僕等が奏でる歌と音   作:凌介

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イツメンの1人今井リサの誕生日を祝うために今日も光は奮闘する


第20話誕生日と頑張れって気持ち

今日もまた俺はスマホのアラームで目を覚ます。

「あぁ、もう時間か、さっき寝たばっかな気がする」

そう呟いてから起き上がって頭を振り着替えを持って洗面所に行き目覚ましにシャワーを浴びて着替えてからそのまま台所に行き朝食の準備をしてリビングに行き朝食をとる

テレビを付けて週間音楽ランキングをチェックする

「最近の人気はやっぱりbacknumberなのかな?もちろん嫌いじゃないけど、新曲出してるアーティストいっぱいいるのになぁ~どれもいい曲ばっかだしさ」

そんな事を呟きテレビを見ながら最後の一口を口にして朝食を終えると食器を片付けて出掛ける準備を始める

「忘れ物ないようにしないとな」

そう言って俺は持ち物をチェックしていく

「財布にスマホに家の鍵と一応ピアスのケースもか

後はCDを持てばOKか」

そう言って部屋に1枚のCDを取りに行きそれをバックに入れてから家を出る

「早めに行かないと5分前には多分リサ来るよね?」

そう言って俺は早めに家を出て歩いて待ち合わせ場所の駅前に向かう

30分程歩いて目的地に到着した俺は駅前広場のベンチに座り音楽を聴きながらリサを待っている

そうして待っていると案の定約束の時間5分前にリサがやって来た

「おはよう、早いね光」

「おはよう、リサ、遅刻したくなかったから早めに来たんだよリサだって約束の5分前だよ?」

「光より早く来て待ってようと思ったんだけど、光の方が早かったか」

「まぁ、そうみたい、とりあえず移動しない?ここにいると知らない人に声掛けられるし」

「それって逆ナン?」

「どうだろ?昨日の夏祭りLIVEのせいかな?知らない女子にめっちゃ声掛けられるからイヤホンして音楽聴いて待ってたんだよ、知らない女子にいくら声掛けられてもさ、ただ困るって!」

「光の場合たまに路上LIVEもしてたりしてたりするからね

多分光の事見かけたことがある子はやっぱりいるんじゃない?」

「だとしても、知らない女子に声掛けられてもね~」

そう言って苦笑する俺となんとも言えないという表情のリサ

「ちなみにさ光、その指輪は女子避けって事?」

そう言って俺の指に着けている指輪を気にするリサ

「あぁ、これね!そうだよ、一応付けてたら女子避けになるかなって、一応薔薇の装飾してあるし、欲しいならあげるよ?単なるファッションリングだし」

「まずもってはまる?アタシの指」

「リサは俺よりも指細いじゃん」

「えぇ?そうかな?多分光の方が細いって!」

「じゃあさ、確かめてみようよ!」

そう言って俺は手のひらを前につきだすとリサは俺の手に自分の手を重ねる

「ほら、リサの方が指細いよ」

「本当だ!自分でもビックリ!な~んか光の方が細い気がしてたし」

「握手すれば俺はだいたいわかるんだけどね」

「多分それは光だけだと思う」

「そうかな?ギターとかベースやってる人はわかるもんじゃない?

「少なくともアタシは無理、って言うか話戻すけどさせっかくなら光が指輪はめてくれる?」

「良いけど、どの指?中指?それとも薬指?」

「中指でお願い」

「了解」

俺はリサの左手の中指に指輪をはめるリサは指輪を見て嬉しそうにしている

「気に入った?」

「凄く気に入ったよ!可愛いもん」

「俺は、カッコイイと思って付けてたんだけど、可愛んだ」

「アレじゃない?アタシら女子から見たら可愛くて男子から見たらカッコイイって思えるデザインじゃない?」

「確かにそうかもね」

「そういえばさ、肝心な事聞いてなかったけど、電車待ってるけど、どこ行くの?」

「言ってなったっけ?」

俺はそう言ってスマホを取り出し履歴を表示してからリサに見せる

「隣街の映画館でカノ嘘が再上映されてるんだよ!リサは前にスクリーンの大画面で見たかったって言ってたからさ再上映してないか調べたら1週間限定の1日2回の再上映してるって情報見つけてさ映画館に電話で確認済みだから確かだよ!」

「そこまで調べたんだ…なんか、ありがとうね、アタシの為にあれこれしてくれて」

「お礼は今日のデートが終わってからねほら、電車が来たよ、行こう!」

そう言って手を差し出す俺とその手をとって2人で電車に乗った

「なんかさ、こうしてると駆け落ちするみたいだね」

「アハハそうしたら俺は友希那や紗夜達に恨まれるね、大事な私達の親友件バンドメンバーを!ってさ」

「そうかも!」

そう言って笑い合うこの時間を楽しいと思った。

そして、目的地の駅に到着すると俺達はお互いに軽く身体を伸ばしてから並んで映画館に向かって歩き出す

「光、ちなみに再上映って他に何かやってなかった?」

「今回はカノ嘘と聲の形ってアニメ映画の2本がやってるよ」

「聲の形?はどんな話?」

「耳の聞こえないヒロインとイジメっ子だった主人公が友達として沢山の人と関わっていく話だよ」

「そっちも面白そうだね」

「なんならどっちも見る?聲の形は夕方から二回目の上映だからカノ嘘見て少し遊んでまたここに戻ってくればちょうどいいんじゃない?」

「光はいいの?」

「俺はいいよ、今日は目一杯リサに付き合うし、もちろん嫌な時は嫌って言うよ」

「光がそれでいいなら、そうするね、じゃあ今日は光に目一杯楽しませてもらうとしますか!」

「仰せのままに、お嬢様、なんてね」

「光、それやるなら執事服来てやってよ~!絶対絵になるのに!」

「機会があったらね」

そんな話をしながら俺達は映画館に到着する

俺は自分のと合わせて今回観るカノ嘘と聲の形のチケットを2枚ずつ買って、2枚をりさに渡す

「これは、りさの分ね」

「ありがとう、光」

「どういたしまして、とりあえず、飲み物買って入場しようか、何飲む?」

「アタシ、メロンソーダ 光は何にするの?」

「俺は、ジンジャーエールかな」

俺達は列に並び飲み物を買うと映画が上映されるシアターに入って席に座る

「楽しみだね」

「まぁね、俺も映画館で見たのなんて1度きりだし結構楽しみではあるかな」

そう話していると辺りが暗くなり、上映案内が開始される

いくつか映画の上映案内を見ていたが、面白そうだと思えるものは特別無かった、そして上映案内が終わり本編が上映される

内容は俺も知っている

音楽と向き合う一人の青年と歌うことが好きな少女の恋愛を描いた作品で最後に青年は自分の音楽と向き合う為に旅立つ事を決め、最後に主人公の2人が演奏する

【ちっぽけな愛のうた】が主題歌になっている

使われたどの曲も全てが最高の曲だった

隣を見るとリサが号泣している

「リサ、大丈夫?なんかめっちゃ号泣してるけど…」

「あぁ、うん大丈夫、凄くいい作品だったから、スクリーン効果って言うかで」

「そっか、とりあえず立てる?」

「ちょっと、難しいかも…」

「じゃあ、掴んで」

俺はそう言って手を差し出すとリサは俺の手を掴んで立ち上がる。俺は着ていたパーカーの脱ぐとリサの顔を隠すようにフードを被せる

「泣き顔、見られたくないでしょ?」

「ごめんね、それと、ありがとう」

「別にいいよ、このくらい」

俺はそう言って手を引いて映画館を出て隣接するカフェに入り隅の席に座りとりあえず、アイスコーヒーとミルクティーを頼み隣に座るリサを見た

「落ち着いた?」

「うん、もう大丈夫、ごめんねみっともないとこ見せて」

「気にしないで、映画見て感動したんでしょ?」

「うん、本当に最後の方ヤバくてさ、特に理子の事が好きなのにあえて冷たい態度をとってその後影で泣いてたアキのシーンとか、最後の2人で演奏し出してエンドロールになってさエンドロールの後の理子を抱きしめたあの瞬間とかもう最高でさ、気づいたら泣いてたよ」

「俺もあのシーンは好きだよ、後、理子達の初ライブのシーンとか、他にも、結構最初のシーンだけどアキが一目惚れって信じますか?って言ったシーンとかね」

「あぁ!わかる!あれはドキッとした!アタシも言われてみたいなって!ねぇ、光が言ってくれたりしない?」

「俺が?いや言ってもいいんだけど、シチュエーションとかの問題もあってドキドキしないんじゃない?」

「じゃあ光独自にアレンジとかしてもいいからさ、一目惚れって信じますか?って言ってくれない?」

「わかったよ、その代わり笑わないでね」

「笑わないよ!その代わりドキッとさせて!」

「じゃあ、少しだけ壁際によってくれる?」

「OK、ちょっと待ってね」

そう言ってリサは壁際に移動したのを確認して俺はリサの隣に行きそして周りからリサの顔を隠すようにしてからもう片方の手でリサの髪に触れてから言った

「ねぇ、一目惚れって信じますか?」

 

リサ視点

からかうつもりで光に映画と同じ台詞を言って欲しいってお願いしたんだけど、正直反則だった。アタシの表情を周りから隠すようにした後アタシの顔に触れてきて囁くように

「ねぇ、一目惚れって信じますか?」って言うんだもん!

普段とはちょっと違うんだけど凄く優しい目で問いかけるんだもん!アタシは顔が熱くなるのがわかった、光独特の少し低めの声で囁くように言われたら多分アタシじゃなくても赤面する

「光、反則!こんなんじゃ人前出れないよ!」

アタシはそう反論すると光は

「やれって言ったのリサじゃん!」

って言って笑ってた

 

 

光視点 光side

 

俺はリサがやって欲しいって言うから望み通りにしたら反則だと怒られてしまった

「やれって言ったのリサじゃん!」

そう言って笑う俺にまだ恥ずかしそうにしているリサが軽くジト目を向けてけるので

「ごめん、ごめん!本当はちょっとだけ仕返しも兼ねてた」

「だろうと思った!だって普段絶対見せない表情してたもん!光は囁きは禁止!多分やられた子は赤面するか倒れるから」

「じゃあ、リサ限定にするよ」

「それもダメ!アタシが耐えらんない!光の声で囁かれると耳がくすぐったいし!」

「そっか、じゃあたまにやろうかな?」

「光のバカ…意地悪だ…」

「たまにはこんな俺も悪くないでしょ?」

そう言って笑うとリサははにかんだ笑顔を浮かべていた

「そういえばこの後ってリサはどうする?」

「この後?」

「そう、あちこちウインドウショッピングしたいとか身体を動かす遊びがしたいとかなんかある?」

「なんでもいいの?」

「なんでも大丈夫」

「じゃあカラオケ行きたい!光にカノ嘘の主題歌歌って欲しいし!」

「演奏はないけどそれでもいいなら」

「歌だけ聞かせようって考えはないの?光は」

「無いわけじゃないけど、カラオケあんまりいかないから」

「そうなんだ、じゃあやっぱりカラオケだね!光が歌限定だと何歌うのか気になるし」

「そうなの?じゃあとりあえず行こうか!」

「OK!ちょっと待ってて」

そう言ってリサは持ってきていた小さなバックを持って立ち上がる

「気になってたんだけど、何入ってるか聞いていい?その小さいバック」

俺はリサのバックを指さす

「あぁ、これ?貴重品入れてるんだよスマホとか財布とか光だってそうでしょ?そのバック」

「そうだよ、財布とスマホはポケットだけどね」

「あぁ、そっか光は長財布にウォレットチェーンだもんね」

「そういう事、さぁ、行こう」

「OK!行こう」

そうして俺達はカラオケに向かった

店に着き時間をどうするか相談する

「どのくらいにする?お昼ここで済ませるなら3時間くらい?」

「ん〜2時間くらいでいいかな、お昼はせっかくだから別な所で食べたいし」

「OK、じゃあ2時間で」

そう言って伝票を受け取ると告げられた番号の部屋に入る

「最初は光からね、クリプレ歌って!」

「最初の1曲くらい選ばせてよ!まぁ良いけど、卒業?サヨナラ?」

「卒業で!」

「了解」

俺は曲を選択して歌い出す。歌いながらさっき見た映画の事を思い出す。アキが仲間のメンバーと演奏するシーン、アキと理子が演奏するシーンを思い出しながら歌っていき曲が終わる

「相変わらず凄い歌唱力だね、どんな喉してるんだか」

「普通でしょ?クリプレは男子のバンドだしね」

「それもそっか、じゃあアタシの番ね!イノハリを歌うよ〜!」

そう言ってリサはイノハリを歌っていくが思ったよりも苦戦中だ、あのパワフルボイスはそう簡単には歌えないだろう。

それでも、音程を外すことなく歌いきってからソファに座り脱力する

「ダメだ〜上手く歌えた気がしない!」

「そう簡単にイノハリは無理だって!」

「でも、光は歌えるじゃん!」

「最初から歌えた訳じゃないからね俺だって!」

「じゃあ次はハイスクール歌ってよ!」

「仕方ないな〜」

そう言って俺はハイスクールを歌っていく歌い始めて驚いたのは画面に表示されているのがイノハリの映像そのものだったからだ

すげぇなマジかと思いながらハイスクールも歌いきると続けてカナリヤを歌わされた

「曲入れるなら言っといてよ〜」

「良いじゃん!光なら余裕でしょ?」

「まったく、まぁいいけどさ」

そうして俺はその後もりさのリクエストに合わせて歌っていきリサも練習がてらと何曲か歌っていると電話がなり終了時間の10分前になった

「リサ、10分前だって」

「延長は無しでいいよ!あと10分なら光が2曲歌えば大丈夫じゃん?」

「リサがいいなら、そうするよ、じゃあそう伝えるよ?」

「OK!よろしく」

俺は電話で延長は無しで修了時間にもう一度連絡を入れてくれるよう頼み電話を切った

「じゃあ、残りの時間はちっぽけな愛のうたともう一曲ね」

俺はそう言ってちっぽけな愛のうたを選曲し歌い出す

この曲を歌っていると思い出すのはやっぱりあのシーン

理子がアキのベースを弾いているとアキが後ろから

「下手くそ!」と声をかけるシーンとそこから一緒に演奏し歌い出すシーンだ、そのシーンを思い出しながら歌っていく

ちらりとリサの方を見るとリサは目を閉じて聞いている

同じように最後のシーンを思い出しているのだろう

俺は最後まで歌いきると次の曲を予約し一時停止してからマイク越しにリサの名を呼んだ

「リサ!」

リサが目を開けて俺の方を見て返答する

「どうしたの?」

「Happybirthday!!!誕生日おめでとう、これから歌う曲はね、俺が知ってる数少ないbirthdayソングでさ、まだ誰にも歌った事はないけど、今回は特別ねリサにだけ歌うよ

聞いて下さい キミ記念日〜生まれて来てくれてアリガトウ」

 

俺は曲を再生し歌い出す

 

『Happybirthday! ずっとずっと一緒に祝ってゆこうこの

キミ記念日1/365主役は大好きな君

生まれて来てくれてアリガトウ!』

 

リサ視点

まだ曲が始まったばかりなのに凄く嬉しくて胸が張り裂けそうだって歌詞の一部でもなんでも始めてだから生まれて来てくれてアリガトウなんてちゃんと言われたのが初めてで、それだけでもう胸がいっぱいで泣きそうだった

 

『宝くじを買って一等が当たるより奇跡的な確率の中

2人は出会えたんだそれなのに

「生まれてこなきゃ良かった。」なんて泣いてたコトも…。

今日は忘れよう何より大切な日

「君が居れば他になにもいらない!」と本気で思ってんだ

って君に伝えようか でも笑うだろう?

Happybirthday!ずっとずっと一緒に祝ってゆこうこのキミ記念日1/365主役は大好きな君

だから何度だってhappybirthday!ずっとずっと

「おめでとう」を贈るよもっと幸せの涙君に訪れるように

生まれて来てくれてアリガトウ』

間奏の間に伝えるべきことを伝えておく

「リサ!今回はカラオケだけどさ今度はちゃんと俺の演奏でちゃんともう一度この曲を贈るからね!」

そう言うとリサはただ静かに頷いた

 

『You&I 逢えない時もあるけれど

いつも君の変化には気付いてるよ

いっぱいいっぱいのクセに「平気だって」の一点張り

大丈夫だよ帰る場所はここにあるよ

君が生きていてくれるだけで

変わらないでそこにいるだけで

泣けるくらいに愛しいってことを忘れないでいてよね

Happybirthday!ずっとずっと一緒に祝ってゆこう

このキミ記念日1/365主役は大好きな君

だから何度だってHappybirthday!!!ずっとずっと

「おめでとう」を贈るよもっと幸せの涙君に訪れるように

生まれて来てくれてアリガトウ!

生んでくれたパパママに感謝今日くらいは素直になろうよ

出会えた大好きな人達に乾杯!

辛い時は朝までとなりで分かち合って来たよね

午前0時1番に笑顔を君に… キャンドルの光消しても

想いは絶対消さない

Happybirthday!ずっとずっと一緒に祝ってゆこう

このキミ記念日1/365主役は大好きな君

だから何度だってHappybirthday!ずっとずっと

「おめでとう」贈るよもっと幸せの涙君に訪れるように

生まれて来てくれてアリガトウ!』

 

「Happybirthday!17歳の誕生日おめでとう」

俺のその言葉と共に演奏が終わるのとリサが泣き出すのはほぼ同時だった、リサは俺が貸したパーカーのフードを被ると呟くように言った

「アタシってこんなに涙脆かったかな〜映画見て感動するのはわかるんだけどさ、歌を聞いただけで、こんなにも泣けてくるのはなんでかな〜?歌詞でもなんでもやっぱり初めてだったからかな?生まれて来てくれてアリガトウなんて言われたの」

「多分、そうなんじゃない?でもさ、それって悲しくて流す涙じゃなくて嬉し涙じゃん!ならさその嬉し涙が止まらなくなるくらい今日は目一杯楽しもう!」

「うん、ありがとう光!そろそろ出ないと、時間終わりだもんね!」

「そうだね、さぁ行こういっぱい歌って泣いたしお腹空いたでしょ?」

「そう言われれば確かに!アハハ、なんか今日のアタシちょっとみっともないね」

「別にいんじゃない?だってそう言うみっともない所もリサの1部でしょ?なら良いじゃん」

「そうだよね、ありがとう光」

「お礼は今日の最後にまとめてお願いね」

「それは、まだ終わりじゃないってことだよね?」

「そうだよ、この後もお昼食べて買い物してまた映画見てってまだまだたくさん時間はあるよ」

「そっか、じゃあ、まずはお昼だね」

「そうだね、行こう」

そう言って俺達はカラオケ店を後にして俺達は昼食をとるため移動し始め、近くの洋食屋に入る

「光、決まった?」

「うん、ビーフシチューにするよ」

「アタシはハヤシライスかな、結構お腹すいたし少しガッツリ食べたいかも」

「OK、じゃあ注文するね」

そう言って俺は店員を呼んで注文する、店員の方は注文をとると到着まで待つように言って厨房の方へ向かった

俺達は料理が到着するまで雑談に興じる

「光、この後さ、あちこち見て回りたいんだけど、どこかオススメあったりする?」

「ん〜じゃあドンキでも行く?色々あるしあそこならそれ以外でも、その近くに女性服専門店があるみたいだよ」

「そうなんだ!ねぇ、光は欲しいものないの?」

「そうだな〜香水とか?」

「いいね!アタシも欲しいかも!光がいいならさお互いに良さそうな香水送り合うってのは?」

「そうしたいならいいよ!ドンキでいいの売ってると思うし、見に行こう」

そう話していると料理が運ばれてきたので俺たちは食事を始める

「結構美味しいね」

「うん、やっぱり自分達で作るのとは違うからこそなのかもしれないね」

「だね〜」

そんな話をしながら俺達は食事を終え会計を済ませてから店を出てドンキに向かった

「やっぱり結構色々商品置いてあるよね」

「だね〜、さっそく香水見に行く?」

「ん〜先にアクセサリー見たいかも!アタシも何種類かイヤリング欲しいし」

「じゃあ、アクセサリー系が売ってる辺りを重点に見ていこうか」

「賛成!光!じゃあはぐれないよう手繋ごうよ」

「いいよ、じゃあ、はい」

俺は手を差し出すとリサはその手を握ってきた

「光の手って意外と大きいよね」

「そうかな?自分じゃ意識した事ないけど、リサの手は俺より少し小さいけど、やっぱり音楽をやる人の手だなって思うよ」

「こう、面と向かって言われると照れくさいね」

「俺もそう思う」

そんな話をしながら俺達はアクセサリー売り場を見て回る

「いつものと色違いなんだけど、どうかな?」

リサは普段から付けているウサギの耳飾りの色違いを手に取って耳元にかざしてみせる

「う〜んもちろん似合ってはいるんだけど、もうちょい明るい色の方がいんじゃない?」

「じゃあ、こっち?」

今度はオレンジ色を手に取り耳元にかざす

「いつものを見慣れてるせいかな、微妙なんだよね」

「そっか〜やっぱり人から見て似合っている似合ってないって大事だし、やめとこう、光、なんかアタシに似合いそうなのない?」

「そうだな〜こんなのとかどう?」

俺は鈴のイヤリングを手に取って見せる

「可愛いけど、なんでこれなの?」

「この鈴の音が聞こえたらリサが近くにいるなぁってわかっていいかなって」

「う〜ん、それだとアタシの居場所が筒抜けって感じでちょっとな〜」

「あぁ、それもそうか!ごめんそこまで考えてなかったよ」

「いいよ、いいよ!悪気がないのはわかってるし」

「じゃあ、これならどう?俺も持ってる羽のピアスのイヤリングバージョン」

「あっ!良いかも!光とお揃いってのも悪くないね!恋人…ではないけど友情の証的な奴であっても良いかもね!」

「でしょ?それが気に入ったならプレゼントするよ」

「良いの?映画から何から光がお金出してるのに」

「交通費はお互い自分持ちでしょ、気にしないで」

「まぁ光が良いなら、お言葉に甘えようかな」

「そうしてくれると俺も嬉しいし、それに香水買ってくれるんでしょ?」

「そうなんだけど、それとこれとは別じゃん!」

「いんじゃない?だって年に一度の誕生日なんだしさ

それに、お祝いさせてほしいって言ったのは俺なんだし、だからこそ気にして欲しくない」

「ありがとう、優しいね光は」

「そんな事ないよ、ただ嫌われたくなくてやってるだけかもよ?」

俺がそう言うとリサは笑い出す

「アッハッハッハあ〜ダメ可笑しい光が今までの行動全部計算でやってるって言うなら世の中打算だらけだよ!まぁその通りなのかもしれないけどさ、少なくとも光は打算とか計算で動かないでしょ?まずもって光はそこまで器用じゃないじゃん!不器用ながらもまっすぐ相手とそして自分と向き合う、それが光でしょ?」

「リサには、俺がそんな風に見えてるんだね、なんか、上手く言えないけど、凄く嬉しい」

「ならよかった!さぁ香水見に行こう!」

「わかったよ」

俺達はアクセサリー売り場を後にして香水売り場に向かう

「光、香水って言っても色々あるし、どんなのがいいとかあるの?」

「あんまりキツいのじゃなきゃなんでもいいよ」

「あぁ、それにはアタシも同意するよ、あんまりキツいと鼻つまんじゃうし」

「そうなんだよね、鼻つまむとかじゃなくても、ウッてなるって言うかさ」

「だよね、じゃあお互いにこれならって思えるの探そう!」

「OK!」

そして、俺は店に置いている香りサンプルの匂いを確かめながら選んでいく、そうして手に取ったのはバニラに近い感じの香りのする香水だった、俺はそれを持って男性用の香水を見ているリサに声をかける

「リサ、決まった?」

「あぁ、光!アタシはまだ少し悩んでるんだよね、候補はこの2種類なんだけどさ、光はどっちがいい?」

俺はリサが選んだ香水の匂いを確かめる

「どっちも好きだけど、右の青いヤツかな少し匂いは強めだけど、嫌いじゃない」

「だと思った!どっちも光が好きそうだとは思ってたんだけど、決まらなくて、最後はやっぱり本人の意見に頼るしかないなって」

「俺も同じ事思ってリサに、確認してもらおうと思ってさ、選んだやつ持ってきたんだ」

「どれどれ?」

リサは俺が選んだ香水の匂いを確認する

「いいね!アタシ、これ好き!フワッとする甘い匂いがアタシ好み!」

「良かった、じゃあ、これにするね」

「あっ!待ってアタシも行くよ!買うんでしょ?」

「そうだね、一緒に行こうか」

俺達はレジに向かい、会計を済ませると、店を出て買った物を交換する

「さっそくつけてみようかな」

「アタシもせっかくだから」

そう言ってお互いに香水をつけリサはイヤリングも交換した

「どうかな?似合う?このイヤリング」

「似合うよ、いつもより数段綺麗だよ」

「…光ってそういう事平気で言えるし、こうやってさデートしてても、いつも隣か1歩先を歩いて引っ張ってくれるし、あれこれと尽くしてくれてさ、なんで彼女がいないのか不思議で仕方ないんだけど…」

「そう言われてもなぁ〜、俺個人にその気がないからって言っちゃえばそれまでなのかもだけど、俺は多分一緒に音楽を楽しめて、俺の夢を応援してくれる人と一緒にいられたらそれで良いからね」

「そうなんだ、じゃあアタシ達の誰かとそうなる可能性もあるのかな?」

「どうだろうね、俺を好いてくれるのは嬉しいけど、俺がその輪の中に入ったことで皆の関係が崩れるなら俺は誰も選ばないし選ばせないよ」

「光らしいね、とりあえずこの話はおしまい!ゲームセンターでプリクラ撮ろう!」

「プリクラか最後に撮ったのいつだっけな〜?」

そう言いながらスマホで写真を確認していくと花音と撮ったプリクラかあった

「5月に撮ってたなそういえば」

そう言って俺はスマホをポケットをしまった

「5月って誰と撮ってたの?」

「花音だよ、ハロハピのドラムの子」

「あぁ、あの子!誕生日5月なんだ!」

「そうだよ、ちょうど学校でLOVESONGのメドレーしてからちょっとした頃だよ」

「そうなんだ、じゃあ、アタシで2人目?」

「そうなるかな?まぁ、今回は機械選びから何から任せるよ、あの時は2人であれこれと苦労したし」

「まっかせて!ちゃんと綺麗に写るやつ選んであげる!」

「よろしく頼むよ」

そう言って俺達はゲームセンターに行きプリクラのコーナーに向かった

「写りが綺麗な方が良いかな?」

「任せるよ!プリクラは専門外」

「じゃあ、やっぱりこれだね!バッチリ綺麗って豪語してるしさ」

そう言ってリサは機械の中に入っていき俺もそれに続く

お金を入れてモードを選び撮影開始となった

最初のうちは2人同じポーズでだとかバッチリ決めポーズだとか在り来りな感じだったが徐々に要求がエスカレートしていく3枚目と4枚目はまだマシだった腕を組む事と手を繋ぐ事だったからこんなものかと思っていたらラスト2枚が問題だ

2人仲良く抱き合ってと要求が来た

「抱き合えってマジで言ってる?」

「光は慣れてるじゃん!常に日菜抱きしめてるし」

「“抱きとめる”が正解だからね!あれは!」

「とりあえずさ、アタシの後ろに回って後ろから抱きしめてよ!それならまだマシでしょ?」

「まぁ、それならいいけどさ」

そう言って俺はリサを後ろから抱きしめ写真に写る

「結構よく撮れたね!」

「まぁ確かにね」

撮った写真を確認してラスト1枚を撮るため次へを押すと

ラストの要求が1番の問題だったなにせ、恋人らしさをアピールしろとの仰せだ

「この機械大丈夫なの?今度は恋人らしさをアピールしろってさ〜」

「アッハハ〜、とりあえずどうしよっか?こればっかりは、アタシもどうしていいかわかんないし」

俺は軽く頬を掻くと、とりあえず提案を口にする

「じゃあ、お姫様抱っこでもする?」

「光、できるの?アタシ意外と重いかもよ?」

「女の子が重たいとか言っちゃいけません!とりあえずさ、やる?やらない?どうする?」

「じゃあ…お願いします…」

「OK!」

俺はそう言うとリサをお姫様抱っこする

「全然重くないじゃん!まだ軽いって!でも、肩車は無理かもな〜」

「アッハハ、意外と怖いねお姫様抱っこって、それに…恥ずかしい」

「撮り終わるまで我慢してね」

そう言うと俺達はカメラ目線で写真に写る

俺はリサを下ろしてから写真を確認する

「まぁ、こんなもんかな?リサ、確認してみてよ!」

「あぁ、はいは〜い」

リサは近寄ってきて写真を確認する

「うわ!アタシなんかちょっと笑顔硬いよこれ〜」

「お姫様抱っこだし、怖いって言ってたし、仕方ないんじゃない?」

「まぁ、そうなんだけど…まぁ、いっか!貴重な体験だったしね!」

そう言ってリサは決定を押して落書きタイムになった

俺は1番最初の写真に日付を入れhappybirthdayと書き

お互いの名前を入れるなどして落書きを終了する

「終わった?」

「あぁ、光!こっちも終わったよ、印刷してもらうから待ってて」

「OK」

そうして待っているとすぐに写真が印刷されてくる

俺は手に取ると写真には星やハートで彩られ私の王子様と書いてあった

「あのさ、リサ、これなに?」

「よく書けてるでしょ?」

「そうだけどさ…なんで俺が王子様なんだよ」

「お姫様抱っこだし、してる方は王子様かなって、それに今日限定で光はアタシの彼氏なんでしょ?」

「そうだけどさ…まぁいいや、他の人には見せないでね、さすがに俺も恥ずい」

「わかってるよ!さぁ、そろそろ行こう!映画始まるよ」

俺はそう言われスマホで時計を確認すると確かに移動してまた飲み物等を買うならちょうど良いかなと思った

「確かにいい時間だね、移動しようか!」

「だね!」

俺達は再び映画館に移動する

「飲み物どうする?」

「アタシ、ジンジャーエール光は?」

「今回は烏龍茶かな」

「アイスコーヒーじゃなくていいの?」

「氷溶けると水っぽいから遠慮しとく」

「そうなんだ、光!ポップコーン大きいサイズでお願いね」

「OK!」

俺は列に並び飲み物とポップコーンを買うとリサの所に行き

映画が上映されるシアターに移動する

「映画楽しみだね」

「だね、俺も見るの久々だし結構楽しみ」

そうして待っていると上映案内が始まった

カノ嘘の時と上映案内は同じだったので気になる作品もなかったので上映案内の間は退屈だった、そして、映画が始まると俺達は会話も忘れただ映画に見入る

イジメっ子だった主人公が耳の聞こえない少女が高校生になってから改めて友情を築いていき、たくさんの人と関わり友情を育んで行くストーリだ、何度観てもいい作品だと思える。

映画を見ながらそんな事を考えていると、あっという間にエンドロールとなり、映画が終わるとまたしてもリサが号泣中だ

俺はリサに貸しているパーカーのフードでまた顔を隠しリサを連れていく

(感情移入しやすいんだな、リサは)

そう思いながら映画館を出る

「リサ、大丈夫?」

「ごめん、なんか、今日のアタシ泣いてばっかだね」

「別にいんじゃない?それだけ感情移入できる作品だったって事でしょ?リサは恋愛小説とかかなり好きだって言ってたしさ、そういう意味でも感情移入しやすい作品だったって事でしょ」

「そうだね、うん、そうかも!ありがとう光みっともない所見せてごめんね」

「別にいいよ、みっともないとは思わないし」

「光はなんで泣いてるアタシをみっともないって思わないの?普通はみっともないって思うものじゃないの?」

「さぁね、他の人のことは知らないけど、俺個人は涙そのものを尊いものだと思ってるし、女の子の涙はもっと大事なものだと思ってるからね」

「そうなんだ、光はそう思ってるからみっともないとか思わないんだ」

「人によりけりなのかもだけどね、さて、これからどうする?夕飯まで済ませて帰る?」

「ん〜それじゃあさ、光が手料理でもご馳走してよ」

「パーティー料理って全然だけど、定番のオムライスとかでいいなら帰ってすぐできるけど、インスタントで良ければコンソメスープ付きでね」

「じゃあ、それでお願い」

「OK、じゃあ帰ろうか」

「うん、そうだね!」

俺達は電車に乗り俺達の家のある街に戻ってきて俺達はタクシーを呼び俺の自宅に向かうった自宅に付き料金を払ってタクシーを降り俺の家がある階までエレベーターで移動し家の前に着くと鍵を開けてリサを招き入れる

「ちょっと散らかってるかもだけど、どうぞ」

「お邪魔します」

「すぐ作るから、音楽でも聞いて待ってて」

そう言って俺はコンポを指さす

「じゃあ、そうするね」

そう言ってリサコンポのスイッチを入れる

「今聞いてるやつそのまま再生していいの?」

「別に良いけど、オススメはしないよ?」

俺は材料の準備をしながら返答する

「どうして?」

「歌い方に独特の癖がある人や独特の声の人達の曲ばっかりだから、それにピアノメインだから」

「試しに聞いていい?」

「別にいいよ」

俺がそう言うとリサは再生ボタンを押して音楽を聞き始めるがすぐに止めてしまった

「光、違うのかけていい?」

「やっぱり気に入らなかった?」

「そうじゃないけど、いきなりこの曲はちょっと」

「あぁ、だと思った、いきなりその曲かけるからだよスキップして2曲目から聞きなよ、そのCD聞くならさ」

「なるほどね、じゃあ、そうするよ」

「うん、もうちょいだから待っててね」

「いいよ〜」

俺はそんな会話をしながらも手を動かして行き料理を完成させテーブルに運ぶ

「できたよ!」

「待ってました!」

俺はリサの座っている方に料理を置いて反対側にすわる

「じゃあ、いただきます」

「召し上がれ」

俺がそう言うとリサはさっそく食べ始めた

「美味しい!玉子が甘めな分中のケチャップライスがちょっとスパイシーで凄く美味しい」

「喜んで貰えたなら良かったよ」

「うん、大満足だよ」

「なら良かった、さて、リサ、まだ食べられる?」

「まだ何かあるの?」

「肝心な物忘れてない?誕生日ケーキだよ」

「あぁ!すっかり忘れてたよ」

「なんとなくだと思った、取ってくるから待ってて」

そう言って立ち上がり食器類を持って台所に行き冷蔵庫からケーキを持ってくる

「どうぞ、残念ながらロウソクはないけどね」

「十分だよ、ありがとう光」

「うん、どういたしまして」

そうして2人でケーキを食べた後リサを送るためにタクシーを呼び一緒に乗ってリサを送って行き家の前で停車する

「ここだよ!アタシの家送ってくれてありがとうね」

「このくらいなんでもないよ!はいこれ、バースデーケーキ

さっき食べたやつとは違うやつね」

「良いの?さっきも貰ったのに」

「ちゃんとしたバースデーケーキだしリサの為に作ったから貰ってくれないと俺としては困るかな」

「まぁ光がそう言うなら」

「じゃあ、決まりね?まだ渡すものあるから、ちょっと待ってて」

俺はそう言って1枚のCDと俺が首にしているネックレスをリサに渡す

「CDとネックレス?」

「そう、羽のネックレスには運気の上昇とか、飛躍、現状からの変化や新たな出会いって意味があってさ、リサにピッタリだなと思ったんだ」

「じゃあ、光はこれのおかげでアタシ達と出会えたとか思ってる?」

「まぁ、運気の上昇はともかく飛躍や現状からの変化、それに出会いはまぁそれを身に付けていたおかげってのはあるかなと、まぁお守りみたいなもんだから持ってて」

俺はそう言って苦笑するとリサはケーキを足元に置いてから抱きついてきた

「リサ?」

「光、本当に何から何までありがとう」

そう言ってリサは抱きつく力を少し強める

俺はそれに答えるようにリサを抱きしめ言葉を紡ぐ

「こっちこそありがとう、リサの年に一度の貴重な時間を俺にくれて、本当にありがとう」

「 こっちこそ、最高の誕生日をありがとう」

その言葉を聞いた後どちらともなく離れると名残惜しさを残しながらも俺はただ一言「じゃあ、また明日学校で」とだけ告げて再びタクシーに乗り込んだ

帰り道、運転手さんから話しかけられたので少しの間会話した

「さっきのあの子は君の彼女なのかい?」

窓の外を見ていた俺に運転手さんが話しかけてきた

俺は窓から視線を外し答える

「違いますよ。でも、大切な友達なんです。俺、こっちには今年の春に上京して来たんですけど、上京して来てすぐ演奏していたところにたまたま話しかけてきてくれたんです。それから編入した学校でクラスや学年も一緒で俺には勿体ないくらいの最高の友達なんです」

「そうかい、ならその関係を大事にしていきな!きっとこの先もいい事があるさ」

「だと、嬉しんですけどね」

そう言って俺はまた窓外を見ている、ゆっくりと一定のスピードで景色が流れていく

(そう言えばMVかなんかで似たようなの見た事があったような…なんだっけな?)

そんな事ないを考えながら外の景色を見ていると静かにタクシーが停車する

「着いたよ、料金少しオマケしといてあげるからね」

「なんか、すいません」

そう言いながら俺はお金を支払いタクシーを降りて自分家に続く階段を上っていく。

 

 

リサ視点

光が乗ったタクシーが見えなくなるまで見送ってからアタシは家に入ろうとすると隣の家の玄関が開き友希那が出てきた

「おかえりなさい、遅かったのねリサ」

「あぁ、まあね、ちょっと出掛けてた」

「珍しいわね、1人で出掛けるなんて」

「あぁ〜、実は光と出掛けてた」

「光と?光は1日用事でいないのではなかったの?」

「それがね、光曰く知り合いのスタジオミュージシャンの所で一緒に簡単な仕事する予定だったんだけど、結局1日かかる仕事じゃなかったみたいでさ、それで映画でも見て暇潰そうと思ってたらしくて、映画館に行ったらばったりでさ」

アタシは光が考えておいてくれた誤魔化しの言い訳を口にすると友希那からの反応は意外なものだった

「そう、まぁ別に良いけれど、この時間って事は夕飯まで済ませてきたのでしょ?」

「まぁね、て言うかもうちょい詮索しないの?普通はアタシが誰とも知らない奴と遊んでたりしたら?」

「相手は光なのでしょ?なら詮索する必要も無いじゃないそれとも何から何まで聞いた方がいいのかしら?」

「なんか凄く複雑だよ、なんて言えばいいのかわかんないけどさ」

「何がかしら?」

「いや、光が友希那の信頼を勝ち得ているのか、アタシが信頼され過ぎなのかがねぇ〜」

「ハァ、くだらない事言ってないで早くいらっしゃい私しかいないけれど、ささやかに誕生日を祝ってあげるわよ」

「本当!?ありがとう友希那〜」

アタシは友希那の家に上がるとそのまま友希那の部屋に行く

「その箱はケーキなのでしょ?ならさっそく準備しましょ

ケーキ出してくれるかしら?」

「あぁ、うんちょっと待ってて」

そう言ってケーキの箱をテーブルに置いて箱を開けると

「うわ!なにこれ!?」

「どうしたの?ってリサ、これって貴方が買ったんじゃないの?」

「ううん、光からのバースデーケーキ」

「随分凝っているのね」

友希那がそういうのも頷けるケーキの真ん中にアタシ達Roseliaのシンボルとも言える青薔薇が綺麗に咲き誇っているそして黒、茶白と3色のケーキがホールになってその青薔薇を彩っていた、アタシは迷わず写真に納めてからグループメッセージに投稿した

「リサ、投稿してなんになるの?」

「いや、なんか、皆にも見て欲しいなって」

「まぁ良いけれど」

そう言いながら少し呆れ気味な友希那に対し皆からの反応は凄く良かった、多分明日あたり色々聞かれるんだろうなと思いながらもロウソクを探すと17と形作られたロウソクと一緒に手紙のようなものが入っていた

「なんだろうこれ?」

「バースデーカードじゃないかしら?後ろにロウソクを吹き消した後に見ることって書いてあるわ」

友希那がそう言うのでアタシも裏側を確認してみると友希那が言った通り裏側にはロウソクを吹き消した後に見ることと書いてあった

「とりあえずロウソクに火を着けましょう」

「そうだねってちょっと待って!箱の奥にチョコ入ってるよ」

「割れないように奥に入れていたのね」

アタシは箱の奥からチョコを取り出すとそこにはメッセージが書いてあった

happybirthday!17歳の誕生日おめでとうと書いてあった

「趣向を凝らしたものね光も」

「確かにね〜ここまで手の込んだケーキなんて初めてだよ」

「でしょうね、彼だからこそできる1つの作品よ」

「アタシもそう思うけど、食べないとなんだよね?すっごく勿体ないよね」

「まぁ、彼の事だからケーキの中にもそれなりの細工がしてあるわよ」

「あぁ、絶対やってるよね」

そういいながらロウソクに火を着けてからケーキの上にたてる

「誕生日おめでとうリサ」

「ありがとう友希那」

お礼を言ってからロウソクの火を吹き消した後バースデーカードを開くと

17歳の誕生日おめでとうこの1年が充実したものになりますようにと書かれていた

「イキなことをするわね」

「本当だよもう!とりあえず切り分けるね」

そう言ってケーキを切り分けるとケーキは3層に別れていた

「驚かされるばかりねかなり手が混んでいるわ」

「凄すぎでしょこれ、どんだけ手間暇かけてんの!?」

チョコクリームは一番下がとても黒いビターチョコで間にホワイトチョコそして一番上に甘さ控えめのミルクチョコがコーティングされている

「下の苦いチョコの層のおかげで甘さが引き立ってるんだけど飽きることなく食べられるよこれ」

「そうね、チョコそのものだけでなく他にも分からない細工がしてあるのでしょうね」

そういいながら食べていくうちに大きめにカットしたケーキは無くなってしまった

「あれ?いつの間に?」

「後味の良さとこの満足感光は何をしたのかしら?」

「アタシもわかんない」

そう言って2人であれこれと考えるが答えは出なかった

「とりあえず、残りは閉まっとこうか」

「そうね」

「じゃあ、最後はこれかな?」

そう言って光がくれたCDを取り出す

「CDね、何が入っているの?」

「アタシもわかんないけどさ多分バースデーソングかなんかでしょ?友希那プレイヤー借りるね」

「コンセントとコード抜いてまとめてあるから繋ぎ直してから使いなさいな」

「OK!」

そう言ってコンセントとコードを繋ぎCDをセットし再生すると光の声が聞こえてきた

「光が録音したものを編集した物のようね」

「みたいだね」

そう言いながら光の声に耳を澄ます

「happybirthday!誕生日おめでとうリサ!先に謝っておくとこのCDにはBirthdaysongは入ってないんだ、ごめんね」

(何を言ってるかな〜謝ることなんてないのに、今日、最高のBirthdaysongを送ってくれたのにね)

内心でそう呟きながら光の声を聞いていく

「まぁ、Birthdaysongこそ入ってないけどさ俺の頑張れって気持ちを全部のせたから聞いてねタイトルは虹、同じタイトルの3曲入れたから歌詞や感じ方で俺からの頑張れって気持ちを受け取って貰えたら嬉しいです。」

そう言って光は演奏を始める

1曲目の虹は遠い景色に見える虹を追いかけるそんな曲

この曲で光が伝えたかった事はアタシ達の夢は遠いけどいつか届くから頑張れって感じだった

2曲目の虹はFWFで歌う私達の姿が浮かんだそのイメージの向こう側に行けるように頑張れって応援されてるみたいだった

3曲目は私達がFWFの舞台で歌っている姿と夢に向かって努力する今のアタシ達が浮かんできた約束で未来を縁取りコトバで飾り付けをする確かな明日をきっとどれより欲しがってたか確かにアタシ達の夢は皆の夢だし皆で立つて約束した未来が確かに縁取られてる

「なんか、アタシ達の事見透かされてるみたい」

「確かに全てがリサだけじゃなくて私達皆で頑張れって言われているようね」

「だよね〜元気出るし勇気貰えるね」

そして3曲目が終わると光がまた話し出した

「次の曲はその瞬間をつかめって意味の曲でリサ達が夢の舞台に立つ瞬間を掴んで欲しいって思いを込めました、聞いてくださいCatchtheMoment」

そう言って光は演奏を開始した

「これ全部光が1人で演奏してるんだよね?」

「でしょうね、彼はバンドはやらないって言ってたし、1つの楽器を演奏してその後編集してるんだと思うわ」

「凄いね全部1人でってそれでこのクオリティでしょ」

「今度ちゃんと目の前で演奏してもらいましょう」

「そうだね」

そんな話をしながら聞いていると何故かは分からないがアタシの中にストンと落ちていくようなそんな感じがした

CatchtheMomentその瞬間を掴めか、なんだよそれ最高じゃん!そう思いながら聞いているとあっという間に曲が終わって光がまた話し出す

「次が最後の曲です。じゃあ、聞いてくださいBelieveinYourself」

『Wow…

やれるだけやりきったかなんて自分しかわからない

だから自分に嘘つくな自分にはズルするな

誰かと自分を比べるよりも己を誇れる人になりたい

自分を投げ出さず生きた今日を

褒め続けられる日々を送ろう

君にしかわからなくたって楽な道は選ぶな

最後に報われるのは逃げずにいた君自身だから』

 

「凄く前向きになれる曲だな〜自分を投げ出さず生きた今日を褒め続けられる日々を送ろうか光らしい」

「最後に報われるのは逃げずにいた君自身だからね、やれることを全部やって夢の瞬間を掴めって事かしらね」

なんだか光が後ろから背中を押してくれて見守ってくれてるみたいだなと思いながら曲を聞いていく

 

『馬鹿にされることはあっても馬鹿にだけはしないこと

いつの日も慎(つつ)ましくあれ気高く命燃やせ

結果ばかりに目を向けるよりも

歩んだ道のりを見つめてたい

自分を諦めず生きた日々を

悔いなく終わる命でありたい

思い通りにならない日も無駄にだけはしないで

大事なのは君が君を最後に認めてやれるかだ』

 

「頑張れとかそういう歌詞が一切ないのに凄く励まされるね、そう思わない?」

「そうね、それに演奏もかなりモノだわ」

本当に光には叶わないと思いながら曲を聞いていく

 

『休んだっていいさまた前を向けるなら

確かな1歩を踏みしめて行こう 君が掴むのさ

君にしかわからなくたって楽な道は選ぶな

最後に報われるのは逃げずにいた君自身だから

…BelieveinYourself』

曲が終わるとアタシは友希那に話しかける

「友希那」

「何かしら?」

「アタシ、多分光の事好きだ」

「今更気が付いたの?私はてっきり初めて彼の演奏をあなた一人で聞いた時から彼に好意を寄せているものだと思っていたけれどね」

言われて思い返してみるけれど、多分光が好きだと自覚できたのは間違いなく今日だ、映画の内容に感動してぐしゃぐしゃになってた顔を隠して見ないようにしてくれてカラオケで生まれて来てくれてアリガトウなんて最高のBirthdaysongを歌ってくれて最後にこのサプライズで光からの全力の応援メッセージと演奏だ

「その辺は正直なんとも思ってはなかったと思うあっても友愛の情って言うかこれから仲良くなれそうって感じだけだったと思うけど、多分光が沢山の人の為に色んな演奏をして光自身が頑張る姿を見てて気になってはいたんだと思う」

「そう、まぁ別に良いんじゃないかしら?そういう気持ちすら演奏にのせてリサが最高の演奏をしてくれるなら私から言うことはないわ」

「友希那はどうなの?」

「光の事?なんとも思っていないと言えば嘘になるけれどあえてこういう言い方をするなら今は恋愛感情はないわね、感謝や友情よ」

「そっか、でも、多分だけど友希那もきっと光を好きになると思うな」

「どうしてよ?仮にそうなったらあなたとは好きな人を取り合うことになるのよ 」

「光が言ってたんだ、誰かを選ぶことで絆が壊れるなら誰も選ばないって、それなら好きでいることは悪いことじゃないし多分だけど紗夜はアタシよりも前から光が好きだと思う」

「なら、大変ねライバルが多いじゃない」

「だね、これから大変だよ、それに、明日から二学期なのに、どんな顔で光に会えばいいのかな?」

「普通にしてればいいじゃない、少なくとも邪険にはしないわけだし」

「それしか無いよね〜」

そう思いながらも心境は複雑だ、早く明日になって欲しいようなそうでも無いようなそんな複雑な気持ちを抱えながらアタシは空を見上げて明日に思いを馳せた…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




久しぶりの投稿です。何かと忙しくて中々思うように執筆が進みませんがとりあえずもう少し落ち着いたらまた2本ずっとずつ投稿出来ると思うので楽しみにしていてください。さて次回はこの話の時系列で二学期開始になり文化祭の話を書いていきます。
次回「二学期開始と文化祭」

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