僕等が奏でる歌と音   作:凌介

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光は何かを伝える事の大切さを改めて知る事になる


第37話演じる心と光の主演

千聖視点

その日は撮影の仕事があって私は撮影現場に来ていた

少し時間は押したものの滞りなくその日の撮影を終えた

タイミングで控えていたマネージャーのプライベートのスマホが着信を報せマネージャーは席を外す

私はその間にもう一度台本を読み返しているとマネージャーが戻ってきたので声を掛ける

「お疲れ様、電話、大丈夫だったの?」

「それなんですが…」

「どうしたのよ?」

「私の子供が体調を崩しまして…」

「大変じゃない!容態はどうなの?」

「今は落ち着いてますけど、出来れば休みをいただいて看病させていただきたいのですが、パスパレのマネージャーさんにお願いしてあとをお任せしても大丈夫でしょうか?」

「なら、サブマネージャーの方に連絡してちょうだい、彼なら都合が着くと思うわ私からも連絡はしておくから今日のところは早く帰ってあげてください」

「ありがとうございます。今日は失礼させていただきます。」

そうして少し慌ただしくマネージャーは帰って行った

そしてそのタイミングで監督さんが話しかけてきた

「チラッとだが聞かせてもらったよ、しばらくはパスパレのサブマネージャー君が来るのかい?」

「ええ、最も彼はマネージャー仕事の傍らに音楽をやっていますから、事前に連絡はしておかないといけないんですよ」

「そうか、そのサブマネージャー君は春頃のインタビュー記事に載っていた彼だろう、演技などは詳しかったりするかい?」

「どうでしょう?本人は仮面を被るのは疲れるからやりたくないと言っていますしなんとも言えませんね」

「そうか…やっぱりあっちの台本は使えないかな?」

「どういう事ですか?」

監督さんの最後の呟きが気になり聞いてみる

「あぁ、実はなこの映画には、没にしたもう一本の方があって

そっちでは白鷺君が演じる主人公を勇気付ける存在がいる話があってね、理想の相手役がいなくて没にしたんだ」

私はそれを聞いてなるほどと思った、彼なら適役だろうなと

「一応この後彼に連絡してみるので直接あって判断した方が彼に限った話はいいと思います」

「そうか、じゃあ、よろしく頼む」

そう言って監督さんは戻っていき私も撮影が終わったので挨拶をしてその場を後にし光に連絡を取るためにスマホを操作し彼の番号を呼び出し電話をかけた

 

光視点

 

バイトが終わりちょうど帰ろうとしていたタイミングで俺のスマホが着信を報せる

「こんな時間に誰かな?」

スマホを確認すると千聖からだった

「珍しい事もあるもんだな」

そう言って電話に出る

「もしもし、千聖?久しぶり、どうしたの?」

(久しぶりね、いきなりで悪いのだけれど、少しの間でいいからマネージャーとして私に同行してくれないかしら?)

「具体的にいつからいつまで?それと本家のマネージャーさんは?」

(私のマネージャー子供がいるんだけど、マネージャーの子供が体調を崩したらしくて落ち着くまで休みを取りたいって言ってて一応1週間を見ているのだけれど、どうかしら?もちろん金銭面もそれなりには保証するわよ!)

「最後の情報は要らなかった気もするけど…

でも、1週間かぁバイトどうしよう?後、学校」

(学校は心配しなくてもいいと思うわ、土日以外は朝からの撮影はなるべく入れないように調整してもらっているし、パスパレの方と上手く両立しているもの)

「引き受けるのはいんだけど、バイトは要相談かな?」

(手間取らせてごめんなさいね)

「良いよ別に、その辺は融通してもらうから」

(お願いするわね)

「うん、じゃあ、明日からでいい?」

(よろしくお願いするわ)

「OK!時間と場所は後で連絡して」

(わかったわ、それじゃあ明日からよろしくね)

「うん、またね」

俺は通話を終了させるとさっそくまりなさんに事情を説明しバイトの日を融通してもらう

「来週目一杯バイト出てくれるなら今週は休みにするよ」

「わかりました、ありがとうございます。」

「来週は目一杯働いてもらうからね」

「わかりました、じゃあ失礼します。」

そうしてcircleを後にし俺は家路に着いた

家に帰るとすぐに部屋に行き荷物を置いてベッドに身体を投げ出す

「明日から少しの間忙しいな…」

そう言ってウトウトしているとスマホが鳴ったので確認すると

千聖から明日の集合場所が送られてきたので了解の旨を伝え立ち上がりシャワー等を済ませ就寝した

 

次の日

午前中の授業を終えた昼休みイツメンで集まり話していると日菜が爆弾発言をかます

「そういえば、ひ〜くん千聖ちゃんのマネージャーになるってホント?」

「どういうことかしら?」

「詳しく聞かせてもらおうじゃん」

「まずもって決まったの昨日なのになんで!?」

「千聖ちゃんのマネージャーさんがねしばらくひ〜くん貸してくれって来たんだよ」

「という事は光はしばらくは女優さんの付き人?」

「そうなるわね」

そう言って二人は俺にジト目を向ける

「そんな目されても困るんだけど、第一俺はあくまでもマネージャーだよ?ただの付き添いだからね、それに俺別に事務所に所属してる訳じゃないのになんで毎回俺なの?」

「ン〜ひ〜くんだから?」

「説明になってないよ!」

「そっかそっかぁ〜光は仕事で女の子としかも女優さんとデートするんだぁ〜」

「一応私達のバンドのメンバーの一人である事も忘れないで欲しいわね」

「そう言われてもさ、つか、俺基本無所属なつもりなんだけどなぁ〜」

「でも、最近光アタシ達に構ってくれないし」

「放置気味よね」

「ちゃんと練習みてるし!こうして集まってるじゃん!」

「でも、アタシ達の誰とも2人きりにはなろうとしないしそのくせ変な所で安請け合いするしさ」

「俺は一体どんなポジションになってる訳?」

「アタシ達Roseliaの6人目のメンバーだよ!」

「そして私達が隣に並びたいと思う相手よ」

「一応あたし達パスパレのサブマネージャーでもあるよね」

「なんであれおそらく貴方の隣に並びたちたいと思っている人は多いはずよ」

「光栄やら恐れ多いやら…俺なんて演奏くらいしか取り柄が無いのに、6人目のメンバーで隣に並びたいと思ってもらえてるなんてな…1度ダメにしたものすらまだ取り戻せてないのにな」

「少なくとも、ダメにしたなら作り直せばいいのよ、曲だってそうよ、こうじゃないと思ったら納得行くまで悩むでしょ」

「たしかにそうだよね、それしかないもんな!」

「納得出来たらなら良かったよ、それに光は演奏しか取り柄がないって言うけど、それだって立派な特技でしょ、少なくとも救われた子達はいると思うよ」

「だとしたら嬉しいな」

「あたしとお姉ちゃんはひ〜くんに感謝してるし、ひ〜くんの歌が好きだよ」

「ありがとうな」

そう言って日菜の頭をくしゃくしゃと撫でると、両耳に痛みが走る

「痛!いだだ!2人とも何!?てか痛いって!耳は引っ張んないで!ピアスのとこからちぎれるって!」

「なんならピアスの穴を拡張してあげましょうか?」

「そうやって日菜にだけは甘いんだから!」

「リサはともかく友希那は物騒なこと言わないでね」

「もしかして友希那ちゃんとりさちー羨ましいの?」

「そういうんじゃないよ!ただほら、甘やかすのはあんまり良くないかなって」

「そうね、あまり日菜を甘やかすと紗夜に後で怒られるわよ」

「それは勘弁だな」

なんて話しているとチャイムが鳴ったので俺達は教室に戻った

そして午後の授業を受け帰りのホームルームを終えると俺は少し急ぎ足で千聖との待ち合わせ場所に向い早めに到着し制服からマネージャー使用に着替えて千聖を待っていると少し経ってから千聖がやって来た

「お待たせ、遅くなってごめんなさい」

「別に良いよ、行こう」

「ええ、そうね、行きましょ」

そうして俺達は撮影現場に行くため移動する

 

数十分後

撮影現場に到着した俺は監督さんや機材担当の人達に挨拶して回る

「はじめまして、Pastel*Paletteのサブマネージャーをしています宮村です」

「よろしく、監督の笹川だ、マネージャー君と呼んでもいいかな?」

「大丈夫です。こちらは監督さんでいいでしょうか?」

「是非ともそうしてくれ、さて、自己紹介も済んだところで撮影はじめるぞ!」

そうして監督さんの声がけで撮影が始まり、俺は隅の方に控えた、そしてこの目で初めて撮影環境を目にした

「千聖の演技を見るのは初めてか」

前の時は途中参加のようなものだったので最初から撮影する姿を見るのは実際初めてだった

最初のうちは千聖の台詞も少ないので特にNGも出ずに滞りなく撮影が終わる

「今日はここまでだ!あぁ、それと、マネージャー君君にも台本渡しておくから一応読み込んで来てくれ、2冊あるから大変だと思うがよろしくな」

「わかりました」

俺は台本を受け取ってその場を後にした

 

帰り道

「光、あなたやっぱりマネージャーとかも向いているのではない?」

「勘弁してよ!1日中仮面付けてるの疲れるんだから」

「人を欺くのは得意なのね」

「言い方!人聞き悪い」

「なら、女泣かせと言うべきかしら?」

「千聖までそういうこと言うのやめて!泣かせてないし」

「でも、あなたの演奏で涙したのは事実よ」

「それは演奏聞いて思うところがあったからであって俺のせいじゃないと思うな」

「少なくとも影響はあるわよ」

「そう言われてもな〜」

などと話していると駅に到着しそこで別れて俺は家路に着いた

次の日

 

学校ではイツメンにやいのやいの言われながら今までと変わらない学校生活を送り放課後は千聖の付き添いで今日も

撮影現場に来ていた撮影自体は滞りなく進んではいるがどことなく演技がぎこちないそう思っていると監督さんが俺を呼んだ

「おーいマネージャー君、ちょっと来てくれ!」

俺は監督さんの隣に行き声を掛ける

「どうしました?」

「NGではないんだが、画面越しに見て彼女の演技をどう思う?」

俺は少し考えた末に答える

「演技にぎこちなさが感じられますね、演技の中でさらに演技をしなければいけないので、戸惑いがあるのかもしれませんね」

「さすがだな、相手をよく見ている。マネージャーとして大切な要素の1つをちゃんと持っているようだな」

「そんな、大袈裟ですよ!俺なんかがそんな」

「まぁ、謙遜することはないと思うが、まぁいい、とりあえず今日のところはここまでだ彼女を送ってやってくれ」

「わかりました」

俺はその場を後にし千聖に声を掛ける

「今日はこれで終わりだってさ、帰ろう」

「ええ、そうね」

声に覇気がない、やっぱり落ち込んでいるのだろうか?

でも、なんか違うとも感じる

そんな事を考えながら撮影現場を後にし千聖を送り届けた後になんとなく他者の意見を聞いてみたくなり薫に連絡してみる

(やぁ、光じゃないか!電話で話すのは以外にも初めてだね)

「遅くに悪いな、ちょっと聞いてみたいことがあって」

(君がそう言うってことはなにかあったのかい?)

「知ってて言ってるのか?」

(まさか!前に美咲が感情面で悩んでいた時も君がなんやかんや動いていたからね)

「あぁ、そっか、まぁ当たらずとも遠からずだ」

(私に何を聞きたいんだい?)

「演技に自信が持てなかったり、演技の中で更に別の演技をするってなった場合お前ならどうする?」

(そうだね〜光、君のルミナスはまさにそういう存在なんじゃないのかい?)

「ルミナスはもう1人の俺だよ、俺じゃダメでもアイツなら届けられる!演じてるわけじゃない」

(君にとってはそうでも、言い方を変えればそう思えるのではという事さ)

「それは感じ方次第だろうな、少なくとも俺は演じてるつもりは無いからな」

(まぁ、私から言えるのはしっかりと役という存在と向き合うという事さ)

「役という存在?」

(あぁ、自分が与えられた配役をどう理解するかという事だね)

「自分がどう演じたいかとかそういう話か?」

(そうなるね、回りくどい言い方にはなるがそれを自分がどういう風に理解するかという事さ)

「なるほどな、なんか掴めた気がする。サンキュな」

(お役に立てたなら良かったよ、では、また)

「あぁ、またな」

そうして通話を終了すると歩きながらあれこれと考えながら

自宅への道を歩いていく、そして自宅に着くと俺はすぐに部屋に行きアコギを手に取り彩の時にも演奏した大丈夫を演奏するが何故かこれじゃないと言う感覚が俺を支配する

俺は曲を変えていくつか演奏する中でピッタリな曲を見つけたのでそれを演奏した後夕飯諸々を済ませ就寝した

そして次の日、午前中の授業を終えてイツメンで集まり食事中に進捗等を聞かれる

「ひ〜くん千聖ちゃんのマネージャーは大変?」

「どうだろう?パスパレの時とそんな変わんないかも、やる事もメンタルケアとかそんな感じだしね」

「その、千聖さんは大丈夫なの?」

「今は特に何も無いかな、ただ今はね」

「引っかかる言い方ね」

「俺もまだはっきりこうだって言えなくてさ」

「答えが出てないということ?」

「ちょっと違うよ、千聖がどう向き合うか次第ってとこかな、今は」

「あなたはどうするの?」

「俺がやることは変わんないよ、必要なら手を貸すだけ」

「そう、まぁ、毎度の事だけど、関わったならやり遂げなさい」

「わかってるよ、俺に出来るのは演奏で伝える事だから、

精一杯やるよ」

「ひ〜くん、何かあったら助けてあげてね」

「約束するよ、俺の音楽に誓って」

そんな話をしていると昼休み終了のチャイムが鳴り俺達は教室に戻って午後の授業を受けてそれぞれ解散した。

 

そして現在俺は千聖と共に撮影現場に来ていた

監督さんの指示で俺は画面越しに千聖の演技を見ている

「どう思う?」

「ぎこちないというか、表情のかたさも目立ちます」

「やっぱりそう思うか、私も同意見でな、どうすればいいと思う?」

俺は少し考えてから伝える

「少し長めの休憩を撮って貰えませんか?」

「構わないが、何とかなりそうかい?」

「大丈夫です。任せてください」

「わかった、マネージャー君に任せよう」

そう言って監督さんがカットを指示し30分程休憩をとることになったので俺は千聖に水のペットボトルを渡し隣に座り話しかける

「千聖、大丈夫?」

「えぇ、別に平気よ」

「思うように行ってないようにも見えるよ」

「そうね、確かに、自分でもそれは感じているわ」

「千聖は平気なフリして隠すから、心配」

「あなたに言われたくないわね」

「俺は基本なんともないし」

「あなたはひとの事を言える立場じゃないようにも思うけれど、でも、その気遣いはありがたいわ」

そう言うと千聖は俺の肩に頭を乗せる

「千聖?」

「演奏してちょうだい光、落ち込んだ時に聞きたくなるような曲が良いわ」

「わかった、演奏するからちょっと頭どけて」

そう言って持参していたアコギを手に取り演奏しながら歌っていく

『また「余計なお世話だよ」って君は言うかもな

でも正直しんどそうに見えたから

なんか美味いもんでも食べに行こうっていう

僕のわがまま聞いて来てくれたね

「別になんでもないよ」って君の笑い方が

尋常じゃないくらい上手で自然だから

大抵の人は騙されて気付かないんだろう

君らしい壁の作り方なんだね

 

その壁ぶっ壊させてくれなんて思わないし

土足で君に踏み込むつもりもない

ただ一人じゃないそう一人じゃない

ほんの少し笑い合いたいだけ

 

まっすぐに伸びる君の足跡に追いつくように

そして寄り添うようにもう一つの足跡が伸びてきて

振り返ってごらんもう一人じゃない

やがて見渡す限りの喜び隣にも前にも後ろの方にも

微笑みながら君を見守ってる人がいてそん中に僕もいる

 

そりゃ淋しかったろう?辛かっただろう?

どれくらい一人で悩んでいたの?

ここまで来れたことが素晴らしいよ一つだけでいい

信じてほしい君は美しい』

 

千聖視点

沈んでいた気分が晴れやかになっていくそれを自覚するにはピッタリの曲だった

「貴方やパスパレの皆には隣にいて欲しいけれど見守られるってのも悪くはないかもしれないわね」

その声は届かないけれど、今はそれで良いと思った私だった。

『今思ってることを今伝えるのにも

言葉多過ぎたり足りなかったりで

悪気なんてこれっぽっちもないハズなのに

悪者みたいになってしまう時もある

自分が辛い時は上手にわらうくせに

僕が辛かった話打ち明けたら

君は自分のことのように涙してたね

余計なお世話はきっとお互い様だね

 

綺麗事だけでは生きていけないし

きっとこれからも悩みは尽きない

ただ一人じゃないそう一人じゃない

もう少しだけその声聞かせて

 

上手に出来たことを喜んだり

初めて見つけたものに驚いたり

雷の音にやたら怖がったりありのままの声に耳澄まして

例えば小さな頃の君がいて今を生きてる君を見ていたら

どんな顔してなんて言うのかな

無理しないでよなんて笑うかな?

 

君が優しい人だって知ってるよ

だからこそ傷付いていることも

ここまで来れたことが素晴らしいよ

一つだけでいい信じてほしい君は美しい』

 

千聖視点

今の自分を昔の自分がどう思うかなんて分からないけど

無理しないでよなんて笑ったりはしないだろう

きっと昔の自分が今の自分を見たらガッカリするかもしれない

「それでも、私が選んだ道だから」

誰にも届かない呟きが演奏の中に消えていく

 

 

監督、カメラマン視点

「ちゃんと映像に残しておけよ!」

「はい、でも、いんですか?彼部外者ですよ?」

「いや、ちょうどいい、彼がピッタリだ」

やっと見つけた逸材の最高の瞬間を目に焼きつける

 

『まっすぐに伸びる君の足跡に

追いつくようにそして寄り添うように

もう一つの足跡が伸びてきて

振り返ってごらんもう一人じゃない

やがて見渡す限りの喜び隣にも前にも後ろの方にも

微笑みながら君を見守ってる人がいてそん中に僕もいる

そりゃ淋しかったろう?辛かっただろう?

どれくらい一人で悩んでいたの?

ここまで来れたことが素晴らしいよ

一つだけでいい信じてほしい君は美しい』

俺が演奏を終えると千聖が話し出す

「なんだか元気が出たわ、ありがとう光」

「どういたしまして」

「行ってくるわ!見ててね光」

「うん、ここで見てるから」

そうして千聖が決意を新たに撮影に戻るのを監督さんが止めた

「ちょっと待ってくれ、1度皆集まって欲しい」

「どうかされたんですか?」

「あぁ、マネージャー君にも撮影に参加してもらおうと思う」「俺もですか?」

「て言うことは、彼がピッタリだと?」

「あぁ、彼しかいないと思ったんだ」

「なんの話ですか?話が全然見えてこないんですけど」

俺がそう問うと監督さんが補足してくれた

「まず、確認なんだが台本は読んでくれたかい?」

「はい、2冊とも目は通しましたけど…」

「片方は内容少し変えてあるだろう?そっちを採用したいんだよ」

「つまり、今やった事を撮影としてやれと?」

「そういう事だ」

「光、いいかしら?」

「髪色とか変えれるならいいかな、後、一応名前も」

「よし!決まりだ!明日から頼めるかい?」

「わかりました、必要なものはありますか?」

「ギター等の楽器を持参してこれるかい?」

「ギターとベースが一本ずつとキーボードがあれば良いですか?」

「そうだな、それでいい、ちなみに弾ける楽器を教えてくれるかい?」

「バンドでやる楽器は全部弾けますね、後は、バイオリンとハーモニカです」

「なら、ドラム、バイオリン、ハーモニカはこっちで用意しようハーモニカは買取扱いだから撮影が終わったら君に譲ろう、その他に少しだが謝礼も用意する」

「わかりました、後、髪色に合わせたいので茶色のカラーコンタクトを用意して貰えますか?」

「わかった、それくらいならお安い御用さ」

「俺は今日中に髪色を変えてきます」

「なんだか色々頼んで申し訳ないな」

「いいですよ、髪色弄るだけなんで俺は」

「そうか、そう言ってくれて助かるよ、話が決まったところで、今日中に撮影ある程度進めるぞ」

そうして今日中に進めらる範囲の撮影を進めてからその日は解散となった

 

帰り道

「光、撮影の話、本当にいいの?」

「こっちの条件聞いてくれたし別に良いよ、撮影とはいえやる事は変わらないからね」

「でも、髪色とか変える事になるのよ?」

「ちょっとの間だけだって、気にしすぎだから」

「まぁ、あなたがそう言うなら気にしない事にするけれど、なんだか巻き込んじゃったみたいで悪いわね」

「別に、俺もやってみようと思ったし気にしない気にしない」

なんて話していると駅に到着し俺達は電車に乗って俺達の家がある街に戻ってきてそこで解散する

俺は途中で髪を染める泡カラーを買って帰り、自宅に着くと髪色を変えるために準備をし髪色を変えていく

「えっと、泡を髪全体に満遍なく広げて20分から30分放置してから洗い流しドライヤーで髪を乾かして完了か」

説明書を見ながら作業を進めで少しの間放置している時は台本を読み込んだ。

違う点は千聖が仲間と一緒に突き当たった壁を越えるか演奏を聞いて仲間と一緒に舞台を成功させる自信が着くかの部分だ

俺は千聖と交流しながら話を聞いて演奏し彼女を励ます役だ、そして最後は彼女の舞台を見届けて去ると言う感じだ

「立つ鳥跡を濁さずなんて言うけど、何かを残す事も大切だと思うんだけどな」

それが俺の感想だった、そして俺は風呂場で髪を洗い流しドライヤーで髪を乾かして髪を茶色に染めた

「茶髪の自分って新鮮だな」

そう言ってその場を後にし遅めの夕飯を済ませ就寝した

そして次の日、朝から撮影があるので俺達は撮影現場来ていた

「今日はよろしくお願いします」

「こちらこそ、舞台セットはもう出来てるから君の準備が終わり次第撮影に入ろう、今日で大方決まるだろうし明日は最終チェックして必要があれば録りなおしも検討する」

「わかりました、じゃあ準備してきます」

そうしてその場を後にして数分後俺は準備を済ませて戻ってきた、撮影で使う制服姿に茶髪で茶色い目の少年名前は

日々谷光(ひびやひかり)にしてもらった。

「準備はいい?光(ひかる)」

「今は光(ひかり)だよ」

そうして俺達は撮影に入る

 

撮影が開始され物語が進んでいき俺の出番となる

俺が教室で楽器を広げて音を確かめ演奏しているところに

千聖がやって来た

俺は振り返り声を掛ける

「やぁ、こんにちは」

「どうも、あの!あなたは?」

「日々谷だよ、日々谷光(ひかり)」

「軽音部の人?」

「いや、俺は音楽科の生徒だよ」

「音楽科って合唱とかそっちじゃないの?」

「俺はバンドとかそっち系だよ、と言っても、俺1人だけどね」

「私は…」

「知ってるよ、演劇部期待のエース千聖さんでしょ」

「私の事、知っていたの?」

「まぁ、噂程度にね」

「あなたの噂は聞かないけれど」

「一人でろくな活動実績もない俺の事を知ってる人は音楽科にしかいないよ」

「そう、じゃああなたは一応活動中ではあるのね」

「まぁね、放課後は基本ここにいるから気が向いたらおいで」

「そうするわ、愚痴でも聞いてちょうだい」

そう言って千聖は教室を出ていった

それから俺達は放課後によく会うようになった

そして、主演の舞台が決まった事やその日あった事など色々な事を話す中で演技に不安がある事を知った

「演技の事は俺には分からないけど、音楽でも似てる部分はあるよ」

「そうなの?」

「例えば歌詞、どう捉えるかによって感じ方はそれぞれでしょ、後、演奏も同じだと思う、結局自分がどう見せたいかじゃない?」

「そういう捉え方もできるのね、自分の視野の狭さに呆れるわ」

「結局は自分次第だからね」

「私はこの役を演じきれるかしら?」

「不安?」

「そりゃもちろん不安よ」

俺は少しの間黙って考えてから言った

「公演いつだっけ?」

「明後日よ、明日は1日通しで練習なの」

「じゃあ、明後日の公演前に俺に時間ちょうだい」

「演奏してくれるの?」

「うん、オリジナルの曲じゃないけど、君にピッタリの曲を用意しておくから」

「そう、じゃあ楽しみにしておくわね」

そう言って千聖は立ち上がり教室を出ていった

そしてそこで監督さんからのカットの声が響いた

「2人とも良かったよ!マネージャー君は役に入り込んでいたね」

「殆ど素の自分ですしね」

「確かに、演技なのに私は光本人と話してるみたいだったわ」

「演技する必要が殆どなくて助かってるけどね」

「少し休憩したらそのままラストに行こう!演奏頼んだぞ」

「それは任せてください」

「光、曲は決まっているのよね?」

「もちろん」

「私はあなたの演奏から何を感じるのかしらね」

「人それぞれだから、わかんないよ」

などと話していると監督さんから撮影再開の声がかかった

俺達はそれぞれ配置に着くと撮影が再開される

約束の日公演前に千聖がいつもの音楽室にやって来た

「来てくれたんだね」

「約束だもの」

「聞かせてちょうだいあなたの演奏」

「その前に聞かせて、気分はどう?」

「あまり良くないわね、緊張やら不安やらでぐちゃぐちゃよ」

「じゃあ、せめてその気持ちを和らげられたらいいなと思いながら演奏します」

そう言って俺は準備していたプロジェクターを起動させてそれに合わせ演奏していく

『どうせダメだっていう声何度も聞こえていたよ

聞こえないフリしていても何も変わらないってこと

知っていたんだよ君から学んだ

もしダメだったとしてダメじゃないってこと

流れる雲に想いを乗せたら小さなメロディー背中押してくる

まだ広がり続ける空だから決めたんだよ

もう泣かないってね』

 

千聖視点

 

流れる雲に想いを乗せたら小さなメロディーが背中が押してくれて

まだ広がり続ける空だから迷わないって決めたか

「空からしたら私達の悩みはちっぽけなのかもしれないわね」

 

『夜空から見下ろす自分らしさという影

簡単には目に見えない宇宙の彼方からのエール

未知の世界は自分の中にも

きっと広がってるだから探してる

なに一つ上手くいかないなんて

長いことは続かないからね

もしもホームには帰れなくても

きっとどこかで会える日が来るまで

 

lalalaいつかの自分に会いに行く

lalalaいつかの君にまた会えるよ』

 

千聖視点

「いつかの自分に会いに行っていつかの君にまた会えるか

そんな事考えもしなかったわ」

自分らしさが目に見えないのは当然で上手くいかない事は長続きしないその全部が歌詞に込められていて自分を見つめ直すいいきっかけになる曲だと感じた

 

『今のこの気持ちを未来が待ってる

まだ見えない風を感じているんだよ

君の中に勇気を知った時

浮かんでいるそして飛んでいけるよ

宇宙とリズム時に揺れながら

 

lalalaいつかの自分に会いに行く

lalalaいつかの君にまた会えるよ

 

lalalaいつかの自分に』

 

1曲目が終わると俺はすぐさま次の演奏に入るそれに合わせてプロジェクターの俺達自身も演奏を初める中で歌っていく

 

『会いたくて会いたくて星の数の夜を超えて

いつまでもいつまでも君はきっと僕のヒカリ』

 

自分の演奏が1つになるのを感じる、でも、やっぱりこれじゃダメだとも感じる、最高の演奏をするなら音だけでいい!

俺は音のセカイに深く潜っていく

 

『君のそばにいる風の朝も凍りそうな月夜も

そうさ不器用な僕に出来ること瞬きするたび

形変える雲みたいな君だけ

ずっと見つめて明日を駆け抜けたいんだ

曖昧な言葉なんて心を曇らすだけ

まっすぐに泣いて、笑ってよ守り続けるから

会いたくて会いたくて星の数の夜を超えて

いつまでもいつまでも君はきっと僕のヒカリ

会いたくて会いたくて見つけたんだ僕の太陽

まぶしすぎる君の横顔』

 

千聖視点

この曲は光からのメッセージ、きっとあなたにとって

私はヒカリでは無いかもしれない、むしろ逆で私にとってのヒカリは彼なのだろう

「全てが逆じゃない」

そう言った私は自然と笑えていた

 

『強くなれなくて尖る言葉ぶつけ合う時もある

いいさふたりがしたいと思うのなら

I sey Hi君はグッバイ?へそ曲がりな言葉も

君とのヒトカケラなんだよ失くしたりはしない

会いたくて会いたくてココロ風に溶かしながら

いつだっていつだって君の傍に僕はいる

会いたくて会いたくて溢れだしてしまう想い

まぶしすぎる君の横顔

会いたくて会いたくて星の数の夜を超えて

いつだっていつだって君のそばに僕はいる

いつかきっといつかきっと同じ夢に眠れるように

僕も君のヒカリになる

ABC見えない未来も

Can'tyousee?選びたいよ

君となら行けるどこまでも

ABC君への想いをcan't you see?選びたいよ

君となら行けるどこまでも

ABC君への想いをcan't you see?守りたいよ

まぶしすぎる君の横顔巡り会えた僕の太陽』

 

ラストまで演奏し終えると俺は千聖に向けて言った

「千聖、一人じゃないから、いつだって君のそばに俺も含めてたくさんの人が見守っているだからさ胸張ってやってきな!ここから先は君が見せる番だよ」

俺の言葉を聞いて千聖は立ち上がって言った

「行ってくるわ!見ていて!」

「見てるよ!君の一番近くでね」

俺の言葉に頷きを返して千聖はステージに向かって行った

そして公演が始まると雰囲気がガラリと変わり見事に最高のステージで最高の演技をやりきった

俺はそれを見届けてから音楽室に書置きとギターのピックを置いてその場を後にした。

俺の出番はそこで終わり、ラストは千聖だ

 

千聖視点

公演は最高の形で幕を閉じた。

私は舞台から確かに彼の存在を感じていたから

彼に一言ありがとうと伝えたくていつもの場所に急いでいた

そして音楽室に着き扉を開けるとそこに彼はいなくて代わりに書置きとギターのピックが置かれていた

「光(ひかり)…」

名前を呟いても彼はこの場にいない残された書置きには

公演の感想と共に1番のファンからの最初のファンレターだと書かれていた、そして、立ち止まったらまた思い出して自分の名を呼んでほしいと綴られていた

「ありがとう、私、頑張るわね!」

そして私は書置きとギターのピックを胸に抱いたところで全部の撮影が終了し監督さんからカットの声がかかった

そして共演者の皆から惜しみない拍手が送られた。

こうして撮影の一切が終了し私達の共演が膜を閉じた。

 

そして帰り道

 

「光、今日までありがとう。」

「別に、こっちこそ貴重な体験させてもらったし」

「光、最後に握手しましょう」

「今?」

「えぇ、出来れば今が良いわ」

「……わかった」

そして俺達は力強く握手を交わし俺が力を緩めた時

千聖が俺の腕を引っ張り引き寄せて頬に口付けした

「お礼よ、いつも助けてくれてありがとう」

「大胆な事するな〜千聖みたいな美人にお礼でキスされたらちょっと勘違いしそう」

「勘違いしてくれて構わないわよ、まぁ、''私だけ''の隣に立つこと考えておいて」

そう言っていたずらっぽい笑みを浮かべて帰って行った

俺は千聖の言葉を思い出しながら一人家路に着いたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




10日ぶりくらいになりますかね?相変わらず結末が決まらず
悩みながらの執筆になります。
何はともあれ、次回はRoseliaの話を書いていこうと思いますのでお楽しみに
次回「挑戦と反省」

シーズン3の内容いくか二学期編挟むか

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