僕等が奏でる歌と音   作:凌介

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大きなLIVEイベントへの出場が決まったPastel*Palette
だが、全員の気持ちがまたしてもすれ違う中で光はサブマネージャーとして行動する


第59話雨の日とアイドルフェス

練習前、皆で集まっていると少し遅れて彩ちゃんがやってきた

「おはようございます!」

「おはようございます。アルバイトお疲れ様です」

「疲れた〜。差し入れ皆で食べて」

「走ってきたの?髪ボサボサよ」

「ホントだ、急いできたのがわかるくらいにボサボサ」

俺は彩の後ろから声をかけた

「え!?光君!なんでここに?」

「あたしが連れてきたんだ!」

「日菜ちゃんが?」

「うん!」

「あぁ〜簡単に説明するとね」

俺は言葉を区切り説明を始めた

 

数時間前

「ひ〜くん!」

「日菜、どうしたの?」

「放課後パスパレの練習に参加してくれたりしない?」

「別にいいけど?高人、バイトのシフト今日、なかったよね?」

「今日ってかお前は今週末だけだろうが!平日は俺だけだ!

まぁ、俺が頼んでそうしてもらったんだけどよ!」

「そうだったな」

そんな話をしていると日菜が俺の袖を引っ張った

「じゃあ、来てくれるよね?」

「行くよ!久しぶりに麻弥さん以外にも会いたいし」

「光、最近さ〜付き合い悪いよね!」

「なんで?」

「最近はpoppinpartyやハロハピの皆と一緒にいることが多いようだし」

「じゃあ、こうしよう!もうすぐあたし達新しいLIVEイベントに出ることが決まったの!その間だけひ〜くん貸して!終わったらひ〜くんはまた友希那ちゃん達の練習を見る!それでどう?」

「俺もそれで良いかな?」

「そういう事ならわかったわ」

そうして放課後を迎えて俺は今ここに居るという訳だ

 

「そういう事だったんだね」

彩は髪を整えながら納得する

「あぁ〜イマイチ髪が纏まらないよ〜」

「彩、ちょっとおいで、ここ座って俺の前」

「え?うん」

「スタイリストさんほど上手くないけどこんな感じでどう?」

「綺麗に纏まってる!」

「さすがに手先は器用なのね」

「俺も髪は長めだからセットするのは慣れてるんだ」

そんな話をしている横で日菜がポテトを頬張っていた

「もう食べてたの?」

「良かったら光君も千聖ちゃんも良かったら食べて」

「俺はいいや!今はあんまり手を汚したくないし」

「私もLIVE前だから遠慮しておくわ」

「LIVEがあるの!?」

彩が食い付いた

「これが目に入らぬかー!」

「なんで黄門様?」

そんなツッコミを入れながら俺もイヴが持っているポスターに目を向ける

彩はそれに乗っかるように「ははーっ!」と言って頭を下げた

「頭あげないと見えないよ」

俺は笑いながら言った

「笑わないでよ〜もぉ〜ってワールドアイドルフェス!?」

「来場者10万人を超える日本一のアイドルLIVEだそうですね!」

「会場の広さは東京ドーム3つぶんです!」

「私達のデビューLIVEもおっきかったけどそれより大きいよね!」

「デビューLIVE…」

俺は皆の顔色からいい思い出でないのは俺も皆から聞いて知っているしそれに関しては切り替えるしかない

「大きいイベントの分注目度も高いわ。デビューLIVEみたいな失態は…」

「も、もう大丈夫だよ…」

「下手な演奏はできないからそのつもりでね!」

「その辺は俺も協力出来るだろうし、頑張ろう!」

「うん!」

それから俺達はしばらく練習した後解散した

 

そして帰り道

「今日の練習、ひ〜くんから見てどう?」

「ん〜まぁ、今のところは大丈夫じゃないかな?問題は本番のMCとかで彩がミスしないかとかそれくらい?」

「ありそうだね」

「後は千聖かな?」

「千聖ちゃん?」

「まだわかんないけど、1番不安そうにしてたから」

「千聖ちゃんドラマの撮影とかもあるから忙しいんだよね〜」

そんな話をしていると日菜の家に到着する

「もう着いた、早いな〜」

「まぁ、いいじゃん!しばらくは付きっきりになるだろうし、マネージャーさんもその方が助かるみたいだし、少しの間は一緒だよ!」

「そうだよね!じゃあ毎日一緒に帰ろうね〜」

「もちろん!」

そうして日菜と別れ俺は家路に着いた

そして帰宅し夕飯等を済ませ俺は何気なくギターを手に取り演奏する

そして演奏しながらもう1人の自分ことルミナスと自問自答する

例えば辛く苦しい時があって誰にも相談できないならどうする?

(決まってるどんなに醜くても足掻けばいい、足掻いた分だけ悲しみや苦しみを乗り越えた分だけ成長できる)

例えばそれでもどうしようもなくなったら?

(1度全て忘れるのもありかもしれない、でも、1人でやらなきゃダメならゼロからもう一度やればいい)

投げ出したくなったら?

(何もかも投げ出して叫べばいい、そうすればその叫びに仲間がきっと応えてくれる)

何気なくでしていた自問自答からまだ短いものではあるが曲になった

俺はもう一度ギターを弾きながらその短い曲を口ずさむ

 

辛い時や苦しい時こそがむしゃらになろう

がむしゃらになって足掻いた分だけ自分らしさや自分だけの強さを手にできるから

もしも立ち止まってしまったならどんなに辛く苦しくても

初めの1歩を踏み出そう

投げ出したくなったなら思い切り叫ぼう

その叫びに仲間がきっと応えてくれるから

 

「また誰に聞かせる訳でもないのに曲が出来ちゃったな」

俺はギターを置いて歌詞を書いた紙を引き出しに入れ鍵をかけると眠りに着いた

 

次の日

普段通り午前中の授業をやり過ごし俺はイツメンプラス麻弥さんで昼休みを過ごしていた

「高人、ほぼ毎日バイトに出て大変じゃない?」

「お前ほどじゃないよ!今のお前はパスパレのサブマネージャーだろ?それにRoseliaとAfterglowからは6人目のメンバーとして扱われて、ハロハピやポピパの子達からも頼れる先輩として頼られてるだろ」

「でも、好きでやってる事の結果だし」

「2日に1度くらいのペースでRoseliaの皆来るけど光がいないなら意味ないって俺、練習にすら呼んでもらえないんだぜ!」

「貴方は光とセットでないと意味ないじゃない」

「光の付属品じゃねんだけとな……俺は光の影っていうか片割れ?」

「高くんはひ〜くんいないとのらりくらりしてるからね〜」

「酷くね?」

「あながち間違ってないじゃん高人の場合」

「さすがにフォローしてやれないぞ高人」

「光君と2人で演奏してる時は以心伝心な感じでアレなんすけどね」

とまぁ高人の評価はマチマチである

「逆に聞いてみたいんだけど、光の事どう思ってる?メンバーとかじゃなくて」

「並び立ちたい存在かしら?」

「近くて遠い存在?」

「優しくて楽しい人?」

「良き友達ッスね!」

「なるほどね、それが聞けてよかったよ皆から慕われてるって確信できたっつーか、再認識できたって言うかさ」

「私達は光を信頼しているわ、メンバーとして迎え入れているのが証拠ね」

「私達もなんだかんだ助けられてますしね」

「そっか、光なりに頑張って来た結果なんだな」

高人は満足そうにしていた

それから雑談混じりにあれこれと話していてパスパレのLIVEの話になった

「そういえば、なんか大きなLIVEイベントに参加するんだって?」

「そうなんですよ!ワールドアイドルフェス略してWIFです!」

「結構大きなイベントなんだよ!」

「光はまた付き添い?」

「そうなるね、一応サブマネージャー件指導役らしいし」

「らしいじゃなくてサブマネージャーで指導役だよ!」

「だそうよ」

「みたいだね」

俺は苦笑しながら答える

「いや、実際光君のおかげな部分って少なからずあると思うんす、助けられたって思うのは私達パスパレだけじゃないと思うっすよ!」

「それには同意だね、アタシらも光のおかげでって部分は少なからずある訳だし!ね、友希那」

「そうね、それはあるわね」

そんな話をしながら昼休みを過ごし俺達は教室に戻り午後の

授業を終えて迎えた放課後

俺はパスパレの付き添いで雑誌の撮影件インタビューの現場に同行していた

今はイヴが写真撮影をしていてもうすぐ終了となる

「さっすが元モデルさん!かっこいいですね!」

「彩ちゃんなんて顔ひきつってたのにね」

「今も壁に向かって練習してるみたいだよ!」

俺は彩の方を指さすとそれに気付かずに壁に向かっている彩の姿があった

「壁に向かって練習してる」

「彩ちゃん面白いね〜!」

「人一倍努力家なんだよね彩は」

そんな話をしていると全ての撮影が終了した

そして千聖は次の現場があるからとすぐに移動する

「千聖待って!」

「何かしら?」

「俺、付き添えないけど大丈夫?」

「何がかしら?」

「普段 は車だから電車とか慣れてないでしょ?」

「大丈夫よ、心配してくれてありがとう」

「まぁ、とりあえず、気を付けて」

「えぇ、遅くなるけど、後で合流はするから」

そうして千聖を見送った後、彩に声をかける

「彩、終わったよ、次は練習スタジオに移動しないと」

「そっか!ってあれ?千聖ちゃんは?」

「ドラマの撮影に行ったよ」

「ついさっき行っちゃったよ」

「そっか…」

「とりあえず移動しようか」

「だね!」

そうして俺達はスタジオに移動し千聖抜きではあるが練習を開始する

俺はここからは指導役として練習に参加する

「彩さんバッチリですね!」

「本当に!?」

「ダンスミスってわちゃってなってたけど面白かったよー!

ひ〜くん気付いてだけどなんにも言わなかったよね?」

「そのミスをどうカバーするかを見たかったからね」

「バレてたんだ…」

「俺の目を誤魔化したいならもう少し上手くやらないと」

「ひ〜くんの目はどうやっても騙せないと思うけど?」

そう話していると千聖が合流した

「遅くなってごめんなさい。すぐに準備するわ」

「じゃあ遅いので1曲だけやりましょう」

「ゆらゆらやりたい!」

「今度ね。日菜ちゃんは何やりたい?」

「あたしはなんでもいいよー!」

「光は?」

「さっきまでやってたのを仕上げちゃえば?」

「さっきまでやってたのは?」

「パスパレボリューションずです」

「じゃあそれを仕上げましょう」

「張り切って行きましよう!」

そうしてその日はその1曲を演奏し解散となった

 

そして帰宅すると同時に着信が入った

「おたえだ、何かあったのかな?」

俺は電話に出る

「もしもし、おたえ、どうしたの?」

(こんばんは、今、大丈夫ですか?)

「なんかあった?」

(特に何って訳じゃないんですけど、実は…千聖先輩がバイト先に来たんです)

「千聖が?」

(はい…誰にも言わないでって言われてたんですけど、光先輩には言っておいた方がいい気がして)

「そっか、わざわざありがとう!多分誰にも知られなくないんだろうし俺も聞いたことは黙っておくから」

(はい!また何かあったら連絡しますね)

「うん、おやすみ」

そうして通話を終了すると俺はスマホを充電して眠りに着いた

そして次の日から皆それぞれに忙しく日々を過ごす中で久しぶりに全員集まっての練習の中で日菜が難しい顔をしていた

「千聖ちゃんなんか変!」

「変?」

「いつもはボボボンみたいな音だけど今日のは何かボヘ〜みたいな?ひ〜くん!」

「ん?あぁ、ベースの弦くたびれてるか錆びてんじゃないかな?」

「千聖さんベース見せて貰えますか?」

そうして麻弥さんが千聖のベースを確認すると案の定くたびれていた

「あぁ〜弦がかなりくたびれてますね!」

「ほ〜らね!さっすがひ〜くん!」

「真っ先に気付いたのは日菜じゃん」

「嘘!ひ〜くん気付いてて言わなかったよね?」

「あぁ〜うん!実は演奏始まった瞬間から気付いてはいたよ!」

「どうして言わなかったんですか?」

「言ったら日菜に楽器のメンテさせられそうだったから」

「え〜なにそれ〜」

「まぁまぁ、とにかく千聖さん代えの弦ありますか?交換しちゃいましょう」

「なら、ひ〜くんに任せてよ!あたしが言い出すってわかってたってことは道具あるんでしょ?」

「言うと思った」

俺はスタジオの端っこに置いていたバックを持ってきてメンテの道具を取り出す

「千聖ベース貸してついでに日菜のもやってあげるから少し休憩してて」

「はーい」

「そうね、少し休憩しましょうか」

そうして俺は千聖のベースの弦を外してネックの反りなどをチェックしながらクリーナーをかけてベースの弦を張り軽く音を確かめてから千聖に返す

「千聖、終わったよ」

「ありがとう、随分綺麗になったわね」

「音確かめてみて」

「わかったわ」

そう言って千聖はベースを弾くと驚きの表情を浮かべていた

「チューニングまでしてあるのね!しかもわたしの普段の音と寸分の違いもないわ」

「メンテしたのひ〜くんだもん!当然!」

「なんで日菜ちゃんが得意げなの?」

そんな話をしているうちに日菜のギターのメンテも終わった

「日菜のも終わったよ!」

「ありがとうひ〜くん!」

「それにしても光君細かい道具まで色々持ってるんですね!」

「俺はバンドでやる楽器は全部1人でやるから色々ないと不便でさ」

「ひ〜くんの部屋は楽器がいっぱいあるんだよ!」

「確かにギターもベースも3本くらいあったね」

「ひ〜くん実際今楽器どのくらいあるの?」

「ギター5本ウチ1本アコギでベース4本キーボード3つにドラムセット2つとバイオリン2本とハーモニカ3本かな?」

「それ全部光君が演奏出来るんですよね?」

「そりゃもちろん、とまぁこの話はこのくらいにして

千聖、無理しすぎないように!体調も楽器の管理も仕事だよ!」

「そうね、気を付けるわ」

それから俺達はしばらく練習して解散した

そして俺はパスパレのグループLINEに千聖に言ったことをもう一度送っておいた皆からそれぞれありがとう等の返答が返ってきた

 

そして帰宅し夕飯等を済ませてからアコギを手に取り以前演奏したBeautifulの演奏を録音し千聖に送ってから就寝した

 

そして次の日、俺は今日もまたパスパレの練習に付き添っている

そしてスマホをみて彩が唸っていた

「どったの?エゴサの鬼」

彩は唸りながらスマホを見せる

「デビューLIVEの記事じゃん!」

「あぁ〜」

記事の事を聞いて俺もなんとも言えない表情を浮かべる

確かにデビューLIVEは散々で千聖が上手くフォローしてくれたらしいけど、その時のことを詳しく知る皆だからこそ思うところがあるのかもしれない

そんな中で日菜は前向きな発言をする

「でも、今はしっかり弾いてるし歌ってるじゃん!大丈夫だよ!それにひ〜くんもいる!」

「俺?」

「はい、LIVEを成功させてパスパレの誠ここにありってところを見せてあげましょう!」

「自分も頑張ります!」

「私も頑張る!」

「まぁ、俺も必要なら力貸すし頑張ろ」

 

その頃千聖side

私は練習の合間にたえちゃんと話していた

「千聖先輩ボーカルもやるんですね」

「えぇ、1曲だけ彩ちゃんと2人で歌うの」

「弾きながら歌うのは大変」

呟くように言われてハッとする

「っていつも香澄が言ってて難しい所は話し合って私が弾いたり、時には光先輩にアドバイスしてもらったりもします」

「そうなの。ツインギターだから出来る事ね、光は1人であれもこれもってやるからアドバイスも為になるし」

「ツインボーカルではできないですか?」

「まだ出来ないわ」

そんな話した後少しして練習時間を終えて私は帰宅した

 

 

そして次の日、放課後

俺達は今日もまたスタジオに集まっていた

そしてイヴは何やらため息をついていた

「イヴさんどうかしたんですか?」

「体調悪いとか?」

「な、なんでもありません」

「悩み事って訳じゃなさそうだね」

「何隠してるの〜?」

「ギクッ!」

日菜にそう問われて分かりやすく身体を硬直させる

「シノビは口が堅いのです!」

「知り得た情報を味方に報告するまでが忍の仕事だよ」

「確かにね、忍の主な仕事は情報収集だからね」

「はっ…確かに…」

イヴはそう言って話し出す

「実は見てしまったんです。千聖さんが…」

「まさかスキャンダルとか?」

「大問題じゃん相手は?もしかしてまたひ〜くん?」

「違うから!俺今は一応マネージャーだからね!」

イヴは首を横に振り答える

「光君ではなく、相手はたえさんです」

「おたえ?何か話してただけなら問題なくない?」

「たえさんと千聖さんがやまぶき色のお菓子を…」

「お菓子?」

「賄賂です!」

賄賂ねえ〜、俺はおたえからほんの少しだけ事情を聞いてる為そあながち間違ってないだろうなとは思う反面

千聖なりの皆への気遣いだろうなと思っていた

そしてそのタイミングで千聖がやってきた

「お疲れ様です」

「千聖ちゃん来た!」

「日菜さんシッ!」

「イヴちゃんどうかしたの?」

「えっとあの…拙者これにてドロン!」

そう言って椅子の下に潜るイヴを日菜が簡単に引っ張り出す

「何事なの?」

「あぁ〜実は千聖がおたえにお菓子かなんか渡してるの見たらしいんだけど、それを賄賂だなんだって騒いでて」

俺はさっきまで話していた事を説明する

「そういう事、人気のパンが買えたから渡しただけよ」

「ふ〜ん」

口には出さないが日菜も何かわかっているような感じがしていた

「千聖さん今日は練習に出られるんですよね?」

「追加の撮影があるから30分だけだけど」

「十分です!」

「忙しい中の30分って貴重だからね」

そんな中で彩が発言する

「あの!ゆらゆらやりたいんですけど…どうでしょう?」

「なんで敬語?」

「気を使うところじゃない気も…まぁいいや、どうするの?やるなら練習見るけど?」

「いいわよ」

「あ、ありがとう!」

「けど、歌は次回でもいいかしら…演奏に集中したいから」

「うん…」

「まぁ、まずは演奏の方を完璧にしとけば間違いないだろうし、とりあえず練習しようか!」

そうして練習している中で皆の表情はパッとしない

「るんってしないな〜」

「日菜もそう思う?」

「ひ〜くんも?」

「うん、まぁね。彩、千聖、2人ともが集中出来てない感じがするよ!」

俺の言葉を聞いて彩は千聖に提案する

「千聖ちゃん、良かったら本番みたいに練習しない?

やっぱり2人で歌う曲だから。大変だったら歌だけでも」

「それじゃあ、本番みたいにはなわないわ」

「でも私千聖ちゃんと一緒に…」

「いやよ!」

帰ってきたのはあからさまな拒絶だった…

「ごめんなさい…今のは…」

「私顔洗ってくるね」

「「彩!(さん!)」」

彩はスタジオを出ていった

「私撮影に戻らなきゃ…」

「千聖!」

千聖も続けて出ていった

「どうしてこうなるかな…」

俺は仕方なく持参していたギターを手に取ると日菜に頼んで彩を呼び戻してもらう

「日菜、彩を呼んできてくれる?千聖いないけど、1曲聞いてほしんだ」

「わかった!待っててね!」

そうして日菜は彩を連れて戻ってきた

「光君…」

「目に見えて落ち込んでるね、彩は千聖に拒絶されたと思う?」

「わかんないよ…」

「そっか、じゃあとにかく1曲聞いてよ、そうすれば何か掴めるかもよ」

「…うん」

「じゃあ演奏するね!リルラリルハ」

 

『私のおまもりお花マーガレット

小さな私をやさしさでつつむ人が好きな花で

とまどいが訪れる時に限って自分をなぜだか苦しめてる

そんな時こそやさしさあげたいの

忘れないで見つめることを今できるでしょう?

今しかないこの時間をあなた次第でREALLIFE流れゆく

REALHEART変わりゆく』

 

パスパレ視点

 

「忘れないで見つめることをってどういう事だろう?」

「全部自分次第って事じゃないかな?」

「きっとそうです!」

「ですね!」

私達はまだこの曲の意味を掴めないけどちょっとだけ前向きにまれた気がする

 

『私のおまもりお花マーガレット

ひたむきで可憐なかわいい花私の支えこころが強くなる

忘れないで見つめることを忘れないで感じることを

今できるでしょう?今しかないこの時間をあなた次第で

REALLIFE流れゆく

REALHEART変わりゆく』

 

「光君!ありがとう!私!自分次第で変われるならまずはしっかりと千聖ちゃんも他の皆も信じていくよ!」

「それがいいよ!また千聖がいる時にでも改めて演奏するよ!」

「それってまた私達を支えてくれるってこと?」

「俺はパスパレのサブマネージャーなんでしょ?そしてサブマネージャーの俺の仕事は?」

「私達のアフターケア…って…あ!そっか!」

「そういう事!」

「まぁ、期待しててよ!」

そうしてその日は解散した

次の日、雨が振る中で俺達はスタジオを訪れた

「傘さしてても濡れるもんだな」

「だね〜肩の辺りとか以外と濡れちゃった」

「彩さん来ますかね」

「来るさ、彩は途中で投げ出したりする子じゃない」

「だよね!それに仕事でもある訳だし」

「このままじゃダメです…すれ違い続けたら離れてしまいます…何とかしたいです」

「ひ〜くんがいるし、あたしたちだってこのままじゃダメなのはわかってるし」

「自分もいつも彩さんや千聖さんにお世話になってばっかりでこんな時何ができるかなんてわかりませんが」

「麻弥さんは良くやってるよ、パスパレの支柱だと思うよ」

「うん!1番安定してるし頼りにしてるよ」

「そうですか…ふへへへ」

褒められて照れくさそうだ

「皆で助け合っていけばきっとパスパレだって最高のバンドになるさ!」

「もちろんひ〜くんも力貸してくれるよね?」

「皆がそれを望むなら」

「5人揃ってないと面白くないしね」

そんな話をしながら中に入ると

既に彩がいた

「来てたんだ早いね」

「ていうかなんで?」

「昨日の夜考えたんだ。私ができてないから千聖ちゃん一緒に歌ってくれないのかもなって。だったら頑張るしかないって」

「千聖さんは本当は一緒に歌いたいんだと思います。

そうじゃなかったらベースの弦あんなにくたびれるまで練習しないですよ」

「千聖は多分努力する姿を見られたくないんだと思う

多分だけど、女優とかそういうの抜きでプライドが許さなかったんじゃないかな?」

「彩ちゃん、るんってきた?」

「皆、私!行ってくる!」

「皆で行こう!」

「うん!」

「はい!」

「行きましょう!」

そうして俺達は彩の後を追うようにして練習スタジオを後にする

そうしてびしょ濡れになりながらも千聖のところに着いた

「千聖ちゃん!お疲れ様!」

「どうしたの?」

「私、待ってるから!」

「あ…」

「私頼りないしできることも少なくて頑張るしかできないけど千聖ちゃんが大丈夫って一緒にいいよってなるまで待ってる!待ってるからね!」

「彩ちゃんらしいわね。彩ちゃんがここに来てる時点で急かされてる気分なんだけど?」

「え、ごめん」

「次の撮影までスタジオを予約しているの。一緒に行く?」

「え、いいの?」

「まだ完璧とは言えないけどそんな状態の彩ちゃんを1人で返せないでしょ」

「ありがとう」

彩は千聖に抱きつく、ようやくお互いに歩み寄れたというところかな

俺は遠目に見てそう思った

そして他の皆と合流し2人のところに行く

「俺達も参加していいかな?」

「光、皆も」

「一件落着ですね!」

「これから練習に行くけど皆で行かない?」

「いいの?」

「いいの」

「じゃあ練習が終わったら皆でまたご飯食べに行こうか!」

「同じ釜の飯を食べるですね!」

「まぁ、ひ〜くんの演奏もあるしね!」

「貴方演奏する気なの?」

「そのつもり、まぁ必要無いかもだけど、一応ね、俺が歌う曲を通して皆の結束力がまたさらに強まってくれたら良いなって」

「なら、お願いしようかしら?またあの姿の演奏が聞きたいわ」

「そういう事なら」

俺はピアスを付け替え髪をあげる

「これで良いかな?本来なら白装束の姿なんだけどこれで勘弁してね」

そうして俺達は近くのスタジオにお邪魔した

「光先輩!待ってました!」

「スタジオ借りるね!」

「はい!」

「おたえちゃんとグルだったの?」

「おたえなりに千聖の事心配して僕等に連絡くれたんだよ」

「本当にあなたも抜け目無いわね」

「まぁ、僕達だって千聖の心配をしてなかった訳じゃないってことさ、さて、時間もない事だし始めますか!まずはキーボードメインで聞いてください、あなたがいる」

 

『あなたがいるだから僕は飛び立てるんだよ

あなたがいるだから僕は踏み出せるんだよ

いつの日か辿り着いて抱きしめあう時

今の僕らを誇れるから きっと』

 

パスパレ視点

さっきまでの光景が浮かんでくるLIVEが決まった時から今までの全部が歌詞の始まりで浮かんできた

「今日までの私達…」

「みたいね」

「さすがひ〜くん」

「やっぱり彼には敵いませんね」

「完敗ですね」

皆がそれぞれの思いで聞いていく

 

『誰かの真似じゃなくって言われたわけじゃなくって

僕が僕の意志で選んだ初めての本気の夢に

 

僕が見つけたものは甘くない現実に

それでも憧れる気持ちとかけがけのない出会い

 

見せあった涙が打ちあけあった弱さが

今日も信じあえる理由になる

 

あなたがいるだから僕は飛び立てるんだよ

あなたがいるだから僕は踏み出せるんだよ

いつの日か辿り着いて抱きしめあう時

今の僕らを誇れるからきっと

 

好きで始めたはずが好きじゃなくなっていって

確かに出来ていたことも出来なくなっていたあの日

 

顔向けもできなくって逃げるように閉じこもって

自分を諦めた僕を あなたは諦めずに

上には上がいたって 僕にはぼくだけだって

遠まわしだったけど 嬉しかったよ

 

あなたとまた笑いたくて 歩き始めた

あなたとまた挑みたくて涙拭った

いつの日かその全てが過去に変わる時

思い出すたび輝くからきっと

 

追いかけ続ける中で 小さく叶ってゆくんだろ

僕らは今日も叶える 同じ未来を共に描くという夢を

 

あなたがいるだから僕は飛び立てるんだよ

あなたがいるだから僕は踏み出せるんだよ

いつの日か辿り着いて抱きしめあう時

僕もあなたの誇りでありたい』

演奏を終えた僕は話し出す

 

「千聖と彩、そしてパスパレの皆が今のパスパレメンバーと一緒に笑ったり泣いたりしながら色んなことに挑戦して欲しと思って演奏しました、じゃあ最後の曲に行きます

聞いてくださいprogress」

俺はギターを弾きながら歌っていく

 

『僕らは位置について横一列でスタートをきった

つまづいてるあいつのことを見て

本当はシメシメと思っていた

誰かを許せたり大切な人を守れたり

いまだ何一つサマになっていやしない

相変わらずあの日のダメな ぼく

ずっと探していた理想の自分って

もうちょっとカッコよかったけれど

僕が歩いてきた日々と道のりを

ほんとは''ジブン''っていうらしい

世界中に溢れているため息と

君と僕の甘酸っぱい挫折に捧ぐ

''後一歩だけ、前に 進もう''』

 

パスパレ視点

下積み時代を思い出すのと同時に皆と一緒に培ってきた

時間が浮かんでくる

「理想の自分ってなんだろうって考える曲だね」

「そうね、歩いてきた日々と道のりを本当のジブンって言うらしいか、それも光らしいわね」

「ひ〜くんもやっぱり理想を追い求める人なんだよ!」

「じゃなきゃ言葉は届きません!」

「そうかもしれないですね!」

夢や理想を語ることを嫌う人もいるかもしれないけど

その夢や理想があるからこそささる言葉があるのかもしれない

 

『空にはいつでもまるでぼくらの希望のように

こぼれそうなくらい星が輝いて

届かないその手を伸ばしたんだ

ガラスケースの中飾られた悲しみを見て

かわいそうに…なんてつぶやいてる

こんな自分ケリたくなるくらいキライ!

ねぇぼくらがユメ見たのって誰かと同じ色の未来じゃない

誰も知らない世界へ向かっていく勇気を

''ミライ''って言うらしい

世界中にあふれているため息と

 

君と僕の甘酸っぱい挫折に捧ぐ…

''あと一歩だけ前に進もう''』

 

パスパレ視点

星が希望でガラスケースに飾られているのは悲しみ

それをかわいそうになんて呟く

「こんなはずじゃなかったって言いたそうなちょっと悲しい曲」

「そうかもしれないわね、私達だけじゃなくて夢を追う人達の悲しみがこもってるのよ」

「ひ〜くん…」

「彼なりの答えなのかもですね」

「わかるかもしれません」

私達は曲を聞いて何故かザワつく気持ちになった

 

『ずっと探していた理想の自分って

もうちょっとカッコよかったけれど

僕が歩いてきた日々と道のりを

ほんとは''ジブン''っていうらしい

ねぇぼくらがユメ見たのって誰かと同じ色の未来じゃない

誰も知らない世界へ向かっていく勇気を

''ミライ''っていうらしい

世界中にあふれているため息と

君と僕の甘酸っぱい挫折に捧ぐ…

''あと一歩だけ前に進もう''』

演奏を終えた時皆は静かに笑っていた

「私達これからもパスパレとして頑張るから見ててね!」

「もちろん!」

それから少しの間練習して俺達は解散した

 

そしてLIVE当日

「日本最大級のイベント」

「って言ってたのに私達のステージちっちゃいね」

「いんじゃないの?ここから更に上のステージに行ってやるって思って演奏したらいいじゃん」

「確かに自分達らしいですね!」

「どんな時でも全力です!」

「緊張してきた」

「大丈夫緊張も彩ちゃんの味方よ」

「もちろん俺達もね」

「だよね!みんな手出して!光君も!」

「はーい!」

「俺も?」

「うん!」

「円陣ですね!」

「彩さん頼みます!」

「今回は光君にお願いしたいな」

「俺に?」

「私達の気持ちをいつも繋いでくれる光君にお願いしたいの」

「わかった!じゃあ皆!準備は良い?」

全員が頷く

「俺が付き添えるのはここまでだけど、皆!全力で!」

「うん!」

「もちろん!」

「任せて!」

「やりますよ!」

「全力で!」

「それじゃあ!パスパレー!」

「「「「オオー!」」」」

「ブシドー!」

そうしてLIVEが始まる俺はステージ袖からその様子を眺める

俺はその光景を目に焼き付ける

「皆らしさが溢れてるよ!観客皆も喜んでるよ」

そうしてLIVEが終わり彼女達はアイドルとしてまた一つ成長したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




パスパレ編になります!主人公が関わってるのでかなり内容は変わってますけどそこはご容赦ください
次回はGOフェスの話になりますのでお楽しみに
次回「お祭りとLIVE開催決定」

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