鬼殺しのかぐや姫(リメイク前)   作:しやぶ

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 遊郭編、曇った炭治郎くんは何度見てもイイですね……特に『ヒノカミ神楽が日の呼吸だったなら、どうして……!』と嘆き、自分の無力さに怒るところとか……UFOさんの画力で更に魅力倍プッシュなのもイイです……この調子で天元さんの曇りも魅せてくれ。

 という訳で天元さんが少し曇ります。上弦戦直後からスタートです。


お見舞い(中編)

「──ハッ、ハッ」

 

 花柱 胡蝶カナエは山を駆けていた。

 9月の中旬、まだ夏の暑さが残る時期だというのに……彼女の吐く息は白い。

 

(血鬼術の影響が、ここまで……!)

 

 既に太陽は出ているが……日の光は『血鬼術』を消してくれるものの、『血鬼術によって引き起こされた結果』を無かったことにはしてくれない。進むにつれ目に入るようになった、霜の降りた木々が……敵の強大さを物語る。彼女が震えているのは、きっと寒さだけが理由ではない。

 鴉の先導の下、彼女は走る。その行為に、意味がないことを察しながら。

 

 ──そうして遂に、彼女は目撃する。

 

「──

 

 凍った大地に伏す、女性の姿を。その周囲に広がる、真っ赤な血溜まりを。

 

「あぁ……」

 

 血液は、酸素を含むほど赤い。全体の3割以上を失うと命の危機。それが急激であれば尚更に。

 地面に横たわって動かない場合、気温が10℃以上あっても低体温症になる危険性がある。

 

 ……素人でも分かる。

 女性は──産屋敷かぐやは、死んでいる。

 

「そんなの、ウソですよね……?」

 

 医療の知識を持つカナエは、かぐやが生きている可能性なんて、万に一つも無いことくらい……分かっていた。

 

 ……それでも、縋らずにはいられなかったのだ。

 

 カナエは無自覚に、かぐやを神聖視していた。

 どれだけ強い柱でも、時には傷を負う。そうなった時、彼らは鬼を倒して日光に当たり、蝶屋敷で診察と治療を受ける。つまりカナエは、必ず一度は同僚の弱った姿を見ているのだ。

 そんな中でただ一人、無傷で鬼を狩り続けたのが……かぐやだ。

 

 悲鳴嶼行冥が『最強』なら、産屋敷かぐやは『無敵』だ──隊士達がそう話しているのを聞いて、違和感なく頷ける程度には、カナエもかぐやの強さを信頼していた。傷付いた姿すら見せたことのない彼女が、敗北するなんて──想像もできなかったのだ。

 

 そうしてカナエはフラフラと亡骸に近付き、その身に触れて初めて──かぐやが()()()()()()()()ことに気付く。

 

「熱っ!?」

(え、なんでこんなに体温が──あぁ、そういえば痣者の体温って高いんだったわね──ってそんなこと考えてる暇は無いでしょう私!!)

 

 我に帰ったカナエはかぐやを背負い、蝶屋敷に急行するのだった──

 

 

 

 *

 

 

 

 虹柱が上弦の弍と戦い、意識不明の重態である──その報を聞いた柱達は、すぐに蝶屋敷へ駆けつけた。

 最初に到着したのは、天元だ。

 

「……おい、胡蝶妹」

「なんですか、音柱様」

「姐御は、助かるのか」

「……容態は安定しています。ほぼ確実に、()()()()()助かるでしょう」

「後遺症が、残りそうなのか?」

「その話は、全員集まってからにしましょう」

「……分かった」

 

 そうしてしばらく、重い沈黙が続いて。

 天元がポツリと、呟いた。

 

「三番手、なんだよな」

「……何がですか?」

「上弦の弍。上には壱と、無惨がいる」

「……えぇ」

 

 対し、鬼殺隊は……

 

「姐御は、柱の俺から見ても……派手に別格だった。本当の意味で並び立ってたのは、悲鳴嶼の旦那くらいだ」

「……姉さんも、そう言ってました」

 

(上弦を倒して、派手に柱を辞める──そう決めてたんだがなぁ……まだまだ俺は、思い上がってたってことかよ……)

 

 今代の柱は、『異常』に優秀だ。

 音柱は正直に言って、今代の柱の中では()()()だが……それでも、歴代の柱と比べれば『最上位』に食い込むことは間違いない。

 

 ──もっとも、そんなことは何の慰めにもならないのだが。

 

「……弱いですね。私達」

「……そうだな」

 

 それからまた沈黙が続いて、しばらく。

 四半刻ほどで、続々と他の柱や関係者達もやってきた。こうなることを想定し、かぐやの病室は個室ではなく一番大きい8人部屋を使っていたが……それでも大分手狭になっている。

 

「……それでは全員集まりましたので、かぐや様の容態について、お話します」

 

 そしてしのぶは、想定され得る『最悪』から説明していく。

 

「現状、命に別状はありません。そこは安心していただきたいです。しかし……命以外は、全く保証できません」

『…………』

「だが、命は助かるのだろう!? ならば問題ない! 今まで世話になった分、今度は俺達が、全力で支えていけばいい!」

 

 かぐやを最も慕う一人である杏寿郎が、こうして前を向いている。その事実に、周囲の空気が一瞬上向いて──

 

 

「では炎柱様、こちらの方が()()()()()()()()()()()()()どうします?」

 

「おいテメェ、それはどういう意味だァ?」

 

 普通に聞いたら『喧嘩を売っている』としか思えない発言に、案の定実弥が激怒した。彼以外も、困惑半分怒り半分といったところだ。

 

「日輪刀って、握る人によって色が違いますよね。同系統の色でも濃さや文様が違ったりで、一つとして同じものはない」

「今そんなこたァ関係──」

 

「痣も同じで、()()()()()()()()()()らしいんですよ」

 

 ──空気が凍った。

 それを、態々この場で言ったということは……

 

 

「……オイ、待てェ。まさか……」

「……その、まさかです。かぐや様の痣が──」

 

 

月模様から、()()()()()()()()()()()

 

 

 

 *

 

 

 

 明治コソコソ噂話

 

 

かぐや「え、何ですかこのシーン滅茶苦茶見たかったんですけど。なんで寝てるの私ぃぃぃ……」

 

 尚、月痣かぐやの本性はコレの模様(無慈悲)

 

 本来の路線ではこのことを知る者が限定され、知った人間のみ(具体的に言うと杏寿郎と真菰。そして2人に知らされた耀哉と錆兎)が急激に曇る予定だったらしいぞ!

 

 

『この功績は、元々キミのものだ。盗まれたものは、元の持ち主に返さないと』

 

 そう言って彼は、誰にもその存在を知られることなく、私に全ての功績を掠め取られた上で──跡形もなく消え去った。

 

 病みかぐやルートにおける無限列車編プロットより。

 

 

 実の所、ルート分岐はアイデアロール(あることに気付くかどうか)に成功するかどうかで決まります。病みルートの彼は『気付いてしまった』 こちらの彼は『気付かないフリをした』

 そして柱達も今、悍ましい秘密の一つに気付いてしまった。

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