【???・?】
暗い…ただ真っ暗な空間を漂っている
落ちているような上がっているような感覚もあるけどやっぱり漂っている
「「…ッ」」 「「…ッ」」
いくつかの声が聞こえる
そしてこれは感情?
いくつかの喜び
いくつかの楽しみ
いくつかの興奮
幸せ、そして憎しみ…
光が見える…いくつかの声のもとから光が滲み出すように
ああ…あの光がいい
足元にある一際大きな光そして歓びのに落ちていく
ゆっくりとゆっくりと落ちていく
【アインクラッド・キリト】
「ぬおっ…とりゃっ…うひぇぇっ!」
奇妙な掛け声に合わせて滅茶苦茶に振り回された剣先が、すかすかすかっと空気のみを切った。
直後、巨大な青いイノシシが、声の発生源へ向かって突進「ふげっ!」と小さく情けない声をあげ、草原を転がるバンダナ男を見て、俺は思わず笑い声を上げる。
「ははは、そうじゃないよ。重要なのは初動のモーションだ、クライン」
「ってて…にゃろう」
毒づきながらクラインと呼ばれた男は情けない声を投げ返してきた。
「ンなこと言ったってよぉ、キリト…アイツ動きやがるしよぉ」
赤みがかった髪を額のバンダナで逆立て、簡素な革鎧に包んだ男とは数時間前に知り合ったばかりだ。
仮に本名を名乗っていれば呼び捨てになどとてもできないがここはゲームの中。
彼クラインも俺キリトもゲーム内のキャラクターネームであるので、さんやくんを付けてもむしろ滑稽なことになる。
「動くのは当たり前だ、訓練用のカカシじゃないんだぞ。でも、ちゃんとモーションを起こしてソードスキルを発動させれば、あとはシステムが技を命中させてくれるよ」
<<ソードスキル>>=<=剣技>>
今、俺達がいるゲーム<<ソードアート・オンライン>>で使用される言わば必殺技の用なものだ。
この<<SAO>>の中では今までのファンタジーMMOでの定番<<魔法>>の要素は大体に排除され、代わりに<<剣技>>が無限に近い数設定されている。
「モーション…モーション…」
呪文のように繰り返し呟きながら、クラインが握ったカトラスをひょいひょい降った。
(ダメだな…これはもう少し時間がかかるかな?)
「ハア…」っとため息をはいたその時
ビシッ!!
「「!!」」
俺とクラインはいきなり発生した音に驚き顔を見合わせる。
「おいキリト…今の音聞こえたか?」
「・・・」
「おい!キリト!!」
「…なあクライン…あれ…何だ…」
そう言って俺は空を指さした
「!…何だありゃ…空が…割れてる?」
「…だよな」
クラインが俺の指さす通り空を見上げるとどうやら彼にも同じ光景が見えてる事から俺にだけ起きているシステムエラーではないらしい
「おいキリト!ありゃ人じゃねぇか!?」
クラインが言う通り空の割れ目から人がゆっくり落ちてくるのが見える
「ああ…確かに人に見えるな…」
しかも…2人いるように見えるの気のせいか?
「こりゃ何かのイベントかぁ?」
クラインが俺の少し特殊な事情からそんな言葉を投げかけてきた
「分からない俺がプレイしたのはあくまで…っ!!」
俺がそれ以上の言葉をだす前に空の割れ目から2人が左右弾きとばされたように投げ出されて先程までのゆっくりとした速度が嘘のように急激に落下速度が上がった
「クライン!よく分からないけどとりあえず助けよう!」
イベントかもしれないしそうじゃないかもしれない…だけど助ける事にデメリットはないはずだ
「俺はこっちに行く!だから…」
俺は落ちてくる1人の方の走り出す
「ならおりゃあっちだな!」
クラインはもう1人の方に向かって走りだしていた
(これは何だ?クラインの言う通りイベントなのか?でもあの<<音>>にあの<<裂け目>>何か変だ…)
どことなく言いようのない不安感が心を巣くう
(だけどそれよりも今は…)
ズシャ…!体をスライディングの要領で滑り込ませ落ちてきた人物を受け止める。
「セーフ…」
俺の腕の中には空色の髪を持つ人物が収まっていた。
(このカラーカーソルやはりプレイヤー…イベントではなかったみたいだな…しかし何故空から?バグか?)
「…っん…ん」
そんな事を考えていると腕の中の人物が目を覚ましそう…いやうなされているのか?SAO…ゲームの中であり得るのかそんな事…
「とりあえず今は…おい!大丈夫か!?目を覚ませ!!」
「…う…っ」
主人公が全然出てきませんでした…