転生チートオリ主が超技術でVtuberを現実に降誕させる組織のボスになるお話 作:水風浪漫
・本作のあらすじ部分の下部に各種資料を基に自作した「オレンジ諸島周辺海域を含むマップ」を掲載したので、よろしければご覧下さい。
映画舞台の意外な位置関係に作っていて驚きました。
追記:くどい表現が目についたので全体的に改訂しました。内容に大きな変化はありません。
追記2:地の文で口が悪いなぁ……って思った部分を修正しました。
三泊四日の家族旅行は、日の出と共に家を出てカントー本土へ向かう観光船へと乗り込む所から始まった。早朝に出向したフェリーはオレンジ諸島のいくつかの島々を経由して、乗客を増やしながら本土へ向かって海を進む。
眠気眼を擦りながら乗り込んだ船が本土に着いたのは太陽が傾き始めた頃だった。マサラタウンの港に着船して、それから船を降りる頃には後数時間もすれば夕暮れ時という、観光目的だとしたら微妙な時間帯になっていた。
初日はマサラタウンの宿で一泊し、明日は別の船に乗り継いでクチバシティを目指す予定らしい。クチバからはバスで数時間も移動すればあっという間にヤマブキシティだという。
しかし、数時間の移動があっという間……? ちょくちょく出張しているお父さんからすると、この程度の移動時間は大した距離ではなくなっているのかもしれない。予想外の部分でサラリーマンの強さを感じてしまった。
今回の旅行、私は恥ずかしながらリアル超能力者に会えるのだと胸をワクワクさせて舞い上がっていたのだが、帰路を考えるとヤマブキシティには一泊しかしないことに気が付いてしまって少し拍子抜けしてしまった。ただ元々お父さんの友達に会うのは旅行中の目的の一つに過ぎないのだから、実は今更な落胆ではあるのだが。
実際、お父さんもお母さんもかなり気合を入れてこの旅程の準備をしてきたようで、フェリーではちょっとお高い船中レストランで昼食をとり、夜もグルメ雑誌で評判の料理が美味しい宿を予約しているらしい。
個人的には、前世の記憶のせいもあってマサラタウンに対する期待度が爆上がりだったのだが、実際に訪れてみれば
いや、決して悪くはないんだ。ただ意外と普通の町だなあ……って思っただけで……。アーシア島の古い伝統が残る海の町って雰囲気の町並みとは違って目新しさは感じるし、マサラタウン自体も有名な観光名所とかは無いにしても十分良い場所だったのは確かだ。
……仕方ないんよ。勝手な期待とは言え、やっぱりマサラタウンと言ったら初代赤・緑の主人公レッド(または女主人公のリーフ)、ライバルのグリーン、さらにはアニメ主人公のサトシの生まれ故郷にして、“ポケットモンスター”の始まりの町なんですよ。
もしレッドやグリーンがポケモンリーグを制覇していたらニュースになると思うけど、それらしいニュースは見たことないし、今もワタルじゃない別の人がチャンピオンだから、ゲーム的にもアニメ的にも原作前なんじゃないかと予想してるんだけど……。
主人公たちが十歳になるの年を原作開始日として今は何年前なのかとか、そもそもレッドやサトシが存在する様な世界なのかとか、考えても答えの出ない疑問はいくらでもある。
とは言っても、やっぱり原作キャラとの邂逅を期待してしまうのは仕方ないというか……転生者がいたら百人が百人同じこと考えるよねっ!?
もしかして会えるのでは? 本物の彼ら彼女らを一目見れるのでは!? って絶対考える!
でも実際そんな都合よくいかないものでありまして……。
オーキド研究所はあったけど部外者が見学することは出来ないし、お母さん達にくっついて歩いてる私には、偶に見かける現地民らしき人に知人を装って「この町に住んでるレッドって知ってます?」と聞き込みをしたりとかは不可能である。
あぁ、我が憧れのマサラタウン……。
勝手に期待して、勝手に落胆する。どうして元気がなくなっているのかと心配されたけど、説明することは
後で落ち着いてから気が付いたけど、これは紛れもない電波発言だった……そんなつもりは無かったのに“自分を超能力者だと思い込んでるエスパー少女デュランちゃん”の状況証拠が着々と揃ってきている気がしてならない。
これが不幸を招いたのかは定かでないが、このエスパー関係エピソードを用いた恥ずかし責めは夕飯の場で思い切り話のネタに使われた。
嫌~! お父さんやめて! 宿屋のお姉さんに「娘がエスパーかもしれないって言うので、ヤマブキシティにいるサイキッカーの友達に確認してもらいに行くんですよ」って詳細に教えないで!!
あらあらまあ! とお姉さんは微笑みを向けてくる。止めてくれお姉さん、その笑顔は私に効く。止めてくれ。
「私の娘なんてアポなしでオーキド研究所に突撃して、オーキド博士
娘がそんなことお願いしてたなんて知らなくて、博士本人から聞かされたときは顔から火が出そうでしたよ~、と本人の関知しないところで恥ずかしエピソードを公開されてしまった娘さんに心の中で合掌する。が、ちょっとだけ親近感。
その後も親同士、子供の話題で会話が弾むようで私のこれまでの数々の(親視点で)可愛らしいエピソードが暴露され続けるというとんでもない事態に……。
あまりに恥ずかしすぎる状況に、私がたまらずトイレを言い訳にその場から逃げ出したことを誰が責められようか。
「もうっ、どうして、お父さんってホント何なの……!?」
一応ちゃんとトイレを済ませた後もあの場に戻る勇気が出なかった私は部屋に戻ろうとするも鍵がなくて入ることが出来ず、仕方なく外で夜風に当たって時間をつぶすことにした。
幸い、夕飯はすっかり食べ終わって歓談に興じていただけなので問題はない。正直あんまり期待してなかったけど、提供されたハンバーグは絶品でした。流石、こんなに(田舎という意味で)親近感の湧く町なのに観光情報誌の「美味しい食事がしたいならココ!」の特集に載るだけのことはある。
道の所々でぽつりぽつりと光る街灯を眺めつつ、晩春の温い風を浴びながら独りお父さんへの愚痴をこぼしていると、不意に頭上からガチャリと音が聞こえた。
見上げると二階の窓から女の子を出している。かなりの美少女さんだったので失礼を承知でじっと見つめていたら、視線に気が付かれたのか目が合ってしまった。
もしかして今の愚痴も聞かれてしまったか、と焦ったけどそれならすぐに目が合っているはずなのでセーフのはず。地団駄を踏んでいるみっともない姿は目撃されていない……はずだ。
あ、ど、どうも……と、精神年齢三十越えのくせに見知らぬ少女を前にまごついていると、パッと笑顔を浮かべた少女が窓から身を乗り出して手招きをしてきた。
「あなた、今日うちに泊まってる子でしょ? もし暇だったら私の部屋に来ない?」
「え、良いの?」
「もちろん! あんまり歳の近い子が泊まることないし、他の町の話とか気になるから聞かせてよ!」
「そ、それじゃお言葉に甘えて」
「……あなた難しい言葉を使うのね。ま、いいわ! 今下に行くから待ってて!」
難しい? って思ったけど、そういえば私まだ五歳だったわ。あの子は私より年上っぽかったけど、離れていても二、三歳差くらいだろう。ふっ、隠しきれない大人の貫禄を見せつけちゃったかな。
少し大人の余韻に浸ってから中に戻ると、ちょうど女の子が階段を下りてくるところだった。
こっちこっち、と私の手を引く女の子はキレイな赤茶色の髪を揺らしながら階段を上がっていく。お風呂上りなのか僅かに潤んでいる体からは、ふんわりと甘い花の香りが漂っていた。
「さ、どうぞ入って!」
「お邪魔しま~す」
「なにか飲み物持ってくるから、ベッドとか適当に座って待ってて」
「はーい」
ばたん、と扉が閉じるのを確認してから部屋を見渡してみる。
ピンク色の花柄シングルベッド、透明マットの敷かれた勉強机、漫画と教科書が一緒に収められた本棚とピッピ人形を始めとする人形たち、そして壁の至るところに飾られているポケモン関連のポスター。勇ましいデザインのポスター群が部屋全体のファンシーな雰囲気を乱していることに目をつむれば、よく整頓された至って普通の女の子の部屋である。
部屋を観察しつつ大人しく言われた通りにベッドに腰を下ろして待っていると、お盆にジュースとお菓子を載せた女の子が部屋に戻ってきた。
グラスにはしっかり氷が入れられているし、お菓子はわざわざ取り分けたのか、2つのお皿にそれぞれ複数種類のお菓子が丁寧に乗せられている。お盆にはいざと言うとき用の布巾も用意されていて、よく見ればお菓子の器を置くためのランチョンマットまで隙なく準備されている。
この幼い子供とは思えない気配りは、流石は宿屋の娘の面目躍如といった所だろうか。
……わ、私だってもし友達が家に来たらこれくらい出来ますし!? ただ遊びに来るような友達がいないだけで! ……やめよう、自分で言ってて悲しくなってきた。
待たせちゃってごめんね~、と謝罪まで頂いてしまって何だか恐縮していると、少女は慣れた手つきでクローゼットから小さめのちゃぶ台と座布団を引っ張り出してきた。まさかのちゃぶ台、しかも結構年季が入っている。
少女はすっ、と子供らしからぬ丁寧かつ自然な動作で座布団の上に腰を下ろした。座り姿は当然のように正座。私に座布団を勧める手は指差しではなく、きちんと指の揃えられた手のひらである。
「さ、座って座って。お話しましょ!」
「え、あ、は、はい!」
「? どうしたの?」
「あ、いや何でもないです、じゃなくて何でもないよ。うん、もう大丈夫」
「そう?」と首を傾げる姿さえ何だか上品に見える。こ、この子グラスを机に置くときも小指を添えて音が鳴らないように気を付けている……!?
い、いかん、呑まれるな私。相手は四~六歳の子供だぞ、少しだけしっかりしていて大人びていた所で、子供は子供―――はっ!
こ、この子! 今のところ私が出会った中で最高の精神年齢の持ち主な子供だ! アーシア島では精神年齢が違う子ばかりで、こんなに違和感なく会話できる子はいなかった。
ち、ちょっと話しただけだし、まだ確信はないけど、もしかすると彼女は私の初めての友達になってくれるかもしれない人なのでは……?
後になって思い返してみると簡単に気づけるのだが、勝手に
その時の私はそんなことに思い当たることはなく、ただひたすら彼女と友達になりたい一心で他愛のないお喋りに臨んでいた。たかがお喋りと侮ることなかれ。私にとっては一世一代の大勝負だったのだ。
最初こそ緊張で固くなってしまっていた私だったが、幸いにも、というか小気味よい彼女のトーク術に救われたと言うべきか、あちらから向けられる質問に答えているうちに緊張も解れていき、お互いに一杯目のジュースを飲み終わる頃にはすっかり気楽になり、純粋にお喋りを楽しむことが出来ていた。
ハナコ、と名乗った彼女は私にとっては何でもないアーシア島での話にもいちいち気持ちの良い反応を返してくれて、時には私が思いもしていなかった観点からの感想で以って、私の思い出に新しい色を描き足してくれた。
生意気なラプラスの話をすれば「きっとあなたといる時が一番素直な自分になれるのよ」と「明日出発前に一度会ってみたいな」とラプラスと私の関係に羨望を向け。
お父さんが私の話を言いふらすと愚痴を話せば「きっとあなたが大好きだからあなたの話ばかりしちゃうのよ」「あなただって結構お父さんとお母さんの話してるの気づいてないの?」と
何と言ったら良いか……楽しくお喋りしていたのに変な表現だが、彼女に終始圧倒されていたというのが正直な感想である。普通に声を上げて笑うし、氷もガリガリ噛むし、何ならお煎餅の欠片だって散らかすけど、それを含めて言葉にするのが難しい器の大きさと言うものが彼女には備わっていたような気がする。
彼女はいつかポケモントレーナーになって旅がしたいらしい。
彼女はこの店でコックをしているお父さんから料理を習っているらしい。
彼女はニャースが可愛くて好きらしい。
彼女はいつかこの店も継ぎたいらしい。
彼女は結婚したら、大きな一軒家に暮らすのが夢らしい。
彼女は結構町の男の子からモテるらしい。
彼女は―――。
気が付けば私は眠ってしまっていて、カーテンの隙間から差し込む明かりで目が覚めた時にはお母さんの隣でベッドに横になっていた。
いつ眠ってしまったのだろうか。
二人でジュースのおかわりを注ぎに行って、食堂スペースでうちの両親と4人で会話に花を咲かせていた少女のご両親に挨拶と料理のお礼を伝えてハナコちゃんの部屋に戻って。
それからまたしばらくお喋りをして、彼女の宝物だという不思議な色の石を見せてもらって……その後あたりから記憶がない。
窓から外を覗くと空は明るくなっていたけれど、太陽はまだ山の影に隠れたままだった。どうやらだいぶ早い時間に目が覚めたようだ。
もうひと眠りしようかな、とベッドに戻って目を瞑ってみたけど、一向に眠れそうな気配がしないので諦める。仕方ないのでスーツケースから着替えを引っ張り出してシャワーを浴びるためにゲスト用のお風呂場に向かって歩いていると、途中でパジャマ姿のハナコちゃんとばったり出くわした。
ぼんやりと眠た気な目は半開きで、さらさらで綺麗だった赤茶色の髪は見る影もなく大爆発している。
「あ、おはよう。昨日はごめんね、途中で寝ちゃって―――」
「ちょっと来て!」
「へ?」
ぐいっと手を掴まれて、慌てた様子の彼女に引っ張られるままに着いていくと、ゲスト用じゃない方の洗面所に連れてこられた。鍵を後ろ手に閉めて一息ついた様子の彼女の話を聞いてみたところ、お客さんにみっともない姿を見せてしまうとお母さんに物凄く怒られてしまうらしい。
「まだ日も昇りきってない早朝だから」と、まさか誰か起きているとは思わず油断していたところで私と遭遇してしまい、とっさの判断で鍵が閉められて自分の身だしなみも整えられる場所に“口封じ”のために連れてきたのだと言う。私としては家の手伝いのためとは言え、毎朝この時間から起きているというのが一番の驚きだった。
「あーホントにびっくりした。なんでこんな早くに起きてるのかな~?」
「そんなこと言われても、目が覚めちゃったもんは仕方ないじゃん。大丈夫大丈夫、ちゃんと黙っておいてあげるから!」
「本当にホントだよ? 絶対に言わないでね?」
「指切りげんまんでもする?」
「する!」
指切りげんまん指きった! と約束を交わしたところで私は話を切り出す。
そもそもの話、私は昨夜に入れなかったお風呂に入るために移動してた途中だったんだけど、ここには入れないから客用の方に戻っていいかな? という問いかけに対してハナコちゃんは少し扉から顔を出して廊下を見回してから、両手を×の字に組んで首を横に振った。
「しばらくお母さんがこの辺歩き回ってるからダメ! こっちの方から歩いて戻るの見つかったら、たぶん、いや絶対にバレて怒られちゃう」
「そうは言ってもお風呂には入りたいし……」
「うーん……あっ! そうだ、ここで入ればいいのよ! 本当は使わせちゃダメなんだけど、私も一緒に入ってシャワーを浴びたことにすれば、あなたに使わせちゃったことはバレないと思うし」
「ほんとに大丈夫……?」
「たぶん大丈夫? ……きっと大丈夫よ! そのうち料理用の買い出しでお母さんもいなくなると思うし、それからココを出れば何の問題もないわ!」
何となく不安な気もしたけど、結局押しに負けて私は彼女と一緒にお風呂に入ることとなった。
「お客さん用よりも狭いのよね~」と言う彼女は年上のお姉さんっ気を出したのか、不慣れな手つきで私の髪を洗ってくれた。お返しに私も洗い返してあげたけど、誰かの髪を洗ったことなんてないので上手に出来ていたか不安である。
お湯は溜まっていなかったからシャワーだけだったけど、二人で温泉とかに入ったとき恒例の背中の洗いっこもして、お風呂上りにはなんと、いつも使っているというヘアオイルを貸してくれた。
今世で使うのは初めだし、前世から数えると三年振りだったせいで若干手つきが怪しくなっていたのだろうか。「使い方教えてあげる。髪は女の命なのよ!」と得意げになっていた彼女に手伝ってもらいながら、久しぶりのヘアケアを堪能したのだった。
ドライヤーで乾かした髪はいつもよりも艶やかで、昨日のハナコちゃんから感じた甘い香りが漂っていた。お揃いの香りが何だか嬉しくて、売っている店と商品名を聞いておいたので町を出る前にお母さんに
それからちょくちょくハナコちゃんが偵察に出て、お姉さんが買い物に出るのを確認してから洗面所から脱出した。作戦は成功である。
私たちは二手に分かれた。彼女は元々予定していた家の手伝いへ向かい、私は今起きてきたような顔をして食堂へ入って行った。
「おはよう! 早いね、一人? お母さんとお父さんはまだ寝てるの?」
「おはようございます。二人はたぶんまだ寝てると思います。私だけなんだか目が覚めちゃいまして」
「そっか、でも早起きは良いことだ! すぐに朝ごはん作るから待っててね。あ、テレビとか自由に見ていていいからね」
「はい、ありがとうございます」
厨房から顔を出したのは恰幅の良いおじさんだった。黒髪で結構
テレビのチャンネルを回しながら島では見られない番組を楽しんでいると、素知らぬ顔でエプロン姿のハナコちゃんが朝食の載ったプレートを運んできた。彼女はちらり、と厨房の方を振り返って父親が奥にいるのを確認すると、ニヤっと悪戯な笑みを浮かべた。それに釣られて私も笑う。
「おはようございますお客様、出来立て熱々の朝食をお持ち致しました」
「おはようございます。昨晩以来ですね?」
「そうですね。ついさっき一緒に背中を流しあった気もするけど、勘違いですよね?」
「奇遇ですね、私もそんな気がしてたんですよ」
うふふふ、あはは、と二人で笑い合う。私が先に堪えきれなくなって吹き出してしまった。もうっ! と怒ったふりをして見せると彼女も口を開けて笑い始めた。
「今日の朝ごはんはフレンチトーストよ! 先に粉砂糖がかけてあるけど、お好みで蜂蜜とメープルシロップをかけて食べてね。おかわりも自由だから好きなだけ食べていって! それと飲み物はついさっき搾ったばかりのリンゴジュース、マサラの名産の一つなの。
それじゃあ私はあっちで食べてるから、フレンチトーストもジュースもおかわりが欲しい時は気軽に声かけてね!」
「えっ、何でわざわざあっちで食べるの? 一緒に食べればいいじゃん」
「でも、お客さんが食べてるときは見えないところで食べるのがうちのルールだし……」
「それは分かるけど、せっかく一緒にいるんだから一緒に食べてもいいじゃん! それにほら、私たちの関係はお客さんと店員じゃなくて、その……友達だし」
「……それもそうね! ちょっとお父さんに一緒に食べても良いか聞いてくるわ!」
善は急げとばかりに彼女は厨房の方へ小走りで戻っていった。その後ろ姿を眺めながら、私は机の下で小さくガッツポーズを作っていた。きっと彼女は何も考えずに返してくれたであろう言葉が、実のところ私がずっと聞きたかった一言だったのだ。
昨晩のことを考えれば言葉にせずともそれ位の関係になれている自信はあった……うん、あったけど、あの一言があるかないかは、ずーっと独りで過ごしていた私にとっては
「友達だしね。一緒にご飯を食べるくらいフツーフツー」
ハナコちゃんと―――友達と一緒に食べるフレンチトーストは、前世で食べたそれよりもとっても甘い味がした。
・自分で読んでいて目が滑りやすい箇所に
・冒頭の観光船はカントー本土への観光客を運ぶのではなく、オレンジ諸島への観光客を乗せて帰る途中の船です。内部にレストランがあるような豪華な定期便なんて、アーシア島に普通は来ないのです。
・元々の予定通りなのですが、世界観はアニメ・ゲームの要素が混在します。
地の文の改行は多い方と少ない方、どちらが読みやすいですか?
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多い方(一段落が短い)が良い
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どちらかと言うと多い方が良い
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少ない方(一段落が長い)が良い
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どちらかと言うと少ない方が良い