虚無を歩く者がオラリオに現れたようです 作:リバークラスト
夢見の悪さに溜息も出ない。
喪った大切な人々や殺した連中が枕元に立つからではない。
疲れて床についたら早々に人間味の乏しい黒目野郎が現れたからだ。
「リリルカ・アーデの氏育ちは憐れではあるが、何一つ特別ではない。古今東西、世界中にリリルカ・アーデと似た境遇の者達がいた」
黒い霧を仄かにまとう超越存在は独りごちるように語ると、虚無の空間に『場面』を切り取った小さな島が出現し、宙を漂う。
先日の一幕。地下18階層。湖岸での夜。
抱き枕みたくアスラーグに抱えられて眠るリリルカ・アーデ。その様は歳の離れた姉妹が共に寝ているような、あるいは子が母の腕に抱かれているような。
漆黒の双眸をエミールに向け、アウトサイダーが言う。
「いや、家族に愛されなかったという点では、お前も同じだな、エミール」
瞬間、不快感が込み上がるが、エミールは黙して答えない。むろん、アウトサイダーがエミールの反応を気にすることはなく、
「物語において、魔女は常に特別な役割を担う。主人公を導き、助け、救う。あるいは、主人公を襲い、傷つけ、呪う。味方であれ、敵であれ、魔女は主人公の運命を左右する」
顔をすやすやと寝ているアスラーグへ向けた。
「アスラーグ・クラーカはお前を導き、助け、支え、共に戦ってきた。そして、今度はリリルカ・アーデと出会った。お前と共に」
情動の欠片もない口調で語り、アウトサイダーは腕を組んでリリルカへ視線を移す。
「少女は魔女とお前に出会い、運命が変わった。少女の運命を変えたお前とアスラがどんな選択肢を採るのか……」
「何が言いたい」
エミールが睨むと、
「友よ。一つ忠告しておこう」
アスラーグとリリルカからエミールへ目線を移し、アウトサイダーは人間味が欠片も無い声で無機質に語った。
「リリルカ・アーデは『大きな物語』に関わる存在だ。お前と魔女はよく考えた方が良い。少女に関わり大きな物語へ踏み込むのか。それとも、あくまで自分の物語を貫くのか。決断を迫られる時が必ず来る」
「それはどういう――」
エミールの言葉を遮るように、アウトサイダーはその身を虚無に溶かしていく。
「お前の選択を見ているぞ、エミール」
※ ※ ※
毎度のことながら、言いたいことを一方的に言って消えやがる。
「……最悪の目覚めだったな」
エミールは不快感に顔をしかめながら熱したベーコンに卵を落とす。じゅーじゅーと小気味よい音色を奏でるフライパン。
「はー……さっぱりした」
朝風呂を済ませたアスラーグがダイニングへ入って来た。キャミソールとホットパンツという簡素な装いで。
しっとりと上気した薄褐色の肌。濡れた光沢を放つ銀髪。薄着のためまったく隠れていない胸元や腰回りの優美な曲線。惜しげもなく晒された脚線美。
朝っぱらから、エロい。
ダイニングテーブルに着き、ポットを傾けてカップへ紅茶を注ぐ。砂糖とミルクを加え、アスラーグは紅茶を一服。満足げに唸る。
そんなアスラーグを一瞥しつつ、エミールは朝食作りを続けた。
ベーコンから染み出た脂がフライパンに広がったところへ、卵を落としてベーコンエッグを作る。次いで、ラードを塗ったパンをフライパンで焼いて、簡素な朝飯の完成。
朝食を摂りながら、エミールがアウトサイダーとの遭遇を明かし、アスラーグが思案顔を作る。
「リリちゃんが関わる大きな物語、か。私達の目的とは別なのね?」
「奴の口ぶりを信じるならな」
「ということは、リリちゃんの筋……ソーマ・ファミリアは『魔女の心臓』と関与していないのかしら」
アスラーグの推察に、エミールは頭を振りながらベーコンを突く。
「決断を迫られる、という言葉をどう受け取るか、だろう。ソーマ・ファミリアが事に関与していて、俺達が『魔女の心臓』を取るか、アーデ嬢を取るか。そういう話なのかもしれない」
「……出来れば、リリちゃんは見捨てたくないわね」とアスラーグが渋面を浮かべた。
エミールもその意見に賛同したいところではある。『目的』が最優先とはいえ、あそこまで手を出しておいて、今更見捨てることはあまりに不誠実だろう。
「先のチンピラの件もある。ソーマ・ファミリアが敵に回った、と考えても良いかもしれない。予定を変えて、最初にソーマ・ファミリアを片付けるか? 神殺しが不味くても、神を潰すことはできるし、ファミリア自体を壊滅させることも可能だ」
強硬案を提案され、アスラーグはカップを揺らしながら検討し、首を横に振った。
「……いえ。やはり全体的に情報が要る。ギルド本部から情報奪取を最初の一手にしましょう。ただ予定を繰り上げて直接侵入で情報を確保する。彼らが持っている情報を抜き、主目標のイケロス、神酒のソーマ、風俗街のイシュタル、オラリオで重要な役割を担うデメテルとニョルズ、それに闇派閥関係。後は貧民街と地下水路の情報が欲しい」
エミールはアスラーグの意見にウームと唸る。
「オラリオでドブネズミ共が身を潜められる場所は、貧民街か地下水路内くらい、か。どちらも捜索に骨が折れそうだな」
「だから、ギルド本部から手がかりの情報を掴む」
アスラーグは千切ったパンを口にし、青紫色の瞳がエミールを見据える。
「完全な
「幽霊のように、だろう?」エミールは深青色の目を細め「任せてくれ」
黒妖精の美女は大きく頷き、千切ったパンへ視線を落として呟く。
「……ジャムが欲しいわね」
「買ってくるよ。どのみち、装備一式の清掃と整備、その他補充も必要だしな。それにギルド本部の施設情報が欲しいところだ。見取り図や警備体制、機密情報の保管されている場所や内容についての情報も必要だな。あとは」
エミールがにやりと口端を吊り上げた。
「鼠が要る」
★
その日の昼飯時。
諸島帝国の出先商館『ヴィラ・ダンウォール』のある第6区。その一角に軒を置く酒場『ハウンド・ピット』。
中々の賑わいを見せる店内へエミールが入店し、カウンターの端に腰を下ろす。壁の御品書きへ目を向けていると眼鏡の狼人女給がやってきた。
パンツスタイルの女給服は露出が乏しいものの、体の線がくっきりと表れるため、独特な色気がある。
結い上げられた銀灰色の長髪。細面に並ぶアイスブルーの双眸。麗しき狼人女給が折り畳まれたメニュー表をエミールへ渡す。
「いらっしゃいませ。注文が決まりましたら、お呼び下さいませ」
営業スマイルを向け、狼人女給は見事なキャットウォークで去っていく。何人かの男達が尾と共に振られる尻へ熱い視線を送っていた。
エミールはメニュー表を開く。
メモ用紙が挟んであり『任務の用向きならばサーコノスのワインを注文。この紙は読了後に処分を』。
カウンター上にあった灰皿を取り、エミールは燐棒でメモ用紙を燃やしつつ、
「サーコノスのワインはあるか?」
カウンター内にいる強面のヒューマン男性店員に問う。
「サーコノスですかい。地下の酒蔵を覗きゃあ一本ぐらいあるかもしれませんや」
「そうか。なら梨のサイダーで良い」
強面店員は首肯して黒い陶製グラスに砕氷と梨のサイダーを注ぐ。最後にカットしたレモンを差し込み、ペーパーコスターと共にエミールの許へ。
コースターには数字と『裏口から入れ』が書かれていたが、グラスの結露に滲み、すぐに読めなくなった。
エミールは梨のサイダーを楽しんだ後、代金分のコインを置き、『ハウンド・ピット』を出た。
そのまま人目を避けるように裏路地へ入り、人気のない裏路地を進んで『ハウンド・ピット』の裏口へ回る。ドアをノックすると、覗き口が開いて『番号は?』
共通語ではなく、諸島帝国語で問われる。
エミールがコースターに書かれた番号を答えるとドアが開けられ、中へ通された。
人相の悪いドワーフ男に監視されながら、エミールは地下の酒蔵に降りる。
魔導灯が点る酒蔵の中には、酒棚の間にテーブルが置かれており、先ほどの狼人女給が卓上に腰かけて足を組んでいた。腰に巻いた小さなエプロンのポケットから紙巻き煙草の箱を取り出し、両切煙草をくわえて燐棒で火を点けた。
紫煙が漂い、狼人女給の眼鏡が魔導灯を反射してきらりと光る。
「私はジェラルディーナと申します。ラムゼー閣下より、我らに差し支えない範囲で協力を許可されております。本日の御用件は?」
「クロスボウの交換部品。各種矢弾(ボルト)。手榴弾。スプリングレーザーとスタンマイン。可能ならギルド本部施設の見取り図や警備情報などが欲しい」
エミールが要件を告げると、狼人女給ジェラルディーナはエミールを値踏みするように見つめながら、煙草をふかした。
「クロスボウの交換部品は純正品ですが、各種矢弾、手榴弾、スプリングレーザーとスタンマインは本国外の違法模造品となります。オラリオではそれらの正規品が流通しておりませんから」
「構わない」と即答するエミール。「本国の正規品に劣っても、アシがつくより良い」
「この街の衛兵は捜査能力がさほど高くありません。恩恵の効くことはそれなりですが、それ以外は大したことが無い。
「鼻の利く犬が一匹でも居れば、露見する。リスクは冒せない。情報の方は」
冷淡な面持ちでエミールが話を進め、ジェラルディーナは唇を細めて紫煙を吐いてから、答えた。
「用意できます。情報源から漏洩の心配もありません」
「頼もしい限りだ」とエミールは鼻息をつく。
「受け渡しは明後日に」
狼人女給ジェラルディーナは短くなった煙草を卓上の灰皿に押し付けて揉み消し、犬歯を覗かせて微笑む。
「今後、仕事絡みの用向きはこちらに直接お越しください。もちろん御食事に来られても構いませんよ。当店はお金を落とす方をいつでも歓迎しますから」
エミールは思う。
この店はどちらが本業なのやら。
★
エミールが『ハウンド・ピット』の地下で怪しげな取引をしていた頃。
焼けた鉄板の上でじゅうじゅうと脂を爆ぜさせる厚い羊肉のリブステーキ。付け合わせはたっぷり盛られた薄切りのベイクドポテトとアスパラガス。飲み物はキンキンに冷えた果実炭酸水。
リリルカは思わず唾を飲み込む。
ファミリア脱退資金の貯蓄を優先するリリルカは、貧乏苦学生並みの切ない粗食が常だ。豪奢な料理なんて縁が無い。
恐る恐るといった手つきでナイフで肉を切り、羊肉を頬張った。
肉の厚み。歯応え。溢れる肉汁。ソースと絡み合う肉の旨み。
味覚を殴りつける暴力的な多幸感に、リリルカは言葉も出ない。それから無心に肉を頬張り、果実炭酸水を呷り、付け合わせを齧り、再び肉を食らう。
大きなリブステーキはたちまちリリルカの胃袋に消えた。華奢で小柄でも育ち盛りの15歳ということだろう。
「美味しかった……」
食べ終えたリリルカはどこか恍惚とした面持ちで呟く。
「お代わりする?」
気づけば、アスラーグが優しい笑みを向けていた。
ハッと我に返り、リリルカは恥ずかしげに首を左右に振る。
「あ、いえ、もうお腹いっぱいです、アスラーグ様。とても美味しかったです」
「そう? 喜んで貰えたなら良かったわ」
昨日の大立ち回りで装備が傷んだアスラーグは、クロスボウが壊れてしまったリリルカに『新しいクロスボウを買ってあげるから、一緒にお買い物しましょう』と約束を取り付けていた。待ち合わせ後は『まずは腹ごしらえ』と昼食に赴き、リリルカへ300グラムものステーキを御馳走していた。
なお、この場にエミールはいない。今日は別行動とのこと。
食後の紅茶とローズウォーターゼリーが届く。
「リリちゃんのクロスボウを買って、私のレイピアを整備に出して、後は魔導具でも見ましょうか」
「魔導具、ですか?」
「そう。オラリオ製の魔導具で有名なのよ。高位恩恵持ちが作る属性付与の武具とか、魔石を動力に動く便利な道具とかね。“万能者”アスフィ・デル・アンドロメダの魔導具なんかは物凄い額で取引されてるわ」
語りながらアスラーグは『そういえば、彼の人も王族だったか』と思い返す。
諸島帝国の要人だったアスラーグは国際情報にも通じていた。むろん、フレイヤ・ファミリアに属する“彼ら”のことも知っている。
ろくでもない女神によって滅んだエルフ達の話は有名だから。
「リリも聞いたことがあります。“あの”ヘルメス・ファミリアの団長を務めらっしゃる方ですね」
ピンク色のゼリーを突くリリルカの言葉が気になり、アスラーグが微かに片眉をあげた。
「あの、というと?」
「ヘルメス・ファミリアは胡散臭いことで有名です。主神のヘルメスからしてオラリオの外を旅して回って、団員達もギルドの調査系依頼ばかり請け負っているそうで。ギルドの密偵組織かもしれない、なんて噂もあります」
ローズウォーターゼリーを口に運び、上品な香りと甘味、プルプルの食感に目を輝かせるリリルカ。
その様子を微笑ましく眺めながら、アスラーグの冷徹な部分がさっそく思考を始めていた。
なるほど。ギルドの組織規模を考えれば、“そういう”手合いが居てもおかしくはない。連中の耳目に引っかかると面倒なことになるな。
ギルドの密偵組織なら、ソーマやイケロスのような犯罪系ファミリアとは一線を画すだろうが、諜報活動に常識的な倫理は通じない。三年前の件に関わっている可能性もある。
となると、最終的な黒幕がギルドという線も出てくるか。
アスラーグは紅茶を口にして思考を中断する。現状は情報が足りず、考えても想像の域を脱せられない。
「そういえば、リリちゃんとの契約期間もそろそろ満了ね」
気分を変えるべく話題を変えた。
「そう、ですね」
リリルカは眉を下げた。アスラーグ達との契約が満了したら、またろくでもない連中相手に奴隷然と働くことになるかもしれない。出来れば、2人との契約を更新したいが……
「私達としては来月以降もリリちゃんとの専属契約を更新したいと思っているのだけれど」
アスラーグはどこか困り顔を湛える。
「私達はこのままダンジョンを潜り続けるかどうか、分からないのよね」
「? それはどういう……?」
予期せぬ言葉にリリルカは目を瞬かせた。
「私達はダンジョン潜りに重点を置いていない。という話はしたわね?」
「はい」とリリルカは首肯する。「他に稼ぎ口があれば、そちらに切り替えると伺いました」
「私達は不名誉を被り、国を追われた身なのよ。だから、その関係で、出先商館筋からちょっと面倒な依頼を請け負うこともある」
アスラーグは紅茶を一口飲んでから続ける。
「その手の厄介な仕事にはリリちゃんを連れていけない。いろいろと事情が複雑なものだからね。そうなると、私達がダンジョンに行かない間、リリちゃんにはお仕事が無いのよ」
「そういうことでしたら、リリは以前のようにバベルでサポーターの口を探します」
リリルカは残念そうに言った。アスラーグとエミールはこれまでで最優良雇用主だ。雇用条件も報酬も扱いも比べ物にならない。冒険者に昏い敵意と八つ当たり気味な恨みを抱くリリルカが、安心して懐き慕うほどに。
「大丈夫?」アスラーグは心配そうに「先日の件もある。私達が手を出したせいで酷い目に遭うかもしれないわ」
「これまで上手くやって来ましたから。それに、アスラーグ様達のおかげで目標金額まであと少しです。ここで足踏みしたくありません。わずかでもお金を稼ぎたいんです」
リリルカは居住まいを正し、決意を語る。
「そう? でも、リリちゃんさえよければ」アスラーグは妹を案じる姉のような顔つきで「別の働き口を紹介することも出来るかもしれないわ」
「勤め先に御迷惑が掛かるかもしれないので、お気持ちだけで充分です」
リリルカの脳裏に幼き日に出会った老夫婦がよぎる。本当に良い人達だった。クズ共のせいで残念な離別になってしまったが……夫妻のおかげでわずかな間でも幸福な時間を得られたことに、リリルカは今も感謝している。
「エミール様から護身具を頂いていますし、本当に助けが必要になったら、御厚情に甘えさせていただきたいと思ってます」
「……分かった。リリちゃんの意思を尊重するわ。無理しないようにね」
「はい。アスラーグ様」
リリルカが素直に頷くと、アスラーグは満足げに、でも微かな憂いを含んだ微笑を浮かべた。
「そうだ。リリちゃんのクロスボウ。エミールと同じ諸島帝国製の物で良い?」
「え」リリルカは目を丸くし「で、でもエミール様のクロスボウはフルカスタム品でお高いと……」
「ベーシックモデルならそれほどでもないわ。5、6万ヴァリスくらいかな。消耗品や整備キット込みで、プラス5千から1万ヴァリスね」
リリルカは紅茶を吹き出しそうになった。
「そ、そんなお高いもの―――」
アスラーグは慌てふためくリリルカの様子に悪戯っぽく笑う。
「いいのいいの。お姉さんに任せなさい」
★
昼下がり。『ハウンド・ピット』で“商談”を済ませ、エミールは街を散策していた。
精確には偵察を行っている。
借家のある廃教会街区からギルド本部へ向かう道程の路地や建物――その高さや作り、窓の位置などを確認。最も人目に触れないだろうルートを選定していく。
たとえば、屋上伝いに移動するにしても、屋根瓦は音を立て易いし、意図せず踏み砕いたり、蹴落としたりしてしまうかもしれない。また屋根に堆積した埃は痕跡を捉え易い。優秀な追跡者なら足跡から性別体格や体調、技能に性格まで把握する(エミールも出来る)ため、油断はできない。
まあ、恩恵持ちの超人的身体能力と虚無の力を併用すれば、その危険もほとんどないが。
ともかく、エミールは偵察を行いながら散歩を続け、ギルド本部に到着。
冒険者達がダンジョンに潜っている時間帯のためか、万神殿と称す大きな建物は人の出入りがまばらだった。
大量の冒険者を相手にするため、地階メインフロアは非常に広く大きく、天井も高い。ピークタイムとズレているためか、窓口の受付職員も手透きでどこか退屈そうだ。厳重な構造の換金窓口周辺には警備員らしき者もいる。
エミールとアスラーグ担当のえらく事務的な受付嬢、黒髪ショートヘアのヒューマン女性ローリア女史が声を掛けてきた。
「グリストルさん。今日はお一人のようですが、御用向きは?」
「図書室で調べ物を」
「そうですか」
用件の有無を確認すると、ローリア女史はあっさりとエミールを意識から外した。清々しいほど事務的だ。
エミールはローリア女史の態度を別段気にすることなく、ギルド内を歩いて大図書室へ向かう。
内部構造を能う限り頭に収めながら。
後日の”仕事”に備えて。
tips
ジェラルディーナ。
Dishonored2のマイナーキャラクター。原作ではブラックマーケットショップの店主。
本作では狼人女性の闇商人役。
ローリア。
Dishonoredのマイナーキャラクター。原作では娼館ゴールデンキャットの娼婦。
本作ではギルド職員で、えらく事務的な態度の受付嬢になった。