至高の一打   作:もぐもぐファンタ爺

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落合コーチ視点


群雄割拠の訪れ
プロローグ


9月、夏の暑さはそのままでありながら、聞こえてくる虫の鳴き声だけは、季節の変化を感じさせる秋への入り口。グッと伸びをして椅子から立ち上がり、コップに残っていたコーヒーを飲み干す。

 

早朝であるからか、比較的冷たい水でコップを洗って、身支度を整えると

 

「いってきます」

 

と小さな声で呟く。娘を起こさないように、そういうパパの配慮は大事である。

 

 

 

青道グラウンドにつくと、結城と影次が既に素振りをしていた。

 

「おはようさん」

 

「おはようございます!」

 

元気な声が返ってきて、実に高校球児という感じがする。朝練の始まる6時まで暇を潰し、ちょうど10分くらい前にグラウンドへたどり着く。

 

国体があるとはいえ、3年生と1,2年生はグラウンドを分けて練習する。新チームを意識させるためではあるが、午後からは合同練習にして、3年生からアドバイスを積極的にしてもらうようにはお願いしている。

 

新チームの構想ではあるが、打順で説明した方がわかりやすいであろうか。

 

 

 

思いきりの良いバッティング。高い身体能力からの守備。天性の走塁センスを持ったリードオフマン。1番 ショート 倉持 洋一。

 

甲子園を経て以前より成長が見られる。パワー不足を補う技術と選球眼を持ち合わせる。守備に関しても期待ができる。2番 セカンド 小湊 亮介。

 

新チームの主将。守備にまだ粗があるものの、打撃に関しては自己研鑽の賜物か、前チームでも状況によっては上位打線を任されるほどであった。主将という立場の重みがどう影響するかわからない中距離バッター。3番 ファースト 結城 哲也。

 

怪物の弟も怪物か。甲子園の決勝で何か掴んだのか、更に化けた新チームの主砲。既に全国区の強打者である。4番 センター 西 影次。

 

肩の怪我から復帰したものの、いきなり公式戦で捕手を任せるには、3ヶ月のブランクは長い。そのため、打撃への貢献を重視し、一時的なコンバートをした。他の者の成長によっては外野固定もありえる。5番 レフト 滝川・クリス・優。

 

チーム1のパワーの持ち主。確実性がついてくればいいのだが。身体を張った守備をするが、どことなく不安定である。6番 サード 増子 透。

 

チャンスはものにするクラッチヒッター。長打力も兼ね備える。しかし得点圏以外の打撃ではイマイチ集中しきれない。守備に関しては問題は少ないだろう。7番 キャッチャー 御幸 一也。

 

 

 

野手ではこの7人がスタメンとして妥当であろうか。全体的に、昨年秋よりもかなりスケールダウンしてしまうのは、致し方ないこと。しかし、クリーンナップとそれ以外との差が激しいのが気になるところ。

 

投手陣はエース伊佐敷を筆頭に丹波、槙原、真木、川上と豊富であり、今年も期待できそうである。打撃の良い伊佐敷、真木を外野手として使う案があるため、8人目となるライトは固定しない可能性は高い。

 

秋の大会への選手登録は済ませており、以下の通りとなっている。

 

 

 

1 伊佐敷 2年生

2 御幸 1年生

3 結城 2年生

4 小湊 2年生

5 増子 2年生

6 倉持 1年生

7 滝川 2年生

8 西 1年生

9 門田 2年生

 

 

 

10 真木 1年生 ピッチャー

11 丹波 2年生 ピッチャー

12 槙原 2年生 ピッチャー

13 川上 1年生 ピッチャー

14 宮内 2年生 キャッチャー

15 樋笠 1年生 サード

16 楠木 2年生 ショート

17 田中 2年生 ファースト

18 遠藤 2年生 セカンド

19 坂井 2年生 外野手

20 白州 1年生 外野手

 

 

 

クリーンナップ以外はどんどん選手を試すため、背番号はほとんど関係ない。というより、打撃に関してはほぼ横ばいで、これからの成長に期待せねばならない面が大きいのだ。

 

片岡監督の言うように、試合を経るごとに成長する。そのようなチームでありたいものだと思う。今の守備練習を見ても、西弟が別格で、それに次いで滝川、あとは小湊、倉持、御幸に光るものはあるが他は心もとない。打撃では西弟、結城、クリスはいいが、他はまた横ばい。パワーがあるぶん増子が目立ち、チャンスで打てるから御幸も良さそうに見える。そういったところである。

 

怪物世代で肥えてしまった目をこの世代に合わせて、しっかりと育成せねばならない。明らかに大きな差を見て、青道の暗黒期と呼ばれぬよう、精進せねばならないなと気を引き締める。

 

不作と言われた2年生、元から粒揃いの1年生を上手く調和させ、1つの良い方向へと向かわせる。すぐに団結した3年生と比べると、2年生はみんなで這い上がってきた、そんなまとまりがあるのだが、1年生は我が強く、やりたいことをやるという毛色が強い。

 

昨年の比ではない重労働、心労の予感に顎をさする手が加速していくのであった。

 

片岡さん、ノックに凄く気合いが入っているナウ。

 








野球関連だと気づいたら書き終わってるものな‥‥日常回って難しい‥‥
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