学校とバイトの休みが重なった今日、俺は自分が持っている楽器を1つずつメンテナンスしていた
「全部の楽器のメンテナンスだからやっぱり大変だな」
1人でそう呟きながら楽器をメンテナンスしているとスマホが着信を報せる。時刻は11時を少し過ぎたところだった。
「誰かな?」
そう呟きスマホを確認すると相手ははぐみだった
「珍しいなはぐみからなんて」
そう言って電話にでる
「もしもしはぐみ?どうしたの?なんかあった?」
(ヤッホーひかるん!今いいかな?)
「別にいいよ!何か頼み事?」
(うん!実はね、今日、花咲川のグラウンドでソフトの試合があって!良かったらひかるんに応援に来て欲しいなって!もちろんカノちゃん先輩やこころん達も来るってさ!)
俺は時計を一瞥してからはぐみに質問する
「はぐみ、それって何時から?」
(昼一からだよ!だから、それまでに来てね!)
「わかった!とりあえず、学校に入る許可貰わないとダメだと思うから聞いてみるよ!」
(よろしくね!じゃあ待ってるよ!)
そう言って通話が切れた
「全く、いつも唐突なんだから仕方ないな!」
そう言って俺はまず学校の許可を得るために紗夜に連絡する
そして数回のコール音の後に紗夜に繋がった
(もしもし、光君?どうされました?)
「休みの日にごめんね、実は、後輩に今日行われる試合の応援に来て欲しいって後輩に頼まれてさ、一応学校内に入る許可とか必要かなって」
(そういう事ですか、それでは、部活見学と言う名目で許可を取っておきますので、学校に到着しましたらまた連絡をいただけますか?風紀委員の仕事で学校にはいますので)
「わかった!じゃあ学校に着いたら連絡するね!ありがとう」
(このくらいなんでもないですよ!それではお待ちしています)
「うん!また後で」
そうして電話を切り俺は早めの昼食をとりギターとキーボードを持って家を出て花咲川に向かった
そしてしばらく自転車を走らせて花咲川に到着し紗夜に再び連絡する
(もしもし、光君?到着されたのですか?)
「校門前にいるよ!」
(わかりました。ては今出迎えに行きます)
「わかった待ってるよ!」
そうして電話を切りさらに待つこと数分、紗夜がやってきた
「お待たせしました、光君」
「別にいいよ、退屈してないし、じゃあ、お願い出来る?」
「はい、では着いてきてください」
そう言って紗夜はまた校舎の方に歩いていったので俺は紗夜の後を着いていき生徒会室で許可証を受け取りそれを首から下げた状態で校内を歩き回り音楽室に入ると窓を開けた
「ここからならグラウンドを見渡せるな、ここに決めた」
そうして俺は楽器を置いて準備を始めるとちょうどグラウンドでも試合の準備が始まっていた。
そして応援する人達もちらほら集まり出す。
俺はギターを手に取り思いっきり鳴らすと皆が俺に注目する
俺はそれを無視してただ届ける為にギターを鳴らす中ではぐみ達花咲川のソフト部がこちらにやってきた
「ひかるん!今日は来てくれてありがとう!応援期待してるからね!」
「最高の応援歌を用意してるよ!全力を持って皆をサポートするから期待しててよ!」
「期待してるよ!いってきます!」
「頑張って来な!」
そうしてはぐみを筆頭としたソフト部の皆を見送りながら俺はいつでも演奏に入れる状態にして試合が始まるのを待っていると相手チームと花咲川チームが整列しお互い礼を交わしはぐみ達の試合が始まる、そして、それと同時に俺も応援ソングを演奏する。
初回から1番を打つはぐみが出塁し、さらに、他の皆もそれに奮起され出塁するも得点とまでは行かずにはぐみ達の攻撃が終了してしまった。
「まだ1回が終わったばっかだしこれからだよ!」
俺はそう声を掛けてはぐみ達花咲川の守備の様子を見守る
中で1回が終わり共に0対0のまま2回に進み俺はまた演奏で皆を応援する。
そして2回の表はぐみがホームインを決めて一点を先制する。
「この勢いのまま頑張れ!」
俺も含めた皆の声援に応えるように出塁するも得点とまでは行かず1点止まりで2回の攻撃を終える
そして2回の裏、相手チームの攻撃ですぐさま1点を返され
同点となるがはぐみ達花咲川のチームも負けておらずこれ以上点はやれないと言うように皆が一丸となり出塁を阻止して
向かえた3回、俺も含めた皆の声援を力に変えるように出塁し追加の一点を獲得し勢いにのる、俺はひたすらに応援ソングを歌い、はぐみ達を応援する、そうしていると俺がいる音楽室の扉が開きこころ達がやってきた
「演奏が聞こえると思ったらあなただったのね!光!」
「久しぶり、今日は皆ではぐみの応援かな?」
「えぇ、そうよ!光もそうなんでしょ!」
「応援に来てって頼まれたしね」
「試合が始まった時から演奏が聞こえてたから誰だろうって思ってたら光君だったんだね!」
「吹奏楽部じゃない限り、多分部活動の応援って身内だけだろうし、消去法で言ったら俺にならない?」
「確かに、言われてみるとそうかもですね!」
そうして話している間にはぐみ達の攻撃が終わり相手の攻撃に入る、そして前の回よりも早い段階で相手チームの攻撃を0点に押さえて、再びはぐみ達の攻撃に入ると俺はドリームキャッチャーを演奏する。3回の裏が終わったばかりの今がチャンスだからひとりじゃないよ仲間がいるからこの先のピンチすら乗り越えて頑張れと気持ちを最大限に込めて演奏する
それに合わせてこころ達が声を大にして応援する。
それでもあと一歩及ばずに0点で4回の表が終わる
それから試合は硬直状態となりお互いに出塁こそするもののホームインとまでは行かずにはぐみ達のリードで向かえた7回表はぐみが再び出塁しそこから他のメンバーも出塁し1アウト1、3塁で4番バッターの人がバッターボックスに立つそして相手の投げたボールを打ち返すが、相手ピッチャーがキャッチしツーアウトとなった
「相手が上手だったか!」
「でも、まだチャンスはあるわ!最後まで笑顔よ!」
「皆頑張れ!」
「まだチャンスはある!踏ん張るんだ!」
「これからだよ!ファイト!」
皆の声援が後押しとなり奮闘するが相手もこれ以上点はやれないとあえてホームベースに狙いを絞りランナーをアウトにし攻守交代となり、相手の攻撃になってすぐにホームランが決まり同点となるがはぐみ達も諦めずに足掻き同点のまま8回に入り8回は最後の力を振り縛るように今まで以上の力でお互いのチームがお互いを抑えて同点のまま向かえた最終回
俺はまた応援ソングを演奏し皆を応援する
はぐみ視点
応援の声が、歌が私を含めた皆に届く、皆が応援してくれてる答えたい!この声援に!勝って喜びの涙を皆で流したい!
そう思うと自然と力が湧き上がる!
そうして今日何度目かになるヒットを飛ばし出塁するとそれに応えるように出塁して一気に満塁になった中で向かえた4番バッターの先輩が再びヒットを飛ばすも、先輩が塁に出る代わりに私はホームベースを目指し全力疾走するが1歩及ばずにアウトになる、でも、大丈夫!皆がやってくれる!もしダメでも、相手を抑えきって延長戦になればまだチャンスを掴める
だから皆頑張って!
その気持ちを込めて応援するも相手は他の塁を捨ててホームベースのみに的を絞りランナーをアウトにとり最終回も点は取れなかった。
そうして相手の回で逆転されて試合終了となった
「負けちゃ…っ…た…」
誰かがそう言葉を漏らすと誰ともなく悔し涙で頬を濡らす
でも、精一杯やったと思うからわたしは涙は見せないようにしながら言った
「終わっちゃったけど、楽しかったし、やりきったンだよ!仕方ないじゃすまないけどさ!今日が終わっても、公式じゃなくても、試合はいつでもできるよ!終わりの挨拶しに行こう!」
「…そうだね!次は絶対勝とう!」
「リベンジするんだ!今度こそ!」
皆が口々に自分の気持ちを言葉にしていきしんみりしていた空気がまた元の私達らしい空気に戻る
それを確認して私たちは整列しお互いにもう一度挨拶を交わした後応援してくれた人達の所に挨拶して周り最後にずっと歌で私達を励まし、応援し続けてくれたひかるんのところに行って整列する
「ひかるん!ううん!光先輩!応援ありがとうございました。」
「「「「「ありがとうございました。」」」」」
「「「最後まで応援!ありがとうございます。」」」
そうしてお礼を言うとひかるんはちょっと照れ臭そうにしていた。
光side
皆にお礼を言われてなんだか照れくさいなと思いながらみんなに向けて話し出す。
「いい試合だった!皆の熱意が伝わってきたよ!、せっかくだし、もう少し俺の演奏に付き合ってくれると嬉しいな」
「まだ演奏してくれるの?」
「もちろん!と言っても、後、2曲くらいかな?演奏できて」
「十分だよ!是非聞かせてちょうだい!」
「せっかくだ、最高の演奏を聞かせてくれたまえ」
「お願いしますね光先輩」
「私からもお願い」
ハロハピの皆からそうお願いされ俺はその期待に答えるために最高の演奏を届ける事を決めて話し出す。
「じゃあいくよ!宿命!」
俺はスマホから音源を飛ばしキーボードを弾きながら歌っていく
『心臓からあふれ出した声で歌うメロディ振り向いた未来
君から溢れ出した声と合わさって響いた群青の空の下
夢じゃない夢じゃない涙の足跡
嘘じゃない嘘じゃない泥だらけの笑顔
夢じゃない夢じゃない肩を組んで叫びたい
僕らの想い届け!
奇跡じゃなくていい美しくなくていい
生き甲斐ってやつが光り輝くから
切れないバッテリー魂の限り
宿命ってやつを燃やして暴れ出すだけなんだ』
はぐみ、ソフト部視点
空を見上げると、日が沈む少し前の茜色の空、歌詞にあるような群青の空ではないけど、今日と言う日の試合を思い出されるような、試合という形の戦いを思い起こさせるそんな曲が私達を奮い立たせる。
『沈黙が続いたイヤフォン自分の弱さに遠ざかってく未来
「大丈夫」や「頑張れ」って歌詞に苛立ってしまった
そんな夜もあった
夢じゃない夢じゃないあの日の悔しさと
忘れない忘れない掌の爪痕
無駄じゃない無駄じゃないそれも全て讃えたい
もうあと少し
願いの熱さに汗まみれになったり期待背負って立って
重さに臆病になるけど
僕らの背番号それは背中じゃなく
瞳の奥のアンサー重なって
照らしあってくFOREVER』
はぐみ、ソフト部視点
「なんか、わかる気がするな、歌われてる歌詞に共感できるって言うかさ」
「確かにね、大丈夫や頑張れって言われてもさわかってるよ!って言いたくなったりさ」
「ひかるんはそういうの多分わかってるんだよ!私達ハロハピにね笑顔だけじゃなくて涙も大切だって教えてくれたし、なにひかるんは誰より人に寄り添えるから」
皆の今の気持ちがわかってるかのように心に刺さる歌詞とそれを奏でる目の前の存在に私達は励まされる
『緊張から不安が芽生えて根をはるみたいに僕らを支配する
そんなものに負けてたまるかと
今 宿命ってやつを燃やして暴れ出す』
ハロハピ視点
「やっぱりさすがね光!今の皆にピッタリじゃない!」
「曲選びも演奏も彼以上の存在を私は知らないからね!」
「本当だよね、あの人が演奏で見せる世界は常に私達がいるんだもんね」
「光君だからで納得出来ちゃうしね」
1人1人演奏のやり方や歌い方なんかは違うけど、光君の演奏には必ず目の前で歌っている相手が見えるから不思議と皆が涙を浮かべて、そして最後には笑っている
『届け!奇跡じゃなくていい美しくなくていい
生き甲斐ってやつが光り輝くから
切れないバッテリー魂の限り
宿命ってやつを燃やして暴れ出すだけなんだ』
皆に向けて俺は歌う今この瞬間部活が生き甲斐な人もいるだろう、汗まみれ、泥まみれになって皆で笑いあって、その瞬間が最高に楽しいって思う人もいるだろから、そんな皆に向けて俺はラストを歌い上げる
『ただ宿命ってやつをかざして立ち向かうだけなんだ』
演奏が終わると俺は皆に向けて話し出す。
「このまま続けていきます。聞いてください!あとひとつ」
俺はキーボードを弾きながら歌っていく
『あと1粒の涙でひと言の勇気で
願いがかなうその時が来るって
僕は信じてるから君もあきらめないでいて
何度でもこの両手をあの空へ』
俺は演奏しながら片手を空に向かって伸ばして拳を握りまたキーボードに手を戻して歌っていく
『あの日もこんな夏だった砂まじりの風が吹いてた
グラントの真上の空夕日がまぶしくて
どこまで頑張ればいいんだぎゅっと唇を噛みしめたそんな時同じ目をした君に出会ったんだ
そう簡単じゃないからこそ夢はこんなに輝くんだと
そうあの日の君の言葉
今でも胸に抱きしめてるよ
あと1粒の涙でひと言の勇気で願いがかなう
その時が来るって僕は信じてるから君もあきらめないでいて
何度でもこの両手をあの空へのばしてあの空へ
いつもどうしても素直になれずに自信なんてまるで持てずに
後者の裏側人目を気にして歩いてた誰かとぶつかり合うことを心のどこかで遠ざけたそれは本当の自分を見せるのが怖いだけだったんだと教えてくれたのは君と過ごした今日までの日々そう初めて口に出来た泣きたいくらいの本当の夢を
あとひとつの坂道をひとつだけの夜を越えられたなら
笑える日がくるって今日も信じてるから
君もあきらめないでいて何度でもこの両手をあの空へ
はぐみ、ソフト部視点
「今この瞬間を歌ってるのかな?」
「そうかもよ、ここにいる皆が同じ目をして同じ目標に向かって走ってるわけだしさ」
「だね!今日という日を忘れないでいて何度でもこの両手を宙に伸ばしてって私たちの背中を押してくれるみたい」
「今回はダメだったけど、次は絶対に勝とうね!」
「うん!次は絶対に!」
皆が決意を新たに次の目標に向かって走り出す為の気持ちが芽生えた瞬間が今この時だと感じた。
『あつくなっても無駄なんて言葉聞き飽きたよ
もしもそうだとしても抑えきれないこの気持ちを希望と呼ぶならいったい誰が止められるというのだろう
あと1粒の涙がひと言の勇気が明日を変える
その時を見たんだ
なくしかけた光君が思い出させてくれた
あの日の景色忘れない
あと1粒の涙でひと言の勇気で願いがかなうその時が来るって僕は信じてるから君もあきらめないでいて
何度でもこの両手をあの空へのばしてあの空へ』
俺は演奏を終えて話し出す。
「これからも皆には頑張って欲しいって思いを込めて演奏させてもらったけど、伝わったかな?」
俺がそう問いかけると皆が静かに頷いた
それを見て俺は笑って答える
「なら良かった、それなら演奏したかいがあったよ」
「本当にありがとう!これからも頑張ろうって思えたよ!」
「うん!皆ならこれからも今以上にやれるって信じてるから頑張ってね」
「うん!本当にありがとう!」
「「「ありがとうございます」」」
「「「「「ありがとうございました!」」」」」
「どういたしまして」
俺がそう言うと皆は満足そうな表情で戻って行った
俺は楽器を片付けて他のハロハピメンバーに声をかける
「さて、帰ろうか!」
「そうね、帰りましょう」
こころの言葉に他のメンバーも頷き俺は楽器を持って他の皆とその場を後にして職員室に入校許可証を返却し紗夜に一報入れて校門前ではぐみを待ってからハロハピメンバーと俺の6人で帰路についた。
「ひかるん!今日は応援に来てくれてありがとう!応援ソングも最後の演奏も響いたよ!」
「そう言ってくれて良かったよ、俺は頑張って欲しいって思って演奏したかいがあったよ」
「いつだって光の演奏は誰かに届くわよ!だって皆のために演奏してるんですもの!」
「そうだね、誰かが光君の演奏で元気になってくれたら光君はそれでいいんだもんね!」
「まぁね、自分の最大限の演奏を聞いて欲しくて音楽やってる部分はあるからさ」
「君の演奏はいつだって誰かに届いているさ」
「そう言ってもらえて光栄だよ、まぁ、届いてないなら届かせれば良いだけだからいんだけどね!」
などと話していると俺達はあっという間駅に到着した。
「じゃあ、俺はここで!」
「えぇ、また会いましょう光」
「近いうちにね」
「ひかるん!また応援に来てね!次はひかるんに勝利のVサインと最高の笑顔を届けるから!」
「良いよ!いつでも呼んで!都合が合えばいつでも駆けつけるからさ、じゃあまたね!」
そう言って俺は皆に手を振り家路に着いた
ハロハピ視点
「はぐみ、今日は残念だったわね、でも、次があるわ!笑顔を忘れずに頑張ってね!」
「もちろんだよ!次は勝利のVサインと最高の笑顔を届けるって約束したからね!」
「彼なら自分の事のように喜んでくれるだろうさ!」
「それには賛成ですね!」
「うん!きっとまた最高の演奏を聞かせてくれるよ!」
そんな話をしながら私達は今日も笑顔を忘れずに、そしてはぐみは部活面での新たな1歩を踏み出したのだった。
読んでくれてありがとうございます。
ハロハピのはぐみの部活面を中心に書きました。
ハロハピのライブ前の回2話目ですね!
次回はパスパレの話を予定していますのでお楽しみに
次回「原点と憧れの先に」
シーズン3の内容いくか二学期編挟むか
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二学期編として何話か入れましょう
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シーズン3の内容入って大丈夫です!