めだかボックス 先生にはなりたくない 作:ストップウォッチ(腕時計型)
「う~、終時せんせ~。なんでウチのこと見捨てたんよ~。」
「いや、あん中に入っていくとか無茶ぶりすんなよ。まあ、なに聞かれたのかは想像つくけどな。てか名前呼びはやめろって前にも言っただろう。」
どうやら周りの女子にだいぶこってり聞かれたらしいな。・・・チッ!こんな事してたらついに来ちまったか。
「猫美、ちょっと下がってろ。」
「へ?どないしたん?」
「いいから下がれ!」
「おいおいどうしたんだよ、釘裏先生。そんなに叫んでよ・・・、!?」
準備も説明もなんもしてねえのにどれだけやれるか。取り敢えずはこいつらを下げねえとな!!!(ドドドドドッ、という音と共に1m程度の釘が夥しい程に、壁、天井、床に刺さる)
「「「おわわああぁぁぁ!!!」」」
下がったら次はこう!!(ズガガガガッ、という天井と左右の壁を突き破って貫通するように刺さる。それは鉄格子のように感じられる)
「おい!これはどういう事だ、釘裏先生!なんで俺らを閉じ込めるみてぇな真似してんだ!さっきのおぞましい気配と関係があんのかよ!」
「雲仙冥加風紀委員長!!そいつらが出てこないように頼んだぞ!そいつに触ろうとする奴も止めてくれ!」
「・・・チッ!後できっちりと話は聞かせてもらうぞ!」
これで一応は準備できたか。応急処置にもほどがあるが・・・。この際四の五の言ってらんねえな!コツ、コツ、コツ・・・、という足音が聞こえてくる。反響しているが、確かにこちらに向かって来ているのが分かる。可笑しいな、さっきまで後ろの生徒らが騒がしかったはずなのに今はあいつの足音しか聞こえねえ。
『理事長室を探してたらなにか大きな音が聞こえてきた。普段の僕なら気にしないけど、そっちの方から女子の悲鳴が聞こえてきた。その女子が助けを求めてるかもしれない。
だから僕は悪くない。』
なあ、
「なんだ、理事長室を探しているのか?ならUターンしてひたすらに真っ直ぐだな。」
「終時先生!そいつとやりあったらあかんで!!なんかウチの勘が言っとる!」
『おおっと!早とちりしないでおくれ。僕は別にこの男の人とやりあう気はないよ。ただ女子を助けたい一心でここに来たのさ。』
「!?」
『そしてあの女子を閉じ込めたのは貴方だ。だから貴方が悪い。だから僕は悪くない。』
「だから名前で呼ぶなと言っただろうに・・・。さて大事な生徒を守るためだ。いっちょやりますかね。」
ー|ー|ー|ー|ー
あれから数分経った、と言っても体感で、だが。球磨川はいつも通り二つの螺子の頭を持って二刀流のように。というかあれで戦うとか今にして思うと握力えぐくない?そこだけならめだかといい勝負なんじゃねえの?んで俺は右手は逆手持ち、左手は順手持ちの二刀流?みたいな感じ。
『考え事とか舐めてるね。あ、いつものことか。』
!??チィッ!!
『いいのかい?僕ばかり気にしてて。向こうの彼女らは大丈夫なのかな?・・・グフッ!!!??』
かなりの嫌な予感がした。球磨川は筋力も最弱だから力任せに蹴りを入れて、その反動で後ろに下がりながらあいつらの方に視線を向けようとすると、螺子が十数本飛んでいくのが見えた。手前に俺の釘(鉄格子)があるし大丈夫かと一瞬思った。しかしあいつらの方に視線が向くとそこには釘よりもこちら側にあいつらがいた。瞬間、俺は背中に冷や汗をかきながら、駆け出す。間に合え!!!
「伏せろ!!!」
ドドドドッ!!!!
幸いかなり放射状に飛んでたからか、間に合いはした。これでこいつらは無事だな。
「カハッ!!!」
「「「「え??」」」」
あくまで
「「「「「釘裏(終時)先生!!!???」」」」」
ガー―ーーッ、とエレベーターの方から音が聞こえる。やっと帰ってきたか。
「え?何?・・・何これ?釘裏先生が串刺し?一体だれが?」
『いいや、【一体だれが?】じゃなくて、彼は自分から飛び込んでああなったんだ。でもどんなアブノーマルでも自分で自分を串刺しになんて不可能だよ。』
「誰だ!」
『おおっと!勘違いしないでくれ。僕がしたわけじゃないんだ。だから僕は悪くない。めだかちゃん久しぶり、僕だよ。』
「ーーーーっ!球磨川っ・・・!?」
「おい、球磨川、ゲホっ!」
「喋ったあかんで!終時先生!!?」
「釘、裏終時、だ。生徒会顧問、をやって、る。以後よろしくな。」
『嫌だよ。でもま、めだかちゃんの顔も見れたし、閉じ込められてもないし。じゃ!明日とか!!』
「・・・猫美。」
「だから喋ったら、(スッ)!?」
「デートは、また、今度にしてくれ。(頭ナデナデ)ごめんな。(ガクッ)」
埋め合わせはするからさ。ちょっと今週は厳しいわ・・・。