見えない世界で少年は彼女達と出会った…   作:とあるP

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とあるPです。

超超超超超久しぶりにバンドリ投稿になります。



それでは本編どうぞ



エピソード009 羽丘学園での日常

羽丘学園に交換留学生として通学する事になって1週間が過ぎた。最初は慣れない通学路や授業だったが、クラスメイト達の力を借りて徐々に慣れ始めていた。音葉が教室に入ると、声をかけてくれるクラスメイト達も徐々に増え始めた。

 

「…おはようございます」

 

「お、音葉おはよう!」

 

「音葉君、おはよう~」

 

最初に声をかけてきたのは、林田裕也(はやしだゆうや)。クラスのムードメーカー的な彼は音葉に積極的に声をかけてくる。そこから徐々にクラスに馴染めたのも彼のおかげだ。

 

「なぁなぁ音葉!昨日のラジオ聞いたか?めっちゃ面白かったよな!」

 

「うん。そうだったね」

 

「ねぇねぇ今日は誰と一緒に来たの?」

 

林田の話しを強引に割って入って来た彼女は櫻井優香(さくらいゆうか)。実は彼女ある秘密を抱えていた。その秘密とは…

 

「…今日は美竹さんと一緒に来たかな。途中でいつもの(Afterglow)のメンバーが集まったけどね」

 

「そうなんだ!いいなぁ~アタシも蘭様と一緒に登校したい!」

 

「あはは…」

 

実は彼女、Afterglowの熱狂的なファンである。特に蘭に対しては『蘭様』と呼ぶほどのハマりっぷりである。だが、当の本人は気にする様子もない。

 

「…そんなに言うなら一緒に登校する様に言ってあげようか?」

 

「そ、そ、そ、そ、そんな恐れ多いこと出来ないよ!推しは遠くから見守るのが一番なんだから!」

 

「そ、そうなの?」

 

「そうなのよ!」

 

今一つ彼女の気持ちに理解出来ない音葉だった。そして、林田や櫻井の話題を皮切りに色々な人達が話しかける。そんなやり取りを恨めしそうに見ている影が二つ。

 

(う~!音葉くんが皆と一緒に話しをしている…しかも何だか楽しそう…いいなぁ~!あたしとの時もあんな風に話して欲しいなぁ)

 

薄紫色のロングヘアに、透き通った青色の目。そして、音葉と同じくらいの背丈を持つ彼女は大西 沙織(おおにし さおり)。このクラスのアイドル的存在な子だ。

 

そして、もう1人。沙織と同じく音葉を見ているのが…

 

(やはり、櫻井さんや林田さんのような明るい方を好むのですかね?けど、私も負ける訳に行きませんわ)

 

黒髪のロングヘアに茶色の瞳。つり目が特徴で、抜群のプロポーションを持っている子。楠 香織(くすのき かおり)であった。

 

そんな風に2人が思っていると朝のSHRを告げるチャイム音が流れ始めた。すかさず沙織は音葉に話しかけるのであった。

 

「おはよう。音葉君」

 

「…おはようございます。大西さん」

 

「どう?1週間経ったけど羽丘学園には慣れた?」

 

「…う~んまだまだですかね。不安な部分があるのには変わりないけどね。特に移動教室とか入っちゃうと場所とかまだ知らないからね」

 

「そうよねぇ~…あ!だったら、私が放課後色々案内してあげようか?」

 

「えっ?」

 

「ほら、まだまだ移動教室や空き教室とか教えてないからね!」

 

「…そんなこと大丈夫だよ。大西さんに迷惑かけたくないし」

 

「大丈夫よ!私暇だから!」

 

「う~ん「それにね…」うん?」

 

「それに、私音葉君の力になりたいの。1人で花咲川からこっち(羽丘学園)に来た音葉君の…」

 

「大西さん……分かった。お願いします」

 

「う、うん///任せて!」

 

こうして、放課後に沙織は放課後に羽丘学園を音葉に案内するという、大義名分を得たのであった。そんな中羽丘学園で担任をしている美香子(みかこ)先生からこんな提案が出されたのであった。

 

「そうそう、言い忘れていた事があるわ。来週だけどね、音葉君の歓迎会をする事になったわよ」

 

今更ではあるが、そこは言わないのが暗黙の了解である。今まで先延ばししていた理由は音葉の出方を伺っていたのだ。ただでさえ、慣れない場所での不安がある。

しかし、1週間も経ちクラスメイト達とも良好な関係を築けたので、これ幸いにと思い歓迎会を開く事になったのだ。

 

「場所だけど教室でやるから、出来るだけ周りに迷惑をかけないようにね。それじゃあ、SHRを終わります」

 

そう言って、美香子は教室を出ていく。そして、教室内では思い思いのグループを作って、早速作戦会議と行くのであった。

 

「なぁなぁどうする?」

 

「そりゃあ、面白いものにしようぜ!」

 

「賛成~!じゃあさぁ…」

 

そんなやり取りを音葉は聞かないように、廊下に出ようとした時であった。香織が手を出してきた。

 

「僕はここに居ない方がいいかな?…よいしょっと」

 

「あら、音葉くん何処に行くの?」

 

「ちょっと、外に出ていますよ。僕が居たら、皆決めることが出来ないでしょ?」

 

「それなら「私がお供致しますわ。音葉さん」え?」

 

「え?楠さん?」

 

「ええ、大西さんは歓迎会の準備で忙しそうですからね。さぁ音葉さん行きましょうか」

 

「は、はい…」

 

そう言って、音葉の手を強引に取って香織は出て行った。それを見た沙織は、悔しそうに地団駄を踏むのであった。そんな事を気にせず一行が向かったのは屋上。

普段はお昼時間に、ここでご飯を食べる学生が多い。かくゆう音葉もいつもの(Afterglow)のメンバーで食べる事がある。そんな中香織は音葉と一緒に歩いていた。

 

「どうですか音葉さん。学園には慣れましたか?」

 

「…大西さんにも、同じ事を言われました。まだ1週間しか経っていないので、わからないですね」

 

「そうですか…」

 

そして、香織は何を思ったのか急に音葉の手を、自身の胸へと抱き寄せた。突然の行動に音葉は動揺してしまった。

 

「音葉さん!」ギュ

 

「え!?く、楠さん!?」

 

「例え…例え音葉さんがここを去ってしまっても、私はずっと貴方の事を思っていますわ。何なら、この身を捧げても…」

 

「楠さん…」

 

「そんな他人行儀な事を呼ばないで、香織とおっしゃってください…」

 

これを聞いた時音葉は彼女の本気度が伝わってきた。しかし、音葉が出した答えは違っていた。

 

「…ありがとうございます。そんなに僕の事を心配してくれているんですね」

 

「そんな!私はただ「けど…」けど?」

 

「…けど、僕は自分1人でやってみたいです。勉強も日常生活も」

 

「音葉さん…」

 

その言葉を聞いて香織は先ほどの行動を後悔した。彼の為になろうとしていたことは、彼の目標を否定すると…

 

「けど…」

 

「けど?何ですか?」

 

そう言って、音葉は照れくさそうにしながら香織にあるお願いをするのであった。

 

「その…どうしても力が必要になったら、その時は…お願いしますね……香織(・・)さん///」

 

「!…ええ、音葉さん」

 

かくして、2人の仲は一歩前進したかのように見えた。

 

 

 

そして、放課後。音葉は、沙織の案内の下移動教室や立ち入り禁止の部屋等を教えてもらっていた。案内をしてもらっているが、その距離は握りこぶし一個分の近さであった。傍から見たら、付き合いたてのカップルがイチャイチャしているようにしか見えていない。そんなのも気にせず沙織は音葉に教室の説明をするのであった。

 

「ここが、図書室よ。テスト期間は休みの日でも解放されていて、みんなテスト勉強をしているわ。蔵書されている本の数は1万を超えるわね」

 

「…へぇ~凄いんだね。花咲川の倍以上だよ」

 

保健室に理科準備室。美術館や体育館などを案内して行く。そして、最後の教室を案内する事になった。その場所は…

 

「そしてここが……私達の教室です!」

 

「…そうだよね。わかっていたけどね」

 

「えへへ♪どうだったかな?楽しめた?」

 

「…うん。色んな場所があって楽しかったよ」

 

「そっか…良かった///」

 

「…何か言った?」

 

「べ、別に何でもないよ!それよりもさぁ…」

 

ガチャン。

 

「え?」

 

突然教室に鍵がかかった音がして、音葉はびっくりした。それと同時に、音葉に沙織が抱きついて来た。見なくても分かるくらい沙織の匂いが近くに感じる。そして、沙織はとんでもないことを聞いてきた…

 

「…お、大西さん!?」

 

「音葉くんってさぁ……好きな子とか気になる子とかいるの?」

 

「…え?」

 

「どうなの?」

 

突然の事にどう答えればいいのかわからない音葉。そんな音葉に業を煮やして、沙織が答えるのであった。

 

「私はね……いるのよ」

 

「…へ、へぇ~いい事だね。どんな感じの人なの?」

 

「それはね……ヒ・ミ・ツ♪」

 

「え?」

 

「うふふ///女の子はね、秘密が多いほどモテるって言っていたわ。だから、秘密」

 

「…そうなんだね」

 

「ええ…だから、いつか暴いて見せてね」

 

「わ、わかったよ」

 

「それと…私の事は沙織って呼んでくれないかしら?」

 

「…いいの?」

 

「良いも何も私が許可しているのだからいいのよ」

 

「…わかったよ。沙織(・・)さん」

 

音葉から名前で呼んで貰った沙織は、天にも昇りそうなほど嬉しかったらしい。そして、昇降口に降りてきた所をAfterglowのメンバーが迎えてに来ていた。

 

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