これは語られないif。
悲しき龍と道を歩む骸の剣士の話である。

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プリミティブドラゴンが好きすぎて、ノリで書きました。
あくまで妄想のため、あまり深く考えずに見てください。


悲しき龍を纏いし骸の剣士

これは有り得たかもしれない世界の話。

聖剣を使う剣士達の物語の断片である。

 

不幸とは突然訪れる。

ただ落し物を拾って交番に届けようしただけだ。彼女の行為が悪い訳ではない。ただ拾ったものが曰く付きのモノ。

 

一冊の本。表紙はボロボロでとても汚らしい。

興味本位で覗いた中身は、なんの文字で書いてあるか分からなかった。加えてページも所々破けている。

黒魔術とか好きな人が作ったオカルトアイテム的な何かだと思う。

一応誰かの落し物なので交番に届けよう。

本を鞄にしまい、再び歩き始めた時だった。

 

 

 

「見つけたぞ、我々が探し求めた禁書を」

 

 

 

少女の背後から聞こえる声。恐怖を煽るようなねっとりした耳を劈くような不気味な声だ。

恐る恐る振り返るとそこに居たのは異形の姿をした怪物であった。

 

 

 

「さあ、娘

 

禁書を渡してもらおうか」

 

 

 

ゆっくりと少女に近づいてくる怪物。

怪物が言った禁書とは恐らくさっき拾った謎の文字が書かれていた本のことだろう。

少女は突然の怪物の登場に驚き、腰を抜かしてしまう。

 

殺される。

脳裏に過った自身の命が奪われる光景。

死にたくない·····死にたくない·····死にたくないよ!

 

 

 

「バギッ!ボギッ!ドン!」

 

 

 

何が砕ける鈍い音が聞こえる。

何故自分が宙を待っているのか。答えはいたってシンプルだ。

怪物が少女を投げ飛ばした。その時の衝撃音だろう、ろくに受け身も取れずに地面に激突し、身体の至る所の骨が折れたのだろう。その証拠に腕の骨が折れて肌から露出しているのが見える。

 

あぁ··········痛い。

後頭部から温かい液体が漏れ出てくる。血だ。

自身の体から何かが抜けていく喪失感。

先程よりも鮮明に浮かぶ自身の死後の姿が浮かぶ。

短い人生だった。生まれた時から一人ぼっちで過ごしてきたつまらない世界であったけど、何処か名残惜しかった。

せめて大人になるまでは生きたかったな。

 

少女の意識が薄れていく中、ひとつの声が聞こえる。

 

 

 

『まだ··········生きたい?』

 

 

 

誰の声だろう。

少女の痛みを和らげるような優しさに包まれた少年の声が問いかけてくる。

幻聴なのか、それとも悪魔の囁きか··········。

どちらにせよ、答えは既に決まっている。

 

 

 

(生きたい·····)

 

 

 

惨めであろうと·····醜くあろうとも·····生きたい。

未練が残るのは嫌だ。自分がもういいやと思えるくらい、生きたい。

 

 

 

『なら·····僕は君の物語(カラダ)を··········好きにさせてもらうよ··········』

 

 

 

好きにして欲しい。

私が生き続けられるのならそれで構わない。

 

少女が鞄にしまった本が勢いよく中から飛び出すと青白い光を放ちながら、先程までのボロボロだった本は生まれ変わったかのように綺麗な本へと変わる。

 

 

 

プリミティブドラゴン·····

 

 

 

「まさか!!禁書の力を解放したというのか!?」

 

 

 

節々の痛みに耐えながら、ゆっくりと少女は立ち上がる。

何時から持っていたか分からない。

右手にいつの間にか握られている何かの骨を加工したであろう剣を杖代わりに何とか立っていられる。

そして腰に装着された鞘のようなバックル。

何となくだが使い方は分かる。

 

だが·····この力を使えば確実に··········。

嫌·····これが現状で出せる最善の答えだろう。

 

 

 

「砕断納刀」

 

 

 

少女は剣を腰に巻かれたバックルに突き刺す。

そしてプリミティブドラゴンワンダーライドブックをスロットへと挿入する。

 

 

 

『足りないよ·····』

 

 

 

分かっている。

どうせ大した物語ではない。使いたければ使うといい。

 

少女の右手が光る。手の中に収まっていた光は形を為していき、やがては一冊の本へと変化する。

白と黒の二色で構成されたワンダーライドブック··········その名は··········。

 

 

 

BONE OF MY SWORD·····

 

 

 

ボーンオブマイソードワンダーライドブックを開くと、無数の骨の剣が辺りへと被害などお構い無しに突き刺さっていく。

その光景はまるで剣の一つ一つが墓標のように見える。

無意識にプリミティブドラゴンへと合体させる。

 

 

 

「んん··········」

 

 

 

力が抜けていき··········意識が薄れていくような感覚に陥る。

この本が私そのものだと言うのならば··········私はこのドラゴンに束縛されるのだろう。

結果はどうなるかなんて知らない。せめて·········生きる活力をくれた彼の悲しみ位は背負わないと·····。

 

 

 

 

「変身··········」

 

 

『砕断抜刀!!』

 

 

 

『バキッ!ボキッ!ボーン!

 

ガキッ!ゴキッ!ボーン!

 

プーリーミーティーブ! ドラゴーン!』

 

 

 

そこに存在するは骸。

龍の狂骨を纏いし、剣士が佇む。

 

 

 

「フラァク··········それが私の名だ··········」

 

 

 

これは悲しき龍を纏いし少女の語られない物語。




セイバーが終わってしまったのは名残惜しいですが、次回作のリバイスもどのようになるのか楽しみですねぇ。

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