異能駄犬都市 横浜   作:気まぐれな富士山

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第1話 レイシフト

それは、新宿の微小特異点に向かう前の事··········

 

「藤丸君、いきなりだが微小特異点だ。」

「ホントいきなりですね。場所は?」

「場所は日本国、神奈川県の横浜市です。」

「いいよねぇ横浜。海もあり、山もあり、観光名所も名物も山盛りだ。」

「スタメンはどうしましょう先輩。」

「うーんそうだなぁ··········」

 

「主殿!ここは我にお任せを!」

 

一番最初に名乗りを上げたのは、

 

「この牛若丸、必ずや主殿のご期待に応えさせていただきます!」

「牛若!でも、どうしたの急に。」

「現代戦であれ、街中での戦闘であれば、我が八艘飛びの出番かと!」

「なるほど。確かに、牛若丸さんなら適役かもしれないですね。」

「じゃあ、最初は牛若丸。最低5人は欲しいなぁ··········」

「マスター、私も同行させてくれ。」

「アタランテ・オルタさん!」

「近代武器には疎いが、近接ならば得意だ。」

「··········付箋貼った横浜市のパンフレット持ってても説得力ないけど。」

「い、いや違う!決して、決っしてこのフルーツクレープが食べたいとかではない!」

「じゃあ、2人目決定だね。」

 

続いての3・4・5人目は、

 

「横浜か··········。日本には少しばかり因縁めいたものがあるが、それもいいだろう。頼めるかマスター。」

 

キャスター、諸葛孔明。

 

「マスター。此度は少しばかり衛生の悪い場所のようですね。ならば、私自身が消毒に行くべきです。」

 

バーサーカー、ナイチンゲール。

 

「マスター、少しばかり面白い事になりそうだ。私も行くとしよう。なに、戦闘ではあまり活躍できないが、それも一興だ。」

 

ルーラー、シャーロック・ホームズ。

 

「それでは、レイシフト開始します!」

「市街地での戦闘はなるべく控えるように!今回は民間人も巻き込まれる可能性がある!」

「了解!」

 

 

『レイシフト 開始します』

 

 

 

 

「転移、成功。」

『敵影反応、無しです。』

「見事にバラけたものだな。私とマスター、後の者は横浜市内にいるようだ。この様子なら、魔力を感知して集合できるだろう。」

『先輩、孔明さん、注意して下さい。現在この特異点にはカルデアのサーヴァント以外のサーヴァント反応が確認できます。数にしておよそ3基!』

「了解、マシュ。まずは合流を急ごう。」

 

街中を歩くが、思った以上に入り組んでいる。

 

「マスター、あそこの喫茶店に入ろう。」

「そうだね。少し、疲れたし。」

 

喫茶うずまき。なんでもコーヒーに相当の自信があるようで、表には今日のオススメコーヒーなどが掲示されている。

 

カランカラン

 

「いらっしゃいませ〜」

 

初老の男性と若い女性店員の2人だけのようだ。

 

「先生、どうします?奢りますよ。」

「じゃあ、ブレンドコーヒー1つ。」

「あとダージリンティー1つ。」

「かしこまりました。」

 

見れば見るほどモダンというか、お洒落というか、時代を感じる内装だ。

 

カランカラン

 

「おや、先客がいたようだね。」

「いらっしゃいませ、探偵社の皆さん!」

「マスター、僕ショートケーキ!あとミルクティー、砂糖多めでね!」

「乱歩さん!声が大きいですよ!」

「やめろ敦。乱歩さんは止まらない。」

「全く、騒がしいねェ。」

 

「探偵社?」

「何かの探偵のようだな。いや、ウチにも1人いるが。」

「マスター、あちらの方々は?」

「この店の常連客でございます。3階の探偵社の方々でして、ここのところ新人の方が入られたとか。」

 

探偵社、とは珍しいネーミングだ。パンチが効いてるが、胡散臭さも感じられる。事実、社員(?)はみな私服。

 

包帯を巻いたコートの紳士。

白髪の若い青年。

眼鏡をかけた金髪の男。

見た目は子供、探偵服のような格好の少年。

蝶の髪飾りが美しい女性。

寡黙な和服の少女。

 

怪しさの源泉かけ流しだ。

 

「おまたせしました。コーヒーとダージリンティーでございます。」

「ありがとうございます。」

 

孔明の頼んだコーヒーは香りが立っていて、こちらが飲みたくなるような物だった。勿論、ダージリンも甘みと香りが調和していて、最高だった。

 

「なかなか、いい店を見つけたな。藤丸。」

「いやいや、先生のお陰ですよ。」

 

優雅な一時を過ごしていた··········はずだった。

 

次の瞬間、上の階から銃撃音が鳴り響く。

 

「!!!!???」

「なんだなんだ!??」

『英霊ではありません!通常のテロ組織です!』

「通常のテロ組織って何!?」

 

慌てて体を隠そうとするが、店長も店員も誰も反応しない。それどころか、またかという感じでため息をついている。

 

「だだだ大丈夫なんですかコレ!?」

 

近くにいた探偵社員らしき金髪のメガネ男に尋ねる。

 

「あいえ、ご心配なく。よくある事ですので。」

「よくある事!?」

「今度のお詫びの品を配るのは国木田くんの番だよ!前回はアタシだったからね!」

「兎も角、急ぎ戻りましょう。お騒がせしました。店長。」

「いえいえ、私達も慣れっこですから。」

 

まるで通常の会話のように話している。むしろこちらがおかしいかのように。

 

「すみません、驚かれましたよね。」

 

白髪の青年に手を差し伸べられる。

 

「僕もまだ入社したばかりですが、ここではよくある事ですから。」

「テロ組織からの襲撃がですか··········」

「あはは··········しばらく待機していれば終わります。」

「お客様、もう一杯飲んでいかれては如何ですか。お代は頂きませんので。」

「あ、じゃあ··········」

 

銃撃音が鳴り響く中、コーヒーに喉を唸らせるのであった。

 

 

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