、LIVEならいざ知らずどうして学校でまでやらなきゃいけないのよ」

「だってさ」

「やっぱりダメか〜」

「ひ〜くんと友希那ちゃんのデュエット聞きたかった」

「まぁ機会があれば友希那もやってくれるだろうし今は諦めよう」

俺がそう言うと2人は頷いて戻って行った

「ところで光、LIVEをやるならゲストとして来てくれたりするのかしら?」

「俺が今の状態じゃなければね〜」

そう言って手を握ったり開いたりしてみせる

「どうしてそう気楽そうにしているのかしら?」

「別に両手使えないわけじゃないし、キーボードなら大丈夫かなって」

「やめておきなさい、あなた一人の体じゃないのだから」

「まぁそうなんだけどさ、こうダメだって言われるとやりたくならない?」

「堪え性がないのね」

そう言って呆れる友希那に俺は苦笑するしかなかった

その後circleでのバイトでも楽器に触れるのは厳禁と言われてしまい仕方が無いのでペンを持って暇な時間は自分の考えをまとめる事に時間を使う、それから2・3日たってもう演奏しても大丈夫だと言われたので、早速ギターを演奏する

「2・3日でもやっぱり鈍るもんだな〜」

そう言いながら適当に曲を弾いていき感覚を戻していくが

それでも自分の中の答えは出ていない

その後の週末、俺は再びギターを弾くことに没頭するそれでも今のまま変わらない

「あぁ〜くそ、見つかんないもんだなぁ〜」

俺は普段から使っている方のギターを置いて代わりに相棒と呼んでいるギターを手に取る

「少し付き合ってくれな相棒」

俺はそう言って何曲か演奏していく中で相棒のギターを常に持ち歩き、演奏していた頃を思い出す

「あぁ、懐かしな、あの頃はお前と一緒にずっと走り回ってたっけな」

懐かしさに笑いが込み上げる

「懐かしいって言えばあれか」

俺はそう言って演奏し始める

『いつも 君と 待ち続けた 季節は何も言わず通り過ぎた

雨はこと街に降り注ぐ 少しのリグレットと罪を包み込んで

泣かない事を誓ったまま時は過ぎ痛む心に気が付かずに

僕1人になった

「記憶の中でずっと2人は生きて行ける」

君の声が今も胸に響くよそれは愛が彷徨う影

君は少し泣いた?あの時見えなかった』

この曲は俺と相棒のギターで1番最初に覚えた曲だ

そして、俺があの時見えなかった景色を見るきっかけをくれた曲だ、ラストライブでは使えないけれど大切な曲だ

『自分の限界がどこまでかを知るために

僕は生きてる訳じゃないだけど新しい扉を開け海に出れば

波の彼方にちゃんと果てを感じられる

僕はこの手伸ばして空に進み風を受けて

生きて行こうどこかでまためぐるよ

遠い昔からある場所夜の間でさえ季節は変わって行く』

俺は歌っていて気付いた、俺は終わりを彩ることばかり気にしていた、でも、それにこだわる必要はないなぜなら、その場所が無くなっても、思いは残り、人はまた会えるそれなら終わりを彩る音はいくらでもある

『雨はやがてあがっていた

「記憶の中でずっと2人は生きて行ける」

君の声が今も胸に響くよそれは愛が彷徨う影

君は少し泣いた?あの時見えなかった』

この曲を歌っていると名残惜しさが込み上げる終わりが近づくに連れてその気持ちは強くなる

『Hello,again a feeling heat

Hello again my old dear place』

ここからは繰り返しだ、俺はこの最後の部分は嫌いじゃない

歌のタイトルを英語で歌っているからだ

『Hello,again a feeling heat

Hello again my old dear place』

歌のラストが教えてくれる大切な場所はここだとここに来れば懐かしい気持ちがそのまま残っているよと教えてくれている

『Hello,again a feeling heat

Hello again my old dear place』

俺は最後の歌詞を歌い終えると名残惜しさが込み上げる

「こんな気持ち久しく忘れてたな」

そう呟く俺の表情は笑っていた、ようやく俺の中で答えが見つかった、その後俺は終わりを彩る曲として

3曲を自分のセトリとして提出した、オーナーはそのセトリを見て俺に問いかける

「どうしてこの3曲にしたんだい?

しかも3曲目は一応アンコールで歌う曲だろ?念の為とは言え、どうしてこの曲なんだい?」

「皆に1つ1つの目標というゴールに向かって前を向いて走れるようにです」

「わかった、このセトリで構わない、その代わり!今まで以上にやり切りな!」

「もちろんです、ラストライブ絶対失敗は出来ませんから」

「その意気だ、それとね、来たよあの子達、まだダメだと思ったからそう伝えたけどね」

「そうですか、これからですよ彼女たちは」

「あんたがそう言うならそうなんだろうね、あんたはあの子らに足りないのはなんだと思う?」

俺は少し考えた後オーナーからの質問に答える

「そうですね、気持ちですかね」

「どうしてそう思うんだい?」

「あくまでも俺の自論なんですけど、彼女たちはまだ1歩を

踏み出したばかりで楽しい気持ちしか知りません、その先にある苦悩や葛藤、後悔の気持ちを知る事でバンドは一つになるものなんです」

「なるほどね、私ははあくまでも熱意を見ているからね

それこそあんたが言った気持ちを熱意に変えられるかが鍵となるだろうね」

「まぁ、当然ですよね、でも、彼女たちは必ずここでのライブの権利獲得しますよ、それじゃあ、俺はこれで」

「あぁ、最後のあ んたの演奏楽しみにしてるよ」

「最後じゃあないです、終わりと始まりの演奏です」

「そうかい」

オーナーはそれだけ言うと店の奥に戻って行った

俺も家路に着いたラストライブまで後、ピッタリ3週間

それからの最初の1週間は学校とバイト以外では許される限り

練習を重ねた、俺にできる最高の演奏をするために

そして、次の日テスト対策の授業が一通り終わり帰り支度をしているとリサ達が話しかけてきた

「光〜最近どうしたの?毎日慌ただしいけど」

「まぁ、ちょっとね」

「何かあったの?」

「ん〜まぁ強いて言うなら任された事があってそれをやり遂げるために奮闘中って所かな?」

「あなたの事だからまた音楽絡みでしょ」

「まぁね、SPACEのラストライブで1番最後に出て歌うことになってさ」

「それって凄いことじゃん!」

「だからだよ!大舞台任されたんだもん、誰にも恥じない最高の演奏を届けないとね、じゃあ俺、帰って練習するから」

「circleでやればいいじゃない、何故そうしないの?」

「いや、行ったら確実に演奏どころじゃなくなるから」

「そう、まぁ良いわ、とにかく光、circleにいる時は練習、必ず見てもらうわよ」

「わかってるよ、忘れてないから心配しないで、それじゃあね」

その後俺は家に帰りまた時間が許す限り練習に励む、そんなこんなでテストも終わり本格的にラストライブが近づく

そんな時、俺の元に沙綾から連絡がきた

「もしもし、沙綾?どうしたの?」

(先輩!香澄が歌えなくなっちゃって!それだけじゃなくて声も、ほとんど出なくなって)

「それ、本当?、だとしたら今は?」

(私達は、香澄を探して回ってるところです!先輩も手伝ってもらえませんか?)

「わかった、見つけたら連絡する」

(お願いします)

俺は電話を切ると着替えて、簡易LIVEセットを持って家を出て香澄を探しに向かう、そしてしばらく走り回ってやっと見つけた、いつか香澄が教えてくれた、りみちゃんとバンドについて話した公園に香澄はいた、俺は近くまで行き声をかける

「香澄」

「光…先輩」

「よかった、全く声が出ないわけじゃ無いんだね、掠れた声ではあるけど声が聞けた」

俺の言葉に香澄が泣きそうな顔で笑う

「あのさ、俺は香澄達のバンドが奏でる音、好きなんだ、皆楽しそうでさ1つの目標に向かって輝いてるあの音が好きなんだ、香澄はさ楽しくなかった?皆で演奏してる時」

香澄は首を横に振り掠れた声で答える

「そんなこと無いです、楽しかったです」

「ならさ、まずはその気持ちを大事にしたらいんじゃないかな?涙すら熱意に変えてさ」

「ありがとうございます、光先輩」

「ううん、これからだよ香澄、俺の歌を聞いてくれる?」

「歌…ですか?」

「そう、俺といや、僕と香澄だけの特別なLIVE」

俺はそう言うとギターとキーボード、そしてその他の道具を準備してからルミナスの姿になり香澄の前に立つ

「こんばんは、戸山香澄さん、今日は君だけのために歌います、聞いてください瞳の先に」

『あの日の涙かれて今 瞳の先には』

俺は香澄に向けて歌うまずはまずは涙を翼に変えるために

『初めは何気ない事をきっかけに人は夢を見る

でも現実に足をとられてもたつき嫌でも「挫折」知る

きっとこの時間も眠る間も惜しんで頑張ってる人もいる

皆生きてく時間と比例して夢が目標に変わりだす

それぞれ皆いくつもの部屋の中

ドアの向こうは夢に続きそうで

そんな時また頑張って僕はもう泣かないから

瞳の先にサンライズ扉開けば無限大に広がる未来に

心託して 走り始めた君たちそれぞれまだ見ぬ世界へ

涙を翼に変えて飛び立とうさぁ

夢破れ傷だらけそれでも立ち上がるその勇気思い出して

未来を開こう』

 

香澄視点

涙を翼に変えてか、下向いてられないじゃん!

私はやっぱり皆とキラキラドキドキしたい!

今が小さな挫折なら立ち上がってみんなと一緒キラキラドキドキするような演奏をしなきゃいけないんだ!

 

『いつからか夢を追うことに意味求めだし

逃げ出した自分可愛がりいいわけ探して

理由なんてなかったはずだあの頃は何も恐くなかった

遠回りしたけれどあの場所までまた戻ろう

僕も君も同じ時間の中考え方や過ごし方は違うけれど

瞳そらさないでそこに壁はないから

瞳の先にサンライズ扉開けば無限大に広がる未来に

心託して走り始めた君たち それぞれまだ見ぬ世界へ

涙を翼に変えて飛び立とうさぁ

真っ暗で自分さえ失いそうな時その勇気思い出して

未来を開こう』

 

香澄視点

私は夢を追うことに必死になり過ぎてたんだ、遠回りしても

目的の場所にまた戻ってこれる、光先輩はそれを教えてくれている、なら立ち止まってられない!

 

『Day by Day忘れないで1人ではない事どんな夜でも

step by step胸に刻んで新たなるスタート何度でも

描いた夢を捨てないでがむしゃらに進む君へ

遠くからだけど、力贈るよ

悲しみのふちに溺れないで崩れ落ちそうな君へ

少しの間唄を贈るよ

いつか見た遥かなるあの夢の向こうまで

その勇気振り絞って空へ羽ばたこう

ぐしゃぐしゃに破いたいつかの地図押し寄せる「リアル」

に耐えられず鏡の前で自問自答込み上げるは正直なMyMind

頑張ってダメになってまた立って胸張って羽ばたいて

ほら笑えるのが人なんだって

あの日の涙かれて今』

 

「どうだった?最初にこの曲を選んだのは香澄の笑顔が悲しそうだったから、今にも泣きそうだったからまずは涙を翼に変えて胸を張って飛び立ってほしいって思いを込めたんだ、じゃあ次に行くねドリームキャッチャー」

俺は演奏と共に歌い出す

『夢を追う中で壁にぶつかりその度にまた夢を語った

何度も何度もあきらめかけたでも君とまた走り出そう

夢を掴む日まで』

俺は歌に思いを込める何度も諦めそうになっても諦めないで夢を掴んで欲しいと言う思いを

『好きになってはじめたことさえも

上手くいかなくて嫌いになったり「どうせダメだ。」って

弱音を吐いていつも逃げてばかりだった

「野球じゃ3回の裏がまだ終わったばかり」と励ましてくれた君がいた 他の誰でもない僕しか自分に勝てないでも1人じゃない仲間がいるこの先のピンチはもう怖くない

夢を追う中で壁にぶつかりその度にまた夢を語った

何度も何度もあきらめかけた でも君とまた走りだそう

夢を掴む日まで

振り返って気づいた事がある

積み重ねた日々は無駄じゃないと夢の数だけ流した涙

今日の笑顔のためにあった

「試合終了その時まで諦めるな」と励ませる人でありたい

他の誰でもない君しか自分に勝てない

ほら手を繋ごう仲間がいる

この先のチャンスを掴みにいこう

「夢を夢のままで終わらせない」

今日も仲間とともに誓った

何度も何度も乗り越えてきたからこの先も大丈夫

心ない言葉に傷ついて「もうどうでもいい。」と

逃げ出した日も 変わらずそっと見守ってくれた

そんな君と見たい夢があるから』

 

香澄視点

歌が、光先輩が逃げないで諦めないでって言ってくれてる

凹んでる場合じゃない!

私は皆とあのキラキラドキドキした舞台に立ちたい!

なら、顔をあげないとね!

 

『夢を追う中で壁にぶつかりその度にまた夢を語った

何度も何度もあきらめかけた でも君とまた走り出そう

「夢を夢のままで終わらせない」

今日も仲間とともに誓った

何度も何度も乗り越えてきたから

この先も大丈夫夢を掴む日まで』

 

俺が演奏を終えると香澄はまっすぐ顔を上げていた

「やっと顔を上げてくれたね!なら俺から送る最後の曲

聞いてください【1人じゃない】」

 

『一人で悩むことなどないんだよだって君は一人じゃない

一人で涙することはないんだよ泣いてるのは君だけじゃないのだから

勇気を出して振り返ってごらん

そこにはきっと君の仲間がいる

恥ずかしいことなんかじゃない一人でいられるほど

人は強くはない

あの時ずっとそばにいてくれたね

それが君の永遠(とわ)の仲間さ

淋しい時は思い出してごらん

会いたい人がいたら会いに行こう

恥ずかしいことなんかじゃない誰もが

友を探して一人あがいている

あの時そっとうなずいてくれたね

それが君の永遠(とわ)の友達

あの時肩に手を置いてくれた人

それが君の永遠(とわ)の仲間さ』

 

俺は演奏を終えてちらりと後ろを振り返り様子を確認して

香澄に声をかける

「香澄、君の永遠(とわ)の仲間が君を迎えに来たよ」

俺が指指す方向には有咲達がいた

香澄は立ち上がって駆け出す

「僕の役目はここまでかな」

そう言ってルミナスから光としての自分に戻り簡易ライブの道具を片付けてから香澄達の所へ行くと

皆で歌えば恐いことなんて無いと言うように全員で自分達が作った歌を歌っていた

香澄も声が戻ってきた

「皆でやれば恐くないか、皆の決断が新たな1歩を踏み出せたってところかな?」

俺の声に気付き香澄達が近寄ってきた

「光先輩!私を励ましてくれてありがとうございます!元気もらいました!」

「良かったね、声が戻って」

「はい!本当にありがとうございます!」

「「「「ありがとうございます!」」」」

香澄に続いて皆にお礼を言われた

「俺はちょっと背中を押しただけだからこれからでしょ」

「はい!今度こそSPACEのステージに立てるように頑張ります!」

「うん、応援してるよSPACEの舞台からね」

「先輩もSPACEのライブ出るんですか?」

「うん、オーナーがね最後のライブお前がトリだって言ってたから俺はステージに立つ側、香澄達は挑戦する側、立場は違っても音楽の聖地を盛り上げる存在なのには変わらないでしょ?」

「そうですね!待ってて下さい!絶対その場所に行きますから!」

「うん、待ってるよ!夢の舞台で」

「はい!夢の舞台で」

俺達は約束を交わしその日は解散した、その後俺の元に香澄から合格しましたと連絡が来たのでおめでとうと言っておいた、そして迎えたラストライブ当日午前中は終業式だ

俺はあまりに退屈すぎて話はまともに聞いていないし半分はほとんどうたた寝していた、そして式が終わり教室に戻ると

リサ達が話しかけてきた

「光〜、夏休みの予定はなんかあるの?帰省するとか?」

「少なくとも帰省はないね、両親には夢叶えるまでは帰ってこなくていいって言われてるし、まぁ帰省しても、墓参りくらいかな?」

「そっか〜じゃあ夏休みさアタシ達Roseliaの合宿に参加してくれない?」

「えっ?俺が?なんで?」

正直circleでほぼ毎日練習を見ているのに合宿で徹底的に俺に練習を見させる気なのかもしれないが、まず大前提として

日程である

「まずもってさ日程は?俺、それによっては8月のシフト表提出する前に変えないと」

「あぁそれもそっか、友希那〜具体的な日程どうなってたっけ?」

リサが友希那に問いかける

「8月の5日から8日までよ」

「じゃあ、その日シフト入れないで置かないと」

「何を言っているの?4日の日から予定を開けておきなさい」

「それこそなんで?」

「合宿に行くのに色々物入りよ買い物に付き合いなさい

もちろんリサも来るわ」

「アタシもなの?」

「当然でしょう」

「ん〜まぁ元々その日はアタシもバイト入れてないし

いっか、光〜アタシと友希那で両手に花でお出かけだよ?嬉しい?」

「今から胃が痛い、俺、Roseliaのファンから物凄く不況買いそうで」

「そんな事ないから安心しなよ」

そんな話をしていると今まで静かだった日菜が話し出す

「ひ〜くんアタシとの約束も忘れないでよ〜、一緒に星見るんでしょ〜」

「それは夏休み入ってからならいつでも大丈夫だから」

「本当に?じゃあ、また1日マネージャーもしてくれたり〜」

「しません!なんで俺を仕事について行かせようとするの訳?パスパレメンバーだけでいいじゃん!」

「えぇ〜たまにはいいじゃ〜ん」

「あの時練習時間になった段階で俺、千聖に引っ張られてったの忘れた?やだよ俺、あっちこっち行って挨拶して話してってさ〜疲れるし」

「じゃあ、代わりに夏休みどっか遊びに行こう!」

「日菜の仕事がない日ならね」

「あっ!でも、仕事次第では千聖ちゃんがoffなら千聖ちゃんも多分来るかな?ひ〜くん千聖ちゃんとは1回デートしてるもんね」

日菜の発言にリサと友希那が反応して俺の肩を掴む

「光〜今のどういう事かな〜?アタシらとは1回もデートしてくれてないのに、パスパレメンバーの女優の子とはデートしたんだね〜」

「詳しく聞かせて貰おうかしら?」

2人とも笑顔が恐いしなにより掴まれている肩が痛い

「待って、待って、痛い痛い!あの時は千聖の友達が道に迷ってたのを助けたお礼にコーヒーと軽食奢ってもらっただけだから!」

「本当にそれだけ〜?」

「その後演奏したけど、それ以上のことは無かったってば!」

「でもさ本当に仲良さそうにしてたよね、ほら、写真でも千聖ちゃんが今まで見たことないような笑顔だし」

そう言ってスマホで写真を見せる日菜からは悪意やからかいの表情は見て取れない

「ほっほ〜う、光〜まだ秘密にしてる事あんるじゃな〜い?」

「キリキリ吐いてもらおうかしら?」

「この写真はちょうど影になってて分からないけど千聖とは反対側にもう1人いたし!あぁほら、彩と一緒のところでバイトしてるふわふわした水色の髪の子、あの子がね道に迷ってて千聖と会う約束してたらしくて、送ってったらお礼にって言うからさ!その後音楽の話になって流れで1曲演奏したけど、本当にそれだけだから!」

俺は必死に説明するが追求は止まらない

「そういえばあなたGW明けの第2土曜バイト休んでいたわね、その時は何があったの?」

「あぁ〜よっ用事でさちょっと都内にその…いなくて」

「怪しいわね」

「お願いだからこれ以上は許してくれたりしない?その代わりさ、なんでも1つ言う事聞くからさ!」

「だってさ友希那」

「なら、合宿の時の食事は全て光が担当と1日1曲演奏するという条件でヨシとするわ」

「助かったような、そうでもないような?」

そうしている間に先生がやってきて休み前最後のホームルームを受け解散となった

「光〜、今日のライブ光の出番何時くらい?」

「19時か20時くらいかな?俺、出番最後だし」

「じゃあ一応19時には会場入りしとくね」

「えっ?来るの?」

「当たり前じゃん!あの場所で光がどんな曲を演奏するのか楽しみだしね!」

「そうね、私も楽しみよ、あなたの舞台を見届けるために私達RoseliaはSPACEのラストライブを辞退したもの」

「あたしもそれに賛成したし、光の演奏絶対見に行くからね〜」

そこまでして俺の演奏を聞きたいと思ってくれたならそれに答えない訳にはいかないだろう、全力を持って答えさせてもらおう、そう思い返答する

「わかった、楽しみにしててよ!最高の演奏するからさ」

俺の言葉に3人は頷いた、そして俺は家に帰ると軽く仮眠をとってからアコギと相棒と呼んでいるギターの両方を持って家を出てSPACEに向かう、30分程で到着し

俺はオーナーに挨拶する

「お疲れ様ですオーナー」

「来たね、あんたの出番は最後だ控え室で待ってな」

「わかりました」

俺は言われた通り控え室に向かい扉を開け挨拶する

「こんばんは、今日はよろしくお願いします」

俺が挨拶すると他の達も「よろしく〜」だとか「どうも〜」と返答が返ってくる

「光先輩!」

名前を呼ばれ振り返るとポピパのメンバーが揃って話しかけてきた

「やぁ、皆こんばんは」

「こんばんは、約束果たしに来ました!」

「うん、待ってたよ!香澄、皆もね」

俺の言葉に皆がそれぞれ頷く

そうして話しているとグリグリの人達がやってきて話しかけてきた

「皆の知り合い?」

「はい!宮村光先輩です!」

「そう、よろしくお願いします。私は牛込ゆりそこにいるりみの姉です」

「こちらこそ、宮村光です、後、敬語要らないですよ、俺、17なので」

「えっ?嘘!?大学生くらいだと思ってたのに」

「よく間違われるんですけど一応まだ高2です」

そう話しているといきなり髪をぐしゃぐしゃされたので俺は驚き顔を上げるとグリグリのドラマーの人が俺の顔をぐしゃぐしゃしている

「わしゃわしゃ〜」

「あの!やめてもらえませんか!?俺、今髪の毛ワックスつけてるんで多分ベタベタなりますから」

「洗えば大丈V!」

「いや、そういう問題じゃ…」

俺が戸惑っているとりぃちゃん先輩が止めてくれた

「助かりましたりぃちゃん先輩」

「お安い御用さそれにしても、今日は一段と大人っぽいね」

「まぁ一応ライブ衣装なんでこれ」

そう話している間にも色んなバンドがステージに上がっていく、そしてポピパも出番が近づき舞台袖に移動する

「光君だっけ?あのさ、こんな事頼めた義理じゃないんだけど、今、歌ってる子達とポピパの子達大事な後輩なんだ、私達はもうすぐ卒業しちゃうからさ身近にいられなくなるの、だからさ、君が導いて上げて欲しいの」

「俺がですか?」

「少なくともポピパの子達は君を慕ってるだから困った時は力になってあげて、それも導く事に変わりはないから」

「まぁそのくらいなら全然、むしろ得意分野ですから」

「ありがとう」

「いいえ、いい先輩ですね」

そう話しているとオーナーがやってきた

「光、準備しな!そろそろアンタの出番だよ!」

「はい、今行きます」

俺はそう言って控え室を出て舞台袖に移動する

そして、ポピパの最後の曲が終わり戻ってくるとオーナーが出ていき話し出す

「皆、ラストライブに集まってくれた事、心から感謝するよ

バンドの演奏はさっきの子達が最後だ、でもね、まだ終わりじゃない!ラストライブのトリを飾るのは彼だ!出ておいで!光!」

俺は1歩を踏み出しステージ袖から出てステージの真ん中に立った

「さぁ、ラストだ!アンタの最高の演奏を期待しているよ!」

「もちろんです!、皆さん今日はラストライブに来てくれたこと僕からも感謝を伝えさせてください、ありがとうございます、じゃあ早速1曲聞いてください、またあえる日まで」

俺はアコギを弾きながら取り付けていたハーモニカを吹いて前奏を奏でていきそして歌い出す

『青い空白い雲勇気を持って踏み出そう

思い出すと笑いあえる楽しい思い出

大好きな皆の笑顔が宝物強いきずなを僕は忘れないよ …

またあえる日まで夢を忘れずに

変わらないままでずっといようよ

またあえる日まで夢を叶えよう信じる事が心を繋ぐ』

 

この場所が無くなってもここで出会えた仲間とはまた会える

その仲間との約束をまた会える日までに忘れずに叶えられるようにそんな思いを込めながら演奏していく

 

『自分を信じて1歩進めば何かつかめるさ

少し夢を大きくして君は1人じゃないから

一生に一度の宝物 さみしいけれど泪ふいて旅立とう…

またあえる日まで流れ星に願った

飾らない心でずっといようよ

またあえる日まで輝く星に誓うよ

出逢えたことを忘れはしない』

 

僕は再びハーモニカを拭きながらラストの繰り返しの部分を歌っていく

『またあえる日まで… またあえる日まで…

またあえる日まで…』

演奏を終えると、今度は相棒のギターに持ち替えてから

マイクを通して話し出す

「1曲目はまたあえる日までを演奏しました、この場所が無くなってもまたあえる日まで仲間と誓った夢を忘れずにいて欲しい、夢を叶えて欲しいと想いを込めました、そして、楽しい時間ってあっという間で俺の演奏は次がラストになります」

俺の言葉に観客の人達は「えぇー」だとか「もう終わり」と言う声が聞こえてくる

「惜しんでくれるのは嬉しいですけど、とりあえずもう一曲あるので聞いてください、それじゃ演奏します聞いてください

オワリはじまり」

 

『もうすぐ今日が終わる やり残したことはないかい

親友と語り合ったかい? 燃えるような恋をしたかい

一生忘れないような出来事に出会えたかい

かけがえのない時間を胸に刻み込んだかい』

 

ポピパ視点

「凄い、いい曲だね」

「なんか問いかけられる感じなんだけど、凄い優しいよね」

「凄いキラキラしてるよ〜」

「わかる〜!」

「私も同感」

今日という日を悔いのないように過ごしてと言われているような曲だと思った

 

『夕飯時 町 人いきれ「ただいま」と「おかえり」の色

せわしない 木漏れ日 花びら「おはよう」と「さよなら」

の音

ありふれた日々が君や僕の胸に積もって光る

もうすぐ今日が終わるやり残したことはないかい

親友と語り合ったかい?燃えるような恋をしたかい

一生忘れないような出来事に出会えたかい

かけがえのない時間胸に刻み込んだかい』

 

りさ、友希那、日菜視点

「なんか、終わりって感じするね」

「えぇ、改めて終わりを実感させられるわ」

「そうだね〜多分ひ〜くんにとっては今この瞬間がかけがえのない時間で一生忘れない思い出になるんだろうな〜」

「なんか、わかる気がするな〜」

「本当にね」

そう言って周りを見渡すと観客の何人かは泣いているこの場所が無くなってしまう事、ラストライブが終わってしまうこと光の演奏が物語っている

 

『今 動き始めたものやもう二度と動かないもの

今 灯り出した光や静かに消えてく光

この夜の向こうで新しい朝が世界に振り始めている』

 

本当にもうすぐ終わる俺自身がやり残した事のないように精一杯歌を届けよう唄おう。

 

『旅立ちの時はいつだって少し怖いけど

これも希望のかたちだってちゃんと分かってる

思い出に変わるのはきっと最後の最後さ

笑って「さよなら」言えたらいいな

またすぐ明日に変わる忘れてしまっていないかい

残された日々の短さ過ぎ行く時の早さを

一生なんて一瞬さ命を燃やしているかい

かけがえのない時間を胸に刻み込んだかい

もうすぐ今日が終わるもうすぐ今日が終わる

かけがえのない時間を胸に刻み込んだかい』

 

演奏が終わると皆から拍手が送られそれと同時にこだまするアンコールの声、まだ終わって欲しくないんだろう、俺だってまだ終わらせたくない!

「アンコールに答えてもう一曲!これが正真正銘最後の曲です!負けないで!」

俺は演奏を始める今だせる全力をのせて!

『ふとした瞬間に視線がぶつかる

幸福(しあわせ)のときめき覚えているでしょ

パステルカラーの季節に恋したあの日のように輝いてる

あなたでいてね

負けないでもう少し最後まで走り抜けてどんなに離れてても

心はそばにいるわ追いかけて遥かな夢を

何が起きたってへっちゃらな顔してどうにかなるさと

おどけてみせるの今宵は私(わたくし)と一緒に踊りましょ

今もそんなあなたが好きよ忘れないで

負けないでほらそこにゴールは近づいてる

どんなに離れてても心はそばにいるわ

感じてね見つめる瞳』

 

観客視点

「さっきまでの感動が嘘みたい!」

「本当本当!盛り上がるこの曲!楽しい!」

「この気持ちのまま追われるなんて最高!」

皆が皆歌に聴き入り盛り上がって気分が高揚していく

最高の終わりを感じながら

 

『負けないでもう少し最後まで走り抜けて

どんなに離れてても心はそばにいるわ

追いかけて遥かな夢を

負けないでほらそこにゴールは近づいてるどんなに離れてても心はそばにいるわ感じてね見つめる瞳』

 

「ありがとうございました!これが正真正銘最後です!この場所が無くなっても今日というかけがえのない思い出が皆さんの心に記憶に残るよう祈ってます!」

俺はそう言ってステージを後にした、その後俺は控え室に戻ると沢山の賛辞を貰い俺も感謝を伝え皆解散する

 

そして、閉店し真っ暗になったSPACEを見つめる俺達

「終わったな、夢の時間が」

「そうですね!でも、皆が最高の気持ちと気分で終われました光先輩のおかげです!」

「その通りだ!」

声の先にはオーナーがいた

「オーナー、俺は約束を果たせましたか?」

「もちろんだ!ラストライブにふさわしい音だったよ」

「光栄です。俺みたいな駆け出しの半端者をこんな大舞台にあげてくれたんですからね」

「何が半端なもんか!あんたの音は誰よりも洗練されて研ぎ澄まされた音だった!誇りな!この私にそこまで言わせたんだ!必ず夢を叶えな!」

「約束します、この場所にそしてなにより俺自身に誓います

いつか必ず誰もが認めるカバーアーティストになります!」

「その言葉忘れるんじゃないよ!」

「はい!」

俺の返事を聞くとオーナーは去っていく

「あの!オーナー!ここで歌わせてくれてありがとうございました!」

俺は最後に頭を下げると香澄達もそれに習い頭を下げる

「「「「「ありがとうございました!!」」」」」

オーナーは振り返り言った

「最後にもう一度聞くよ?やりきったかい?」

俺の返答は決まっている

「俺の全身全霊を持ってやりきったと誓います!」

「私達もです!1人じゃないから出来たんだってやりきれたんだって今なら言えます!」

香澄はそう言って他のメンバー達を一人一人見て行く

他のメンバー達は無言で頷く

それを見たオーナーは満足そうな笑みを浮かべて

最後に言った

「なら、これからも夢を追い続けな!やりきったと思えるまでね!」

「わかりました」

「はい!私達も頑張ります」

オーナーはその返答を聞くと今度こそ去っていった

「私達も帰りましょう!光先輩!」

「俺はもう少しここにいるよ、多分羽丘の友達が迎えに来ると思うから」

「そうですか、じゃあ私達はこれで失礼します!」

「うん、またね皆!」

「さようなら、光先輩!」

「先輩!またね」

「あっあの!さようなら」

「また会いましょう先輩」

皆は別れを告げ帰って行った、そして、俺の後ろに並ぶように立っているいつものメンバーを振り返る

「いたなら声掛けてくれてもよかったのに」

「そういう訳いかないでしょ!アタシらは悪魔で今回は部外者なんだから」

「そうよ、それに水を差すほど私達は野暮じゃないわ」

「まぁそうだよね〜」

「ハァ、まぁいいや、帰ろう、俺達も」

「だね」

「えぇ」

「うん!」

俺達は揃って歩き出す、俺はもう一度その場所を振り返り

聖地とまで呼ばれた場所にもう一度礼をしてその場を後にし

数歩先を歩いているメンバーに合流する

「明日から夏休みだね」

「そうね」

「そうだね〜」

「あぁ、そうだね」

俺達は明日から始まる夏休みに思いを馳せながら家路に着いたのだった、夏独特の湿気を帯びた風に吹かれながら

 

 

 

 

 

 




SPACE編完結です!正直ラストをどうするかかなり迷いました。それでも一応自分が納得の行くものをと思いながら書きました、皆さんも楽しんで貰えたら幸いです
次回から夏休み編に入っていきます、3話程度を予定してますが、もしかしたら増えるかもしれませんがそれはおいおいでということで、それではまた次回に

次回「夏休みの課題と天体観測」

シーズン3の内容いくか二学期編挟むか

  • 二学期編として何話か入れましょう
  • シーズン3の内容入って大丈夫です!
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