曇らせ一歩前です。気付いていた方もいらっしゃるようですが、今回は拙作で
これはあまり知られていないことだが、『産屋敷の呪い』は『当主が30になる前に死ぬ呪い』だけではない。
たとえば、『産屋敷の男児は当主となる一人を除いて死ぬ呪い』
正史においても産屋敷耀哉には、多くの兄弟が存在した。ただ彼以外は全員、幼い頃に死んでしまっただけ。
これだけ聞くと、『産屋敷家に産まれるなら女性がいい』と思うだろう。実際、男児へ向けられる呪いの方が多い上に効果が重い。
──だが、
その『呪い』とは──
*
──私が童磨さんを『意地でも助ける』と、そう言った直後。
「オ゛ヴォェッ」
「…………え?」
私は、大量の血を吐き出していた。
日の呼吸も、その型も、全く使っていないのにだ。
「な……なんで──うッ」
倒れ込みそうになる身体を、刀でなんとか支える。
だが止まらない。肝心の吐血を止められない。
どうしてだ? 意識はこんなにハッキリしているのに……
〝──よくやった〟
……この声は、誰だ?
〝お前は本当によくやってくれた。
……言葉の内容からして、まさかコイツ……!
〝
「……ぁ、ぐ、ァああ……!」
──立て。
もっとしっかり立て。日輪刀を構えろ。
「どこ、だ……! どこにいる……!」
声がするなら、魂を視覚で感知できるこの世界なら、見える筈だ。
「
鬼舞辻なんて、本当はどうでもいい。直接の仇は、この世でただ一人『私を愛してくれた人』を呪った存在は、斬れないから。仕方なく憎悪の対象を変えただけ。
──でも、ソレが近くに居るのなら。褒美をやると言うのなら。
「私の前に、出て来い……! 殺して、やる……!」
〝喜べ。お前を『灯夜の娘』として認める。今からお前は正真正銘の『産屋敷』だ〟
「……ぁ゛?」
嘲るような声で『喜べ』と言われた内容に、視界が真っ赤になるほどの激怒を覚えた。
だって、それはつまり
〝さて、産屋敷には
白々しい……!
コイツは、この邪神は……!
〝産屋敷の女児は
〝そうだ! お前は二度と転生できぬよう、魂を擦り潰してやろう!
クッハハ! 恐ろしいか? 恐ろしいだろうなぁ! 恨むなら貴様の父を恨むんだなぁ!!〟
「うあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁあああ!!!」
恐ろしいものか。恨むものか。
だが天国に居るだろう彼が、このことを聞いたなら……きっと、無用な責任を感じるだろう。
「悪魔め……! 姿を見せろ! 細切れにしてやる!!」
しかし当然、神仏を名乗る外道は姿を見せなかった。
そして、心臓に激痛。
「ぁ、が……ちく、しょう────」
ぼくの意識は、ここで途絶え
「──ふヒっ」
*
明治噂話
かぐやを救う方法は至ってシンプル。
『結婚して名字を変える』こと。その場合、産屋敷化を『もう籍入れてますので』で回避可能。
13までに告白して成功するのは杏寿郎のみ。錆兎は成功させられるタイミングが13歳を過ぎちゃうけど、呪いの効果が薄くなって耐えられる。
……だが、彼らは間に合わなかった。