やはり曇らせ隊の人材は豊富だなぁ(白目)
ゴオオオオオオ──
今日も今日とてスーハースーハー。暇さえあればスーハースーハー。
どうも、かぐやです。
あれから1ヶ月で、大分常中に近付きました。具体的に言うと、意識して呼吸している間はずっと炎の呼吸です。やはり槇寿朗さんが居ると、成長速度が段違いですね。
今は真剣を持って長時間走りながら、炎の呼吸を維持できるかどうかのテスト中です。
ちなみに持ってみて分かったのですが、真剣の重さは1kgもないらしいです。もっと重い物かと思ってました。
つまり何が言いたいのかというと……ぶっちゃけ余裕。身体強化されてる分、ロリっ
「……ええ、確かに安定していますね。それでは約束通り、型の鍛錬に入りましょう」
ヨシ! 槇寿朗さんからOKが出たので、遂に念願の剣技を教えて貰う段階に入ったぜ、ヒャッハァ!
「はい、よろしくお願いします師匠! それと敬語は不要です!」
「しかし、お館様の姉君にそのような……」
「私はただの隊士候補生として此処に来ています。お館様からも、『本格的に修行して、正規隊員になるのなら、一般隊士と変わらぬ扱いをする』と明言されておりますので」
「ですが……」
「お願いします」
ホント頼むぜ旦那ァ。煉獄さんと同じ顔でそのテンションと口調は違和感バリバリなんよ。
「ん〜〜、あい分かった! ただし、そうする以上、厳しく鍛えていくからな!」
「望むところです!」
やはり槇寿朗さんはこうでなくっちゃ!
しっかし煉獄さんも言ってたけど、本当になんでこの人、あんなロクでなしになっちゃったんだか……
いや、その辺りは気になり過ぎて調べちゃったから、知ってるんだけどね? 二つある原因の内、一つはどうしようもない。
というのも……奥さんがね、病気で亡くなっちゃうのがその一つらしい。
病気にかかる原因が分からないから、予防はできない。正史で行われた治療だって、柱の給料は無制限なのだから、手は尽くしているだろう。私が介入する余地は無い。
だから残念だが……非常に不本意だがッ、
「──まずは壱ノ型からだ。よく見ておけ!」
おっと、余計なことを考えている間に始まったな。全集中全集中。
ゴヲヲヲヲヲヲヲヲ──
炎の呼吸 壱ノ型
炎のような踏み込みから放たれる袈裟斬り。なるほど、これが『型』か……本当にエフェクトが見えるとは驚いた。
でもって2ヶ月ぶりに槇寿朗さんの呼吸見て思ったんやが、私と師匠の呼吸音、なんか違くね?
「あの、師匠」
「どうした?」
「私の呼吸音、変じゃないです?」
「あぁ、自力で気付いたのか。確かに少し違和感はあるが、誤差の範囲だから心配するな。こういった事態は珍しくない。おそらくかぐや様は、炎の呼吸を派生させた先に、本来の適性呼吸があるのだろう」
「……なるほど」
やはり私の──というより、
槇寿朗さんの心を折ったもう一つの原因──原初にして最強の呼吸法、『日の呼吸』
私の予想が合っているなら……アレは産屋敷家の人間が使うことで、真価を発揮する呼吸だ。
……まぁ、アレのことは置いておこう。今考えても仕方のないことだ。
「では一度、やってみますね」
力強く踏み込み、木刀を上から──
「待て!」
「……はい?」
「刀の握り方が間違っている。刀は小指と薬指で握る物だ。手首の自由度が全く違くなる」
「分かりました!」
実際にやってみる。
……お? おぉ、本当に全然違う!
「それと踏み込みだが、力み過ぎだった。力を抜いて、それでいて炎のような勢いを出す必要がある。
「はい!」
これも実際にやってみる。
……、…………。
「……難しいですね」
「ハッハッハ! 呼吸を1日で習得されてしまった時は驚いたが、流石にこれはかぐや様でも難しいようだな!」
「むぅ……ちなみに槇寿朗さんは、これを習得するのにどれくらいかかりましたか?」
「いや、偉そうなことは言ったが、今でも完全にできているとは言い難い。俺も、まだまだ道の途中なのだ」
「……答えになってないです」
「ハハハ、すまない!
そうだな……実戦で通用すると確信できるまで、半年はかかったか」
「半年ですか。ならば
「そうか! 3ヶ月後が楽しみだな!」
────そして、3ヶ月後。
「……どうしましょう、全っ然できません」
「いや、思ったより上達しているぞ! まだ種火程度だが、炎のゆらめきが見えるようになってきた!」
「むむむ……悔しいです……」
「落ち込むことはない! 今のかぐや様なら、最終選別に出てくる雑魚鬼くらいは葬れるだろう!」
「そうですか……」
「……嬉しくなさそうですね。何か気掛かりなことが?」
だってその試験、手鬼とかいう裏ボスのせいで難易度詐欺なんだもん……
──いや、待てよ?
私、
──柱合会議で直談判したら、手鬼討伐に柱を派遣できるんじゃね?
「……槇寿朗さん、最終選別の試験会場に異形の鬼が居るとしたら……どう思いますか?」
「ハッハッハ! 何を言うかと思えば、そんな心配をしていたのか! 安心しろ。あそこに居るのは人を2、3人しか食っていない鬼だけだ」
「それは山に放り込んだ時点での話でしょう? 生き残り続け、受験生を何十人も食い殺し、強くなった鬼が居ないと……本当に言い切れますか?」
「……もしそんな鬼が実在するのなら、大問題ですね。それでは受験生が、餌と何も変わらない」
「次の最終選別の前に、柱合会議がありますよね。私も連れて行ってください。一度
──こうして無事に、異形の鬼は滅された。
それからは年に一度、試験会場に調査が入るようになったという。
*
明治コソコソ噂話:かぐやの一人称は、男の時から『私』だったらしいぞ!