至高の一打   作:もぐもぐファンタ爺

106 / 148
先攻 青道

1 神田 セカンド (左)
2 西 ショート (左)
3 栃谷 レフト (右)
4 東 サード (右)
5 柳 センター (左) ○
6 玉森 ライト (右)
7 道川 ファースト (右)
8 岸谷 キャッチャー (右)
9 武藤 ピッチャー (右、右オーバースロー)



後攻 市大三高

1 神宮寺 セカンド (右)
2 石川 センター (左)
3 大前 サード (右)
4 北川 ショート (右)
5 根岸 キャッチャー (右)
6 星田 ファースト (左) ○
7 堀田 レフト (右)
8 上田 ライト (右)
9 天久 ピッチャー (右、右オーバースロー)

2回裏ノーアウト1塁
6-1


夏の西東京都大会 4回戦 part3

「舐めんじゃねぇよ」

 

 

 

ドォン!

 

 

 

「ストライク!バッターアウト!」

 

武藤はストレート3つで、星田を見逃し三振に仕留める。追い上げムードだった市大三高の応援の勢いが少し弱まる。

 

 

パァン!

 

 

「っ!?」

 

SFFを全く捉えられずに、岸谷のミットを二度見する7番堀田を空振り三振に。続けてストレートとスローカーブの緩急差に、体勢を崩した上田を、最後はストレートで空振り三振と、後続を完全に沈黙させた。

 

(省エネで抑えるつもりだったが、北川はやはり別格か。流れを渡さないように少しだけギアを上げたが、他には大前、根岸に気を付ければいいくらいだな)

 

そう判断してベンチに戻る。

 

「武藤!ナイピッチー!」

「さすがエースや!」

 

スタンドからの歓声に応える。

 

「武藤、市大打線はどうだ?」

 

片岡監督に聞かれると

 

「クリーンナップに注意しておけば、そこまでではないです。北川が飛び抜けてますが、そこでギアを上げて打ち取れば問題無さそうです」

「そうか、前の試合投げた真木は無理だが、井手、伊佐敷が控えているから、球数で交代を相談しよう」

「わかりました、油断する気はありませんが、ここで消耗しきるわけにはいかないですからね」

 

渡されたスポーツドリンクを飲んで、ベンチに座る。

 

「5番 センター 柳くん」

「うおおおおお!やなぎぃぃぃ!」

「うてうてえええ!」

 

(青道は相変わらず、打者に対しての応援は激しいな。全員にヒッティングマーチがあるのも吹奏楽部様々か)

 

心のなかで支えてくれている人達に感謝をする。

 

 

 

カキィン!

 

 

 

柳が天久の決め球、スライダーを狙い打ってライトスタンドへ叩き込んだ。

 

「おぉぉぉ!青道!青道!青道!青道!」

「やなぎぃぃ!ないばっちぃぃ!」

 

「6番 ライト 玉森」

「いけいけー!玉森ー!つづけー!」

 

(本当、この打線が味方でよかったよ)

 

 

キィン!

 

 

アウトコースのストレートを逆らわずに右中間へ運び、スリーベースヒットとなる。市大三高側はタイムをとり、内野がマウンドに集まる。打席の外では気合いを入れた道川が天久の表情をじっと観察している。

 

市大三高のタイムが終わり、各自守備位置に戻る。その初球

 

 

 

ガキィン!

 

 

 

高々と放物線を描いた打球は途中で失速し、センターは深い位置で捕球する。

 

「ゴー!」

 

玉森は犠牲フライでホームへ到達し8-1の7点差となる。だが、まだ天久の目は死んでいない。岸谷、武藤を内野ゴロに仕留め、失点を最小限抑える。

 

(最初から天久が先発だったらわからなかったな)

 

そう思いながら武藤は3回裏のマウンドに上がる。

 

 

 

 

 

 

そこからは武藤、天久の投げ合いが続き、6回終了時点で8-1と、スコアが動かない膠着状態になっていた。

 

[空振りさんしーん!天久!なんとか青道打線を7回表も無失点で抑えました!]

 

〈青道打線も天久くんを追い詰めはするのですが、あともう一押しが足りませんねぇ。このまま市大三高は点を取れなければコールドになってしまいますが、どうでしょうか〉

 

[7回裏の市大三高の攻撃は3番の大前からですが、ギアの上がってきた武藤に対して、市大三高は3回裏からランナーすら出せていません。厳しいでしょうか]

 

〈明らかに2回表、根岸に打たれてからピッチングがかわってますね。特にクリーンナップに対して厳しい配球をしてますよ〉

 

[ストライク!おぉ!見てください!151キロです!ここで最速を更新してきました!闘魂エース武藤!]

 

〈いやぁ、ここであのボールを、インコース低めギリギリに投げられたら対応できませんよ〉

 

[大前、打席を外して間を取りますが、続くスローカーブに膝をつく!]

 

〈あの緩急が本当に厳しいですよね。球種も豊富でいくつかの配球パターンがあるのも強いですね〉

 

[空振り三振!最後は天久も投げるスライダーで大前から空振りを取りました!これで1アウト。市大三高はここから次の回に繋げることができるのか?4番 北川が打席に入ります]

 

〈3回目のエースと4番の対決ですね。ここまでは2打数1本塁打ですね。どちらが勝つでしょうか?〉

 

[えぇ、注目していきたいですね!初球、スローカーブがインコースに決まり1ストライク!北川は冷静に見逃しています。2球目はインコースのストレートをファール!武藤のボールに北川ついていきます!]

 

〈手に汗握るとはこの事でしょうか。この勝負を勝ったチームが勝者になる。そんな気がしますねぇ〉

 

[3球目がぁぁぁっと!これは!武藤は必死にボールを掴むがっっ!投げられない!ショートの西が駆け寄る!内野の周りの選手もタイムをとってマウンドの武藤の元へ駆け寄ります!]

 

[これは‥‥大丈夫でしょうか?‥‥武藤は周りの選手に肩を借りて青道ベンチに入ります。武藤の治療のため、しばらく試合は中断となります。]

 

〈これは心配ですね。足でしょうか?直撃してましたね〉

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