振替休日明けの午後、俺達のクラスは修学旅行の班決めを行っていた。まず最初に先生が修学旅行について大雑把に説明する
正直大雑把過ぎて全くと言っていいほど頭に入ってこない
「とりあえず、私から説明することは全部話したけど、ここまでで分からないことは?」
正直分からない事だらけだと内心思いながらも俺は成行き任せだなと思い班決めについて質問する為に手を挙げる
「はい、光君、何か質問?」
「俺なんですけど、旅行先の宿泊施設での部屋についてはどうすれば良いんですか?男子は俺だけですよね?」
「それについては班メンバーと同じで構わないよ、もちろん寝室は襖を隔てて貰う必要はあるけど、引率の先生達もさすがに自分達と部屋を一緒にするのはいくら男子とはいえ隔離するみたいで気が引けるって言っていたから問題ないよ」
「まぁ、先生方がそれで良いなら俺はいんですけど」
「光君はとりあえず普段から一緒にいるメンバーと組めば問題はないんじゃないのかな?」
「それで良いなら俺は大丈夫です。友希那達もそれで良い?」
「問題ないわ」
「アタシもOKだよ」
「あたしも良いよ〜」
イツメン全員から了解が取れたのを確認した先生は黒板に俺達の名前を書き出し丸で囲んで決定と書き足した
「一班はこのメンバーで決まり、話し合いの時間を設けるから後は話し合って決めて黒板に皆名前書いていってくれる?4から5人で1グループだからそこは気を付けてね」
先生はそう言ってあとは丸投げした。
俺達はとりあえず、イツメンで友希那の席の周りに集まり話し合う
「アタシ達はこの班で決まりらしいし先に自由行動決めちゃわない?」
「と言っても皆行きたいとこってある?」
「あたしはこのメンバーならどこでも良いよ〜」
「正直アタシは国際通りとその国際通りの屋台村を見れたら沖縄は十分かな」
「首里城なんかは2日目の集団行動で行くわけだし
一日目に最低限お土産等を揃えておけば後々楽じゃないかしら?」
「なんか皆、適当過ぎない?仮にも旅行だよ?」
「どっちかと言うと、アタシ個人は光が前に三味線とか習いたいって言ってたし、それで演奏してくれる曲の方がちょっと楽しみだったり?」
「あたしひ〜くんのバイオリンも聞きた〜い」
「まぁ、それはいんだけど、行く場所決めようよ!」
「とりあえず、光の行きたい三味線教室は行こうよ!その後はちょっと移動してお土産等を揃える為に国際通りに行けば良くない?美ら海水族館と首里城とひめゆりの塔は2日目の集団行動で行く訳だしさ」
「俺はとりあえず、三味線を教われるならなんでもいいけど、2人は?」
「特に異論はないわ」
「あたしも良いよ〜」
「じゃあ、これでいいか!」
「だね」
とりあえず、行動が決まったので俺はそれをプリントに纏め提出した。
「随分偏ってるけど、これでいいの?」
「俺も含め本人達から確認は取れていますので平気です」
「じゃあ、後は自分達用の旅行のしおりを作成しておいてね」
「わかりました、伝えておきます」
俺は先生にそう告げてから自分の班に戻る
「先生なんか言ってた?」
「あぁ、本当にこれで良いのかって聞かれたけど、大丈夫だって言っておいたよ、後は自分達用のしおりを作成しておけってさ」
「そっか、そっかじゃあ、それもやっちゃおうか!」
「じゃあ、それぞれにページ割り振るよ」
それから俺はそれぞれにページを割り振りしおりを作成していく、俺の担当はスケジュール表と移動手段をまとめる事だ
俺は移動手段と時間をまとめていく
「最初に宿泊先に荷物置いてからの自由行動らしいし、荷物もったまま移動する手間だけは省けるね」
「だよね〜そこだけは救いかな」
「そうね、荷物もったままの移動はやっぱり手間だもの」
「最低限なら良いんだけどね」
そんな話をしながら俺達は作業を進める、俺は出来るだけ詳細に時間等々をまとめているとチャイムがなり授業時間の終了を告げる
「はいはーいそこまで、明日も時間とるから今日は解散だよ」
先生がそういうので俺達は広げていた雑誌やプリント類を片付けてから帰りのホームルームで受けてその日は終了した
「光、今日ってこの後バイトよね?」
「そうだけど、修学旅行前まではシフト入れてるし」
「そう、私達もこれから向かうから後で会いましょう」
「了解」
そうして俺は1度帰宅し荷物を置いてからギターを持って家を出てcircleに向かい15分くらいでcircleに到着すると既にRoseliaの皆は到着していて、皆は先に練習しにスタジオに入っていったらしい、俺はとりあえず着替えてから店内と店外を掃除しまりなさんと受付を代わろうと思い声をかけた
「お疲れ様です。受付変わりますよ」
「お疲れ様、別にいいよ、多分すぐに光君呼ばれるだろうし、急ぎの作業とかもないから、Roseliaの練習見てあげて」
「わかりました、じゃあ、友希那達の所に行ってきますね」
「うん、行ってらっしゃい」
俺は断りを入れてから友希那達の所へ向かい扉をノックしてから中に入る
「皆、おまたせ」
「やっと来たわね、光」
「さっそく練習見てくれる?」
「もちろん、今は何を練習してたの?」
「ちょうど、LOUDERが終わった所です」
「じゃあ、次に練習する曲からで良い?」
「あこはそれで良いよ!」
「私もそれで良いですよ」
「じゃあ決まりね」
「それじゃあBraveJewelでいくわ!」
そう言って友希那達は演奏を始める俺は目を閉じ集中し友希那の歌を、リサや紗夜そしてあこちゃんと燐子の演奏を聞いていく、そしてサビに入る瞬間に一瞬だが演奏が遅れた感じがあったので演奏が終わったタイミングでそれを指摘する
「さっきの最初のサビの部分で一瞬だけど、演奏が遅れ気味だっから気を付けて!細かく気にしすぎなのかもしれないけど、目指してるFESに出場するなら演奏のクオリティは上げておかないとでしょ?」
「そうね、その通りだわ、もう一度同じ曲でいくわ」
友希那の言葉に全員が頷きもう一度同じ曲を演奏する
そして俺が耳をすませひたすら聞いてはアドバイスをする
そうして俺のバイト終了時間までRoseliaの練習に付き合い俺達は解散した。
俺は方向的に紗夜と一緒だ
「なんだかんだいいながら紗夜と一緒に帰るのって久しぶりだよね」
「そうですね。時間が合わなかったり日菜が一緒だったりでしたからね」
「だよね、日菜がいないだけでこうも違うんだよね」
「あの子は少し騒がしいですからね」
「逆に紗夜は静かと言うか落ち着いた感じだもんね」
「えぇ、日菜とは正反対です。逆に私が日菜ようにしている姿を想像出来ますか?」
「無理だね、紗夜は今、そうしているのが1番紗夜らしいし」
「光栄です。まぁ、私も日菜も今のままお互いに歩み寄れたらと思っています。そのきっかけはあなたが与えてくれました」
「俺はただあの場を借りて演奏しただけだよ、そこからお互いの想いをぶつけ合ったのは2人だよ、俺は演奏以上の事はしてないから」
「それでも、助けられたのは事実ですから」
「紗夜がそう言うなら、どういたしましてって言っておくよ、ところでさ、旅行のお土産は何がいい?」
「そこまで気を使っていただく訳には」
「別に良いよ、どうせ知り合ったバンドの子達全員に何かしら配らないとだしさとりあえず、どんなものでも良いからさ」
俺がそう言うと紗夜は少し考えた後に言った
「では、キーホルダーをいくつか買ってきて頂けませんか?」
「そんなんでいいの?」
「お土産ですし、身に付けられるものが良いので」
そう言って微笑む紗夜に俺も微笑み返し
「わかった、じゃあ、何か見てくるね」
「えぇ、私達は京都なので旅行先では会えませんが、私達も何か見てきますね」
「楽しみにしてるよ」
「えぇ、そうしてください」
そんな話をしながら紗夜の家に到着する
「送ってくれてありがとうございます」
「別に良いよ、家の方向は一緒なんだしさ」
「でも、光君の家を過ぎてしまいますから」
「て言ってもさ俺、自転車だから平気だよ」
「まぁ、光君がそう言うならば気にしませんけど…」
「そうしてくれる?あんまり気にされるのも、なんかね」
「そうですか、わかりました。それでは、今日はこれで失礼します」
「うん、おやすみ」
お互いに挨拶を交わし別れたあと俺は帰宅しシャワーを浴びてから夕飯を済ませてから就寝するまでの間俺はバイオリンを演奏する、夜はギターやベース、ドラムよりもキーボードやバイオリンをよく弾いている。
弾いていると落ち着いた気分になる、弾いている間は全てを忘れて集中出来るし何より自分の世界の広がりを感じる
演奏を終えて俺はバイオリンを置いて一息つく
「生まれる願いと月光花は問題なく弾けるようになったし、後、2.3曲覚えないと演奏聞かせてって言われてるし普通に困るな、教科書的なやつ探しとかないとな〜」
そう言って俺は再びバイオリンを手に取り演奏する
普段から演奏する曲とは違う曲を演奏する
未来予想図IIだ普段の未来予想図でもいいが、バイオリンで演奏するなら断然未来予想図IIだ
俺は低めの音量で曲を再生して曲に合わせて演奏していく
そうして何度か繰り返し練習した後俺はバイオリンをしまい就寝した。
次の日午前中は普通に授業を受け午後からは各自の班の旅のしおりの作成をしていく、俺達の班は作業は順調な方で
6割り方完成している。よく言えばあと少しと言ったところだ
「大分しおりも出来てきたね」
「だね、それぞれが得意分野担当してるしね」
「それは大きいでしょうね、不得意な事をやるよりは進むでしょう」
「まぁ、そりゃそうだよね」
などと話しながら作業を進めて俺達はその日のうちにしおりを完成させた。
「結構早く完成したね」
「もうちょっとかかるかと思ってた」
「そうは言うけど、こんなものじゃないかしら?」
「だよね、俺もそう思う、というか、この後って俺達どうするの?」
「多分、また話し合いして最終調整じゃない?」
「おそらく、そうなるでしょうね」
「だねぇ〜」
「ていうか、話す事ってあるの?予定これで良いんでしょ?」
「多分だけど、現地行ったらあちこち見て回るだろうしその辺をもう少し補填する感じの話し合いしなって言われるんじゃないかな?」
「なるほどね、そういう事なら放課後は各自の準備及びバンドの練習等々でこの時間は詳細を話し合うって事かな?」
「多分ね」
そうして俺達は自分達の作業が終わったので残りの時間は
現地での道中の寄り道する場所などをリストアップしたりして過ごし放課後は個人の準備や友希那達Roseliaの練習に付き合ったりしているうちに当日を迎えた。
そして現在、俺達は目的地に向かって移動中だ、そして俺は
大きなあくびをしながら歩いている
「眠そうだね光」
「道中少し寝ようと思ったのに、ウトウトしてると日菜がちょっかい出てくるし全然眠れなかったんだよ」
「だって〜友希那ちゃんも黙ったままだったしその上ひ〜くんまで寝ちゃったらあたしとりさちーがつまんないじゃん!」
「まぁ、確かにね、アタシと日菜だけじゃね〜」
「結局道中ずっと話したり遊んだりで若干寝不足なんだよね〜友希那は?」
「私は平気よ、それよりも後、どのくらいで着くのかしら?」
俺はスマホでナビを確認してから答える
「後、5分くらいだってさ」
そう言ってナビ画面のスマホをみせる
友希那達は画面を確認してから言った
「そのようね」
「そうだね」
「もうすぐみたいだよ」
「じゃあ、早く行こ〜う」
そう行って早足になる日菜の後を追うようにして目的地に到着する。
あここだよ!三味線と民謡の学舎って書いてある」
俺はインターホンを鳴らすと20代半ばくらいの男の人が出迎えてくれたので俺は皆を代表して挨拶する
「こんにちは、修学旅行生で三味線を習いたくて伺いました」
「あぁ!君らがそうか、じゃあ、入ってくれ!」
そう言ってその人は俺達を招き入れる
「とりあえず、自己紹介な、俺の名前は眞境名雄平(まじきなゆうへい)名字珍しいだろ?呼びずらければ雄平君とか雄平さんで良いよ」
「俺は光です、宮村光(ひかる)高二で17です。よろしくお願いします。雄平さん」
俺に続き皆が自己紹介する
「湊 友希那です。よろしくお願いします。」
「アタシは、今井リサです。歳は光と一緒の17です。」
「あたしは氷川日菜です!よろしくお願いします」
「おう、よろしくな、光にお嬢ちゃん達も」
「改めてよろしくお願いしますね。ところで、雄平さんが三味線を教えてくれるんですか?」
「いや、俺は民謡の方な弾き方とかも教えるけど、本格的に押してえくれるのは俺のおばぁだよ!ここは一応この辺の地区の公民館みたいなもんで週に何度かこうして三味線を教えてる」
そう言って雄平さんが広間に続く扉を開けると俺達と同じ修学旅行数人の他に地元の人と思われる人達が数人いて
他の人達が座っている場所よりも1段上の場所に2人ほど年配の人が座っていた。
俺達もとりあえず少し離れたところに座ると地元の人達は自前の三味線をどうやら持っているようで俺達は貸し出し用の三味線を一班に2つ貸し出され、それをその年配の人が確認するとその人は話し出す
「今日は集まってくれてありがとうまずは、初めての人もいるだろうから簡単に弾き方を教えるね」
そう言ってまずはお手本として簡単な民謡を聞かせてくれた
そして俺達はその民謡を自分達で練習して弾いてみることになった
「思ったより難しいな、ギターやベースとは全然違う」
「だよね〜、アタシも軽く考えてた〜」
そう言って少し練習して俺は日菜に三味線を貸した
「日菜もやってみなよ、意外と難しいよ」
「できるかな〜?」
「友希那もチャレンジ!チャレンジ!」
「せっかくだし、やってみようかしら?」
そう言って友希那と日菜が今度は練習中だ、そして日菜はコツを掴んだのか拙いながらも形になっているし友希那も躓きながらもそれなりに弾けている。
「2人共それなりに弾けてんじゃん!」
「本当、凄いねもうコツ掴んだんだ!」
「あなた達が弾く所を見てたら何となくよ」
「あたしもほとんど感だよ」
そう言ってさっき習ったばかりの民謡を弾いているとそれを見ていた雄平さんが俺達の方に様子を見に来た
「なかなか弾けてんじゃんか!1番簡単なやつとは言えなかなかだな」
「まぁ、一応皆楽器が出来るので多少応用が効くんだと思います。」
「なんだ、バンドでもやってんのか?」
「いえ、俺はやってないですけど、こっちの3人はバンドやってますよ」
「へぇ〜、なんてバンドなんだ?俺はテレビやラジオでしか聞いたことないし、ほとんど知らないんだけどよ、良かったら教えてくれるか?」
「友希那とアタシはRoseliaってバンドで、こっちの日菜がPastel*Paletteってアイドルバンドなんですよ」
「Pastel*Paletteはテレビやラジオで時々聞く名前だな、Roseliaはスマンがわからん!兄ちゃんはどっちかのバンドのマネージャーかなんかなのか?」
「いえ、俺はソロって言うか、カバーアーティストを目指して色んな曲を演奏してますね」
「マジか!そりゃスゲェな、良かったらなんか聞かせてくれないか?」
「じゃあ、終わり際に2.3曲で良ければ演奏しますよ」
「本当か!?聞いといてなんだけど、いいのか?」
「元々三味線使って演奏してみたい曲があって本格的に習いたいなって思ったので良いですよ」
「そっか、じゃあ頼むな!」
「わかりました」
その返答を聞いて満足そうな笑みを浮かべ他の人達の指導に戻って行った
「じゃあ、練習再開しようかな、日菜、俺にも三味線貸して」
「良いよ〜」
俺は日菜から三味線を借りて練習する
そうして数分後俺は簡単な民謡は弾けるようになった
「さすがだね光、もう弾けるようになったじゃん」
「て言ってもこれからだよ、今度は曲を演奏したいしね」
そう言って今度は曲を演奏する
しばらく練習しているとコツが掴めて来て躓くことなく演奏する事が出来るようになった
「やるわね、大分演奏できるよいになったじゃない」
「そうだね、でも、俺ばっかり独占する感じになってごめんね」
「私個人は構わないわ、面白そうだとは思ったけれど、少し弾ければ満足だもの」
「まぁ、友希那がそれで良いなら俺はありがたいけどね」
そんな話をしながら練習していると雄平さんが再び顔を見せる
「おう、もう、それなりに弾けてんじゃねーか!スジがいいな兄ちゃん」
「そんな事ないですよ、やっと躓かなくなったばっかりでやっぱりギターやベースとは全然違うんでちょっと戸惑ってますよ」
「まぁ、そんなもんだ、ところでそろそろ演奏して貰う事は可能か?」
「そうですね、そろそろやりましょうか!」
「おう、頼めるか!」
そう言うと雄平さんは壇上に上がりマイクをセットして話し出す
「はい、ちょっと注目!今日来てくれた修学旅行生の1人が何曲か演奏してくれるそうなんで、せっかくなんで皆も聞いてください!それじゃよろしくな光の兄ちゃん!」
俺は壇上に上がりマイクを通して話し出す
「どうもこんにちは、光って言いますせっかく三味線を習ったので、この三味線を使って演奏します。この曲は地元の人達には親しみ深い曲だと思います。それじゃあ聞いてください島人ぬ宝」
俺は三味線を弾きながら歌っていく
『僕が生まれたこの島の空を
僕はどれくらい知っているんだろう
輝く星も流れる雲も名前を聞かれても分らない
でも 誰より 誰よりも知っている
悲しい時も嬉しい時も何度も見あげていたこの空を
教科書に書いてあることだけじゃ分からない
大切な物ァがきっとここにあるはずさ
それが島人ぬ宝』
観客視点
「凄いな、この光って人ここまで本格的に演奏出来ることもだけどさ、歌も、この場って言うか、沖縄の事歌ってる曲じゃん、なんかピッタリだなだって思うのと、地元民でもないのに懐かしいって言うかさ」
「わかる!なんかこう、世界が広がるよね!」
「そんだけスゲーってことだろ?」
「曲もだけど、歌ってる彼もなんかちょっとオシャレでカッコイイよね!私、ファンになりそう」
「出た!ミーハー!」
「ちょっと!もう!いいじゃん!別に!」
そんな会話をしながらも目の前で歌われる曲に、歌声に私達は引き込まれていく
『僕が生まれたこの島の海を
僕はどれくらい知ってるんだろう
汚れてくサンゴも減っていく魚も
どうしたらいいのか分からない
でも 誰より 誰よりも知っている
砂にまみれて波にゆられて少しづつ変わってくこの海を
テレビでは映せないラジオでも流せない
大切な物がきっとここにあるはずさ
それが島人ぬ宝』
地元民と雄平さん視点
「俺達の島の歌を披露してくれるとはな、イキなことするぜまったくよ」
「ホントだね〜、私達は自分達が自分達でこの島をどのくらい知っているのかなんてわからないけど、この島もこの島に暮らす人達も皆宝物だからね〜」
「だよな、俺らにとっては地元が1番だもんな」
その言葉に誰もが皆頷きながら光の兄ちゃんが歌う曲に耳を傾ける
『僕が生まれたこの島の唄を
僕はどれくらいで知っているんだろう
トゥバラマーもデンサー節も言葉の意味さえわからない
でも 誰より 誰よりも知っている祝いの夜も祭りの朝も
何処からか聞こえてくるこの唄を
いつの日かこの島を離れてくその日まで
大切な物をもっと深く知っていたい
それが島人ぬ宝 それが島人ぬ宝 それが島人ぬ宝』
俺は演奏を終えると三味線を置きギターケースを開けてアコギを取り出し肩にかけてから話し出す
「次の曲はこのアコギを使って演奏します聞いてください
涙そうそう」
俺はアコギを演奏しながら歌っていく
『古いアルバムめくりありがとうって呟いた
いつもいつも胸の中励ましてくれる人よ
晴れ渡る日も雨の日も浮かぶあの笑顔
想い出 遠くあせても おもかげ探して
よみがえる日は涙そうそう
1番星に祈るそれが私のくせになり
夕暮れに見上げる空 心いっぱいにあなた探す
悲しみにも喜びにもおもうあの笑顔あなたの場所から私が見えたらきっといつか会えると信じ生きてゆく
会いたくて 会いたくて 君への想い涙そうそう』
歌いながら思ったのはバイオリンで弾いても良かったかもしれないと感じた。そして1番嬉しく悲しくそして寂しくて怖い
事が頭を過ぎる
1番嬉しい事は出会う事 1番悲しい事は別れること
1番寂しいのはそこに、その場に居ないこと
1番怖いのは何よりも去ることだと思いながら演奏していく
『晴れ渡る日も雨の日も浮かぶあの笑顔
想い出遠くあせても 寂しくて恋しくて
君への想い涙そうそう
会いたくて 会いたくて 君への想い涙そうそう』
そして俺が演奏を終えると同時に拍手が巻き起こる
俺はアコギをしまいケースを反対にしてそこから今度は普段から使っているエレキギターを手に取り簡単なチューニングをしてから持参した小型のアンプに繋ぎ軽く音を確かめてから
マイクを通して話し出す。
「もう1曲だけ聞いてください!曲名はアンマー」
俺は再び演奏しながら歌っていく
『初夏の晴れた昼下がり私は生まれたと聞きました
母の喜び様は大変だったと聞きました
「ただ真っ直ぐ信じる道を歩んでほしい」と願いこめて
悩み抜いたすえにこの名を私に付けたと聞きました
我が家はあの頃からやはり裕福な方ではなく
友達のオモチャや自転車を羨ましがってばかり
少し困った様な顔で「ごめんね」と繰り返す
母親のとなりでいつまでもいつまでも泣いたのを覚えてます
アンマーよあなたは私の全てを許し
全てを信じ全てを包み込んで憎みもせず何もかもを
私の上に注ぎ続けてきたのに
アンマーよ私はそれでも気付かずに
思いのまま過ごしてきたのでした』
イツメン視点
「光って本当にその場にあった曲を選ぶのが上手いよね!」
「同意するわ、いつもいつも感心するわよ」
「ひ〜くんはいつも誰かのために演奏してるからね、今回だってこの場にいる人に届けたいって思いながら演奏してるんじゃないかな?」
「それしか考えられないしね」
そんな事を言いながら私達もまた光の演奏に耳を澄ます
『「強さ」の意味をはき違えて
喧嘩や悪さばかりを繰り返し勝手気ままに遊びまわる
本当にロクでもない私が真夜中の静けさの中
忍び足で家に帰ったときも狭い食卓の上には
茶碗が並べられていました自分の弱さに目を背け
言い訳やゴタクを並べ
何もせずにただ毎日をダラダラと過ごし続け
浴びる程に飲んだ私が明け方眠りに落ちる頃
まだ薄暗い朝の街へ母は出て行くのでした
アンマーよ私はアナタに言ってはいけない
決して口にしては行けない言葉を加減もせず投げつけては
アナタの心を踏みにじったのに
アンマーよアナタはそれでも変わることなく
私を愛してくれました
木漏れ日のようなぬくもりで深い海のような優しさで
全部 全部私の全てを包み込んだ
アナタの背中に負われながら眺めた八重瀬岳の夕日は
今日も変わらず茜色に街を染める』
地元民と雄平さん視点
「この曲はなんつーか雄平のこと歌ってるみたいだな」
「ほんとそれな!聞いてて雄平の事が浮かんできたわ」
「やめてくれよ!俺も若かったんだよ!親の愛がウザイって思う時期は誰にだってあったろうが!」
「お前ほどじゃねーよ!」
そう言って笑いながらも俺達は何処か懐かしい気持ちになりながら歌を聞いている
『度が過ぎる程の頑固さもわがままも卑怯な嘘もすべて
すべてを包み込むような愛がそこにはありました
アナタのもとに生まれ落ちたことはこんなにも幸せだった
今頃ようやく気付きましたこんな馬鹿な私だから
春先の穏やかな朝に新しい命が生まれました
アナタの様によく笑う宝石みたいな女の子
「優しさの中に凛々しさを秘めた人」になるようにと願い
アナタの一番好きなあの花の名前を付けました』
俺が演奏を終えると拍手が巻き起こるそんな中雄平さんが俺のところにやって来て言った
「ありがとうな光の兄ちゃん!今日の三味線教室はおかげでいつも以上に大成功だよ!」
「こっちこそ、演奏させてくれてありがとうございました」
俺はそう言って頭を下げると雄平さんは少し照れ臭そうに笑っていた、その後俺達は三味線教室を後にして最寄りのバス停に向かって移動中1台の車が俺達のすぐ横に停車し窓を開けると運転していたのは雄平さんだった
「よう、光の兄ちゃんにお嬢ちゃん達、どこまで行くんだ?」
「国際通りまで行くつもりで近くのバス停に向かってる途中です」
「なら、街場のバス停まで送ってやるよ、今からなら街場から乗るのが1番近いし、早いからよ」
「だってさ、どうする?」
俺は皆に問いかけると返答はあっさりしたものだった
「別にいいんじゃない?時間短縮なるし」
「そうね、お言葉に甘えましょう」
「お願いしま〜す」
「だそうなんで、お願いします」
「あいよ、乗んな」
俺達は雄平さんの車に乗せてもらい街場のバス停まで送ってもらいお礼を言ってから車から降り少し待って到着したバスに乗り目的地の国際通りに到着した。
「どうする?ここから別行動にして2時間後くらいにここにまた集まる?」
「一応2人1組の方がいんじゃない?」
「そうね、私も光に賛成よ」
「じゃあ、あたしとひ〜くん友希那ちゃんとりさちーでいい?」
「日菜、たまには私と一緒に行動する気は無い?」
友希那が珍しく日菜にそう提案した
「あたしは友希那ちゃんが良いなら大丈夫だよ」
「じゃあ、日菜と友希那、俺とリサでいいの?」
「えぇ、それで良いわ」
「アタシも…大丈夫」
そうして俺達は二手に別れて行動を開始する
友希那・日菜視点
「ねぇねぇ、友希那ちゃん」
「何かしら?」
「あたしに一緒に行こうって言ったのはりさちーのため?」
「それしか無いでしょう、リサは光の事が好きなようだし、こんな機会でもないとリサは1歩踏み込めないもの」
そう言いながら私は親友の顔を思い浮かべる
「友希那ちゃんは良いの?」
「良いも何も、私は光に恋愛感情はないわよ?」
「どうかな〜」
そう言って1歩先を歩く日菜を見てどうしたものかと考えながら2人であちこち国際通りのお店を見て行く
光・リサ視点
俺達はあちこちのお店を見て回りながら買い物をしている
俺は買ったものは持ち帰るのが面倒なので宅配で送って貰うようにしながら買い物を続けている
「結構買うんだね」
「まぁ、後輩ちゃん達へのお土産とか地元の両親へのお土産とか色々とね」
「光個人の物は買わなくて良いの?」
「俺は、こっちでしか買えないアクセサリーが買えたらそれでいいかな、ピアスがあれば1番良いんだけどね、見て回ってるんだけど、イヤリングしか無くてさ」
「言われて見ると無いね」
「まぁ、あったら買うよ」
「アタシも気を付けて見るよ」
そう言って俺達は買い物を続ける中俺はキャンドルを売っているお店を見つけ立ち寄ってみる
「光、ここってキャンドル専門店だけど、いいのありそう?」
「沖縄独特のアロマキャンドルとかあったら紗夜や燐子のお土産にいいんじゃないかなってさ」
「あぁ!確かにいいかも!香り次第ではピッタリだよね」
「でしょ!だから見ておきたいなって」
「じゃあ、見てみよう!」
俺達は店に入り手に取って香りを確かめながら店内を回っているとレジの手前に並んだ店長のおすすめと書かれたアロマキャンドルを見つけ効果を確認するとリラックス効果増と書いてあった
「ハーブ系と柑橘系を2種類ずつ友希那と日菜も含めて10種類かな?あこちゃんはなんか別なの見ればいいし」
「光、決まった?」
「うん、アロマキャンドルにするよ、後は何種類かキーホルダーを見れたら良いかな?」
そうしてアロマキャンドルを購入しお店を後にした
「リサも買ったんだね」
「うん、桜とミントのアロマキャンドル買ったんだ」
「俺もリサに買ったんだけどな」
「本当に?アタシ何も用意してないよ?」
「別に良いよ、俺がみんなの分と思って買ったやつだし」
「ん〜じゃあさ、アタシからも何か光に買うよ!ピアスとか」
「じゃあ、お願いしようかな」
「任せて!と言っても、光が言ったようになかなかないんだよね、ピアス」
「探せば見つかるよ!シーガラスのアクセサリーの専門店とかでならあるんじゃないかな?」
「かもね、じゃあ、探してみよう!」
そう言ってリサが歩き出してすぐに人にぶつかり転びそうになるのを腕を掴んで引き寄せる
「ごめんね、ちょっと余所見してたよ」
「気をつけなよ、人通りも多いからさケガしたら大変だよ」
「じゃあさ、手繋いでくれない?ほら、人通りも多いしはぐれたら大変だし」
「良いよ」
俺はそう言ってリサの手を握る
「こうしてるとさ、恋人に見えたりするのかな?」
「するんじゃない?俺には身に余る光栄だけどね」
「アタシこそだよ!光はさ自分がモテるって自覚はない
でしょ?」
「俺が?ないない!俺がモテるとかんなアホな!」
「本当のことなんだって!文化祭以来光の人気は右肩上がりだよ」
「初耳だし!それ以上にそれこそ貰ったって困るけどさ、手紙とか貰ったことすら無いよ?」
「それは多分アタシ等が一緒でみんな寄りつけないんだよ」
「なんで?リサ達一緒だったって関係無くない?」
「いや、ほら、日菜もだけど、友希那も美人でしょ?」
「リサも美人じゃん!リサが美人じゃないとしたらそう思う奴らがおかしい!」
「アハハ、なんか、ありがとうね。まぁそれにほらAfterglowとも光、仲良いじゃん!周りにこれだけ女子いたら他の子達も思うように近寄って来れないって話なんだよね」
「あぁ、そういう事!まぁ、俺も知らない子達にチヤホヤされても困るしね、それに今が1番楽しいし、変に今を変えたくないな」
「えっじゃあさ例えばだけど、アタシ等の誰かが光に好きだって言ったらどうするの?」
「前にも言ったけど、それで絆が崩れるなら俺は断るし誰も選ばないよ!もちろんそうならないように皆と確かな絆を作る事が大事だと思うけどね」
「光がそう言うのわかってたよ」
そう言ってリサは少し悲しそうな笑顔を浮かべる
俺は少し迷った末にこう言った
「例えさ、恋人じゃなくても絆の形は色々だしさ、それに、今が楽しいなら今はそれで良いんじゃない?」
「だよね!うん!そうだよね!」
そう言って繋いでいた手を離し腕を組んできた
「さすがに近くない?」
「いいじゃん!たまにはさ!」
「まぁ、いいけどさ」
そうして俺たちは道行く人に聞き込みをしながらシーガラスと珊瑚のアクセサリーが売っている店に向かって移動する。
目的地に到着し俺達は店内を見て回っていると赤いシーガラスと白っぽい珊瑚の首飾りが目に留まる
「これさ、あこちゃんに良くない?」
「確かに、あこ好きそう」
「それから、こっちの赤とオレンジのブレスレットは
香澄とその妹の明日香ちゃんに良いかも 」
「じゃあさ、この青と緑のシーガラスのブレスレットさお揃いでつけない?」
「これで良いの?」
「もし、良かったらなんだけど、この青いシーガラスで作られた羽のピアスとこっちのイヤリングもお揃いで付けてくれないかな?」
「良いよ、せっかくだしお揃いで付けよう」
俺達はそれぞれに目的地の物を買うと俺はブレスレットとピアスをリサはブレスレットとイヤリングを付けて見せを出る
俺はスマホで時間を確認するとそれなりの時間だったので
俺はそろそろ移動しようかと提案した
「そろそろ、戻ろうか」
「もう、そんな時間?早いね」
「楽しい時間ってあっという間だからね、行こう」
そう言って俺はリサに向けて手を差し出すとその手を握り返し握った手をそのままにまた腕を組んできた。
俺は特に何かを言うでもなくそれを受け入れて歩き出す
しばらく歩いていると国際通りの入口が見えて来た
「2人ともいたかな?」
「どうだろう?案外まだだったりするかもよ?」
「とりあえず、行こう」
「そうだね」
俺達は入口に向かって移動し2人が戻ってきているかを確認すると既に2人は待っていたようだ
「お〜い!ひ〜くん!りさちー!」
日菜が手を振っているので俺達も手を振った
「少し急ごう」
「そうだね」
俺達は早足で入口に向かい2人と合流する。
「走らなくても良かったのよ」
「あんまり待たせてもね」
「2人が早いんだよ!ちゃんとお土産買ったの?」
「もちろんよ、と言っても両親とRoseliaの皆のくらいだものそれと貴方と日菜もね」
「何買ったか聞いてもいい?」
「宿についてからよ」
「じゃあ、楽しみにしておくよ」
「えぇ、そうしてちょうだい、さぁ行きましょう」
「そうだね、行こうか!」
「レッツゴー!」
「目的地は宿だね!」
俺達は宿まで移動するためバス停に向かって歩き出すと日菜が俺の制服の袖を引っ張った
「日菜?」
「ひ〜くん、あたしとも手繋ごう」
どこか不安そうな表情をする日菜に対し俺は普段以上に優しく手を握り頭を撫でながら日菜に向けて言った
「俺はここにいるよ!隣に、近くにいるよ」
「うん!行こう!」
俺達は2人の後を追って歩き出す
そしてバスに乗りしばらく揺られて目的地の宿に到着する
「もう、大分揃ってるね」
「予定より早く来ているメンバーが多いのね」
「あたし達も時間ピッタリに来たよ」
「多分だけど、5分前とかに来てるんだよ」
「まぁ、俺等が最後って訳じゃないんだしとりあえずこれから部屋に移動して夕飯までの少しの間宿でなら自由にしていいって話だしとりあえず部屋に行こうよ!」
「荷物は部屋だしね!じゃあ、とりあえず部屋に戻ろうか!」
「だね、じゃあ行きますか!」
俺達は部屋に戻り荷物を置いてくつろぎ始める
俺はさっそく買ってきたお土産を友希那達に渡す
「3人とも、これは俺から、アロマキャンドルとシーガラスと珊瑚のアクセサリー」
「オシャレな物を選んだのね、センスもなかなかよ」
「可愛いし綺麗!」
「だよね、アタシもそう思うよ、ありがとうね光」
「どういたしまして」
「光、これは私からよ」
「開けても良い? 」
「もちろんよ」
俺は箱を開けると中身はサメの歯の紐で調整するタイプの
ネックレスだった
「よく見つけたねこういうのなかなか見かけないんだけど 」
「たまたま見つけたのよ、光が好きそうだと思ったから買ったのよ」
「あたしからは珊瑚のブレスレットだよ!これが1番ひ〜くんにね似合いそうだなって」
「確かにシンプルでカッコイイねありがとうね3人とも」
「どういたしまして」
「礼には及ばないわよ」
「こっちもありがとうね」
そうして俺達はお互いに買ったものを渡しあった後しばらく
雑談に興じ夕飯までの時間を過ごしその後夕飯を済ませて戻ってからリサ達はテレビを見ているので俺は広縁に出て何となくギターを弾いていた特に曲を決めず適当に選曲して弾いていく数曲演奏していると日菜が俺の座っている場所の反対側に座ると話しかけてきた
「ひ〜くん、なんか聞かせて」
「演奏だけで良いならいくらでも」
「じゃあ、あれ聞きたい!あのラストライブで歌ったヤツ!」
「どれ?2.3曲やったけど」
「あの今日が終わるって歌詞が入ってるやつ!」
「あぁ、あれか!演奏だけでいんだよね?」
「うん!」
「良いよ、じゃあ、始めるよ」
俺はオワリはじまりを演奏する今回は演奏だけだ、でも、演奏だけだからこそ世界観が広がる
友希那やリサもいつの間にかこちらに来て俺の演奏を聞いている
それを横目に俺はただ奏でることに集中するいつものように深く深く曲という世界観に自分を浸していく中でラストまで演奏し演奏を終える
「演奏だけと言うのもたまにはいいものね」
「そうだね、見えてる世界が広がった気がする」
「やっぱりひ〜くんの演奏は凄いよね!」
「俺なんてまだまだだよ」
そう話していると部屋の扉がノックされて入浴時間だと告げられた
「アタシ達は入浴時間だし行くけど、光は?」
「俺は部屋のシャワーで良いよ、入浴は元々あんまりしないからね」
「光はシャワー派なのね」
「そう、入浴する時は少しぬるめのお湯に使って考え事する時だけだから」
「そうなんだ、まぁ光がそれで良いならアタシ達は行ってくるね!」
「行ってらっしゃい」
リサ達が入浴に行ったのを見送ると俺も着替えを持って部屋のシャワールームに行きシャワーで体と髪を洗って軽く全身に熱めのシャワーを浴びてからシャワールームを出て着替えてからまた広縁に戻りまたギターを弾いているとリサ達が戻ってきた
「おかえり、早かったんだね」
「髪はこっちで乾かそうと思ってさ早めに戻ってきたんだよあっちだとコンセントの取り合いになるからさ」
「なるほどね、じゃあ早く乾かしなよ、風邪ひくよ」
「そうするよ、うるさいかもしれないけど、気にしないでね」
「ギター弾いてるから平気だよ」
「そういえばひ〜くんはシャワー済ませたの?」
「うん、少し前にね」
俺がそう言うと日菜は俺の髪に触れる
「まだ、髪濡れてる」
「タオルで拭いただけだからね」
「ちゃんと乾かしなよ」
「普段からこうだから気にしないで」
俺がそう言うと日菜は俺の首にかけていたタオルを俺から取り上げると俺の髪を拭き始める
「日菜、そこまでしなくていいよ」
「あたしがやりたいの!言いでしょ?」
「まぁ、良いよ」
結局ほとんどされるがままの状態で成行き任せにしながら俺はギターを弾いていると日菜は満足したのか、俺から離れた
「満足した?」
「大分乾いたよ」
「ありがとうね」
「どういたしまして」
その後俺達はリサが持参したトランプで消灯時間まで遊び倒し結局俺はほとんど負けだった。どうにも音ゲーやリズムゲーム以外は苦手な俺だ、ちなみに罰ゲームとしてリサと日菜はそれぞれデート1回、日菜は紗夜も同伴らしい
友希那はRoseliaの曲をカバーした時は真っ先に聞かせてくれたらそれで良いらしい、正直1番ハードルが高い要求だと思ったのは黙っておく、そして消灯後俺は音楽を聞きながら目を閉じていたがどうにも眠れずに身体の向きを何度も変える
結局俺は眠る事を諦めて身体を起こし荷物からバイオリンを取り出し広縁に行き備え付けの椅子に座り窓を開けると少し湿り気を帯びた風が入ってきた
「温暖な気候だからなんだろうけど、少しぬるめの風が気持ちいいな 」
そう言って空を見上げると月の青白い光が夜闇を照らしている。俺は立ち上がり窓を背にしてバイオリンを弾いていく
曲は月光花だ月から連想したのは言うまでもないだろう
少しして月光花を弾き終えると俺の名前が呼ばれてその方向を見ると声の主は友希那だった
「やぁ友希那、ごめんね起こしちゃった?」
「いいえ、私も眠れずどうしようかと思っていたらバイオリンの音が聞こえてきたから、音の方に来てみたら貴方がバイオリンを弾いていたからせっかくだし聞かせてもらおうと思ったのよ」
「俺の演奏で良ければいくらでも」
「そうさせてもらうわ。ちょっと待っていてちょうだい」
そう言うと友希那は備え付けの小さな冷蔵庫から冷やしていたペットボトルの紅茶を2本持ってきて1つを俺の方に置き反対側の椅子に座る
「じゃあ、さっそく聞かせてちょうだい」
「それじゃあまた月光花からね」
俺はそう言ってもう一度月光花を演奏する
友希那の方は目を閉じ演奏を聞くことに集中している
俺はその様子を見てしっかり演奏を届けようと思ったので弾く事だけに集中する
そうして月光花の演奏を終えてから間を置かずに生まれる願いを演奏するこの曲はキーボードで演奏するのも悪くない
この曲だけは弾きながら歌えるが今は演奏だけでいい
そう思って演奏しているとあっという間に曲が終わる
そしてそのまま3曲目を演奏する。3曲目はキラメキだ
季節の移り変わりと恋の終わりが同時にやってくるような、そんな曲だ、何気なく友希那の方を見ると友希那は相変わらず目を閉じて聞いている。俺は季節の移り変わりをイメージしながら弾いて行き長いようで短いような演奏を終えて友希那を見ると穏やかな寝息が聞こえてきた
「友希那、こんな所で寝てたら風邪ひくよ」
「………ん〜…」
軽く肩を揺すってみたが起きる気配がない
俺は軽く頭を掻いてから友希那をお姫様抱っこの要領で抱えて2人が寝ている部屋に運び布団に寝かせ俺も自分の布団に戻りスマホで時間を確認すると既に日付は変わっていた
俺はまだ眠れそうもないとまたしばらくバイオリンを弾いていた
リサ視点
正直眠れない、眠れるわけが無い、なぜなら扉を隔てた向こう側に私の好きな人が寝ている手を伸ばせば届くところにいるそれが今のアタシにはもどかしい、そう思っているとバイオリンの音が聞こえてきた、光がバイオリンを弾いているんだなと思った。そんな時友希那が身体を起こし部屋を出て行ってから少ししてから光が友希那を抱えて部屋に入ってきた
アタシは友希那が羨ましかった、友希那と光はお互いにお互いだからこそわかる部分があるからなのか2人でいる時は本当に楽しそうで、それがアタシは羨ましいそう思いながらじっとしているとまたバイオリンの音が聞こえてきてそれに誘われるように眠気がきてそのまま眠りに落ち着いた
次の日
「あぁ〜眠い!」
「ひ〜くん寝不足?」
「夜中まで起きているからよ」
「眠れなかったんだから仕方なくない?」
「ちゃんと寝ないと体に悪いよ光」
「分かってはいるんだけどね〜」
そんな話をしながら俺達はバスに揺られて目的地に到着する
今日は夕方まで全員で行動する流れとなっている
最初は美ら海水族館だ、水族館で俺達はそれぞれの班に別れて行動する。
俺個人もイツメンと一緒にあちこちの水槽を見て回りつつ
水族館特有のお土産を何種類か購入した
「ここでもお土産買ったの?」
「うん、こういう場所の方がいいものあったりするんだよね、だから、いくつかね」
「そっかそっか、でもそろそろなんかショーが始まるらしいよ」
「そうなの?」
「とりあえず全員でそれ見るから集まれってさ」
「わかった、今行くよ」
そうして俺達は移動し学年全員でイルカとアシカのショーを見た後首里城に移動し全員で写真を撮りその後昼食を済ませてからまた移動し今度はひめゆりの塔を見学した
俺は慰霊碑のようなものを見ながらこれそのものがなにかの傷跡なんだなと思っていた
「そういえばひめゆりの詩って曲があったっけな」
「どんな曲?」
「確か世界平和を歌った曲だったと思うよ」
「カノ嘘では世界平和を歌うより小さな日常を歌っていたいって葛藤があったわね」
「あたしどっちも知らな〜い」
「そうだっけ?」
「全然だよ〜!とりあえず、今度その歌聞かせて」
「そのうちね、あの歌こそここで歌わないといけない曲なんだろうけどね」
「じゃあ、歌ったら?」
「出来るなら弾きながら歌いたいからパス」
「残念」
「仕方ないわよ、そろそろ行きましょう」
「だね」
そうして俺達はその場を後にしバスに乗り込み空港まで移動しそこから飛行機に乗って東京に帰る
道中俺は眠ろうかとも思ったが大半のメンバーが眠っており俺の横で日菜も眠っているために俺は仕方なく音楽を聞きながら窓の向こうを見ているとぼーっとしてる間に到着したようで俺達はそこからまたバスで学校まで移動する日菜は相変わらず起きる気配がないのでバスまでおぶってそこから学校までの間も寝かせておき、学校に着いたタイミングで日菜を起こして荷物を降ろさせる
「良く寝た〜」
「俺は寝不足だよ、日菜達寝てるのに俺まで寝たら誰も起こす人いないじゃん、先生だって声は掛けるだろうけど、最終的には各自でって感じだしさ」
「アッハハなんか、ごめんね」
「いいよ、帰ったらすぐ寝るから」
「光もこう言ってるし気にしないことにしましょ」
「そうしてよ」
「それよりもひ〜くん!一緒に帰ろう」
「荷物あるからタクシー呼ばないと、ちょっと待ってて」
俺はそう言って電話でタクシーを2台呼んで待つ事にした
「光、良いの?アタシ達までタクシー呼んでもらって」
「良いよ別に、どうせ荷物はあるんだしさ」
「ならお言葉に甘えるわね」
「うん」
そうして待っていると校門の前に2台のタクシーがやってきたので各自荷物を積み込み解散する
「明日は休みだし明後日また学校でね2人とも」
「うん、また明後日ね」
「バイバ〜イ」
俺達はお互いにタクシーに乗り込み帰路に着く俺の方は日菜を先に送り届けて荷物を降ろすのを手伝い忘れ物がないか確認する
「忘れ物はない?大丈夫?」
「大丈夫だよ〜手伝ってくれてありがとうねひ〜くん」
「大した事ないから平気だよ、後これ、紗夜に渡しておいて」
「お姉ちゃんへのお土産?」
「そう、直接渡せたら良かったんだけど、まだ帰ってないみたいだから」
「そうみたいだね、わかった渡しておくね」
「よろしく、じゃあ、またね」
「うん、またね」
俺はそう言ってタクシーに乗り込み再び帰路に着く
そこから5分程度で自宅に到着し俺は荷物を降ろしお金を払いタクシーを返した後家に入り玄関に荷物を置いてすぐに着替えを持ってシャワーを浴びに行きシャワーを済ませてから着替えて部屋に行きベッドに倒れ込む
「全然眠れなかったからもう限界!おやすみ」
そう呟いて意識を手放した
こうして俺の修学旅行は終わった
更新遅くなりました!すいません!
相も変わらず忙しい日々か続いており執筆が進みませんが出来るだけ早く更新出来るように頑張ります。
とりあえず、まずは次回作の話から行くともう一作品追加しアンケートを募集しますので改めて回答をお願いします
僕らが理想とする音へと空に憧れた少年とバンド少女達の他にもう1つ友希那をメインヒロインとした歌姫と僕とを追加しました。
簡単なあらすじは活動報告にて紹介しておきますのでチェックしてみてください。
次回から光君の過去を含めてカバーライブ編を書いていきます。1つ言っておくと光君の過去は重苦しいギスギスした感じのではないです。ちょっとした失敗の様なものなのでそのつもりでいてください。それではまた次回
次回「光の過去と今の夢」
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