大廃都の山師(仮)   作:くさくさ

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何度も何度も書き直しております。
登場人物の名前がいまだに決まらないため、次の話が書けてません…。


出会い①

 昼過ぎ。グルムは細い路地沿いにある宿屋の二階で目を覚ました。粗末なベットで上半身を起こし、眠気の残る頭で「これからどうするか」とぼんやり考えていた。

 彼は旧世界の遺跡である大廃都を探索する山師の一人である。彼の所属していた一党は一昨日亜竜人(マグ・ドラフ)のテリトリーに迷い込み、ほぼ丸一日亜竜人達に追い掛け回され、途中で仲間達は殺され、なんとか汎人の勢力圏内であるデゲルの街に逃げ込むことができた。

 疲労困憊で街にたどり着いたグルムは、街門側の安宿に転がり込み、水をたらふく飲んだ後、気絶するようにベットへと倒れこんだ。

 仲間は三人いたのだが、三人ともそれぞれ足が遅かったり、欲深かったり、日頃の不摂生がたたり亜竜人に追いつかれ、斧で頭をかち割られてしまった。

 そもそも、肉壁を期待して誘った連中なので、感傷的になるようなことはなかったが、また一から仲間を集めることを考えると少し憂鬱になった。

「次はもう少しましな連中を誘うか……」 

 小さくつぶやいた後、窓を開けるべく立ち上がると、すぐ下の路地から何やら男たちの怒鳴り声が聞こえてきた。

「はあはあ、さ、さっさと、懐にある物、だ、だせや!」

「ぜひゅー、ぜひゅー、い、命は取らねえでや、やるからよ」

 呼吸をひどく乱し、中にはえずいている男達もいた。多分走ってきたのだろう。屑拾いのようだった。山師、冒険者と言われる人種たちの中でも最下層の連中だ。大概の連中は徒党を組んで弱い者から遺跡の発掘品や金品を巻き上げるような犯罪者で、殺人、窃盗ぐらいは朝飯前だ。

 路地の突き当りには、日に焼けた中背だがやけに体格のいい男が(顔立ちからすると中原人のようだ)呼吸を乱した男たちの怒声を浴びて、平然と立っていた。

 路地が狭いため、屑拾い達は渋滞状態だ。屑拾いの先頭に立った、おそらく頭目であろう男が肩を怒らせ、精一杯凄みながら中原人に声をかける。

「もう逃げ場はねえんだ。おとー」

 頭目が言い終わる前に中原人は前蹴りを繰り出し、頭目の膝を逆方向に折り曲げた。急激にバランスを崩し、前のめりに倒れこむ頭目。そして、

「gィ!!!―」

 倒れることも絶叫を上げることも許されず、頭目の顔面に小振りの棍棒が叩き込まれた。頭目の歯の破片があたりに飛び散り、その体は後ろに控えて罵声を上げていた他の屑拾いの群れに叩き込まれた。膝を破壊された頭目を抱き留めた男は、何が起きたのかわからず固まった。

 そして、中原人は次の屑拾いに踊りかかった。

 頭目を抱き留めた男はぽかんと口を開けていたため、そこに棍棒を突っ込まれた。歯をへし折りながら口に棍棒を突っ込まれた男は、声を上げることもままならず、頭目と一緒に地面へと倒れこんだ。

 次の男は右腕を捕まれ、体勢を崩されると足を払われ、そのままバランスを崩し、宙を舞った。そして次の瞬間、まだ空中にあった男の首筋に棍棒を叩き込まれ、意識を失ったまま地べたに叩きつけられた。この時点で、棍棒はついに蛮用に耐えられなくなり、半ばから折れた。

 武器を失った中原人を見て、ようやく正気に返った幾人かの屑拾いは、手に持った武器を構える。

「こ、この野郎…!!」

 中原人は首筋に棍棒を叩き込まれ意識を失っていた屑拾いの両足首をつかむと、そのまま持ち上げ、他の屑拾い達に叩きつけた。

 その後は、屑拾いの体を殻竿のように振り上げ振り下ろし、幾人かを血祭りにあげると、残りの屑拾い達は逃げ出した。

 中原人はその場に残された屑拾いの状態を一人一人確かめ、男たちの懐などを探り、財布や小剣などの武器を回収した後、比較的無事な男の襟首を掴んで何やら噛んで含めるように語りかけると、手を離した。語りかけられた男は、両目に涙を浮かべながら何度も頷いていた。

 騒ぎを聞きつけた周辺の住民は窓や戸から一部始終を見ていたが、最後のほうは化け物を見るような目で中原人を見つめていた。

 中原人はあたりにぐるりと視線を走らせると、意識を取り戻し、立ち上がろうともがいていた男に容赦のない蹴りをくれ、そのままその場を離れた。

 グルムはすぐさま必要な荷物をひっつかみ、扉を飛び出して男の後を追った。

 

 

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