僕等が奏でる歌と音   作:凌介

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また1つ自身の求めるものに近付いた光はその成果を両親へのビデオレターに綴る


第8話看病とビデオレター

Pastel*Paletteの件から数日後のゴールデンウィーク初日俺は体調を崩していた

「ゲホッゲッホ、あぁ〜喉いて~頭痛え~んでもって体がだるい!ゲホッあぁ~巫山戯んなクソ!冗談じゃねぇ」

1人愚痴るが、誰が聞いてる訳でもないのでその愚痴を拾ってくれる人はいないそんな事を思いながらベッドで寝返りをうつと目の前にスマホがあったので手に取って操作し、落ち着く曲と入力されたファイルを開き曲を再生する音楽を聞いていると荒んでた気持ちが安らかになっていき俺はいつの間にか眠りに落ちていた

どのくらい眠っていたのかわからないが俺は不快感で目を覚ますと汗で服がビショビショだった

「気色悪ぃ」俺はそう言って起き上がり引き出しから着替えを出して洗面所に向かう立ち上がると寝すぎなのか熱のせいかわからないがまだ頭がフラフラするが歩くのに支障は無いので無視する洗面所で服を脱ぎ熱いお湯でタオルを濡らして身体を拭き着替えてからベッドシーツも取り替え再び横になるがなかなか寝付けないので俺は少し早いが昼食を取る

「お粥のレトルト買っててよかった、食欲が殆ど皆無だから助かる」そう言ってレトルトのお粥を温めてから皿に移してテーブルまで運び食べる

「あぁ〜ダメだ味わかんねぇ〜余計食欲失せる」

俺はそう言いながらも食べきり食器を下げてからソファに寄りかかっているとテーブルに置いていたスマホが鳴る

リサからの着信だった

「もしもし?リサ?」

「もしもしって光、酷い声じゃん体調不良ってマジだったんだね」

「当たり前だよじゃなきゃcircleのバイト休まないよ」

「まぁだよね〜」

「で、なんか用事だったる?」

「あぁそうそう!この後お見舞い行っていい?」

「Roseliaのメンバー全員で来るの?」

「そのつもりだったんだけど、今のところアタシとあこだけかな?時間は別々になると思うけど」

「あぁわかった玄関の鍵開けとくから勝手に入って来てくれるなら大丈夫起き上がってるとまだフラつくから、目印になるように郵便受けに漫画でも入れとくから」

「わかった今から向かうからよろしくね」

「了解」

俺はそう言って通話を終了させると近くにあった小説

【楽園ノイズ】をポストに差しておく

俺は部屋に戻り窓を開けてから掛け布団を持って来てソファに横になりまた曲を再生してぼーとしているとインターホンがなり扉が開く音がした

「光〜?入るよ〜」

「入って来てくれて大丈夫だよ」

俺がそう返答するとリサが買い物袋を持って入ってきた

「光、具合どう?」

「一応大丈夫って言っておくよ」

「そうは見えないけどね満身創痍って感じ?」

「まぁそんなとこ」

「熱は?」

「測ってない」

「ダメじゃん、ちゃんと熱計らないと~体温計どこ?それとご飯は?」

「体温計はテレビ脇のペン立てご飯はレトルトだけどお粥食べた」

「薬は飲んだの?はい体温計」

「食べたばっかりだからまだ」

リサにあれこれ質問されながら待っていると体温計が鳴った

「熱は38℃5分」

「風邪だよ!寝てなってほら薬飲んで」

リサから薬と水を受け取り服用しソファに横になる

「部屋じゃなくて良いの?」

「部屋換気中朝食べて薬飲んだから今は咳大丈夫だけどちょっと前は酷かったから」

「そういう事ならとりあえず仕方ないか、とりあえず冷蔵庫に色々入れといたからね後、おでこ出して」

言われるままに前髪をあげるとリサが熱さまシートを貼ってくれた

「何から何までごめんねリサ」

「良いよ良いよお見舞いなんだし病人がそんな事気にしちゃダメだよ」

俺はこの時ばっかりはリサに頭が上がらないなと思った

風邪が治ったらお礼しないとなと考えていたらリサが1枚のDVDを手に持って聞いてきた

「光〜このDVDって何?」

「両親へのビデオレター」

「見てもいい?」

「良いけどそっちじゃなくてビデオカメラのやつにしてコードからなにからそのままだからテレビとビデオカメラとDVDプレイヤーの電源入れてビデオカメラの再生ボタン押せば見れるから」

俺はそう説明してテレビの方を指差す

「聞いといてなんだけど本当に良いの?」

「見られて減るもんじゃないし」

俺はそう言ってソファの上で身をよじる

「じゃあお言葉に甘えて見せてもらうね」

「良いよ」

俺はリサがテレビ等々の電源を入れたのを確認してから身体ごとソファの背もたれの方を向くが頭の上からリサに声を掛けられた

「光〜一旦起きて~」

俺は身体を起こして問いかける

「どうかした?上手く再生されない?」

「そうじゃないよ」

そう言ってリサは俺がさっきまで寝ていたソファに座ると自分の膝を叩く

「ほ〜ら寝た寝た病人なんだから起きてるの辛いんでしょ?お姉さんが膝枕してあげるから」

リサはそう言うが俺個人はかなり躊躇われた正直身体を拭いたとはいえ汗の匂いや髪のゴワゴワ感等々気になりすぎる

「いや、あのさ、気遣いは有難いけど、汗の匂いとか諸々気になるしさ」

「気にしない気にしないほ〜ら寝た寝た」

俺は風邪のせいで思ったよりも力が入らずリサに押さえつけられた

「アハハ〜なんか良いねちょっと征服感あるよ」

「俺としては複雑な気分だよ女子に簡単に組み伏せられるとか情けないったらないよ」

「気にしない気にしない病人なんだからさぁ」

そう言ってリサは俺の頭を優しく撫でる前もそうだったが凄く安心するし眠くなるそんな事を思いながら俺は眠りに落ちていった

 

リサ視点

光がアタシの膝の上で寝息を立てているテレビには光が両親に当てたビデオレターが流れている

画面の向こうでは光が両親に向けて歌っている。

アタシは光を起こさないように呟く

「本当に両親思いで優しいんだね光は」

アタシが知ってる光はいつも誰かのためって言って歌ってて自分は二の次でいつも自分じゃない誰かのために何かしてるそんな人だ、そんな彼が身近な人に向けて歌っているのはとても新鮮だった、程なくしてビデオレターが終わるとテレビの画面は暗くなった、光を膝枕しているので動けないので光の髪を触る汗でベタベタだと言っていたけど全然そんなことはない前と変わらないサラサラした触り心地だ

しばらく髪を触っていると光の手がアタシの髪に触れる

「リサ、くすぐったいよ」

「ごめん起こした?」

「いや、寝返り打てないからなんか寝付き悪かった、やっぱりベッドで寝ないとダメだね」

光がそう言って笑っている

「リサの髪って長いから寝そべっててもすぐ手が届くね、なんか上手く言えないけどこの感じ好きだなぁ」

アタシは顔が熱くなるのがわかった普段の光独特のちょっと低くて耳に残る声で囁くように言われるとちょっと恥ずかしい、アタシは恥ずかしさを誤魔化すために光の額を軽く叩く

「そう言ってくれるのは嬉しいけど起きたなら頭退けてくれるかな?」

「あぁごめん」

光がそう言って頭を上げるとアタシは立ち上がりもう一度光に体温計を渡す

「一応もう一度熱計って待ってて飲み物持ってきてあげる」

アタシはそう言ってキッチンに向かった

 

俺は身体を起こして体温計がなるのを待ちながらキッチンにいるリサの背中を見ていた

「なんか新鮮だな〜」

そう呟くと同時に体温計が鳴る

「37℃ちょうど少しだけ下がったな」

「はい、光、スポーツドリンク」

「ありがとうリサ」

俺はお礼を言ってからペットボトルを受け取りフタを開けて3分の1程飲むとフタを閉めてテーブルに置き一息つく

「リサ、まだ帰んなくて平気?いてくれるのはありがたいけど風邪移しても申し訳ないし何より俺が友希那にドヤされそうだよ」

「もうすぐあこが来るからあこが来たら一緒に帰るよ」

「そっか、じゃあ映画でも見てて」

「そうさせてもらうね」そう言ってリサは適当に映画を選んで視聴している、俺はリサの背中から何故か目が離せないでいた。俺の視線が気になったのかリサが振り向いて話しかけてきた

「光、どうしたの?アタシの後ろ姿眺めて」

「いや、リサに限った話じゃないんだけどさ俺、誰かの後ろ姿をこうして眺める事ってあんまりなかったなって思ってさ、いつも先頭に立って歩いてたり、誰かの隣に並んでるせいなのかもしれないけどさ、だからって訳じゃないけどなんか目の前にいるリサの背中から目が離せなくてさ」

「アハハ〜なんか嬉しいやら恥ずかしいやらだな〜アタシなんて見るに耐えうる程の後ろ姿なんかしてないと思うけどねぇ〜紗夜や燐子辺りならもっと絵になるような感じなんだろうけどね〜」

俺は何となく想像してみるがイメージが全く湧いてこない

「あぁ〜なんか想像つかないや、多分俺の家にいる姿を想像したからかな?」

「どうだろうね、他の場所なら思い浮かぶのかな?」

「俺にもわかんないや」

そんな事を話していると、俺の部屋のインターホンがなった

「あこかな?アタシが出るね」

「あぁ、ごめんね、お願い」

リサが出迎えに向かうと案の定来たのはあこちゃんだった

あこちゃんは心配そうな顔で俺の顔を覗き込む

「光兄ぃ大丈夫?」

「これでも薬のおかげでだいぶ楽になったんだよ、心配してくれてありがとうあこちゃん」

俺はそう言ってあこちゃんの頭を優しく撫でる

あこちゃんは嬉しそうな笑顔を浮かべている

俺はふと思い出した事があったのでリサに声を掛ける

「あぁそういえばリサ、冷蔵庫の1番上の段にあるトレイ出せるかな?」

「大丈夫だよ〜ちょっと待ってて」

リサがそう言ってキッチンに向い冷蔵庫を開け中からトレイを運んで来てくれた

「光、持ってきたよ」

「蓋してあるホイル剥がして好きなの食べて俺はまだ味わかんないから」

「中身は何かな〜ってプリンじゃん!」

「あぁうん、一昨日作ったんだ本当はcircleに持って行って来た人に配るつもりだったんだけど、ビデオレター撮ったりしてるうちに体調不良になったからお見舞いに来てくれたお礼に食べてってよ」

「じゃあ遠慮なく〜スプーン借りるね〜」

リサは再びキッチンに戻ってスプーンを取ってきた

「あこはどれ食べる」

「この紫の2つとも食べたい!」

「OK、て言うか光、この同じ色が2個あるのはなんなの?」

「味が違うんだよ紫はブドウとブルーベリー赤いのがいちごとさくらんぼって感じで何種類か作ったから」

「じゃあこの緑のは?」

「抹茶とメロンだよ」

「なるほどねぇ〜光って結構手先器用なんだね」

「そうでもないよ楽器弾いたり簡単な料理したりは出来るけど、逆に裁縫とかは苦手だしね」

俺がそう返答すると2人は意外と言った表情を浮かべた

俺個人はそんなに意外かと思いそのまま問いかける

「そんなに意外?」

「まぁね、光って完璧とは言わないまでもある程度の事はそつなく出来そうだから」

「あこも同じこと思ったよ〜」

リサの意見を聞いて俺はなるほどと思った

「もしそう思ってもらえてるならそれは両親からの教育の賜物かな、俺個人はかなり不器用で楽器意外は取り柄と呼べるものって何も無くてさ、両親に物を壊したら修理して使えるなら使え、ある程度の事はできるようになれって言われ続けたんだ、もちろんそれが嫌になったりした事もあるよ、でも、途中で投げ出したら負けだって思うようにして頑張ったからね、だから今の俺があるんだ」

「そっか、なるほどね、また少し光の事がわかった気がするよ」

「あこも同じこと考えたよ」

2人がそう言って笑っている

それから少しの間雑談を交えながら今日の事をリサ達が教えてくれた。

俺に練習を見てもらうつもりだったので俺がいなくて予定よりも早く練習が終わった事、友希那と紗夜が小言を言っていた事などを教えてくれた

「友希那達には何からしらお詫びしないと後で小言の嵐が飛んできそうだね」

「確かにね〜でも、体調不良だし大目に見てくれると思うけど、念には念をかな?」

「まぁそんなとこかな2人とも残りのプリンは持って帰ってもらって良いからね」

「良いの?」

「実はトレイで3つ分作ってあって1つは一番下の段に入れてあるんだよね、だからそのトレイの分は持って帰ってもらっても平気だよ」

「じゃあ遠慮なく貰うね!でもさ光、こんなにたくさんどうやって作ったの?」

「あぁこれ?実験みたいな感じでさかき氷のシロップ使ってみたんだよね、1つは自分で食べてみたんだけど思いのほか上手く出来て調子乗って色々作っちゃってさ、だから配ろうかなって考えてたんだよね」

「そうなんだ、でもシロップ以外のはどうしたの?」

「リンゴとかそれ系は買ってきてすりおろして使ってたりするよ」

「結構こだわったんだね!あこは残りどれがいい?」

「あこはこの白いの3つとも食べてみたい!」

「光、この白いの3つは何味なの?」

「確か、梨とライチとカルピスだったかな?」

正直その辺は作り過ぎて覚えていないというのが本音だ

俺は覚えている限り説明する

「白いのはさっき説明したよね、あとは黒いのがコーヒーで残りのカラフルなのは色々段分けして作ったやつだから色んな味が楽しめるはずだよ、それにシロップ使ってるから砂糖とかそっち系はかなり抑えてあるからそっちの甘さがいい感じだと思うよ」

「確かに砂糖っぽい甘さがあんまり無くてシロップ独特の甘さが意外と引き立ってた感じあったな〜」

「あこ的には凄く美味しかったって事しかわかんないけど、ただ本当に凄く美味しかった!」

「ありがとうあこちゃん」

俺はそう言って身体を起こし立ち上がり紙袋を用意して袋詰めして渡す

「ありがとう光」

「ありがとう光兄ぃ」

「どういたしまして」

「じゃあ、あこ今日は帰ろっか」

「そうだね光兄ぃ大丈夫って言ってるけどまだ本調子じゃ無いもんね」

そう言って2人は立ち上がり玄関に向かったので玄関までではあるが見送る

「ごめんねリサ何から何までしてもらって今日は本当にありがとう、あこちゃんもお見舞いありがとうね」

俺は2人にお礼を言う

「良いよ別に気にしないで、こっちこそプリンありがとうじゃあまたね」

「光兄ぃバイバ〜イ」

「あっ!リサ帰る前にひとつ頼み事していい?」

「まだなにかして欲しいの?」

「ちょっと待ってて」

俺はそう言って2人に少しの間待ってもらい部屋に戻りビデオレターを入れた封筒と引き出しからヘアピンを取り出し持って行く

「ごめん、ごめんこのビデオレターをポストに投函して欲しんだ」

「あぁそういう事!良いよそのくらいならバイト先にポストにあるし」

「ごめんね、それだけお願い。後さ、2人にこれあげるよ」

俺はさっき引き出しから出てきたヘアピンを2人に渡す

「これってヘアピンだよね?でも青薔薇の飾りが付いてるって事は光の手作り?」

「薔薇の部分だけね、ガラスで作ったんだRoseliaの皆でお揃いのやつほかのメンバーには会った時に渡すよ」

「可愛い~!光兄ぃこれほんとに貰っていいの?」

「うん、もちろん良いよ!あこちゃん達にあげるために作ったからね」

「でも、光ガラスってどうやって加工したの?」

「詳しくは今度話すよ、リサはこれからバイトでしょ?遅れるわけ行かないだろうからさ」

「それもそうだねじゃあビデオレターの方は預かって行くね!それとヘアピンありがとう今度こそまたね」

「またね〜光兄ぃ」

「うん、またね」

2人を見送ると俺は部屋に戻りベッドに横になり枕元のスマホから曲を再生し眠りについた。

 

しばらくして目が覚めると眠る前より頭はスッキリしていた

上半身を起こして軽く頭を振ると横から声が聞こえた

「まだ寝ていた方がいいんじゃないかしら?」

声の主は友希那だった

「あれ?なんで友希那がここに?夢?」

俺が困惑していると友希那が答えてくれた

「夢じゃ無いわお見舞いに来たのよ最も寝ていたしメッセージには家に上がる事も1報しているわ」

「そっかお見舞いに来てくれたんだね、ありがとう」

「別になんて事ないわ、貴方には早く良くなって貰って私達の練習を見てもらいたいもの」

「そうだね、今日はあれだけどさ、治ったらちゃんと練習見るからね」

「お願いするわ、とりあえず今は一日でも早く治しなさい」

「うん、努力するよ」

友希那と話していると部屋のドアがノックされた

「紗夜かしら?」

「紗夜も来てるの?」

「ええ一緒に来たのよ」

そう言って友希那は立ち上がりドアを開ける

「失礼します、光君、具合はどうですか?一応リンゴをすりおろしてきたのですが」

「朝とかに比べたらだいぶいいかな、喉痛くて普通のものって食べられないから、正直助かるよ」

「貴方それで満足に歌えるの?」

「歌は正直厳しいかな、治ったらまた少しずつ感覚取り戻していかないと」

「無理はしないで下さいね光君」

「もちろん。そういえば冷蔵庫の一番下の段に試作したプリンがあるから2人ともよかったら食べて」

「紗夜、申し訳ないけれど持ってきてもらえる?」

「わかりました」

そう言って紗夜は俺の部屋を出てキッチンに向かった

俺は枕元に置いていた体温計で熱を測る、少しして体温計が鳴ったので今の体温を確認する

「37℃ちょうどまだ微熱気味か」

「そのようね」

友希那がそう返答するのと同時くらいに紗夜がトレイを抱えて戻ってきた

「おまたせしました、たくさんあったので結構迷いました」

「結構作ったからね」

「本当にそうね…」

友希那が呆れたと言いたげな表情をしていたがすぐにこれだと思う物を手に取り紗夜と2人食べ始める

「美味しわね」

「えぇ本当に」

「全部食べてもいいけど、持って帰ってもらって平気だから好きなの選んでね」

俺がそう言うと2人はどれを持って帰ろうか悩み始めた

俺はベッドから降りて立ち上がりキッチンに向かう

「ちょっと水飲んで来るからゆっくり選んでね」

「そうするわ」

「私もゆっくり選ばせてもらいます」

2人の返答を聞いてから俺はキッチンに向かい水を飲んでから

紙袋を手に部屋に戻る

「2人とも決まった?」

「私はこの3種類にするわ」

友希那は3色の色合いの物を3つ選んだ

「私はこっちの3つをいただきますね」

紗夜の方は赤と緑と白の3つだ

「紗夜が選んだ奴はさくらんぼとキウイそれに色合い的にりんごかな?友希那のは何種類も味が楽しめるやつだね」

俺はそう説明しながら紙袋と小さな箱に残りを入れて2人に渡してから2人ともそれなりに話をした、その後2人は帰ると言うのでまた玄関前まで見送りに出る

「なんだか気を使わせてしまい申し訳ありません光君」

「お土産まで貰ってしまったものね」

「気にしないで、お見舞いありがとう後、紗夜こっちは明日にでも燐子に渡してくれる?」

俺はそう言ってもう1つ紙袋を紗夜に渡した

「わかりました、後日渡しておきます」

「お願いね、後さ、2人にもこれ渡しとかないとね」

俺はヘアピンを2人に手渡す

「Roseliaのメンバーでお揃いの奴ね燐子のは簡単に包装して紙袋に入れてあるから」

俺がそう言うと2人は何故か呆れ顔だ

「貴方って本当に器用なのね」

「全くいつも誰かのためって言ってこういったものまで作るんですから…」

「2人共なんか呆れてる?」

「「えぇ、呆れて(るわ)(います)」」

「ハモるとこ?まぁいいけど」

「全く貴方って人は、まずもってこんな細かい細工どうしたのですか?薔薇の細工はガラスですよね?」

「あぁ実は数日前にコップ割っちゃって勿体ないと思って簡単なガラス細工に使ったんだよね」

「全く呆れるわね」

「えぇ本当に、でもとても有難いです」

「気に入って貰えたなら何よりだよ」

そんな話をしながら俺は2人を見送るとタオルと着替えを持って洗面所に向かい身体を拭いて着替えた後夕飯を済ませて少しの間寛いでいるとスマホにメッセージが届いたAfterglowの皆からだ、体調を気遣うメッセージが全員から送られてきたのでグループメッセージに心配してくれてありがとうだいぶ良くなったよとメッセージを入れた、それからまた少ししてインターホンが鳴ったので俺はドアを開けると日菜と彩が立っていた

「ひ〜くん!お姉ちゃんに聞いたよ!体調不良だって!どうして教えてくれなかったの?」

そう言って抱きついてきた

「言えないよ自分の体調管理不足でこうなってるのに言えないって」

「でも、光君は私達の為に色々力になってくれたのに、私達が何も出来ないのはもどかしいよ!」

俺はどうしたもんかと考えるがまずは2人を招き入れる事にし家に上がるよう諭す

「2人ともとりあえず中入って、日菜も一旦離れて、靴脱いで家入って」

「わかった…」

日菜は沈んだ表情でそう言って家に上がる

「彩も上がって玄関じゃなんだし」

「うん、お邪魔します」

俺は2人を家に招き入れると飲み物持ってきて2人に渡しテーブルを挟み反対側に座ると再び日菜が抱きついて来る

「日菜?」

呼びかけるが返事はない

「泣いてる?」

そう問いかけると僅かに首を振る

俺は仕方なく日菜が落ち着くまで優しく頭をなでながら

「大丈夫だよ俺はここにいるから」と言い聞かせた

しばらくして落ち着いたのか日菜は俺から離れて俺の横に座った

「本当に大丈夫だから、心配してくれてありがとう」

「うん、ひ〜くん本当に大丈夫なんだよね?」

「大丈夫だからちょっと体調を崩しただけだから」

「本当の本当に大丈夫?」

「うん、もう大丈夫だよ朝に比べてだいぶ体調は良いんだ」

日菜だけでなく彩も心配そうな表情をしている

「そんな顔しないで、俺、誰かに心配されるの慣れてないんだよね、いつも誰かの心配ばっかりだったからさ心配してくれて本当にありがとう2人とも、完治したらまた俺の歌聞きに来てよ」

俺はそう言って笑いかけると2人も笑顔を返してくれた

「ひ〜くんこれアタシ達皆からのお見舞い」

そう言って日菜が手渡してきた袋には数種類の風邪薬とゼリーが入っていた

「ありがとうゼリーは大事に食べるね」

「うん、そうしてくれると嬉しい」

「本当は千聖ちゃん達も来たがったんだけど大勢で押しかけるのもって思って光君の家を知ってる日菜ちゃんとメンバーを代表して私がお見舞いに来たの」

俺は2人気遣いがとても嬉しかった、たまには心配されるのも悪くないなと思わせてくれた

その後俺は玄関の外まで2人を見送り部屋に戻り眠りについた

 

光side両親視点

私達の一人息子の光がたくさんの音に触れたいと旅立って行ってもう1ヶ月になる。その日光から1枚のDVDが届いたどうやらビデオレターのようだ、私はすぐに夫の所へ向かい声を掛ける夫は楽器の調整をしていた

「あなた、光からビデオレターが届いたわよ一緒に見ましょうよ!」

「本当かい?ならさっそく見るとしよう!」

私こと宮村春美と夫の裕一はテレビの前に行き届いたDVDを再生すると私達の自慢の息子光が映っていた

(父さん、母さん久しぶり!こっちに来て1ヶ月が経ちました、今の所俺は元気でやってます色々伝えたい事はあるんだけどまずは俺達家族の思い出の曲遠く遠くを聞いてください)

画面の向こうの光が演奏を始めたこの1ヶ月で更に音に磨きが掛かっている私達も音楽に携わる身だからこそわかる確かな成長を感じられた。画面の向こうの光が歌い出す

『遠く遠く離れていても僕のことがわかるように

力いっぱい輝ける日をこの街で迎えたい

外苑の桜は咲き乱れ

新幹線のホームに舞った見えない桜吹雪思い出す

まるで七五三の時のようにぎこちないスーツ姿も

今では割と似合うんだネクタイも上手く選べる

同窓会の案内状欠席に丸をつけた

「元気かどうかしんぱいです。」と手紙をくれる皆に

遠く遠く離れていても僕のことがわかるように

力いっぱい輝ける日をこの街で迎えたい 』

(父さん母さん俺は今全力でやってるよ夢に向かってるよ遠くから見守っててね)画面の向こうで光がそう言って2番を歌い出した

『いつでも帰ってくればいいと真夜中の公衆電話で

言われたとき笑顔になって今までやってこれたよ

どんなに高いタワーからも見えない僕のふるさと

失くしちゃだめなこといつでも胸に抱きしめてる

遠く遠く離れた街で元気に暮らせてるんだ

大事なのは変わってくこと変わらずにいること』

(俺は元気でやってるからね父さん母さんどんな場所でも俺は俺だからそれだけは変わらないからね)

『同窓会の案内状欠席に丸をつけた誰より今はみんなの顔

見たい気持ちでいるけど

遠く遠く離れていても僕のことがわかるように

力いっぱい輝ける日をこの街で迎えたい

僕の夢をかなえる場所はこの街と決めたから』

光の演奏を聞いて私達は言葉にできないくらいに嬉しい気持ちで満たされていた

「光は1ヶ月で物凄く成長したんだな、男子3日会わざれば刮目せよなんて言うが1ヶ月でかなり変わったな」

「そうね親としては喜ぶべきなんでしょうけど、ちょっと寂しいわね近くで見守れないのも」

「仕方ないさ光が決めて自分で歩んで行く道だ、人より親離れが早い分こうして元気な姿を画面越しでも見れるだけ良しとしようじゃないか」

「本当にその通りね」私たちは再び画面に集中する

(父さん母さん俺の演奏どうだった?俺の成長を確認できたかな?じゃあ次は母さんへ向けて歌います本当は父さんにも曲を用意したかったんだけど俺が知ってるあの曲は父さんへの感謝というより将来添い遂げる人を父さんに報告する内容だから、あれはちょっとね(笑)だから今回は母さんへ向けて歌いますKiroroの未来へ)そう言って画面の向こうの光がキーボードを演奏し始めた

『ほら足元見てごらんこれがあなたの歩む道

ほら前を見てごらんあれがあなたの未来

母がくれた たくさんの優しさ愛を抱いて歩めと繰り返した

あの時はまだ幼くて意味など知らないそんな私の手を握り

一緒に歩んできた

夢はいつも空高くあるから届かなくて怖いね

だけど追い続けるの自分のストーリー

だからこそ諦めたくない不安になると手を握り

一緒に歩んできた

その優しさを時には嫌がり離れた母へ素直になれず

ほら足元を見てごらんこれがあなたの歩む道

ほら前を見てごらんあれがあなたの未来

ほら足元見てごらんこれがあなたの歩む道

ほら前を見てごらんあれがあなたの未来

未来へ向かってゆっくりと歩んで行こう』

光が演奏を終えた時私は涙が流れたなぜなら光自身が覚えいないくらい小さな頃から光が旅立って行った時の写真までか歌の間歌詞に合わせて移されていき、最後の写真には仲良くなったガールズバンドの子達と楽しそうに笑う光の写真が納められていた

「ありがとう光、胸がいっぱいでも言葉にしょうがないくらいに素敵なビデオレターだったわ」

 

光side光本人視点

その後父さんと母さんからもビデオレターが届いた内容はビデオレターを見て泣くほど嬉しかった事が記録されていて最後に父さんのピアノに合わせて母さんが【明日への手紙】を歌っている姿が納められていた

「父さんも母さんも張り切りすぎだよ(笑)2人とも俺に負けず劣らずの音楽好きだよ本当にさ」

俺はその姿を見て本当に幸せ者だと心から感じた

 




第7話いかがでしたか?個人的にこういうシーンがあっても良いなと思う物を詰め込みました次回はいよいよハロハピ編をオリジナルで描いて行こうと思いますのでお楽しみに
次回「笑顔と挫折」

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