仮面ライダー月紅   作:PlusⅨ

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第6話・エピローグ~仮面ライダーJo~

 核を失ったマザーシップが崩れてゆく。

 

 その異次元の城が再び廃棄物へと還っていく様を、丈介たちは峠道に立って眺めていた。

 

「終わったわね」

 

「ああ、終わったな」

 

 丈介はその背に博之を背負ったまま、サエコに答えた。

 

「おじさん……」

 

「お兄さんだ……なんだ、博之君?」

 

「うん…あのね……」

 

 博之が何かを口にしかけた時、エンジン音を響かせて、一台の車が峠道を登り走りよってきた。

 

 車から転がるように飛び出してきた人物の姿に、博之の顔がパッと輝いた。

 

「お父さん!」

 

「博之!」

 

 丈介の背中から飛び降り、博之は父の腕の中へと飛び込んでいった。

 

 しっかりと抱き合う父と子。

 

「あの父ちゃん、捻挫した足で運転してきたのか……無茶しやがる」

 

「親ってのは強いのよ……そうでしょ?」

 

「そうだな。敵わねえよ」

 

 そう答えた丈介の表情は、少し寂しげだった。

 

 サエコの懐で携帯電話が鳴った。

 

「はい、もしもし………そう、判ったわ。ありがとう」

 

 短いやり取りの後、サエコは携帯をしまった。

 

「何だって?」

 

「病院からよ……優子さんが意識を取り戻したわ」

 

 丈介が、あの父親が、博之が表情を輝かせた。

 

「お父さん、お母さんのところに行こう!」

 

「ああ!」

 

 父親は息子を抱き上げ、車へと戻ろうとした。が、その顔が歪む。足首が痛むのだ。

 

「先生、あの父ちゃんに代わって運転してやってくれよ。こんなところで事故を起こして、優子から家族を奪わないでやってくれ。………バイクは俺が病院まで運ぶよ」

 

「ええ、判ったわ。でもバイクは返さなくても良いわよ。あなたにあげる」

 

「良いのか?」

 

「仮面ライダーでしょ。バイクがないと格好がつかないわ」

 

「そうだな……いろいろありがとうな、先生」

 

「礼を言わなくちゃならないのは私達の方よ……さぁ、帰りましょ」

 

 サエコは父子の傍により、事情を話して父親から鍵を受け取った。

 

 三人が車に乗り込んだのを見届け、丈介もモンスターバイクへと跨った。

 

 サエコは車を発進させた。銀澤市街へと向けて、峠道を下り始める。

 

 そのバックミラーの中、丈介の姿が映っていた。

 

 その走り去る後姿が。

 

「丈介……」

 

 サエコは車を止めようとしなかった。

 

 ただ、その後ろ姿を心に焼き付けようと思った。

 

「あ、お父さん!」

 

 後部座席で、博之が声を上げた。

 

「どうしたんだ?」

 

「僕、仮面ライダーにお礼を言おうと思っていたんだ」

 

「あぁ、そうだ。ちゃんとお礼を言わなきゃ……病院に着いたら、すぐに言わないとな」

 

「うん」

 

 バックミラーの中、丈介の姿はもう何処にも無かった。

 

「きっと、また逢えるわよね……ライダー」

 

 

 




次回予告

あれから三年。
仮面ライダー月紅:雄介。
仮面ライダーJo:丈介。
そして、木越。
自分たちの道を探し続ける男たちの運命が、いま、交錯する。



第3部・仮面ライダー~月紅&Jo&鬼~
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