僕等が奏でる歌と音   作:凌介

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春休みに入った光は今回も星を見るために夜空を見上げて歌う


第51話氷川姉妹と天体観測

休み中、課題は特にないため家事やバイト、練習などに時間を使いつつ過ごしていた

そして現在、家でギターを弾いていると電話が鳴ったので

電話に出る相手は日菜だ

「もしもし、日菜?どうしたの?」

(もしも〜しひ〜くん!今日の夜って予定空いてる?)

「今日は1日暇だよ」

(良かった、じゃあ、夜から星観ようよ!今日ならお姉ちゃんも良いってさ!)

「そういう事なら、俺も大丈夫だから、19時に日菜達の家で良い?」

(うん、それで良いよ〜!)

「じゃあ、その時間に行くね!」

(うん、待ってるね!)

そうして通話を終了すると時計を確認してから軽く睡眠をとることにしギターを元の位置に戻してからベットに寝そべりそのまま眠りに着いた

 

数時間後、俺はスマホのアラームで目を覚ます

「こういう時しか昼寝なんてしないから少しだるいや」

そうして約束の2時間前に起きて目覚ましにシャワーを浴びて目を覚ましてから着替えと夕飯等を済ませ

準備を整えてから家を出る

そしてしばらく自転車を走らせて日菜達の家に到着する

到着した事を伝える為に自転車のベルを鳴らすとそれが聞こたようで扉が開き日菜が出てきた

「こんばんは、ひ〜くん!」

「こんばんは、日菜!準備できてる?」

「いつでも良いよ!」

そう話していると紗夜も準備を終えて出てきた

「こんばんは光君、今日はお誘いありがとうございます。」

「紗夜も一緒が良いって言ったのは日菜だし、俺は付き添いみたいなもんだから良いよ」

「一応部活の一環な訳ですし」

「部員あたし1人だし許可は貰ってるから大丈夫だよ!お姉ちゃん!」

「日菜がこう言ってるから大丈夫だと思うよ!日菜はその辺抜かりないし」

「まぁ、私もその辺については信用していますので問題ないとは思いますし、光君も大丈夫だと言うのであれば信用します」

「じゃあこの話はおしまい!行こう!お姉ちゃん!ひ〜くん!」

「うん、行こっか!」

そうして俺達は天体観測をするために学校に向かった

そして学校に着くと俺達はまず天文部の部室に向かった

「ひ〜くん!今日も望遠鏡のセッティングお願い!」

「日菜もできるじゃん!俺がやるの?」

「ひ〜くんがやるとクレーターまで綺麗に映るんだよ!あたしじゃまだ出来ないし」

「じゃあ、俺の機材は任せるからね」

「はーい!お姉ちゃん!ひ〜くんのキーボードは任せても良い?あたしはひ〜くんのギターとか持つから」

「わかったわ、じゃあ荷物を持って屋上に上がりましょう」

「そうだね、行こうか!」

そして屋上に上がると薄らと雲が出ていて満天の星空とはいかないが問題なく星が見えるだろうと思い2人に話しかける

「少しだけ雲が切れるの待つ?」

「雲晴れるかな?」

「雲自体は薄いから晴れそうだけどね」

「では、少し待ちましょう、その間に何か1曲お願いします。光君」

「じゃあBUMP OF CHICKENのプラネタリウムを演奏するよ!」

 

俺はさっそくギターを手に取り準備を整え演奏する

 

『四畳半を拡げたくて閃いてからは速かった

次の日には出来上がった手作りプラネタリウム

 

 

科学の本に書いてあった作り方の他にアレンジ

実在しない穴を開けて恥ずかしい名前付けた

 

消えそうなくらい輝いてて

触れようと手を伸ばしてみた

一番眩しいあの星の名前は僕しか知らない』

 

紗夜・日菜視点

「家に手作りのプラネタリウムを作る様子だね」

「そうね、自分だけの星を作ってアレンジしてみたりちょっと恥ずかしい思い出のような曲ね」

私達は情景を思い浮かべながら曲を聞いていく

 

 

『天井も壁も無くなって 代わりに宇宙を敷き詰めて

傷付かず 傷付けないままで君をついに閉じ込めた

 

近付いた分遠ざけてて触れることは諦めてた

背伸びしたら驚くほど容易く触れてしまった

 

やめとけば良かった当たり前だけど本当に届いてしまった

この星は君じゃない僕の夢

本当に届く訳無い光でも消えてくれない光』

 

紗夜・日菜視点

自作のプラネタリウムで作った星空だから、届いてしまった

「なんだか悲しいね」

「そうね、本来なら手が届かないものに手が届いてしまうと嬉しさよりも悲しさがあるのかもしれないわね」

 

 

 

『四畳半の窓を開けて見上げれば現実が巡る

実在しない星を探す心がプラネタリウム』

 

手を伸ばして届かない星空に自分の心を探すその情景を思い浮かべてラストを歌っていく

 

『消えそうなくらい輝いてて消えてくれなくて

泣きそうなくらい近付いてて届かなくて

 

見えなくても輝いてて

触れようと君の名前を呼ぶ

一番眩しいあの星の涙は僕しか知らない

 

消えそうなくらい輝いてて

触れよう手を伸ばしてみた

一番眩しいあの星の名前は僕しか知らない

 

いつだって見つけるよ君の場所は僕しか知らない

僕しか見えない』

演奏が終わり空を見上げるとまだポツポツと雲は残るものの

天体観測には問題ないくらいの星空が広がっていた

「いい感じに雲が晴れたし、星を観ようか!」

「うん!でも、その前に月が観たいな!」

「じゃあ、望遠鏡調整するから待ってて」

そうして俺は望遠鏡を調整し月を観れるようにした

「これで見えるよ!」

「お姉ちゃん、先に観ていいよ」

「じゃあ、遠慮なく先に月を観測させてもらうわね」

そうして紗夜が月を観ていると日菜が俺に話しかけてきた

「ひ〜くん!春にも夏みたいな三角形とかあるの?」

「もちろん!春の大三角と大曲線があるよ」

「その星にも神話があるんだよね?」

「星一つとっても神話は色々あるからね」

などと話していると紗夜は満足したのか望遠鏡から離れて俺達が話しているところにやってきた

「もういいの?」

「はい、十分です。クレーターまではっきり見えましたし、角度なんかも変われば見方も変わって新鮮でした」

「じゃあ、次はあたしが見よっと!」

そうして今度は日菜が望遠鏡を覗き始める

「日菜とはどんな話をされていたのですか?」

「星の神話についてかな?春の大三角と大曲線の話をしてたとこ」

「光君も星が好きなんですね」

「星もその星の神話を調べるのも好きだよ、だからこその知識だったりするんだけどね」

「ならこの後は光君の神話講座ですね」

「講座ってほどのものでもないけどね」

そんな話をしながら俺は日菜が部室から持ってきた星座盤を使って時期や時間を合わせて空の星を指でなぞる

「何をしてるんですか?」

「星座盤を見ながら星の位置を把握してるとこ、よし!これでいいかな、日菜!そろそろ星座観るよ」

「わかった〜」

そうして3人で1箇所に集まり空を見上げる

「まずは2人とも北斗七星を探してごらん」

「スプーンみたいなやつだよね!」

「そうそう、見つけた?」

「うん!」

「私も見つけました」

「まずはその北斗七星ね、実はあれっておおぐま座って星座の一部なんだよね、ちょうど今時期が綺麗に見えるんだよね」

「そうなんだ、初めて知った」

「私も初耳ですね!」

「そのおおぐま座と向かい合うようにしてあるのが

こぐま座、この二つは同じ神話で語られてるんだよね」

「聞かせて!」

「是非お願いします」

「月と狩の女神アルテミスの従者で森に住む妖精のカリストって言う娘がいて、アルテミスと共に森を駆け回って狩をしていたカリストを空から大神ゼウスが見初めて自分のものにしようとアルテミスの姿に化けて近付くんだ」

「それでそれで?」

「どうなるんです?」

「まぁ、結局だまされてカリストはゼウスの子供を身ごもるんだよね、それで純潔の女神でもあるアルテミスに追放されてしまうんだ」

「可哀想」

「ゼウスがいけないのでは?」

「ゼウスはかなり浮気性みたいだからね、まぁとりあえず話を戻すとねそのカリストはひとりぼっちで息子のアルカスを出産するんだ、でも、その事がゼウスの妃の女神ヘラの耳に届いてものすごく怒るんだ、それで呪いをかけてカリストを熊に変えてしまうんだ」

「そんな…」

「やりすぎでは?」

「まぁ、ヘラは何かと嫉妬深いというか怒りっぽいというか難しい神なんだよね、結局カリストは息子と別れて熊として森の奥で生きていくしか無くなるんだ」

「それからどうやって星座になるの?」

「息子のアルカスは他の妖精に育てられて十数年後には立派な狩人に成長するんだけど、ある時アルカスが森の中で狩りをしていると偶然にも熊の姿のカリストと出会うんだ、カリストの方は我を忘れてアルカスに駆け寄ろうとするんだけど

目の前の大熊がまさに生き別れた母親とは気づかないアルカスは弓をつがえてカリストを仕留めようとするんだ

それを見たゼウスは急いで2人を空に舞い上げてアルカスも熊の姿に変えて星にしたんだ

それでカリストはおおぐま座アルカスはこぐま座になったって話なんだ」

「へぇ〜最後にはお父さんが空で一緒に居られるようにしてあげたんだ」

「そうなるわね、でも、元はと言えば浮気性な神様がいけないのでは?」

「それを言ったら冬の代表星座のオリオンだって同じ様なものだし」

「まぁ、そうなのかも知れませんが、神様は勝手すぎやしませんか?」

「春の大三角の乙女座の神話も似たり寄ったりなんだけどね、それを言ったら」

「春の大三角はどこをどう見たらいいの?」

「うしかい座のアークトゥルスと乙女座のスピカ後は、しし座のデネボラを結んで春の大三角になるんだよ」

「その3つにももちろん神話があるんですよね?確かしし座はヘラクレスの12の試練に由来するとか」

「その通り!しし座はヘラクレスが一番最初に受けた試練の最初の敵だったんだよね、三日三晩首を締めてようやくやっつけたんだ、何せ弓も剣も効かないからね」

「確かその獅子は人喰いライオンだとか、キメラかキマイラだったと言う説もありますよね」

「そうだね、もしかしてしし座については紗夜知ってる?」

「えぇ、ヘラクレスの試練の本を読んだことがあるので」

「お姉ちゃん読書家だもんね」

「じゃあ、乙女座とうしかい座かな?」

「うしかい座は確か、特定の誰という訳では無いのでは?」「そうなのひ〜くん?」

「うん、まぁ、こぐま座のアルカスの狩人としての姿って説と巨人アトラスって説とあるんだよね」

「乙女座は確かまた神様の勝手が引き起こす話でしたよね?」

「そうなんだよね、冥界の神様がペルセポネっていう豊穣の女神の娘を冥界に攫ってしまうんだ、そして冥界でザクロの実を食べちゃって1年の3分の1は冥界で過ごさないと行けなくなってその間は豊穣の女神が引きこもっちゃうから冬が来るっても言われてる」

「なるほどねえ〜色々聞いたからいいレポート書けそう!」

「まぁ、上手くまとめたら良いよ!さぁ、そしたら、2人を演奏の中で時間旅行に連れてってあげる!」

そう言って俺はキーボードをピアノ音源に変えて前奏を奏歌い出す

『街の外れの旧い館が君の家日の暮れる頃呼び鈴押した

暗い廊下で君は無言の手招きさ

蕃紅花(サフラン)色のドアを開けたよ

スフィンクスが眠る砂漠に君は立ち

下弦の月に照らされてたよ

北極星の真下に尖るピラミッド光の船を君はさす

時間旅行のツァーはいかが いかがなもの?

クレオパトラの衣装の君が

時間旅行のツァーいかがいかがなもの?

そうささやいたああ夢の中ああ夢の中』

 

紗夜・日菜視点

「本当に時間旅行したね!」

「蕃紅花(サフラン)色のドアを開けて砂漠に立って下弦の月に照らされてなんてまるで夢のような時間ね」

そうして2人笑い合い続きを聞いていく

 

『黒い自動車すれ違いざまマシンガン

ニューヨークではお祭りさわぎ

旧いラジオが奏で出すのはチャールストン

FBIもタップ・ダンス

時間旅行のツァーはいかが いかがなもの?

ハリウッドクイーンまがいの君が

時間旅行のツァーいかが いかがなもの?

甘い吐息さ ああ夢の中 ああ夢の中』

 

紗夜・日菜視点

「今度はニューヨークだって!」

「砂漠にいたのに今度は一昔前のニューヨークだなんてね」

どんどん今に近付く中で曲がラストに差し掛かる

 

『最後の部屋は星降りそそぐ時の果て幾千万の船が旅立つ

住めなくなった青い地球は窓の外

やがて小さな点に消えたよ

時間旅行のツァーはいかが いかがなもの?

突然夢がそこで途切れた

時間旅行のツァーはいかが いかがなもの?

ここは東京 君の手の中 君の手の中』

 

紗夜・日菜視点

「最後は近未来かな?」

「かもしれないわね、あっという間の時間旅行だったわ」

「最後は星降りそそぐ時の果てなんだね、行ってみたいな」

幻想的な世界感が私達を虜にする

 

『時間旅行のツァーいかが?』

ラストはひたすらに時間旅行のツァーを呼びかけながら演奏を終える

そして2人から拍手が巻き起こる

「聞いてて楽しかった!るんってした!」

「あっという間の時間旅行でした」

「楽しんで貰えて良かったよ、今回はかなり迷ったからね」

「そうなの?」

「中々ね、今の時期に合いそうな曲が無くてさ、かなり迷ったし、悩んだなぁ〜」

「そっかぁ〜ひ〜くん一生懸命悩んでくれたんだね〜」

「なんか、引っかかっる言い方、まぁ、良いけど、そろそろこの時間も終わりだけど、なんかリクエストは?」

「それなら私から良いですか?」

「どうぞ」

「春の夜空も素敵でしたけど、やっぱり桜の季節ですし、夜桜と星を両方感じられる曲ってありませんか?」

「それならピッタリのがあるよ!じゃあリクエストに答えて今日最後の1曲、サクラボシ」

俺は再びキーボードを演奏しながら歌っていく

 

『桜が咲く頃 星に誓ってみたんだ

僕と君を大切に繋いで 星座を作るように

 

夢のその先へ行こう そう誓った僕らは 幼くて

それでも強く 歩んでゆけるよ(長い道のりでも)君がいるから

 

見上げたこの夜空には きっと 桜色の星輝く

躓いた時も涙は流さない あの星が滲んでしまうから

ほら 遠く思える輝きだっていつか届くから

1歩ずつ進めばいい 少しずつでもいい

夢乗せて キラリ咲くよ サクラボシ』

 

 

紗夜・日菜視点

「お姉ちゃんのリクエストにピッタリだね」

「えぇ、とっても、夜桜と星を両方感じられる曲だわ」

そうして見上げた空には満天の星空が広がっていた

 

『悔しがったあの日だっていつか一緒に笑い合って

それは一生の宝物 未来照らせ スターライト

きっと僕らの笑顔を繋げばどこまでも光り続ける

 

ヒラヒラと舞い落ちる桜の花びらに何を想う

隣を見れば君がいてくれる(大切想いと)願い込めて

 

見上げてこの夜空には きっと 桜色の星輝く

喧嘩した日さえ空を眺めながら「また明日。」って約束しただろう

今遠く思える輝きだって いつか届くから

1歩ずつ進めばいい 少しずつでもいい

夢乗せて キラリ咲くよ サクラボシ』

 

紗夜・日菜視点

「なんだかあたしとお姉ちゃんみたい」

「同じ事を言おうと思っていたわ」

私は日菜に劣等感しか抱けなかった、でも、今こうして2人で笑い合えてるまた明日を約束できる、そんな今を肯定してくれているように感じていた

 

『途方に暮れ続け(それでも見失う事は無いさ 暗闇に光る輝きは)

夢誓った星は(そうさどの星よりも眩しく)

満開に咲くよ

 

見上げたこの夜空には きっと 桜色の星輝く

躓いた時も涙は流さない あの星が滲んでしまうから

ほら 遠く思える輝きだって いつか届くから

1歩ずつ進めばいい 少しずつでもいい

夢乗せて キラリ咲くよ

もう手を伸ばせば触れそうなほど 光を放つ星がある

だから進めばいい 少しずつでもいい

僕らには見えてるよサクラボシ』

演奏が終わると紗夜が話し出す

「今だからこそこの曲が心に響くのかもしれませんね」

「なんかね、あたしとお姉ちゃんがすれ違ってた頃から今までがすっごく鮮明に思い出されてさ、ちょっと泣きそうになっちゃった」

「その時は涙が止まるまで歌ってあげるよ」

「その時はお願いしますね光君」

そうして天体観測を終えて俺達は帰路に着いた

「ひ〜くん次はGWかな?夏休みかな?」

「どうだろう?夏休みかな?」

「その時はまたたくさん星の話を聞かせてね!あと曲も」

「もちろん!また星を観よう」

「それなんですが、もし良ければ他の皆を誘ってキャンプでもしながら天体観測しませんか?」

「俺は良いけど、日菜は?」

「あたしもいいよ〜、楽しそう!」

「じゃあ次回はキャンプで天体観測だね」

「まだ先ですが私も楽しみです!」

そうして次回の天体観測の予定が決まったのだった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




天体観測イベントになります。曲にかなり迷いましたがこの3曲を使用しました。
あと2話程で春休みと三学期編が終わり3年生編に入りますのでお楽しみに
次回はお泊まりイベントを書こうと思っていますのでこちらもお楽しみに
次回「イツメンとお泊まり会」

シーズン3の内容いくか二学期編挟むか

  • 二学期編として何話か入れましょう
  • シーズン3の内容入って大丈夫です!
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