僕等が奏でる歌と音   作:凌介

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光の為にLIVEをすると皆が決めた中で光本人はこれからどう行動していくのかと…


第25話テレビ出演と皆の気持ち

ーパスパレsideー

その日、あたし達パスパレのメンバーは練習の為に事務所のスタジオに集まっていた、まだ彩ちゃんと千聖ちゃんは来てなくてあたしと麻弥ちゃんとイヴちゃんだけだった

「2人とも遅いな〜彩ちゃんはバイトって言ってたけど、そろそろ終わる頃だし、千聖ちゃんもそろそろ来てもいい頃なんだけど」

「確かに今日は普段より遅いッスね」

「何かあったんでしょうか?」

なんて話しているとスタジオの扉が開いてマネージャーと

一緒に彩ちゃんと千聖ちゃんも入ってきた

「2人とも遅〜い!何してたの?」

「私はバイトが終わって今来たとこ」

「私も少し撮影が長引いて今、来たら、マネージャーと一緒になってここまで来たのよ、彩ちゃんもスタジオに来るちょっと前に合流したのよ」

「そうなんだぁ〜」

「それで、マネージャーさんここに来たってことは何か話があるんですよね?」

「はい、実は報告があります!テレビ出演が決まりました今週の土曜、ミュージックステージで演奏してもらいます」

あたし達は驚いた、特に彩ちゃんは驚き過ぎて固まってる

「じゃあ、それに向けて本格的な練習をしないとですね!」

「さっそくやりますか!」

「待って皆!まずは曲を決めないといけないわよ!」

千聖ちゃんがそう言ってあたし達を止めた

「マネージャー、ミュージックステージでの演奏そのものの時間はどのくらい?」

「2曲分ですね、1曲目はデビュー曲をお願いしますと言われています。」

「じゃあ、しゅわりんどりーみんともう一曲かぁ〜」

「はい!ゆらゆらやりたい!」

「申し訳ないけれど彩ちゃん今回は却下よ!無難にパスパレボリューションズでいいんじゃない?」

「私も正直賛成っすね今回は無難に行きましょう」

「堅実にです!」

「あたしは、なんでもいいよ〜」

「わかった、今回は確実性重視だもんね!とりあえず、曲も決まったし練習しよう!」

「そうね、私も1時間は大丈夫だから付き合うわ!」

そうしてあたし達は練習を始めるんだけど、どうにもるんってしない、なんか、ガチャガチャしてるって言うか、なんて言うかひ〜くんならわかるかな?

「あっ!そうだ!ひ〜くん!」

「え?」

「はい?」

「うわ!」

「何事ですか!?」

「ひ〜くんだよ!ひ〜くん!呼ぼうよ!それで練習見てもらおう!当日までの間さ!」

あたしの提案になんでか皆がキョトンってしてる

「どうしたの?皆」

「どうしたもなにも、日菜ちゃんいきなり何を言い出すの」

「そうだよ!」

「えっととりあえず、なんでいきなりそう思ったか聞いても良いっすか?」

「理由は大事です!」

「さっきから練習してても全然るんってしないの!なんかねガチャガチャしてるって言うか、音がうるさいの!だからひ〜くんならこれが何かわかるんじゃないかなって!」

あたしは、皆に自分の考えを伝えた、皆が何か考えている

中で麻弥ちゃんが真っ先に口を開いた

「つまり、演奏に違和感を感じてて、その原因がわからないから、それがわかりそうな光君に練習を見てもらおうって事っすか?」

「そうそう!」

「でも、光君の予定大丈夫かな?」

「そうよ、それにいきなりお願いして引き受けてくれるかしら?」

「千聖ちゃん忘れてない?ひ〜くんに夏祭りLIVEの事で貸しにしてもらった事」

あたしの発言に皆が忘れてたって顔をしてた

「今日、今すぐは無理だけど、明日学校で会ったらひ〜くんにあたし聞いてみるよ!」

「なら私もお供します!一応クラスは違うっすけど、学校は一緒なので私からもお願いしに行きますよ!」

「じゃあ、ひ〜くんとあたしで麻弥ちゃんのクラスに行くよ!」

「そうして貰えると助かるっス」

「ちょっといいかしら?」

「な〜に?」

「思ったんだけど、光君が毎日練習見るのは無理がないかしら?だって彼circleでバイトしてるわよね?」

「あたし達が行けばいいじゃん!」

「そうは言うけれど…」

「でも、日菜ちゃん、私もバイトがあるし、千聖ちゃんだって女優の仕事もあるんだよ?」

「終わってから来ればいいよ!それかどうしてもって言うなら後からひ〜くんに個別で教えてもらえば?」

「まぁ、私はそれで良いわ、実際何度か個別で練習見てもらったことはあるから」

「じゃあ、決まりね!マネージャーの件頼んで見るよ!じゃあ、あたし帰るね!このまま練習しててもるんってしないし、楽しくない!」

勝手だとは思ったけど、こうでもしないと皆がこのガチャガチャしてるだけの演奏を続ける事になると思ったから無理矢理だけど終わらせた

あたしは急ぎ足で帰宅しすぐにひ〜くんに電話した電話越しでもひ〜くんの声が聞こえると、とってもるん!って

するから、あたしは密かにるんってする気持ちを抑えながらひ〜くんが電話に出るのを待っている

 

光side

普段日曜はバイトが休みだけど、珍しくバイトだったので

俺は少しくたびれた

「とりあえず、シャワー浴びて遅くなったけど夕飯食べないと!でもなにもしなくないなぁ〜月1の機材総点検でくたびれたよ本当に!」

なんてボヤいていると、スマホが鳴った

「こんな時間にだれだろ?」

俺はくたびれたからだを引きずるようにしてスマホに手を伸ばし電話に出る

「はい、もしも〜し」

(もしも〜しひ〜くん!あたし!日菜!)

「こんな時間にどうしたの?」

(ひ〜くんなんか疲れてる?)

「今日月1で機材総点検でバイトだったからちょっとね」

(そっかぁ〜じゃあ要件だけ伝えるね!)

「悪いけど、そうしてくれる?」

(うん!実はね、ひ〜くんにまたちょっとの間マネージャー件技術指導で練習見て欲しいんだよね!)

「てことは、借りを返す形でいいの?」

(うん!それでいいよ!)

「とりあえず、詳しく聞かせて」

そうして俺は日菜から簡単にそしてできる限り詳細に話を聞いた

「つまり、要約すると、テレビ出演が決まって練習を始めたはいいけど、ガチャガチャしてて単なる騒音にしか聞こえないくらい今の演奏にバラつきがあるから具体的に第3者視点でアドバイスして欲しいってこと?」

(そう!そういう事!)

「麻弥さんならすぐに気付きそうなものだけどな〜」

(麻弥ちゃんすっごく渋い顔してた、もしかしてわかってたのかな?)

「確信が持ててないだけかもよ」

(う〜んとりあえず、ひ〜くんにお願いしたいな〜)

「まぁ、付きっきりって訳には行かないから、最低週3はcircleになるけどそれでも良いなら引き受けるよ」

(わかった、皆に話してみるね!それでOKならお願いね!)

「了解、じゃあ、おやすみ」

(おやすみ〜)

俺は電話を切ると気持ちを切り替えて手早くシャワーを済ませて夕飯を食べてから俺はキーボードを弾いて行く

なぜか今回はどうしても、ルミナスの出番になりそうな、

そんな予感がしてるだから、今はキーボードを弾く

多分キーボードじゃなくてグランドピアノなら良いんだけどな〜と思いながら何曲か弾いた後就寝した。

次の日

俺はいつもより少し早めに登校する

そして昇降口で靴を履き替えていると挨拶と同時に日菜が飛びついてきた

「おっはようひ〜くん!」

「おはよう日菜、お願いだから靴履き替えてるタイミングで抱きつくのはやめてね」

「ごめんね〜」

「いいよ別に、怒ってないからね、とりあえず、教室いこう!」

「うん!」

俺達は教室に向かい荷物を置いてから麻弥さんのクラスに向かった

「麻弥さんもう来てるかな?」

「まだかもよ?」

「とりあえず、行ってみよう」

「そうだね」

そう言って俺達は教室を出て麻弥さんのクラスに向かった

俺達は麻弥さんのクラスに行きクラスの子に麻弥さんが来ているか確認するとちょうど来た所だと呼んできてくれた

「さっそく来てくれたんすね!日菜ちゃんからおおよその事情は聞いてると思うッス」

「まぁね、とりあえず、場所変えようよ、隣の空き教室使わせてもらおう」

「そうッスね」

そうして俺達は空き教室に移動し話し始める

「多分ですけど、やっぱりテレビ出演が関係は間違いなくしてるッス、多分緊張とかプレッシャーとか、後、やっぱり

まだFIRSTLIVEの事が尾を引いていると思うんすよ」

「その件は正直切り替えろとしか俺からできるアドバイスは無いよ…でも、多分それだけじゃないんだよね?」

「ハイっす…どうしても、FIRSTLIVEの事がトラウマと言うか、多分同じようになったらって皆が思ってると思うんです」

「なるほどね、そうなると、俺が何かするのは難しいなぁ

もちろん練習見てアドバイスをするくらいは出来るけどさ

後は、話聞いたりとか?」

「それで十分だと思うッスよ、後は皆の気持ち次第にはなると思うッスけどね」

「だよね、まぁ、とりあえず、今日から練習に参加させてもらうけど、circleに来れる?」

「それは大丈夫だと思うッスよ!光君に合わせますよ」

「じゃあ、2人から連絡はお願いね、彩と千聖の都合は聞いておいて必要なら2人で練習してもらう場合もあるからさ」

「わかったッス!」

「OK〜」

そうして俺達は自分のクラスに戻り通常通りに授業を受けたりと普通に過ごして放課後を迎えた

「光、今日はバイトかしら?」

「そうだけど、来るの?」

「そのつもりよ、いつもみたいに練習見てもらえるかしら?」

「良いよ、とりあえず、おれは一度帰って荷物置いてから行くから先行ってて」

「OK!じゃあ先行こう友希那」

「わかったわ、さきに行って待っているわ」

「了解」

「待ってひ〜くん!私も行くよ〜」

「あ〜はいはい、行くよ〜!」

そうして俺は日菜を自転車の後ろに乗せて自分の家に一度戻り荷物を置いてそこから日菜の家を経由してcircleに向かった

「まりなさん、お疲れ様です。」

「お疲れ様、Roseliaの皆来てるよ!今日はパスパレも来るって連絡があったし、光君忙しいね!」

「本当ですね〜、練習見るのがメインになってますよ、マジで!」

「まぁ、仕方ないんじゃないかな?光君結構演奏技術高いし、それだけ皆から信用されてるって事でしょ!」

「だと良いんですけどね、とりあえず着替えてきますね」

そう言って俺はスタッフルームに行き着替えてから友希那達の所に向かい1時間程練習を見てアドバイスして行くそして友希那達が休憩に入ったタイミングで日菜が話しかけきた

「ひ〜くん!今、連絡あってこれから皆揃うけど練習見て貰える?」

「到着までどのくらい?」

「さぁ〜?多分皆バラバラに来るだろうから、30分くらい?」

「Roseliaの練習時間は2時間だし、全員揃ったタイミングで声掛けて」

「わかった〜それまでゆっくりあたしも練習して待ってようかな」

「悪いけど、そうして、後で練習見てアドバイスはするからさ」

「わかった〜」

そうして俺は予定通りRoseliaの練習に参加し時々自分で弾いたりしながらアドバイスして行く

そしてRoseliaの練習時間は終了した

「今日も疲れた〜光ってば最近いつにも増してスパルタなんだもん!指痛いよ!」

「ごめんね、練習とはいえ手は抜けないよ、それに、自分達の技術が上がってるの実感できない?」

「それは、そうだけどさ〜光って普段はどのくらい練習してるの?」

「予定がない時は半日くらいはずっとギター弾いてるよそっからさらに2〜3時間はキーボード弾いてるしベースだって最低2時間はやるよドラムは場所取るからあんまりやらないけどね」

「じゃあバイオリンは?」

「寝る前の30分くらいかな」

「普段学校の時は?」

「バイトがない時はギターも弾くけど、バイトで遅くなった時はキーボードとバイオリンくらいだね」

「あなた普段はどのくらいの力量で演奏するの?」

「路上LIVEの時でも5割くらい?」

「じゃあ、この間のLIVEは?」

「あれも5割くらいだったね」

「そんなんで本気の演奏ができるの?あなたの全力の演奏はどれだけ凄いのよ」

「感じ方は人それぞれだからな〜紗夜に聞いてみたら?」

「どうしてそこで私に振るんですか!」

「いや、だってここにいるメンバーの中じゃ日菜と紗夜しか俺の本気の演奏知らないし」

俺がそう言うと全員が紗夜に注目する

「あなたはどう感じたの?光の本気の演奏は」

「そうですね〜強いて言うなら、しっかりと自分自身と向き合ってと語り掛けてくるような演奏でした」

「日菜はどう?」

友希那が少し離れた所で自主練している日菜に質問する

「ん〜ちゃんと言わないと伝わらないよって励まされてるみたいだった」

「どんな曲を演奏したのか聞いてもいいかしら?」

「えっと、絆、ひまわりの約束、瞳だったかな?」

「その3曲で紗夜と日菜に何を伝えたかったの?」

「お互いを大切に思う気持ち」

俺は迷わず答える

「じゃあ、アタシの誕生日にくれたCDには?」

「夢に向かって頑張れって気持ちと夢の舞台に立つ自分を強くイメージして欲しいって思って選曲したよ」

「そうなんだぁ〜」

なんだかリサが嬉しそうだけど気に入ってくれたならよかったと思った

「まぁ、いいわ、そのうち聞く事があるかもしれないし今日はこのくらいにしましょ、後は自主練ね」

「了解!」

「わかりました。」

「は〜い!」

「はい、わかりました」

そうしてRoseliaの皆は今日は皆帰るようなので俺はとりあえず、見送る事にした

「じゃあね皆!道中気を付けて」

「えぇ、大丈夫よ」

「まぁ、駅まではみんな一緒だしね〜」

「そうですね、駅まではみんな一緒なので問題ないかと」

「みんな一緒だから大丈夫だよ!」

「気を付けますね」

「日菜、私は先に帰るわね」

「うん、後でね!お姉ちゃん!」

「えぇ」

そうしてRoseliaの皆は帰って行き俺は日菜と一緒にギターを弾いていると麻弥さんとイヴがやって来てそこから更に遅れて彩がやって来た

「ごめんね、遅くなっちゃった」

「まだ間に合うから大丈夫だよ、ところで千聖は?」

「今日は来れそうにないんだって、舞台の仕事が押してるんだって」

「ん〜じゃあ、後で個別に練習するしかないか、とりあえず、今回は千聖抜きで練習しよう」

「まぁ、仕方ないよね」

「今回は仕方がないです!」

「まぁ、よくある事だし」

「今日はどうしようもないしね」

全員が納得したようなので千聖抜きで練習する事になった

俺はとりあえず演奏を聞きながらアドバイスして行く、おそらく日菜が言っていたガチャガチャした感じは音のバラつきだろうと思っていたが、違った、多分テレビ出演と言うことで少なからず緊張があったんだろうだから自分達の演奏ができていなかったのだろう

「一通り演奏聞いたけど多分緊張から自分達らしい演奏が出来てなかっただけだと思うよ」

俺がそう言うと日菜は首を傾げていたが、自分なりに納得したのだろう、その後1時間程練習してその日は解散した

俺もその日は上がりの時間になったので日菜と一緒に帰る

「ねぇねぇ、ひ〜くん本当は緊張からとかじゃないんじゃないの?」

「気付いてた?」

「何かあるんだろうなくらい」

「実際緊張からくるってのも要因の1つだけど、多分気持ちの問題だね」

「どういう事?」

「ちょっと説明が難しいんだけどさ、遊びに例えるならみんな一緒に楽しめる遊びを外でやるか屋内でやるかの違い」

「えっと、つまりまだ気持ちがひとつになってないって事?」

「まぁ、当たらずとも遠からず」

実際の俺の考えでは多分期待や不安など様々な感情が邪魔をしているというのが個人的見解だ、だが、それを伝えたところでどうなるものでもないとあえて黙っている

その後日菜を送り俺は帰宅しすぐにキーボードを弾き始める

「この曲かな?」

そう言って俺はstoryを演奏する

この曲を実際弾く事になるかはわからないけど、今はこれがピッタリだと思う中で演奏している

演奏が終わると俺は部屋を後にし遅めの夕飯を済ませシャワー浴びて部屋に戻りまたキーボードを弾いて行く

そうしていると不意にスマホが鳴った連絡してきたのは意外にも彩だった

「もしもし、どうしたのこんな時間に」

(ごめんね、こんな遅くに、でも、今日の事聞いておきたくて)

「何か気になったの?」

(うん、光君あえて黙ってたけど、気付いてたんでしょ?みんなの気持ちがバラバラな事、私はテレビに出る不安と期待

イヴちゃん、麻弥ちゃんは多分心配とかで日菜ちゃんは多分

まだ演奏がバラバラと言うかガチャガチャしてる事の不安と焦りとか)

「どうしてそう思ったか聞いていい?」

(多分千聖ちゃんが大きく関係はしてると思うんだテレビ出演が決まったあの時千聖ちゃんは冷静なつもりだったけど、不安とかプレッシャーって言うのかな?あったと思う、だけど、冷静に皆を上手くまとめてくれてた表に出さないだけでそういうのあったと思うんだ、皆気付いてて言わなかったんだと思う)

「だろうね、まぁ、千聖も含めそれは皆だろうね」

(だよね、それは私もそう思うよ)

「たださ、ちゃんと皆と話なよ、伝えなきゃ伝わらないんだからさ」

(うん、ありがとう光君、じゃあ、またね)

「また明日」

そう言って電話を切ると俺はスマホを充電し寝る事にした

眠るまでの間俺は今日、千聖が来なかった理由を考える

が答えは出ない、本人の考えが分からない以上俺は何もできないし、動けない

そんな事を考えながら眠りに着いた

次の日普段通り学校を終えて日菜と麻弥さんと3人でパスパレの事務所の練習スタジオに向かった

そして、その日も千聖は練習に来なかった

そして水曜日、俺は放課後はcircleのバイトのためパスパレのメンバーにはcircleに来てもらっていた、そして、案の上と言うか、やはりというか、千聖は来ていない。

今日もまた音が足りない、そんな中で練習するが音はまとまらない

「今日はこれぐらいにしようか、どうにもまとまらないし」

「そうだね、ごめんね光君、せっかく練習見てもらってるのに、全然まとまらなくて」

「音が足りないってのも1つの原因だから」

「あの、光君もし良ければ今の私達の音がどう聞こえてるのか教えて欲しいッス」

俺は少し考えた後返答する

「わかった、ギター以外の楽器は皆の借りるね」

「そうしてくださいッス」

俺は自分のギターを取り出し、まずは日菜のギターが俺に

どう聞こえているのかを俺の演奏で伝える

それからドラムとキーボードも同じように演奏して聞かせる

俺はベース以外の演奏を終えると質問する

「伝わった?」

「凄く伝わったッス」

「はい……」

「だねぇー」

「うん……」

「まぁ、あくまで俺がこう聞こえてるってだけだから、あんまり気にしなくていいよ!」

「でも、やっぱり気にするよ!光君は自分の音がいつもと違うって感じたらどうするの?」

「簡単だよ…納得するまで、どんなに手が痛くても喉が痛くても弾くし、歌うそれだけ、でも、俺は1人でやってるからそれが出来るってだけで皆は真似したら駄目だよ」

「じゃあ、どうすればいいの?」

「その答えは自分達で見つけないと、そこで俺が答えを出したらそれが間違ってても皆は俺が言うならって妥協しちゃうでしょ」

俺がそう言うと皆は黙ってしまう俺はどうしようかと悩んだ結果1つの質問を口にする

「あのさ、皆はこのメンバーと出会えてよかったと思える?」

「どういう事?ひ〜くん」

「言い方変えようか、このメンバーじゃなきゃ、またはこのメンバーとだからこそ楽しいって思えてる?」

「あたしは今のメンバーで演奏するのは楽しいよ!ひ〜くんと文化祭で一緒に演奏した時はまた違った楽しさがあったけど、このメンバーだからこそるんってするよ!」

「そうッスね、私もこのメンバーだからこそ楽しいって思えるッスよ!」

「ハイです!私も同じです!」

「私も!今のこのメンバーだからこそ楽しいって思えるし、多少すれ違っても何とかなるって思えるよ!」

「なら、今はそれだけを考えて演奏してごらん!そうすればきっと今までみたいな演奏ができるよ!」

俺がそう言うと皆は黙って頷いた

「じゃあ、もう1回演奏してみなよ」

「やってみる!」

彩がそう言うと他の皆も頷いて演奏する

最初の音でわかった、バラつきが殆ど無くなり元の音に近づいていることが、多分皆もわかっただろう

そうして演奏を終えると皆はとても満足そうな表情をしていた

その後俺達は解散し俺はいつも通り日菜を送り届け帰宅すると俺はベランダに出て千聖に練習する。

3度目のコール音の後に千聖に繋がった

「もしもし、千聖、今良いかな?」

(どうかしたの?こんな時間に)

「どうしたじゃないよ、彩とイヴから聞いてない?今、サブマネージャー件指導役としてパスパレの練習見てるんだよ」

(そういえばそんな事を聞いた気がするわ)

「仕事、忙しいの?」

(もうすぐ舞台公演があるのよ!それでちょっとバタバタしてはいるわね)

「パスパレはどうするの?」

(どうするって、もちろん、そっちも全力でやるわよ!個人練習は欠かしていないわ)

「なら、いいけど、ちゃんと練習には参加してよ!5分でもいいからさ」

(そうね、わかってはいるのよ、でも、舞台の方も忙しいのよ)

「あのさ、言い難い事はっきり言うけど、怖いの?パスパレとしてテレビに出るの」

(そりゃ、不安はあるわよ、初ライブの時のようなことはごめんだもの)

「だからこそ練習に参加して欲しいんだよ!失敗を考えるよりも成功の確率を1%でも上げようよ!」

(あなたに何がわかるのよ!!私はこれでも全力よ!精一杯よ!なのに、あなたはまだ私に頑張れって言うの!?)

「言わないよ、頑張れってはね、たださ、時には誰かを頼ってもいいんじゃないの?」

(嫌よ!私は1人で出来るわ!やらなきゃいけないの!)

「じゃあ、せめて俺を頼ってよ!俺は仲間のためならなんだってする、必要なら演奏だって聞かせるし、パスパレのみんなに頼りづらいならせめて、俺には頼ってくれよ!」

(尚の事嫌よ!誰かに頼ってしまったら、私は弱くなる)

電話越しでも声が震えているのが伝わってくる

俺はどうしたものかと悩んだ結果パスパレの皆にした質問を千聖にもする事にした

「千聖、千聖はさ、パスパレの今のメンバーと出会えよかったってこのメンバーだからこそ楽しいって思えてる?」

(そんなの当たり前じゃない!だからこそ皆に迷惑をかけたくないのよ!貴方にもよ)

「なんで?頼ることの何がいけないの?弱くて何が悪いのさ、千聖、瀬田薫の事は知ってる?」

(もちろんよ、知っているわ)

「あいつね、俺に何でいつもそんなに堂々としてられるのって聞いてきたんだよ」

(あなたはなんて答えたの?)

「その質問された時はいきなり何言ってんのって質問で返したよ、そしたらあいつね演技という仮面で自分を偽らないと強くあれない自分が本当の自分なのか分からないって言ったんだよ」

(でしょうね、私も演技でこの役はこうでいいのかしらって疑問に思う事はあるわよ)

「俺さ、それ聞いて弱い自分を理想の自分を演じることでいつかそれが本物になるならそれでいいじゃんって言ったんだよ」

(彼女はなんて?)

「そうありたいと思ってこれからも自分と向き合い続けるってさ、つまりさ、何が言いたいかって言うとさ、弱くてもいいじゃん!弱い自分を肯定してちゃんと向き合って強くなっていけたらいいんじゃないかな?」

あえて遠回しに言うことで伝わる事だってあるだろう、俺はそう思いあえて遠回しに伝えた、電話の向こうでは千聖は黙っている

「千聖?」

呼びかけるが返事がない俺は千聖の返事を待つ事にしスマホをスピーカーにして返事を待っていると電話越しに千聖の声が聞こえた

(光、ありがとう、私、意固地になり過ぎていたのかもしれないわ!明日から練習に参加するからよろしくね)

「待ってるよ!明日は事務所のスタジオに行くからさ」

(えぇ、わかったわ、遅れないように行くわね)

「うん、じゃあ、また明日」

(えぇ、また明日)

俺は電話を切ると部屋に戻りヘッドホンをしてギターを弾く

そして自分の中にある曲の引き出しをギターを弾きながら開け閉めする

違う…この曲じゃない!もっとあるはずだ現実と自分と向き合える曲が今の状況にピッタリな曲があるはずなんだ

そうしてギターを弾き始めて30分程たった頃やっと見つけた

【現実という名の怪物と戦う者たち】この曲だ!

俺はその曲を弾き始める

現実という名の怪物に押しつぶさそうになった時にピッタリな曲だからこそ届けたい!そうして演奏を終えると俺はギターを置き今度はキーボードを弾いていく曲は時の歌この曲も届ける!そのために選んだ曲だから、そして俺は演奏を終えると次の曲を弾いて行く、平井堅さんのRingだこのRingというタイトルは繋がりとかそういう意味らしい!俺はこの3曲

を通して繋がることの大切さを知ってもらえたらと思った

絶対に今、必要なのは繋がりを大切に思う気持ちだ

俺は演奏を終えるとパスパレのメンバーに同じメッセージを個別に送っておいた

〈 千聖には内緒で頼みがある、どのタイミングでもいいから俺に演奏する時間を作って欲しい、皆に繋がりの大切さを教えるために演奏する〉

そう、メッセージを送るとさっそく返答がきた、間違いなく日菜だ、内容は自分の希望を言って言いならテレビの生放送終了後が希望だそうだ

俺はとりあえず、他の4人の意見次第だと返答すると返信と同時に麻弥さんからのメッセージが届き、日菜と同じくテレビの生放送終了後が希望らしい他の2人からは返答はないがおそらく、テレビの生放送終了後に演奏する事になるだろう

そう思いながら眠りに着いた

そして木曜日学校が終わると俺はすぐに事務所の方に顔を出した、そこには千聖の姿もあった

「来たんだね」

「来ない方が良かったかしら?」

「来てくれて嬉しいよ、さぁ練習しよう!」

そうして練習していく皆の音を聞いていくまだまとまりきってはいないが1つになったと言っていいだろう、俺は目立ちそうな細かいミスを指摘して行く

休憩を挟みながらそれを繰り返しその日の練習を終える

そして帰る前に彩とイヴにメッセージの返答を聞いておく

「彩とイヴ2人は演奏の希望はいつがいいの?」

「そう言えばまだ伝えてなかったっけ?私は生放送終了後がいいな」

「私もそれでお願いします。」

「了解!ちなみに土曜日なんだけど、放送前に練習時間は取れるの?」

「大丈夫だと思うよ放送夜7時だから、夕方5時くらいまではそれ以外の予定はなかったと思う、千聖ちゃんは午前中に舞台の練習の方に出るから、午後からだって言ってた」

「そっか、じゃあそれに向けて演奏のクオリティ上げてこう」

「うん!」

「ハイです!」

そう話してから俺達は解散する

そして俺は昼間は学校、夕方はcircleではRoseliaとパスパレの練習を見てバイトがない日はパスパレの事務所で練習に付き合いその後帰宅してから自分の演奏する曲を練習する日々が続き迎えた当日

午前中は千聖抜きで練習し、午後から千聖も含めパスパレ全員で練習する

「いい感じだよ!細かいミスは殆ど無くなってきたしこの分なら問題ないと思うよ」

「本当に?」

「嘘言ってどうすんのさ!」

「だよね〜ひ〜くん演奏に関しては嘘言わないもんね〜」

「凄く引っかかる言い方やめてね!」

「まぁ、とにかく光から見て問題ないなら大丈夫よきっと」

「そうッスね!」

「ハイです!」

そうして少しの休憩を挟み練習を再開する

「ちょっとストップ!今の演奏はもう少し遅くても大丈夫、その代わり次に繋がる瞬間まで遅くなったら駄目だよ」

俺は演奏を聞いてアドバイスしていき最後の練習を終えて移動する

移動中俺は身だしなみを整え眼鏡を付けて1日マネージャーを引き受けた時と同じ姿になる

「見るのは2度目だけれど、随分化けるものね」

「まぁ、大学生に間違われたりもするし、こんなもんじゃない?」

「どうなのかしらね」

「ひ〜くんがひ〜くんじゃないみたい!」

「人前でお願いだからひ〜くんはやめてね!一応扱いはマネージャーなんだからさ」

「えぇ〜ひ〜くんはひ〜くんじゃん!」

「まぁ、まぁ、今だけは呼び方変えましょうよマネージャーなのだし」

「仕方ないなぁ〜」

そうして俺達は目的地のテレビ局に移動し楽屋で待機していると共演者の人達が代わる代わる挨拶にやってくる

俺もつねに笑顔を貼り付けマネージャーと一緒に名刺を交換して行く

「初めまして、自分はPastel*Paletteのサブマネージャーをしています、宮村光と申します。普段は彼女達の演奏のアドバイスやアフターケアを行っているのですが、本日は同行するようにと仰せつかり、同行しました。」

そう言って名刺を差し出し相手と名刺を交換する

そうして共演者の人達の挨拶が終わり俺は笑顔を崩す

「あぁ〜マジで疲れる!俺、やっぱりマネージャーとか向いてないわ」

「結構様になっていましたよ」

「勘弁してくださいよマネージャーさん営業スマイルって疲れるんですよ!」

「慣れてしまえばどうということはありませんよ」

「俺、本業は学生件路上ミュージシャンなんですけどね」

「聞いていますよ、それにcircleや無くなりましたがspaceでもLIVEされましたよね?」

「どうして知ってるんですか?」

「日菜さんが動画サイトにアップされているあなたの映像を見ながらよく歌を口ずさんでいますので」

「なるほど、それだけ気に入ってくれたなら嬉しいですね、カバーした甲斐がありますよ!」

マネージャーと話しているとノックの音が聞こえ番組のスタッフが入ってくる

「Pastel*Paletteの皆さんスタンバイお願いします。」

「わかりました!」

皆をを代表して彩が答え皆が自分の楽器を手に控え室を出ていく

そんな中で日菜が俺の服の袖を掴む

「どうしたの?もう出番だよ?」

「ひ〜くん、今はあのネックレスつけられないから、代わりの御守りになる様なものあったら欲しいなって」

「ちょっと待って」

そう言って俺は自分のギターケースを開けて普段使っているピックを取り出し日菜に渡す

「これ使いなよ!俺は、予備あるし」

「いいの?」

「普段から使っているやつだからちょっとくたびれてるけど、日菜にあげるよ」

「ありがとう!行ってくるね!見ててねひ〜くん!」

「もちろん!さぁ、行っておいで!」

「うん!」

そうして日菜は皆と合流し放送スタジオに向かった

そして放送が始まり、俺はモニター越しにそれを見ている

「手が届くのに届かないってもどかしいな」

「一応彼女達はアイドルですからね、まぁ、貴方は演奏家ですから、そういう意味ではその気持ちも間違いでは無いと思いますね」

「どうなんでしょうね、俺は少なくとも、彼女達の力になれるなら、何かを捨てたって構わないです、それで仲間が笑ってくれるなら」

「変わってますね、貴方はそんな事を真顔で言えるんですから、だからこそ彼女達も貴方に気を許しているのでしょうね」

「そうだったら嬉しいですね。」

そんな話をしている中でパスパレ以外の共演者の人達が歌っていく、それを聞いてもいい曲だとは思っても、歌いたいカバーしたいとまでは思わない、そんな中で一組のアーティストが絆や友情がテーマの曲を歌っていた

その曲を聞いて俺は考える、絆ってなんだ?友情ってなんだ?

繋がりって?それは目には見えないけど、大切なもの

本当にそれだけ?じゃあ、絆が壊れるのはなんで?繋がりが無くなるのはなんで?どうして無くなるものを大切にできるの?目に見えないものを大切にしたいと思えるの?

多分それが俺達の絆の形なんだろうな、どんなに目に見えないものでも大切に思えたら、それが本物になる

でも、それが正しい答えかは分からないけど少なくとも俺はそう信じる事が大事だと思うから

そんな事を考えるいるといつの間にか曲が終わっていて

パスパレの番になっていた、どうやら曲を聞き逃すのだけは避けられたらしい、パスパレの皆がスタンバイしたタイミングで曲が告げられ演奏が始まる

「ずっと練習してきたんだからさ、最高の演奏が出来なきゃ嘘だよな!」

そう言ってパスパレの演奏に耳を澄ます、聞こえてくる皆の音

日菜のギター、千聖のベース、イヴのキーボード、麻弥さんのドラム、そして彩の歌それがひとつになって最高の演奏になっている

「1人1人が自分の色を見つけられるのはまだ先かもしれないけど、その色が混ざれば虹色だって夢じゃない!」

そうして1曲目が終わり2曲目に入る

パスパレボリューションずの演奏が始まる

会場もパスパレの演奏に釘付けだ、こんな演奏を見せられたら俺も本気でやらない訳にいかない!

俺は自分の意識を切り替える

「ここからは僕の番だな!」

(任せたよ!ルミナス)

「もちろん!僕が君で君が僕なんだ僕らの演奏であの子達に伝えよう!繋がりの大切さをね!」

そうしてパスパレの演奏が終わりそれと同時に生放送も終わりを告げる

そうしてテレビ出演成功の打ち上げが始まる

「「「「「カンパーイ!」」」」」

「うん、乾杯!」

「光君、今回はありがとう!」

「ううん、できる事をしただけだから、頑張った分結果が着いてきただけだよ」

「謙遜も度が過ぎると嫌味よ光」

「そう言われてもな〜、実際頑張ったのは皆であって、練習見るくらいしかしてないのに御礼を言われてもね」

「でも、実際感謝してるのは本当ッスから、ありがとうございます光君」

「まぁ、どういたしましてかな」

「本当にありがとうございます!光君」

「うん、どういたしまして」

4人と話す中で日菜はこっちを見て黙っている

「日菜?さっきからなんで黙ってるの?」

「………ひ〜くんだよね?本当に」

「他に誰がいるのさ!」

「ひ〜くん、ひょっとしてあの時のひ〜くん?」

「どうしてそう思うの?」

俺はあえてはぐらかすと日菜は真面目な顔で言った

「1度でもあの時のひ〜くんを見てたらわかるよ!それに、ひ〜くんさっきから俺とか僕とかの一人称使ってない!」

「アッハハ、そんなとこからバレるとはな〜」

俺は髪を上げて結ぶと深呼吸して話し出す

「そうだよ、今の僕は光であって光じゃない、本気で演奏する時にだけ見せるもう1人の俺なんだよ」

皆は驚いた顔をしていたが、すぐに冷静になり問いかける

「あの時の演奏は本気じゃなかったの?」

「もちろん本気だったよ!ただね、この姿の時の演奏は全然違うものだよ」

「聞けばわかるよ!ひ〜くんの演奏全然違うからね」

「まさにその通りで聞いてもらわないとわからないから、移動しない?事務所のグランドピアノ借りれることになってるんだよね」

「わかったわ、皆、行きましょう!」

そう言って千聖を筆頭に皆が移動する

事務所に着くと事務所のグランドピアノがある部屋に行き

そこで演奏するために準備しアコギの準備をしてからマイクのスイッチを入れて話し出す

「こんばんは、Pastel*Paletteの皆さん!ルミナスって言います!皆が知ってる通り、日菜はこの姿の僕を知ってます。まずはアコギで1曲聞いて下さい曲のタイトルは

現実という名の怪物と戦う者たち」

僕は演奏を始め30秒程度の前奏の後歌い出す

 

『どうして僕だけがこんなに辛いのかといつも思ってた

周りの人ばかり幸せそうに見えた

だけど君と話したら少しだけ気が楽になった

似たようなこと打ち明けてくれたからかな

顔の見えない現実がときに怪物のように

僕らの志を潰そうと押し寄せてくるけれど

出会えて良かったと心から言える 人が少しづつ増えてく

その温もりを噛み締めながら

支え合ったり卑屈をぶつけ合ったり

独りじゃ辿り着けない場所に

僕らは今きっと赴いている途中』

 

パスパレ視点

「これが本気の演奏なの?すっごく引き込まれる」

「でしょ〜!でもまだ序の口だよ!これからだからね〜」

「本当に!?今でも十分凄いのだけれど、まだ序の口って」

「ヤバいです!ハンパないです!」

「いやいや、本当にどうなってるんすか!?」

皆にどういう世界が見えているのかわからないけど、私達は光君が見せる世界に引き込まれていく

『それは傷の舐め合いだと笑う人もいるよ

少し前まで僕もそう思っていたよ

だけど信じられる人がいると日々が少し明るくなる

意固地になってた自分のことも分かる

いつまで一緒にいられるわけじゃないことは

なんとなくわかっているけれど今は手を取り合える

想い描いている景色の中では必ず君が笑ってて

同じ喜びを噛み締めている

信頼を置けたり誰より腹立てたり

独りじゃ過ごし得ない時間(とき)を

僕らは今きっと歩めているから

失ったもの指折り数えたその後で

今ある希望とこれから手にする光を数えてみるんだ

出会えて良かったと心から言える人が少しづつ増えてく

その温もりを噛み締めながら

支え合ったり卑屈をぶつけ合ったり

独りじゃ辿り着けない場所に

僕らは今きっと赴いている途中』

 

俺は演奏を終えると話し出す

「今回の演奏のテーマは繋がりなんだ、この曲を聞いてこのメンバーと出会えてよかったって繋がりを持てて良かったって思ってくれたら嬉しいですじゃあピアノで演奏していくね、次の曲は多分皆が知ってる曲だから、すぐにわかると思うな、じゃあ、さっそく歌っていきます、時の歌」

俺は曲名を告げて演奏しながら歌っていく

 

『空の孤独な鷹よ風に抗いながら

そこにあるのは光と闇1人だけの空

空を見上げて泣いた一人生きてる君よ

真実の名を教えておくれいつの日か消えてしまう君よ

光が闇に溶けるように心の中をとおりすぎる

君の歌を歌うよ』

 

パスパレ視点

曲を聞いた瞬間にわかった、確かに皆が知ってる曲だ

「なんか違う?」

「多分歌ってるのひ〜くんだからじゃない?そう感じるの」

「そうね、私、苗字は白鷺なのに私に歌われているみたいよなんだか」

「多分千聖に向けて歌ってると思うッスよだって光君には

葛藤とかそういうのはお見通しだと思うッスだからこそ皆にそして何より千聖さんに向けて歌ってるんだと思うッス」

「わかる気がします!あの人の演奏と見せる世界には私たちいます」

誰もが知ってる曲だからこそ引き込まれるそんな演奏ができる彼だからこそ伝えられることがあるんだろう

 

『空を見上げて泣いた一人生きてる君よ

真実の名を教えておくれいつの日か死んでしまう君よ

光が闇に浮かぶように沈黙の中をとおりすぎる

時の歌を歌うよ

生まれ消えていくはかない命たちよ

終わりがあり始まりがあるよ忘れないで』

 

僕は届けるこの曲を通して繋がることの大切さを

知って欲しい一人で生きている時間も大切だけど繋がりを持つこと恐がらないでと

 

『空の孤独な鷹よ風に抗いながら

空を見上げて泣いた君よ』

 

時の歌の演奏が終わり僕は話し出す

「ここまで2曲聞いてもらったけど、僕が伝えたい事伝わったかな?繋がりを大切に、人と繋がりを持つことを恐がらないでって伝えられたかな?最後に1曲聞いて下さい曲名はRing

指輪とかの意味ももちろんあるんだけど、繋がりって意味もあるこの曲を皆に聞いてほしい、それじゃあいくね!」

そう言って演奏を始め歌い出す

『永遠に満たされぬ孤独の影に怯えながら

いつか来る輝きを求め人は歩き続ける

1度だけでもいい…喜びに声を上げ泣いてみたい

心の傷跡も忘れられぬ過去もその肩に積もる冷たさも

ゆっくり溶けて流れゆく』

 

パスパレ視点

前の2曲とは違って心の中にスっと入ってくるようなそんな曲だと多分皆が思った、だってサビの部分なんかは私達の中で未だに燻っている気持ちがあるってわかってて選んだ曲だと思った

「いい曲だね」

「だよね〜」

「本当ね」

「ですね!」

「ハイです!」

最後の曲は引き込まれると言うよりは光君の世界に吸い込まれるような感じがしている

 

『本当は誰もみな声にならぬ叫び抱えて

もがいては諦めて今日という日を塗り潰してる

届かなくてもいい…心から愛の歌響かせたい

彷徨う悲しみもやり切れぬ矛盾も

この空に浮かぶ虚しさも時間(とき)が忘れさせてくれる

凍える瞳の奥が今答えを求めてる

言葉にならずただ抱きしめた

震える唇重ねた温もりを胸に…』

 

あぁ、もうすぐ終わる最後の曲が終わりに近づいている

皆に伝えられたかな?伝わったかな?伝わってるといいな!どんな風に感じてくれたかな?

そんな事を考えながらラストサビを歌い上げる

 

『心の傷跡も忘れられぬ過去も

その頬を濡らす温もりがほら輝きに変えるから

あなたの優しさがあなたの喜びが

その指を照らす微笑みがいつも2人を包むから』

 

僕は最後の演奏を終えて鍵盤から指を離しピアノの蓋を閉じて皆の方を見ると皆が静かに泣いていた、僕はその光景を見て嬉しくなった、伝わったんだと

「良かった、伝わったんだね、繋がりを大切に思う気持ちが届いたんだね」

「そうだね、伝わったよ光君が繋がりを大切にして欲しいって気持ちが伝わったよ」

「そうね、歌を聞いて泣いたのなんて始めてよ!」

「やっぱりひ〜くん凄いや!」

「本当に最高でした!」

「とっても素敵な演奏でした!」

「ありがとう皆」

「こちらこそありがとう大事な事に気付かせてくれて、おかげで私達の心が一つになれた気がするわ」

「もし、そうだとしたら嬉しいな、演奏したかいがあったよ僕もね」

僕はそう言って髪を解きピアスを付け替えて元の光の姿に戻り言った

「さぁ、帰ろうか!そろそろ帰らないと、帰りは電車使わないとだからさ」

俺がそう言うと涙を拭いながら笑顔を浮かべて千聖が頷き

答える

「そうね、帰りましょうか!」

その言葉に全員が頷き俺達は事務所を後にし駅に向かい駅から電車に乗り少しの間電車に揺られる

車内では俺と千聖以外は絶賛居眠り中だ

「結局こうなるのか…」

「何が不満なのよ?日菜ちゃんなんか安心したように寝てるじゃない」

「日菜は何度かあるからね俺の横で眠る事」

「どんな状況なのよそれは」

そう言ってクスクスと笑う千聖を見ているといくらかだけど迷いが晴れたようなそんな表情をしている

「一緒にいるとなんとなくこういう機会がたまにあるんだよ、日菜はこうなるとなかなか起きないんだよね」

「まぁ、もう少し寝かせておいてあげなさいな、いざとなればおぶっていくことは出来るでしょ?」

「まぁ、そうだけどさ」

などと話していると千聖が俺の肩にもたれかかって来た

「少しだけこうさせて」

「次の駅で降りないとだから、それまでね」

「えぇ、わかってるわ」

そうして俺は降りる駅までそのままで過ごし電車が止まるまでの間肩にかかる微かな重みを感じていた

そして駅に着くと俺と千聖は皆を起こし電車を降りて改札を出る

「光、今日は本当にありがとう!このお礼はあなたのために歌うことで返すわね」

「うん、楽しみに待ってるよ!」

「期待しててね!光君!」

「光君が感動するような演奏してみせますよ!」

「やってやります!」

「ひ〜くん!待っててね!」

「うん、皆が俺にどんな曲を届けて、どんな世界を見せてくれるのか楽しみに待ってるよ」

俺がそう言うと皆が頷きそれぞれの方向に帰って行った

「俺達も帰るか!」

「うん!」

そうして俺達は2人並んで家路を行く

「ひ〜くん、どうして今回あの姿になったの?」

「必要だと思ったから、かな?」

「そうなんだ…なんかね、ひ〜くんのその姿はあたし以外の人に見て欲しくないな〜」

「まぁ、俺もあんまり人に見せたい姿じゃないから」

俺がそう言うと日菜は顔を上げて俺を見る

「そんな顔しないでよ、どんな姿でも、俺は俺だよ!」

「そう…だよね!ひ〜くんはひ〜くんだもんね!」

「それ以外にないじゃんか!」

そう言って笑う俺につられるように日菜も笑う

その後日菜を送り届け俺は帰宅して机に向かって詩を書いていく書くのは久々なので言葉を探しながら書いていき曲が完成する。

そして出来上がった曲を見て呟く

「さすがにこれを聞かせる訳にはいかないかな」

そう言って俺は鍵の付いた引き出しにその曲を書いた譜面を仕舞い鍵をかけて就寝する事にしベッドに潜り込んだ。

新しい詩と一緒にその日、光は自分の中で何かが掴めた気がしたのだった。

 

 

 




読んでくださった方ありがとうございます。
今回はパスパレの話を書かせてもらいました。
次はAfterglowの話になりますのでお楽しみに
後、話の中の時系列的に誕生日イベントが多くなると思います。
次回「夕焼けと仲直り」

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